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議会報告「発言と答弁」全文
2025年9月議会
中山郁美市議の議案質疑 発言と答弁全文
音声をもとに党市議団が文字起こしし、順番をわかりやすく組み替えたものです
中山市議私は、日本共産党市議団を代表して、議案第168号一般会計補正予算案のうち、香椎川における地下河川建設並びに小・中・特別支援学校における給食運営費の増額補正について質疑を行います。
香椎川溢水問題
(1問目)
中山市議今回、河川水路改良費として4億7800万円余の増額補正が計上されており、そのうち3億8500万円余は東区を流れる香椎川の一部地域で進められている地下河川建設に係る経費の総額であり、洪水対策として本市においては初めてとなる地下河川方式が採用され現在その作業が進められております。そこでまず、香椎川における地下河川整備が必要となった理由及び経緯並びに3億8500万円余の内訳について説明を求めます。
また、今回、年度内完了の目途が立たず繰越明許補正も計上されておりますが、来年度に繰り越すことは、早急に行われるべき水害対策にとって大きな痛手だと思いますが、ご所見をお伺いします。
道路下水道局長香椎川における地下河川建設についてお答えいたします。まず、地下河川の整備が必要となった理由と経緯についてでございますが、香椎川は平成11年6月29日の豪雨などにより浸水被害が生じたことから、河川の治水安全度の向上を図る河川改修を検討してきたところでございます。その中で二つの鉄道橋が交差することや、沿線にマンションなどの住宅が密集していることから、河川の拡幅は困難であり、地下河川方式を採用しております。地下河川につきましては、平成26年度より事業化し、令和4年度から地下河川の本体工事に着手しております。
次に補正額の内訳についてでございますが、インフレスライド条項に係る費用として約1100万円、シールド坑のローラーカッター交換にかかる費用として約1億100万円、流入施設坑の施工方法変更に伴う費用として約9500万円、その他掘削添加剤の添加量の変更や、工期の延長に伴う費用などで約1億7800万円を追加するものでございます。
最後に工事の繰り越しについてでございますが、地下河川工事を進めるにあたり、工事を安全かつ確実に施工するためにやむを得ず工期を令和9年3月まで延長するものでございますが、できる限り早く治水効果が発現できるよう、引き続き工事を進めてまいります。以上でございます。
中山市議次に、この地域の洪水・水害の状況についてです。先月8月9日から12日にかけて本市において東区と西区を中心に断続的に豪雨が襲い、一部地域においては河川の護岸への被害や溢水による周辺家屋への床下・床上浸水が発生する事態となりました。本市においては9日22時15分に災害警戒本部が設置され警戒と情報収集が行われました。そこで、9日から12日に至る福岡管区気象台からの本市に対する大雨警報と洪水警報の発表状況及び解除情報を時系列でお尋ねします。併せて、低い土地への浸水や河川の増水に対する警戒の呼びかけについてはどのように行ったのか、同様にお尋ねします。
市民局長香椎川の大雨対応についてお答えをいたします。まず、警報の発表や警戒の呼びかけなどにつきましては、8月9日21時16分に大雨警報が、翌10日13時55分に洪水警報が発表され、18時30分に香椎川、浜男川などに、また18時45分に多々良川に、19時に宇美川などに避難指示を発令しております。翌11日10時41分には洪水警報が解除され、11時に全河川の避難指示を解除。16時22分に洪水警報発表。18時38分に洪水警報解除。翌12日の20時30分に大雨警報解除となっております。また、避難情報につきましては、テレビやラジオの他、市ホームページ、防災メール、市LINE公式アカウント、また避難情報配信システムなどのツールを用いて発信をしております。
中山市議今回の大雨によって、香椎川の水位も上昇し、SNS上では住民から注意を呼びかける情報や議案となっている香椎川の該当地域の一部である香椎2丁目から4丁目付近についても同様の情報が投稿され中には被害を伝えるものもありました。そこで、本市の災害警戒本部としては、該当地域の近辺で最も水位が高くなった時刻と水位についてどう把握していたのか、答弁を求めます。
市民局長香椎川の最高到達水位につきましては、上香椎橋に設置した水位計で、8月10日17時50分に2.46mを観測しております。
中山市議この地域では今回も溢水が起こり、浸水被害に見舞われた家屋も一定数あると聞いております。そこで、溢水による浸水等の被害はどうだったのか被害の内容と件数についてお尋ねします。また、被災者に対して市としてどう関わっているのか答弁を求めます。
