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日本共産党福岡市議団の政策と活動

2019年度予算要望

2019年度予算編成に関する申し入れ

2019年1月4日

福岡市長  髙島宗一郎 様
福岡市教育長 星子明夫 様

日本共産党福岡市議団
団 長 中山 郁美
幹事長 倉元 達朗
星野美恵子
ひえじま俊和
熊谷 敦子
綿貫 英彦
堀内 徹夫

安倍政権のもとで憲法第9条を変えるために、自民党は国会への改憲案の提案をねらっています。もし憲法が変えられれば、日本はアメリカとともに「海外で戦争する国」になってしまいます。

また、格差と貧困が広がる中で、安倍政権は本年10月からの消費税の10%への増税を行おうとしています。

このような中で、憲法改悪・消費税増税をやめさせ、国の悪政から市民の暮らしを守ることが自治体には求められています。

髙島市長は、この安倍政権の暴走に追随するだけでなく、ロープウエー導入や箱崎ふ頭埋立など、安倍政権の先導役となって大型開発と「規制緩和」の道を突き進もうとしています。この路線を進んでも、もうかるのは一部の大企業だけで、市民の暮らしはよくなりません。そのことは、髙島市政前と比べ民間法人企業の所得が1.6倍に増えたのに対して、市民の家計の可処分所得は減ってしまったことに象徴的に現れています。

市長はこのような路線を転換する時です。若者や高齢者の単身世帯が増加し、市内世帯の半分近くが年収300万円未満の「低所得世帯」となり、髙島市政になってその率も数も増えているもとで、市民の暮らし・福祉と地域の小規模企業の経営をよくする手立てこそ急ぐべきです。そうすれば、市民の家計が温まり地域経済が活性化する、本当の意味での好循環が始まります。

よって、貴職が2019年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れます。

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2019年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1、安倍暴走政治への追随をやめ、憲法と地方自治法の精神に立った市民本位の市政へ転換を

(1)臨時国会において憲法審査会へ自民党の改憲案を提案することは断念に追い込まれたものの、安倍首相は引き続き憲法9条の改定をあきらめていない。自衛隊は、9条2項との厳しい矛盾、緊張関係に置かれていたからこそ、軍事力行使に強い抑制がかかり、戦後一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さなかった。この矛盾、緊張関係を解き放せば、自衛隊の軍事力行使の制約はなくなってしまい、アメリカが起こす無法な戦争に本市を巻き込む危険を生じさせ、本市市民の命・安全を脅かしかねない。憲法9条改定の提案を国会にしないよう、安倍首相・政府与党に働きかけること。

(2)安倍政権のもとで家計消費は2人以上世帯の実質消費支出でみて年25万円、パートを含む労働者全体の実質賃金は年18万円減っており、増税をする環境にはなく、強行すれば経済と暮らしを破壊しかねない。今年10月からの消費税の税率10%への引上げを中止するよう国に求めること。

(3)博多駅からのロープウエー計画には市民の多くが反対しており、計画を中止すること。また、この計画の大もとであるウオーターフロント地区の再整備自体が不要で、そこでの人の移動の増加予想も根拠がないものであり、それに関連する新交通システム導入のための調査・研究、および予算計上を一切やめること。

(4)市は箱崎ふ頭を埋め立て、須崎ふ頭の物流機能を移転し、須崎ふ頭に人流機能を担わせようとしている。これはウオーターフロント地区の再整備、人工島事業等を含めた博多港全体の大規模な再開発につながるものである。福岡財界がバブル期の発想のまま1990年代に描いた絵を「博多港長期構想」に盛り込ませたもので、かかる費用も不明で、「経済効果」なるものもまともに検証された形跡もない。このまま強行することは認められず、「博多港長期構想」にもとづく博多港の大改造をやめること。

(5)4万を超える請願署名が集まった高齢者乗車券の削減・廃止の検討は今後行わず、対象・金額を広げる拡充や使いやすくする改善を行うこと。

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2、国保・医療・年金・介護・福祉・障害者施策など社会保障制度の充実を

安倍政権は社会保障費の自然増分を毎年5000億円に削減・抑制し続け、2019年度は更に4800億円に抑え込もうとしている。また、それとは別枠で2013年以降の6年間で少なくとも3兆8850億円分の社会保障費を削減してきた。このやり方は憲法25条が全ての国民に保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を脅かし国民の暮らしと安心の土台を崩壊させるものであり「住民の福祉の増進を図ることを基本」とする地方自治体として容認することは許されない。国に対しこのような路線を中止・転換するよう求めるとともに市民を守る独自の役割を果たさなければならない。

