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政策と活動

2021年1月20日

「緊急事態宣言」にともなう中小業者支援についての申入れ

福岡市長 高島宗一郎殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  綿貫英彦
市議  堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議  山口湧人

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、福岡県を対象にして「緊急事態宣言」が再度発令されました。福岡県は休業要請に応じた飲食店に対して協力金の支給などを行い、国はそれを支援するとしています。また、福岡市も独自の支援策を講じています。

しかし、昨年の企業休廃業が全国で前年比14%増となり、統計開始以来最多を更新したことに見られるように、飲食業はもとより小規模企業者・零細業者全体がコロナ禍で大きな打撃を受けており、今回の「宣言」によってこれらの事業継続は危機的な事態に陥っています。

こうした状況にかんがみれば、国・県・市の支援策は事業継続ができるだけの十分な補償とは到底言えず、さらに対象とする業種もあまりに限られていると言わねばなりません。

「その事業活動を通じて、市民の雇用や暮らしを支えるとともに、地域社会においても、コミュニティの活性化、防災や災害時の対応などに、重要な役割を果たしている」(中小企業振興条例前文)本市の中小企業、とりわけ小規模企業者を守り、地域経済を維持するために、貴職に対して以下の4点を緊急に行うよう申し入れます。

一、今回の本市の支援策について、対象から外れた中小業者・小規模企業者に対する支援策を追加すること。

今回の市の支援策は、対象が飲食業や宿泊業など一部業種に限定されています。国・県の支援策も飲食業や納入業者などに限られています。

しかし、休業した飲食店の建設工事が延期・中止になり収入が大幅に減収した工務店や、今回の「宣言」によって市民に対して外出への自粛要請がなされたため来客がほとんどなくなった理容店など、今回の支援対象や直接関連する業種以外にも深刻な影響が広がっています。市が発表したメニューだけでは今回「宣言」に対応した支援とは言えません。

地域経済を維持する立場で、影響を受ける業種が広く救済されるよう支援を見直すべきです。

財政調整基金は約200億円、支援のための財源の不要額も相当残されており、1事業所あたり10万円程度の特別給付金や、1回目の「緊急事態宣言」において支援策とされた家賃支援、他自治体で行われてきたような独自の持続化給付金などを検討すべきです。

二、国に対して、持続化給付金、家賃支援の2度目の給付を行うよう求めること。また、飲食店の感染防止協力金は規模に合わせた加算をするよう求めること。

前述の通り、長引くコロナ禍で休廃業が激増するなど地域経済は疲弊しており、そうしたところに今回「宣言」が発令され、少なくない地元中小業者、特に零細業者から「これ以上商売を続けられない」と悲鳴が上がっています。地域経済を維持するために新たな手立てがどうしても必要です。指定都市市長会も昨年11月に、国の給付金・助成金、家賃の負担軽減支援の「一層の充実・強化」を求めており、貴職としてこの立場で直ちに国に要求してください。

また、1店舗1日6万円という補償では、中規模以上の店舗は初めから大きな損害を被ることになってしまいます。他国で行われているように事業規模に応じて補償を上乗せすべきです。

三、県に対し「福岡県感染拡大防止協力金」の申請締め切りを十分に延長するよう求めること。手続きはできるだけ簡素にし、迅速に給付するよう求めること。

県のホームページを見ると、「福岡県感染拡大防止協力金」について「1月18日までに要請に応じた方が対象になります」とあり、1月19日以降に協力しても支給されないものとなっており、飲食店等の中には準備が間に合っていないところも出ています。多くの店が協力金を受けられず休業しない事態になれば、感染拡大防止として全く実効性がありません。埼玉県などでは申請の期限を現在設けておらず、この立場で見直させるべきです。

また、持続化給付金などがあまりに手続きが煩雑で申請自体ができなかった業者が少なからず生じ、給付が遅れました。こうした反省を生かすべきです。

四、支援策について議会の審議にかけ、承認を得ること。

今回の本市の支援は15億円にものぼりますが、市長が一方的に決めて発表しています。市は1回目の「宣言」にもとづく支援の不要額を使うもので議会に諮らなくても問題はないとしています。

しかし、前回の支援は金額も期間も今回の支援とは異なっており、明らかに別の事業です。これだけ巨額の別の事業を開始するのに、議会の承認も経ずに市長が一方的に決定して執行することは財政規律上重大な問題があります。

福岡県議会も1月15日に臨時会を開き、協力金について審議・議決をしており、市として民主的手続きを経るべきです。


以上


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