市民局長香椎川周辺の浸水被害につきましては、8月10日時点で床上浸水1件、床下浸水13件、車両被害1台となっております。次に被災者に対しましては、市ホームページで被災者支援関連制度をご案内するとともに、区役所での罹災証明申請の受け付けに際しては制度の案内を行うこととしております。
中山市議髙島市長はこの期間中の11日、SNSのX上で住民の投稿に対してコメントしこれを後に訂正し「お詫び」するという事態になりました。そこで、そもそも該当する住民の投稿はどういう内容だったのか、それに対して市長はどうコメントしたのか、更にそれをどう訂正したのか日時を含め説明を求めます。
市民局長住民によるSNS投稿につきましては、「香椎川氾濫!気をつけて」という文章とともに、氾濫の映像がXに投稿され、市では8月10日18時頃にこれを把握したものでございます。また、市長のSNS投稿につきましては、大雨のピークも過ぎ、全ての河川に対する避難指示が解除された後の8月11日14時過ぎに災害警戒本部からの「偽情報動画があった」旨の報告に基づき、インスタグラムなどで、「SNSへの虚偽情報動画の投稿はやめてください」との趣旨の投稿がなされ、その後、動画は事実の可能性が高いことが確認され18時30分頃に当該投稿については取り下げられたものでございます。その後、河川氾濫に関する投稿は事実と確認ができたことから、同日22時ごろに市長が自身のインスタグラムなどで「お詫びと訂正」として、「先の判断に関する投稿は、実際に発生していた事象を撮影したものであることがわかりました」とし、誤った情報を発信してしまったことへのお詫び、誤認に至った理由、今回の反省と投稿者ご本人への謝罪などについて投稿されたものでございます。
中山市議行政、ましてや首長による情報は信頼できるものでなければなりません。とりわけ災害に関するものは正確さを期さなければ住民の命に影響を与えます。昨今、SNSによる情報については一瞬にして拡散されるものであるためにフェイク情報の問題などもあり、その活用について議論になっているところであります。今回の高島市長による誤った情報発信については厳しく検証されなければなりません。そこで、今回の経緯について市長自身による説明と誤った情報をアップしてしまったことについて、ご自身の所見を伺います。
市長まずは市民からの投稿を偽情報として取り扱ってしまいまして、投稿された方に不快な思いをさせたこと、また市民の皆様や関係者の皆様に混乱やご心配をおかけしたこと、心よりお詫びを申し上げます。私自身としては今回の件を重く受け止め、より冷静かつ正確な情報をお届けするとともに、福岡市としても今回の対応における情報の取り扱いなど一連の活動について検証を行ったところであり、その結果に基づく改善に取り組み、再発防止の徹底に努めてまいります。
(2問目)
中山市議地下河川の必要性については、局長さらっとおっしゃいましたが、この香椎2丁目、4丁目近辺は過去度々洪水に見舞われた地域だということであります。また、工期については短縮を目指すことを表明されました。過去度々浸水被害が起きている地域ですから、おっしゃったように、安全には留意しながら、早期の完成を求めておきたいというふうに思います。問題は、8月9日から12日にかけての大雨で、この地域がどういう状況で、市の対応がどうだったかということであります。答弁によると、福岡管区気象台から大雨警報が出されたのは、9日の21時16分、同時に洪水注意報が出されています。これを受けて同時刻に福岡市災害警戒本部が設置され、本部長には危機管理監が就任されました。この後に断続的に大雨が襲い、私の確認では日付が変わった10日の0時15分に線状降水帯が発生し、市は防災LINEでそのことを伝え、このときに土砂災害や低い土地の浸水や河川氾濫への警戒を呼びかけています。しかし、これは一般的な呼びかけであり、地域は指定していませんでした。そして洪水注意報から「警報」に変わったのは10日の13時55分です。さらに17時32分にも「土地が低い地方では、翌日まで浸水や増水に警戒する」よう防災LINEで呼びかけたということなんですが、この時点でも特定の地域指定はしておりません。今回議案となっている地下河川建設予定地である香椎2丁目から4丁目周辺の水位が最も高くなったのは答弁の通り10日17時50分の246cmでした。氾濫危険水位は183cmとされており、既にこの時点で60cm以上上回っていたわけです。ところがこの時点で避難指示が出されていたのは土砂災害警戒区域に対してのものだけであり、洪水を理由とした避難指示は出されておりません。この一連の動きを振り返ると、当時の災害警戒本部の対応には、大きな問題があったのではないか、答弁を求めます。また市長は、これ先日の記者会見でですね、「あそこはどこよりも早く避難指示を出した」と述べられたんですけれども、洪水に対する避難指示は出されておらず、この発言は事実でないと思いますが、答弁を求めます。