(1)国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の充実について

  • 本市の国保加入者は低所得者や高齢者が多いという構造的な問題のなか、世帯の平均所得は約73万円、所得200万円以下の低所得者がその約86%を占めている。保険料は所得233万円の3人世帯で約42万円、所得122万円の1人世帯で約20万円となっており、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍もの水準である。異常に高い保険料が「払いたくても払えない」事態を生み出し、保険料滞納世帯が国保世帯の18.4%にのぼる等深刻な事態となっている。その高い保険料の要因の一つは世帯の人数に応じてかかる「均等割」と世帯に定額でかかる「世帯割」という国保にしかない保険料算定方法にある。したがって国に対して全国知事会が要求している「公費1兆円の投入」で均等割、世帯割をなくし保険料の協会けんぽ並みへの引き下げを可能にするよう求めること。
  • 本市の保険料が高くなっているもう一つの要因は、国の予算削減に加え保険料の未納見込み分や減免分等約28億円、高額所得者の賦課限度額の超過分58億円等を保険料に上乗せし、更に法定外繰入予算を最高時と比較し30億円以上も削減していることにある。「上乗せ方式」をやめ法定外繰入を大幅に増やし保険料を引き下げること。
  • 現在本市においては3人家族で所得667万円という到底高額所得者とは言えない世帯が年93万円もの保険料上限額を強いられている。賦課限度額の引き上げは止め、「応益割」偏重の是正等、逆進的な国保料を生み出している算定式の見直しこそ行うこと。
  • 今年度から導入された「都道府県単位化」は、給付費の水準が高い自治体、収納率が低い自治体、一般会計からの法定外繰り入れで保険料を引き下げている自治体等を浮き立たせ、県から市町村に対する「指導」を強化することを狙いとしている。国保の構造問題を解決しないまま自治体の主体性を奪い住民負担増や滞納制裁強化、一般会計繰入の抑制等を強制するやり方は中止するよう国に求めること。
  • 治療費が窓口全額自己負担となる資格証明書交付世帯について本市においては約1万世帯、期限を区切った短期証の発行は2万3216世帯に上る等、引き続き全国最悪レベルとなっている中、受診を我慢して重症化・死亡する等許されない悪循環を引き起こしている。面談できないことを理由に「特別な事情」を調査しないまま保険料滞納世帯に対し機械的に資格証・短期証を発行するやり方は許されず、他都市の例にならい、資格証・短期証への切り替えをやめること。
  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか3.78%に過ぎず、極めて低い水準にある。市独自減免制度については、当面、「所得の減収が前年比20%以上」に適用するよう元に戻して改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して、適用対象をひろげること。
  • 国民健康保険法44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では適用が5年連続0件という異常な事態となっている。数百件の適用をしている他の政令市の取り組みに学び、申請待ちではなく利用者に積極的に広報する対策を図り、必要な世帯の活用を促進するとともに国に対して厳しい基準を見直すよう求めること。
  • 本市における国保料滞納者に対する差し押さえは、2017年度6155件(約12億円)と件数においては4年間で2.58倍、金額では約2倍となり史上最高となった。中には僅かな預金を差し押さえる事例や公的手当が入る口座を狙い撃ちにしたものも含まれている等、そのなりふりかまわぬ異常なやり方に対し批判が高まっている。国会においては厚生労働大臣が「ぬくもりをもった行政を徹底していく」と答弁しており、公的手当をはじめ年金、子どもの学資保険さえも差し押さえる冷酷、異常、機械的なやり方はただちにやめること。
  • 建設国保等、国保組合が取り組んでいる独自給付事業は公的医療保険の本来の趣旨にかなったものであり、国庫補助を維持するよう国に求めること。

(2)後期高齢者医療制度について

  • 後期高齢者医療制度が強行されて以来、3回にわたる保険料値上げが行われ、4回目にあたる前期に続き今期も剰余金を活用し若干引き下げられたものの福岡県の保険料は全国一高いままである。加えて、昨年度から安倍政権が強行した特例軽減の廃止縮小並びに賦課限度額の引き上げ強行によって、保険料の引上げとなったのは県内 11万人に上っている。低所得・低年金の高齢者世帯を狙い撃ちにした大負担増は許されず改悪を元に戻すよう国に求めること。併せて、更に計画されている年金収入年168万円以下の被保険者に対する今年10月からの特例軽減廃止は、現在の保険料を最大3倍に跳ね上げる暴挙であり、中止を求めること。
  • 福岡県及び後期高齢者医療広域連合に対して、120億円以上積み上げられている財政安定化基金・運営安定化基金など各種基金を活用し、高い保険料を引き下げるとともに、減免制度の拡充を行うよう求めること。
  • 安倍政権は、後期高齢者の医療費窓口負担を来年度から2割へと倍増させる等、更なる改悪に突き進もうとしている。負担増計画は中止し、高齢者を年齢で区切り、負担増と差別医療を押し付けている後期高齢者医療制度そのものを廃止し元の老人保健制度へ戻すよう国に求めること。

