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議会報告

2026年9月議会

9月議会反対討論

2026年9月10日 綿貫康代議員

私は日本共産党市議団を代表して本議会に提案されております議案第180号ないし184号、189号に反対し、討論を行います。


まず、議案第180号「令和8年度福岡市一般会計補正予算案(第3号)」のうち、路上喫煙対策事業についてです。

本補正は、いわゆる「モラル・マナー条例」改正にともなう分煙施設整備に向けた調査委託費等として2千万円を計上するものです。わが党は、受動喫煙の防止や安全確保の観点から、喫煙に対して適切な規制を行うこと自体には、当然賛成の立場であります。しかし、多額の税金を投入して新たな分煙施設を整備しても、受動喫煙を完全に防止することはできず、市民の理解を得られるものにもなりません。

日本も締約国となっている「WHOたばこ規制枠組条約」第8条のガイドラインには、受動喫煙に安全なレベルは存在せず、換気や分煙施設によって煙を完全に遮断することは不可能と明記されています。しかも、分煙施設の設置場所や構造によっては、出入口や換気口から煙が流出し、周辺の歩行者や近隣の店舗利用者などに新たな受動喫煙を生じさせる恐れがあります。「分煙すれば受動喫煙は防げる」という発想自体が現代の科学的知見に反しており、非喫煙者や子どもたちを健康被害にさらす施設整備に税金を投じることは、公衆衛生行政として看過できるものではありません。

加えて、市長は福岡市を「アジアのリーダー都市」「国際都市」と位置づけておられますが、世界の主要都市において、公共空間の受動喫煙対策の潮流は「完全禁煙」です。行政が税金を使って喫煙設備を整備・誘導することは自ら掲げた看板にすら反する恥ずべき逆行だと言わなければなりません。

さらには、そもそも市が公費を使って新たな分煙施設を整備するということは、喫煙行為そのものを認めるというメッセージになってしまいかねないという問題もあります。いま必要なのは、適切な禁煙区域の設定・周知や実効性のある見守り・指導、健康被害などについての啓発強化です。この本来的な課題に向き合わないままに、2千万円もの税金を投じて調査・設計を行い、今後、分煙施設の建設・維持管理にまで公費を費やし続けることは、受動喫煙の完全根絶に逆行するものであり、到底、市民の理解を得られるものにはなりません。

したがって、わが党は本議案には賛同することはできません。


次に、議案第181号「令和8年度福岡市国民健康保険事業特別会計補正予算案(第1号)」についてです。

本補正は、国の制度改正に伴うシステム改修費の追加約1億円を計上するものです。この制度改正は子どもの均等割減免の対象を拡大するという改善点が含まれてはいるものの、高額療養費制度における自己負担上限額引き上げという社会保障制度の改悪が含まれており、市民へ過酷な負担増を無批判に追認するものであると言わなければなりません。

今回の高額療養費の自己負担上限額引き上げは、重い病気と闘う患者から受療権を奪い、命を脅かす重大な改悪です。高額療養費制度は、がんや難病、心疾患などの大病を患った際、医療費の支払いで生活が破綻することのないよう支える「命綱」であり、国会でもわが党議員が厳しく指摘したように、長期の療養を強いられる患者の多くは、休職や離職によって深刻な収入減少に直面しています。長引く物価高騰が市民のくらしを直撃するもとで、現在の負担上限ですら貯蓄を取り崩しながら必死に治療を続けているのが実態です。

当事者団体からは、「これ以上の引き上げは治療をあきらめろと言うに等しい」「命の選別につながる」と悲痛な叫びが寄せられ、切実な抗議の声が全国で上がっています。「能力に応じた負担」を口実に、病気にかかった市民へさらなる自己責任を押しつける暴挙は、憲法第25条が保障する生存権を根底から揺るがすものであり、断じて容認できるものではありません。

地方自治体の本旨は「住民の福祉の増進」であり、国の悪政から市民のいのちとくらしを守る「防波堤」となることこそが、本市に課せられた最大の役割です。市長がなすべきは、国に唯々諾々と従いシステム改修費を計上することではなく、患者と市民の命を守る立場から、国に対して負担上限額引き上げの即時撤回・見直しを毅然と求めることであります。

よってわが党は、患者を治療断念の危機へと追い込む国の制度改悪に加担する本議案について、賛成することはできません。


以上でわが党の反対討論を終わります。

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