市民局長先ほどの私の答弁で香椎川周辺の浸水被害につきましては、8月10日時点でと申し上げましたが、8月18日時点でございました。お詫びして訂正をさせていただきます。香椎川の大雨対応についてお答えをいたします。まず災害警戒本部の状況把握等についてのお尋ねですが、本部では、気象情報等の収集・監視を行い刻々と変わる状況に応じて総合的に判断をし、避難情報の発令等を行っており、防災メール、LINE、市ホームページ等を活用して、土砂災害および河川氾濫ともに、避難発令の対象地域となる町丁目や災害時にとるべき行動などを広く周知しております。次にお尋ねの避難指示につきましては、市内の河川では最も早く香椎川などに避難指示を発令しているものでございます。
中山市議この時間帯には実際に香椎川から水があふれ周辺に被害が出始めて、SNSのXなどには「水があふれた」との複数の情報が投稿されました。市民局長の答弁では市が把握しているだけでも、香椎2丁目から4丁目付近では浸水被害が14件生じており、車両被害も1件生じていることから、当時の住民からの情報は信憑性の高いものだったと考えられます。しかし高島市長は答弁の通り、10日の18時前後に投稿された「香椎川氾濫!気をつけて」という車の水没動画付きの書き込みを嘘と決めつけて、翌11日「虚偽情報動画はやめてください」などと誤った投稿を行い、当日22時頃にこれを訂正し、お詫びする事態となりました。答弁で市長は確認などの甘さについて言及されましたが、そもそも虚偽だと判断した根拠は何だったのか、詳細な説明を求めます。
市民局長住民の投稿を判断した根拠についてのお尋ねですが、当時の災害対応としましては、それぞれの役割において、避難指示の発令や避難所開設、被害状況の現地確認など必要な対応を行っております。その後の雨が小康状態になった中での確認において、動画は18時頃に投稿されているが、18時30分頃に現地確認した際の情報では動画のような大規模に見える氾濫状況が確認できなかったこと、また、そのような判断があったとすれば、短時間のうちに収束することはないとの思い込みがあったこと、香椎川に設置している近傍の水位計では判断を確認できなかったこと、当該動画の投稿者のアカウントが数時間後に削除されたこと、通常、河川氾濫が生じた場合に、市に寄せられる多数の通報などがなかったこと、こうしたことを総合的に判断し当時は投稿のような氾濫はなかったものと誤った判断を行ったものでございます。
中山市議そもそもこの地域は、水害常習地域であるからこそ、被害をなくすために地下河川を建設することになっているわけです。今回のような大雨が襲えば当然この地域の被害が懸念され、市としては、迅速かつ正確な状況把握を行わなければなりません。状況把握がなされていれば、今回の市民による書き込みを虚偽と判断することはなく、むしろ重要な情報として活用できたはずなんです。そこで、10日の17時以降、現地の確認および水位計の動向確認はどのような体制で行ったのか。市長はこの時間帯にはどこで何をしていたのか。また、現地の状況をどこでどのような方法で把握したのかお尋ねします。また市長は今年1月に現地で行われたか香椎川地下河川建設におけるシールドマシンの発進式に参加したのに、この地域が水害常習地域という認識を持っていなかったのか。お尋ねいたします。
市民局長8月10日17時頃の現地確認につきましては、18時30分ごろ、道路下水道局の職員が行ったものです。また、水位計モニターによる動向確認につきましては、本庁15階の災害警戒本部室において、情報収集整理班の職員が行っております。次に、市長への現地状況の報告につきましては、本庁15階会議室において、災害警戒本部室職員が対面にて行ったものでございます。次に香椎川につきましては、今回の溢水があった付近で過去に冠水があったことは承知をしております。こうした情報の取り扱いが不十分であったことが錯誤招いたものと認識をしております。
中山市議市長は翌11日の午後に、事実を「虚偽」と誤認した書き込みを行った、こういう答弁がありましたが、その日は何時から何時まで登庁したのか。つまり役所に来たのか。災害警戒本部との協議はどのように行ったのかお尋ねします。
市民局長8月11日における市長と災害警戒本部との協議につきましては、11時40分ごろの対面での報告以降は電話で行っております。
総務企画局長 市長は8月10日の夕方ごろ退庁し、その後は災害警戒本部と連絡が取れる体制を維持しつつ、随時本部から電話等により報告を受けておりました。また、8月11日は昼前に登庁し、災害警戒本部から大雨に関する報告を受け、14時頃に退庁しております。その後は災害警戒本部と連絡が取れる体制を維持しつつ、随時本部から電話等により報告を受けておりました。以上でございます。