(3)医療制度の改善について

  • 医療費負担の上限を定める「高額療養費制度」について安倍政権は2018年8月から年収370万円未満の一般所得者で住民税を課されている1270万人に対して負担上限額を1万8000円とし、従前の上限額1万2000円の1.5倍に引き上げた。また、年収370万円以上の「現役並み」所得者に対しては負担上限額を廃止した。他にも2018年4月からは一般病床などに入院した際の食事代を現役世代も含め1食360円から460円に値上げし1か月で9300円もの負担増を押し付けており、当事者からは悲鳴が上がっている。市長は、高額療養費制度の負担上限額と入院時の食事代について改悪前に戻すよう国に求めること。
  • 2006年に医療型療養病床の大幅削減と介護型療養病床の全廃が決定されて以降、診療報酬の連続引下げも行われる中、入院患者が医療機関から追い出される事態がひろがってきた。更に安倍政権が強行した「医療・介護総合法」を受け福岡県は2025年に向けて2900床の削減構想を打ち出している。市長は「医療難民」を増大させ、患者・家族、医療現場に多大な負担と困難を背負わせる強権的な病床削減、「患者追い出し」強化を止めるよう国と県に求めること。
  • 年間2.6兆円もの診療報酬削減が続けられてきたことにより、医療機関は経営危機に陥り、「医療崩壊」を引き起こす大きな要因となっている。削減路線をやめるとともに2002年以前の報酬水準に戻すよう国に求めること。
  • 歴代政権の失政により引き起こされている医師、看護師不足が「医療崩壊」の一因となり、本市においても産科、小児科等で顕著となり、住民の医療を受ける権利が脅かされ、急患診療所の運営にも影響を及ぼしてきた。市長は、「医師数抑制」路線を転換し大学等への医師増員、養成への支援強化を図るよう国に求めるとともに本市独自に医師、看護師増員対策を進めること。
  • 無料低額診療は経済的困窮者にも医療を保障する重要な役割を果たしている。本市において実施する医療機関を増やすための取り組みを強め、制度の広報を充実させるとともに、国に対して薬剤費への制度適用を求め、他都市にならい当面、本市独自に助成すること。
  • 安倍政権は「新成長戦略」に医療分野も位置づけ、「患者申出療養」を設け保険外治療を拡大、医療法人と社会福祉法人を統合した「持ち株会社型法人」の創設を可能とする医療法人制度への改変・営利企業の参入など医療の安全や治療の平等を脅かす規制緩和を次々に進行させている。市長は国民の命と健康を犠牲にする医療の営利化・市場化につながるあらゆる動きに反対し、国民皆保険に基づく医療体制の維持・充実を図るよう国に求めること。
  • 2017年3月に突然発表された「福岡市健康先進都市戦略」(「福岡100」)については、地域での住民同士の支え合いを前提とし、国家戦略特区を活用した「オンライン服薬指導」等、診療所など医療機関の縮小廃止と大企業の利益確保をセットで進めるものであり策定過程も含め多くの問題をはらんでいる。現場に対し拙速に押しつけず、住民参加で見直すこと。

(4)こども病院、市民病院について

  • こども病院においては、小児・周産期医療の拠点としての重要な役割を果たす一方、地方独立行政法人福岡市立病院機構の方針の下、採算性が優先されている。職員の負担増が生み出されて、勤続しづらい状況が拡大し、独法移行前と比較し看護師の平均勤続年数は半減し、平均年齢も7歳下がる事態となっている。また、病床数に照らして無理な患児受け入れが行われ、「詰め込み」とも言える状況となっており、職員のサービス残業を引き起こし、患児にも様々な影響も出ている。新しく設置された勤怠システムについては更衣時間も勤務時間として扱う等適正な運用を図り職員の勤務諸条件を改善し、職員の合意を大切にする民主的な病院運営へと転換するよう指導すること。
  • 患者が新こども病院への通院に利用できる唯一の公共交通手段であるバスについては、ルートや便数の不足について抜本的な改善は依然図られず、患者、職員等に大きな不便をもたらしている。病院としてシャトルバスを運行する手立てをとり、駐車場の職員利用について拡充をはかるよう指導すること。また、ルートや便数を抜本的に増やすようバス事業者に強く要請すること。
  • こども病院、市民病院ともに医師、看護師等の不足が引き続き深刻となっており、職員を正規で増員すること。
  • 唐人町の旧こども病院の跡地については市民の財産であり、開発業者や営利企業に売り渡すことは許されず医療・福祉の拠点等、公共用地として活用できるように独立行政法人から取得すること。

