政策と活動
自民党・公明党により繰り返された約束破りの
正副議長職「たらい回し」に抗議する
2025年6月30日 日本共産党福岡市議団
6月議会の最終日、打越基安議長(自民党)と松野隆副議長(公明党)が任期半ばで辞任し、議長選挙の結果、平畑雅博議員(自民党)が議長に、尾花康広議員(公明党)が副議長に選出されました。
地方自治法には、正副議長を議員の中から選挙し、その任期を議員の任期(4年)とすることが定められています。福岡市議会では最大会派の自民党とそれに次ぐ公明党が議長・副議長にそれぞれ就任することが続いてきました。
ところが自民党の議長が任期途中で議長職を辞し、別の自民党議員がそのポストに選出されるという実質的に「短期交代制」ともいうべき事態が、これまで頻繁に繰り返され「『議長経験者』という肩書きや名声を得んがために、議長職のたらい回しをしているのではないか」という疑問・批判が市民の中から上がっていました。
議会の様々な役職については、すべての会派や議員の合意のもとに慣例的な運用をすることはあり得ますが正副議長職については「短期交代制は、法の趣旨からして適当ではない」 (『逐条地方自治法』)「議長交代制をとっている例が見られるが、法定どおり四年とすべきである」(『議員必携』)と言われるように、大会派の思惑だけで、ポストを私物化し法律の規定をねじまげることは許されません。
わが党は議長職の任期途中での辞任が起きるたびに、この立場から対応し、任期を全うするよう粘り強く働きかけてきました。
そうした中で2009年に「正副議長は任期を全うする」「市民の信頼と議会の権威を高めるために今回のような行為は二度としないことに努力する」「以上の2項を確認事項として各派遵守する」という3点での申し合わせが代表者会議で成立しました。2017年さらには2021年に同様の問題が起こった際もこの合意は再確認され、これが福岡市議会での全会派が合意した基本ルールになっています。
にもかかわらず、今回このルールを議長・副議長がまたしてもそろって破る事態となりました。
任期の途中で、正副議長を辞する場合、地方自治法上、議会の許可が必要であり、正当な理由がなければなりません。わが党は、打越議長と松野副議長が全く同時期に辞任する理由について、具体的にただし、それぞれ「思ったよりも激務だった。もう潮時」「家族の介護」などを挙げたものの、議員を続けながら、正副議長職のみを辞すほどの根拠として到底納得できるものではありませんでした。また両議員が所属する自民党・公明党も「本人が辞めると言っている以上仕方がない」と述べるなど、両議員が任期を全うするための具体的なサポートに努力した形跡は見当たりませんでした。
打越議長については、自身の政治資金パーティーにコンパニオン10数名を自身の経営する派遣会社から派遣し10数万円支出したことがわが党の調査でも明らかとなり、「到底政治活動に対する支出とは言えず、市民に説明すべき」とのわが党の申し入れに対して「全く問題ない」と開き直った経緯があります。また、対外的な会合等での言動についても「軽率」「職権乱用」などの批判が絶えず、議長職にふさわしくないとの指摘もありました。今回の辞任の理由についてわが党は「自らの振る舞いが議長にふさわしくないと判断したのか」とただしたところ「誠心誠意やってきた。恥じるところはない」と述べ、反省のかけらもありませんでした。結局「正当な理由」に相当するものは見出せず、ポストの「たらい回し」であると断ぜざるを得なかったため、わが党は、本会議で正副議長の辞任に反対しました。
わが党は代表者会議で、あらためて「申し合わせ」についての認識を問いただし各会派は「重く受け止めている」と回答したため、わが党が申し合わせに「重く受け止め」という文言を付け加えることを提起し全会派がこれを再確認しました。今後どの党であれ約束破りを繰り返す事は絶対に許されません。
日本共産党市議団は、自民党・公明党による正副議長職の「たらい回し」に厳しく抗議するとともに、議会に対する市民の信頼回復と議会の公正で民主的な運営を実現するため、引き続き全力を尽くすものです。
以上