中山市議そもそも高島市長は災害警戒本部の本部長ではありません。本部長は危機管理監です。それなのに今回、本部からはまともな情報を出されない中、本部長でもない市長がなぜか「嘘はやめろ」と発信して失態を犯したというものです。会見で市長は自らが投稿したことに関わって「自治体よりも市長個人のフォロワー数が多いこともあるので」と述べられましたが、福岡市公式LINEの登録者数の方が、市長個人のSNSフォロワー数よりも、はるかに多いのが事実です。市長の行動と説明はつじつまが合わないと思いますが、ご所見を伺います。
市民局長災害時の情報発信につきましては、タイムリーな情報が重要であり市としても即時性のあるSNS等での情報発信に努めているところでございます。今回は不十分な報告に基づく誤った情報の発信となったものですが、精度に有意を要しつつも、発信力のある首長個人による情報発信は有効なものであると考えております。
中山市議結果的には「香椎川氾濫!気をつけて」と投稿・発信した住民の情報の方が正しかったわけで、残念なことに今回もわかっているだけで10数件が浸水被害を受け、車も1台水没するという事態となりました。被災者に対しては特段支援策は打っていない、罹災証明は役所に来られればと、そして一般的にですねホームページ等で告知しているという答弁でしたが、これではあまりにも無責任であり、当時の情報発信が不十分だったことについて、当事者に謝罪し、被害の状況把握と要望聞き取りを行う必要があると思いますが、答弁を求めます。
市民局長被災者への対応につきましては、市ホームページで被災者支援関連制度をご案内するとともに、区役所での罹災証明申請の受け付けに際しては、制度の案内を行うこととしておりまして引き続き丁寧に対応してまいります。以上です。
(3問目)
中山市議8月9日から12日にかけて本市を襲った豪雨は今回も香椎2丁目から4丁目にかけた建設予定地周辺に水害被害をもたらしました。この地域では1999年、2015年など、度々浸水被害が生じており、周辺住民が切実に求めてきた抜本的対策がやっと動き始めた矢先に工事が中断し、経費の増額と工期の延長が今回議案で出されているものです。本来、もっと早く対策が打たれていれば今回の10数軒の被害は免れた可能性が高いものです。対策の遅れを生じさせた本市の責任は重く、被災された方々には誠意をもって対応するのが当然であります。にも関わらず市民局長の答弁は何ですか。これ、「丁寧な対応を引き続きやる」と言ってますけれども、本人が言ってこなければ何もやらないっていうことなんでしょう。被災者に対する補償の制度を作る気もないと。あまりにも冷たく無責任だと思います。事業の遅れを真摯に反省すべきです。したがって水害被災住民に対し、お困りごとがないか聞き取り、罹災証明書の手続きや見舞金など活用できる制度について丁寧なアドバイスを行うとともに、支援策の拡充を図るべきではないか、ご所見を伺います。
市民局長被災者に対する支援につきましては、罹災証明の発行や一般廃棄物処理に係る手数料の減免の他、災害見舞金の支給など趣旨の制度を設けており今後とも市ホームページ等でご案内をするとともに、区役所での罹災証明申請の受付の機会も捉えながら積極的に周知を行ってまいります。
中山市議8月9日から12日にかけての災害警戒本部の動きについて、これは市民局長は検証した…関係議員にですね、昨日配られたこの検証の報告ペーパーですね。この中身について述べられたんだと思いますが、主に情報共有に問題があったという説明でした。これでは不十分だと思うんですよね。10日の17時ごろから急速に香椎川の水位は上昇して、水位計によれば、17時50分に246cmという最高に達したのに、この時間帯には誰も現場の確認をしていません。本部職員は行ってないでしょ。道路下水道局の職員がですね、現場確認したという答弁ですが、本部が責任持ってね、足運んでないんですよ。それは危険な地域だからね、どこまでいけるかっていうのはありますが、現場に行ってない。しかもですね、道路下水道局の職員が確認を行ったのも、これ水が引いた後の18時30分になってからですよね。つまりね、初動が遅れたんです。川から水が溢れ出している状況を見ることができず、溢水・冠水なしという判断をしてしまい、住民による投稿を市長が虚偽だと決めつけることになっていったわけですよ。加えて、この地域の洪水に対する避難指示は、最後まで出されておりません。私のところにも防災LINEがね、届きますけど、これ香椎2丁目、3丁目、4丁目という記載はですね、一報で来るLINE上には出ていないんです。これさらにクリックして出てくるのかもしれませんがね。一面にダーッと地域が出てくる。そこにはね、洪水情報によって「避難してください」という記載はないんですよ。これね嘘の答弁しているのか、確認が甘いのかわかりませんがね。ここ精査していただきたい。この問題については、防災にとって重要な初動、現地確認、そして情報発信に重大な問題があったのは明らかです。したがって、情報収集および防災情報の発信のあり方について、今回の問題点さらに深く検証して、市民に公表するとともに、抜本的な改善を図るべきだと思いますが、ご所見を伺います。