(5)真に安心できる年金制度の確立

  • 年金保険料の際限ない値上げ、繰り返される給付削減、支給開始年齢の先送り等、年金制度の連続改悪の強行に加え、安倍政権が2015年度に発動させた「マクロ経済スライド」により怒りはひろがり、訴訟も行われている。そのような中、「年金カット法」によって導入された「キャリーオーバー」を活用し来年度もまた「マクロ経済スライド」が発動されようとしている。市長は国に対し、保険料の引上げと「マクロ経済スライド」をやめ、減らない年金制度へと転換するとともに、「年金カット法」は直ちに廃止するよう求めること。
  • 公的年金制度の中に最低保障の仕組みがないのは先進国では我が国だけであり、最低保障年金制度を確立するよう国に求めること。
  • 国民には年金支給削減や保険料引き上げを押し付けながら、「国民共通の財産」である年金積立金の株式運用を拡大し国民の将来を危機にさらすことは許されず、やめるよう国に求めること。

(6)介護保険制度の改善について

  • 2014年6月に可決された「医療・介護総合法」により要介護2以下の特養ホーム締め出し、一部利用者への利用料2割への引き上げ、低所得者の施設利用の際の「補足給付」の対象者絞り込みが強行実施され、2017年度は更に条例によって「要支援1・2」と認定された人の訪問介護と通所介護が「総合支援事業」へと移行させられた。事業者は報酬の3割カットを強いられ経営危機に陥れられるなど、介護保険がまさに「保険あって介護なし」という崩壊の危機にさらされている。市長は、サービスを受けられなくなったり負担増となったりした利用者について市独自に従前までのサービスが負担増なしに受けられるよう手立てをとるとともに、条例については市独自に従前のサービスが維持できるように改定すること。
  • 国は、要介護1・2についても在宅サービスを保険給付から外し、生活援助や福祉用具貸与を原則10割自己負担にする、デイサービスを地域支援事業化する、「生活援助」に利用制限を導入する等、「国家的詐欺」とも言える大改悪案を検討している。さらに、介護の中身についても「『お世話型介護』から『自立支援介護』に切り替えていく」等として要介護度の改善を利用者と事業者に課し、介護度を改善させたり認定率を低下させたりした事業者や自治体にインセンティブを与える等、「サービス取り上げ」競争まで導入しようとしている。介護難民を大量に生み出す改悪案や検討内容に対し介護職員や福祉用具業者等、広範な関係団体からも中止要望や署名が出されており、検討を中止するよう国に強く求めること。
  • 国は、介護保険の利用料を一律2割負担とすることを検討しており、2018年8月から65歳以上について単身では年収340万円以上、夫婦世帯では年収463万円以上のいわゆる「現役並み」の収入がある世帯については2割から3割に引き上げ、また、3割負担の利用者のうち、介護保険料が払えず2年以上滞納した人について4割負担に引き上げるなど罰則を強化した。市長は、利用料については改悪前に戻すよう国に求めること。
  • 本市の今期介護保険料は第5段階(基準額)では年額6万9256円から7万2933円へと3700円、第13段階では年額17万3140円から18万2333円へと9200円等、全ての所得段階で引き上げられ、その高い水準に悲鳴が上がっている。あらゆる手立てをとり新年度から保険料を大幅に引き下げること。また、保険料の減免制度を拡充し利用料については補助制度を創設するとともに国の制度として実効性のある保険料、利用料の減免制度をつくるよう求めること。
  • 本市の特別養護老人ホーム待機者は、直近の申し込みにおいても2194人も生み出され、老々介護や家族の介護離職を生み出すなど深刻な事態となっており、抜本的な増設が急がれている。しかし、申し込み者の数から「必要度の低い人」等と恣意的な判断によって人数を排除し必要整備量を絞り込み、今期(2018年度~2020年度)における整備計画は278人分という極めて不十分なものとなっている。このようなやり方は許されず、希望者全員が速やかに入所できる計画へと見直し、小学校跡地等の公共用地を無償貸与し早急に待機者解消を図ること。また、生活支援ハウスの増設やグループホーム、宅老所などへの支援強化を図ること。
  • 特別養護老人ホーム等の居住費と食費を補助する「補足給付」の要件を厳しくする改悪以来、対象者が狭められ、月5万円の国民年金しか収入が無いのに月13万円の利用料負担をせまられる等の事態まで生じ、配偶者や子どもの世帯まで共倒れするケースや、負担増に耐えられない入所者が退所等を余儀なくされる事態も生じている。国に対し、改悪前に戻すよう要求するとともに、当面本市独自の補助制度を設けて救済し、低所得者対策を拡充すること。
  • 介護労働者の平均賃金は月21万円足らずであり、全産業平均より10万円も低い中、安倍政権が介護報酬本体を4.48%も減額する等改悪を続けてきたことにより、更に深刻な状況となり離職者や事業所の廃業が相次いでいる。また、利用者へのサービス後退や事業所による追加徴収も生じるなど、その影響は深刻化している。厚生労働省は世論と運動に押され12月12日の社会保障審議会部会に勤続10年以上のベテラン介護福祉士最低一人以上に対して月給を8万円引き上げる等の処遇「改善策」を提示したものの、消費税の増税分をその財源とするとされている。市長は、国に対し消費税増税を前提とせず、介護福祉士だけでなく、調理員等介護現場で働く全ての労働者の抜本的なベースアップの対策をとるよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費に補助を行う独自制度を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。
  • 地域包括支援センターについては、ますます切実となる介護利用者の切実な相談に応えるために機能の改善・向上が求められている。設置個所数を増やすとともに、職員の増員や支援の充実を図れるように委託料を引き上げること。