市民局長今回の動画の投稿のあった冠水箇所につきましては、当該動画の投稿があったことを踏まえて各部署の役割において現地確認を行うとともに、避難指示の発令など必要な対応は行っており、その後の情報分析においてご認識の誤りがあったものの、そのことが当時の災害の発生、現場対応に影響を与えたものではないと認識をしております。
次に、8月10日の大雨における香椎川への対応におきましては、避難指示の発令や避難所開設、被害状況の現地確認などを各部署の役割において必要な対応を行った後に、SNS上に投稿された河川氾濫動画などの情報を確認する中で動画に示された特定の場所において生じていた氾濫について、大きな氾濫はなかったと判断をしてしまったというものです。この災害警戒本部の対応を精査しましたところ、誤った判断に至った主な原因は、災害情報の伝達や確認など情報の取り扱いが不十分であったことを確認をしたものでございます。今後、今回行った検証の結果も踏まえ、災害対応時における情報処理等の課題を解消するため、災害警戒本部体制の強化、災害対応支援システムの運用などの改善、職員研修や訓練の充実による災害対応能力の向上などに取り組み、再発の防止の徹底を図ってまいります。以上です。
中山市議高島市長によるSNSへの誤った書き込みに関しては、大雨のピークとなり、香椎川が氾濫した10日の17時以降はどこで何をしていたのか。これね市長に答えてほしいんだけど、総務企画局長が立ってね「連絡が取れる体制はとっていた」ということでね。「逃げの答弁」をされましたよ。しかし、夕方ごろには既に市役所にはおられなかったということは答弁を聞けばわかることです。大事なね、一番ピークに差し掛かっていたときに、市長は市役所にいなかった。何をやってたんでしょうかね。のっぴきならない事情なら堂々と言えばいい。翌11日は11時40分ごろ登庁して、本部と協議をしたようですが、これ、昼過ぎにはもういなかったんですね。そして14時過ぎに誤った投稿をされた。どこからされたかはわかりません。それ以降、市長と本部とのやり取りは全て電話で行われたとのことです。市長はですね、大事なときにやっぱり役所に居てね、本部の動向を把握する。そして自らも報告を受けたときに、その報告間違いないかというのを検証する作業をね、やっぱりやって当たり前だと思うんです。電話での報告を受けて22時に自らのSNSが間違っていたということで「お詫びと訂正」を投稿されたんだけども、このときにどこにおられたのかもわかりません。以上のように、この2日間の市長の動きを見ると、災害の警戒と対応は結果担当任せ、11日の昼前に短時間の協議を行い、報告を受けた以外は災害対応にほとんど関わっておられないようです。そしてこのわずかな協議の中で、住民からの虚偽投稿があったとの報告を受けて、市長自身が誤った投稿をしてしまうということになりました。この一連の状況を見ると、今回市長による誤ったSNS投稿は、災害対応を担当職員に丸投げする姿勢が生み出したものだと言わざるを得ません。したがって、このような姿勢を猛省するとともに、市長自ら重要な市民情報を否定し、誤った情報の発信で、命に関わる防災情報の信用を失墜させたことについて、改めて自らの責任を明確にし、市民に謝罪するとともに、市長からの情報発信は、行政組織として責任あるものにするルールを作るべきだと思いますが、この問題の最後に高島市長の答弁を求めます。
市長今回は私自身が誤った情報を発信することになってしまい、市民の皆様や関係者の皆様にご心配をおかけしましたこと、大変申し訳なく重く受け止めております。福岡市として、今回の対応における情報の取り扱いなど一連の活動について検証を行ったところであり、正確で迅速な情報の伝達や確認、これを支える体制や環境づくりを行うなどの再発防止を徹底してまいります。その上で、私自身としても、今回の反省を生かしながら今後とも必要なときには、適宜・適切に正確な情報の発信を行っていきたいと考えております。なお1問目で、私がSNSのX上で「偽情報はダメ」とコメントを行ったというご指摘があったわけでございますけれども、Xについては私はしておりません。アカウントも持っていないので、ここは事実関係ではありません。
学校給食運営費増額
中山市議次に、学校給食運営費の増額についてです。
(1問目)