(7)高齢者など個人給付等の拡充について

  • 2017年度より敬老金が突然廃止されたのに続き、今期保健福祉総合計画においては「『配る福祉』から『支える福祉』へ」などとして、地域でのボランティア活動状況や健康に関する取り組み等によって「インセンティブ」と称してポイントを受け取る等の仕組みづくりと給付施策の縮小・廃止がセットで進められようとしている。少子高齢化や財源不足を理由に高齢者への給付に格差をつけるやり方は絶対許されず、検討を中止すること。
  • 国の医療制度改悪等で高齢者の生活困窮がひろがり医療を受ける権利が脅かされている。本市の老人医療費助成制度を復活させること。
  • 福祉バスの補助金については若干の拡充が図られたものの、未だ貸切バス料金の高騰に見合うものにはなっておらず、更なる引き上げを図ること。
  • 老人クラブの補助金については増額し活動を支援すること。

(8)本市原爆被害者の相談事業や被爆証言活動が「原爆被害者の会」の会員減少等によって困難になってきており、維持・強化するための運営費補助を拡充するとともに、障害者と同様にふくふくプラザの駐車場使用料を早急に全額免除すること。被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。また、国や県に対し、被爆二世の希望に応じて「被爆二世健康手帳」を交付し、被爆者援護法に定める健康管理手当支給の疾病について被爆二世の希望者に医療費の助成をおこなうとともに、原爆症認定を被爆者の実態にあった方法に改善するよう求めること。

(9)アスベスト(石綿)対策について

  • アスベスト(石綿)はじん肺のほか、肺がんや中皮腫などを引き起こす原因物質であり、職業病としてだけでなく家族や付近住民など広く一般国民にも被害が及ぶため早急な対策が求められている。2012年以降昨年9月の大阪高裁判決まで10回連続で国や建材メーカーの責任を厳しく断罪する判決が下されている。今こそ、国も建材メーカーも司法判断を重く受け止め、上告を断念するよう国と建材メーカーへ要求すること。アスベスト曝露による健康被害を防ぐための規制強化、労働災害認定基準の大幅緩和、さらに建設アスベスト被害者の全面的、かつ早期解決に向け、国と建材メーカーなどが拠出する資金で、裁判によらず簡易・迅速に救済する「被害者補償基金制度」の早急な創設などを市として積極的に国に要求すること。
  • 発注者の責任や立ち入り検査の徹底など、アスベスト除去や解体に伴う二次被害を阻止するために大気汚染防止法が改正されたが、改正の趣旨を実効あるものにするため関係業界、業者に対する監督・指導を強めるとともに、そのための体制を強化すること。大規模災害時の飛散対応等のため、アスベスト使用建築物のハザードマップを作製すること。成形板をふくめアスベストを扱う建設労働者の防塵マスクの普及につとめ、市内業者への購入補助をおこなうこと。また国民健康保険の特定健康診査の問診において職種や経歴に応じてアスベスト被害を明らかにできるように対策をとること。成形板をふくむアスベストの被害や対策について市民への周知や広報を強化すること。