中山市議今回議案は学校給食費の増額として4億9500万円余が計上されており、本年度予算で見込んだ食材費が更に高騰した分及び2学期からの給食無償化にともなって、アレルギー等により給食を喫食できない児童生徒の保護者への給食費相当額の給付分を追加するものとされております。そこで、4億9500万円の内訳並びに給付対象者の給付手続きと給付時期について説明を求めます。
教育長給食運営費の増額補正についてお答えいたします。補正額の内訳につきましては、食材費の価格高騰分として、4億9377万5千円。アレルギー等により給食を喫食できない児童生徒の保護者への給食費相当額の給付として、303万9千円でございます。給食費相当額の給付に係る手続きは、対象となる保護者が申請書を教育委員会に提出していただいた後、申請内容を確認します。給付時期については、年度末に出席日数に応じて給食費相当額を算定するため、4月頃に前年度分をまとめて給付する予定としております。
中山市議学校給食をめぐっては、SNSに投稿された「から揚げ1個とみそ汁」という献立について大きな話題となる中、6月議会で市長は「補正も含め質の向上に努める」という趣旨の答弁をされました。そこで今回の補正の中には給食の質の向上に係る経費はいくらか含まれているのかお尋ねいたします。
教育長補正予算につきましては、令和7年1月以降の食糧費の急激な高騰の影響で物価上昇の見込みが当初予算積算上を上回っており、予算額の不足が見込まれることから、給食の質の維持に必要な費用について計上しており、今回の「もっとおいしい給食プロジェクト」を踏まえた質の向上の費用は含まれておりません。
中山市議2学期から開始された学校給食の無償化については我々も一貫して求めてきたものであり、声を上げ続けてきた当事者や学校関係者、並びに尽力いただいた関係各位に改めて敬意を表するものであります。しかし、一定規模の財政支出を伴うものであるため無償化すべきでない等の意見も子育て世代以外の一部から聞こえてくるところであります。そこで、あらためて無償化の意義について市長及び教育長それぞれのご所見を伺います。
教育長学校給食費無償化につきましては、物価高騰が続く中で、教育委員会として学校教育に要する費用のうち、保護者にとって負担となっている学校給食費を無償化することが子育て世帯の支援に効果的な施策であると考え、2学期から実施しております。
市長学校給食無償化につきましては、先ほど教育長が答弁した通り、物価高騰が続く中で、喫緊の課題である子育て世帯の可処分所得の増加につながり、支援として効果的な施策であるものと考えております。以上です。
中山市議給食無償化に伴って、事情があって給食を食べられない児童・生徒についてもその恩恵を等しく受けられるようにすべきとの理由から、私は先の6月議会において、アレルギーのため給食を食べられない児童・生徒や不登校児童・生徒については給食費相当額を補助すべきだと求め、教育長は「検討していく」と答弁されました。そして8月4日に行われた教育こども委員協議会において「アレルギー等の児童・生徒については給食費相当額を給付する」との方針が示されたものの、不登校や宗教上の理由によるものについては給付の対象外とされました。ここでは「不登校も対象にすべきだ」との意見が複数の委員から出されたにもかかわらず今回補正にも不登校等の児童・生徒の保護者への給付分は含まれておりません。そこで、不登校や宗教上の理由で給付対象からはずすのは何故なのか答弁を求めます。
教育長不登校の児童生徒につきましては、教育支援センターに通級する児童生徒に対し、給食を新たに提供する準備を進めており、不登校には様々な状況がある中で、給付を含め無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。宗教上の理由により給食を喫食しない児童生徒については、書面と客観的なもので理由を確認することは困難であることから、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。
中山市議給食無償化にあたっては、不登校状態で学校への復帰をめざす子どもたちが通う「まつかぜ学校」や「はまかぜ学校」などの「教育支援センター」や、事情があって義務教育が受けられなかった方々が通う夜間中学「福岡きぼう中学校」はそもそも給食が実施されておらず、当事者からこの機会に給食を実施して欲しいという要望もあがっております。そこで、教育支援センター及び福岡きぼう中学校における給食実施についての検討状況についてお尋ねします。
教育長教育支援センターへ通級する児童生徒につきましては、現在給食を実施しておりませんが、先ほど申しました通り、新たに提供する方向で準備を進めてまいります。福岡きぼう中学校の生徒については、年齢構成の幅も大きく、生活スタイルや健康状況などにより、適した食事の内容は様々であることや、日々の出席状況も一定ではない実態などから給食の提供は行っておりません。以上でございます。
(2問目)
中山市議4億9500万円の増額内訳は食材費の高騰分が大半であり、アレルギー児童生徒の保護者への給付で約300万円とのことです。当該児童・生徒については医師の証明書を添付して申請することで、9月からの給食費相当額が給付されるということなんですが、時期については来年の4月見込みということです。給食を食べることができる子どもの家庭は、9月の給食費分から負担がなくなり恩恵を受けることができますが、アレルギーで給食が食べられない子どもの家庭は3月までは昼食代を負担しなければなりません。物価高騰の影響を大きく受けている子育て世帯には、急いで支援すべきという考えに立つなら、9月分から給付すべきだと思いますが、なぜ毎月給付せず4月まで待たせるのか、改めて答弁を求めます。
教育長給食運営費の増額補正についてお答えいたします。給付の時期につきましては、申請内容の確認や学校での給食実施回数及び当該児童生徒の出席日数の確認、それらを踏まえた給付額の算定に要する学校等の事務負担を考慮し、年度末までの状況をもとに4月に給付することとしたものでございます。
中山市議今回の増額補正には給食の質の向上分は含まれていないとの答弁ですが、6月議会では、いわゆる「から揚げ1個給食」の議論の際、「補正予算も組んでバックアップする」という趣旨の答弁を市長がされましたが、今回質の向上分を計上しないのは約束違反ではないのか、ご所見を伺います。
教育長「もっとおいしい給食プロジェクト」につきましては、食に関わる民間の方たちとの意見交換会を7月と8月に実施したところであり、今後栄養教諭や給食現場との協議を行いながら、教育委員会としての取り組み内容を検討していくこととしており、今回の補正にプロジェクトを踏まえた質の向上の費用は計上しておりません。
中山市議まつかぜ・はまかぜ学級等の教育支援センターについては今後給食の実施を検討すると、もう準備に入っているとのことですが、福岡きぼう中学校については考えていないとのことです。これはおかしいですよ。学齢期に様々な事情があって義務教育を受けることができなかった方々が、学び直しができる場として長年の運動を経て開校したのが夜間中学「福岡きぼう中学校」です。日本国憲法が掲げる「教育を受ける権利」を何人にも保障するための学校です。学校教育法第1条に基づき福岡市が設置した公立中学校の一つであり、決まった課程を終えると、中学校卒業資格が得られ、教科書も無償配布されます。仕事を終えて通う生徒さんが夕方から安心して学べるために、他の中学校と同様に給食を保障するのは当然でしょう。ここだけ除外する理由はありません。教育長は年齢も様々でありというようなことを述べられましたけどね、全く理由になりませんよ。全国の夜間中学校でも多数が実施しているんですよ。学校名の通り「希望」が持てるようにすべきだと思います。福岡きぼう中学校を給食実施校から外すことに道理はないと思いますが、ご所見を伺います。
教育長夜間中学校での給食実施につきましては、先ほどの繰り返しになりますが、夜間中学校の生徒は年齢構成の幅も大きく、生活スタイルや健康状況などにより適した食事の内容は様々であり、日々の出席状況も一定でない実態などから給食の提供は検討しておりません。
中山市議改めて給食無償化の意義について尋ねましたが、教育長はですね、子育て支援、経済的な支援を行う必要があるとこう述べられました。そして市長もこの教育長と同じだということですが、市長はとりわけですね、子育て世帯のか家計支援だというのを強調されてこられました。教育長はですね、ちょっと違ってたと思うんですけどね。今回は市長と歩調を合わせられた。これはですね、極めて大事な観点だと思うんですね。教育の分野での食育という観点ももちろん大事です。その大もとには「義務教育は無償」と掲げ「教育の機会均等」を掲げた日本国憲法があります。宗教上の理由や不登校状態で給食を食べられない子どもの世帯に給付しない理由について教育長は「様々な状況があるので国の動向を把握する」とこういう答弁されましたが、これもおかしいと思います。不登校状態の子どもに多様な学びの場を保障するとして開校した「百道松原中学校」には給食を実施しているけれども、この松原中学校を希望さえできなかった不登校生徒には「学校に来ないのが悪い」と言わんばかりに給付対象から外す。これは子育て支援から除外するということに他なりませんよ。先ほどの答弁と矛盾しますよ。子どもたちには学校に行く権利が保障されるとともに「学校に行かない権利」もあるんです。宗教上の理由についても、支援から除外するとなれば…これね「書面の提出が難しい」と。こんな理由をね、この本会議場で述べるなんていうのは本当にお粗末だと思います。憲法上の信教の自由を行政が犯すことになりますよ。東京都杉並区や佐世保市など、給食無償化に合わせて給食が食べられない子どもの家庭には、もれなく給食費相当分を給付しています。これが当然の対応です。そこで、給食無償化の大きな目的を、子育て世帯への家計支援としながら、不登校生や宗教上の理由によって給食を食べられない子ども、教育支援センターに通う子どもの世帯を給付対象から除外するのは、著しい差別的取り扱いであり、合理性はないのではないか、ご所見を伺います。
教育長不登校の児童生徒につきましては教育支援センターに通級する児童生徒に対して給食を新たに提供する準備を進めており、不登校には様々な状況がある中で、給付も含め、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。宗教上の理由により給食を喫食しない児童生徒につきましても書面等客観的なもので理由を確認することが困難であることから、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。以上でございます。
(3問目)
中山市議今回補正に、給食の質の向上分は含まれていないことについて、これ来年度以降やるというようなね、答弁されました。しかし市長はですよ。ついこないだね、「補正予算を組んで」と言っているわけですから年度途中でもやるということなんですよ。かっこつけて発言したんかもしれませんけどね。発言したけれどもやらないというのは、これ問題です。早急な実施を求めておきます。夜間中学、福岡きぼう中学校での給食実施についてはあれこれ述べて、頑なに拒否をされました。差別は許されません。他都市で給食を実施している夜間中学の例に学んでいただきたい。やればできるんですよ。面倒くさいからやらないんですか。教育支援センターについては検討するということでですね。これもこの給付の問題では先延ばし。そしてその間、給食費相当額、これを受けられないっていうことなんですよね。早急に給食提供の格差をただし、教育センターおよび福岡きぼう中学校でも早急に給食を実施すべきではないか、ご所見を伺います。
教育長教育支援センターにつきましては、新たに給食を提供する方向で準備をしっかりと進めてまいります。夜間中学校の生徒については、年齢の構成の幅も大きく、適した食事の内容は様々であることや、日々の出席状況も一定でない実態などから給食の提供は検討しておりません。
中山市議給食費相当額の給付時期については、事務処理に時間がかかるなどと述べられました。必要な体制を組めば、毎月の給付は可能です。やり方を見直すべきです。また、不登校の子どもや宗教上の理由で給食を食べられない子どもの世帯への給付について、教育長は他都市の動向を見るとか、国の動向を見るとか、こうおっしゃいましたが、結局ですね、学校に来ないから悪い。また、そんな宗教を信じるから悪いと、こういう思いがあるんじゃないですかね。多様な学びを保障するといって百道松原中学校を作っておきながら、自宅やフリースクールでの学びは認めないというのは明らかに矛盾しています。宗教上の理由も認めないというのは、明らかな差別であって、憲法違反ですよ。市長が言ってきた子育て世代への経済支援という理由と、大きく食い違います。この問題に詳しい千葉工業大の福嶋尚子准教授は、西日本新聞の記事で「子どもの権利保障の観点から言えば、全ての子どもが無償化の恩恵を受けられないといけない」と述べておられます。当事者である保護者の強い要望が今年初めに要望書として出されたのは当然のことです。したがって、これら当事者の要望を無視することは許されず、給食費相当額の給付対象は、先進都市にならい、不登校児童生徒や宗教上の理由で給食を食べられない子どもの世帯にも広げ、今回補正については増額修正し、給付は月ごとに実施するやり方に改善するべきだと思いますが、教育長と市長双方の答弁を求めて質疑を終わります。
教育長不登校の児童生徒や宗教上の理由により給食を喫食しない児童生徒に対する支援につきましては、給付も含め無償化に関する国の動向を注視してまいりたいと考えており、補正予算の変更は考えておりません。給付の時期についても学校の事務負担軽減や、より間違いがない給付のため、年度末までの状況を踏まえ給付額を算定し4月に給付してまいりたいと考えております。以上です。
市長給食無償化についてのついてでございますけれども、教育長が先ほど答弁をした通り、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと思います。以上です。
香椎川洪水被害をめぐる市長の誤った発信をただし、不登校の子の世帯などへの給食費相当額の給付を求める(2025年9月3日 中山郁美市議の議案質疑)