(10)生活保護行政の充実について

  • 安倍政権は、昨年10月から「生活扶助」の引下げをまたも始めた。本市においても「30代夫婦、子3~5歳」「40代夫婦、小・中学生」「母子3人」の場合、1割以上の削減になるとともにすべてのモデルにおいても引き下げとなる。ただでさえ「食事は1日2食」「風呂を我慢する」「子どもの服が買えない」など本市の保護受給者は限界の生活を強いられていたにもかかわらず、今回の改悪は生存権の否定そのものであり、到底看過することはできない。国に対し、生活扶助費などの切り下げの中止とともに、これまで切り下げた生活扶助費・住宅扶助費を元に戻すよう求めること。また、ナショナルミニマムにふさわしい水準への改善・向上を国に要望すること。
  • 捕捉率は2割といわれており、本市でも約13万世帯が生活保護を受けずに最低生活費未満で暮らしていることが推測される。このような膨大な漏給、低すぎる捕捉率を引き上げる立場に立った施策が求められる。制度の周知徹底や相談の呼びかけなどの特集記事を市政だよりの1面に掲載したり、誰もが手に取れるような場所に申請用紙を置くなど捕捉率向上策を講じること。申請の意思があるにもかかわらず「面接」「指導・助言」を口実に不当に保護申請を排除する「水際作戦」を根絶すること。
  • 「一日でも早く自分の力で生活していけるように」など殊更自立を強調したり「自動車、生命保険などの資産の処分をして生活のために利用しなければならない」など一面的で不適切な表現がホームページや「生活保護のしおり」に記載してある。誤った情報や誤解を招く内容がないように精査して改善すること。
  • 災害並みの暑さをしのぐために電気代がかさみ、また、子育て世代にとっては長期休暇で給食がなく食費がかさみ生活費を圧迫している。夏の出費増を補うために市独自の夏期福祉見舞金を創設すること。また、年末の福祉見舞金も支給すること。
  • 生活扶助費が引き下げられた今こそ下水道料金減免制度を復活させ、受給者の生活を支援すること。
  • 健康状態や年齢などを無視した就労の強要は止めること。また、「何でもいいから急いで就職を」と機械的で本人の意思とかけ離れた就労指導は真の自立を遠ざけるため改めること。保護決定前から就職活動を強要し、その活動状況を決定の「要件」にしないこと。
  • 「生活保護ホットライン」は「生活保護を必要とする人の情報を受け付け、適切な支援を行う」としているが同時に「生活保護に関する不正行為等の情報を受け付ける」としており実際は住民に互いの生活を監視させ、プライバシーの「密告」を奨励し、市民の分断を狙った卑劣なバッシングを助長するに過ぎない。直ちに廃止すること。
  • ケースワーカーの平均担当世帯数を減らすことは受給者の生活に寄り添った援助を行うために重要だが、2017年度も100ケースと、近年改善は見られず高止まりしている状態であり、中には140近いケースを担当している場合もある。そのためにトラブルや誤った情報を伝えるなどといった事例が多数見受けられる。ケースワーカー1人あたり80人という国の標準数を守るように職員を抜本的に増員し過重な担当件数を減らすとともにケースワーカーの専門性を高め、生活困窮者にきめ細かな支援などノウハウが継承できる体制をつくること。
  • 大学、専修学校等への進学者を強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方は進学をあきらめる子どもを生むと同時に新たな貧困を生み出すため、仕組みを改めるよう国に要求すること。教育扶助費や高等学校就学費用は実態に照らせばまだ不足しており、見直し増額を国に求めること。
  • 医療扶助適正化という名の下に受給者の通院を抑制することはやめること。後発医薬品(ジェネリック)の品質や効き目、安全性は新薬と同等というが個人によって違うため、後発医薬品使用の強制で薬を選ぶ権利を奪うことは中止すること。

(11)ホームレスが施設への入所を求めた場合、感染症の検査などの理由からその日に入所できない仕組みを改めるために一時避難所を確保すること。あわせて民間ボランティアやNPO支援団体への委託費を大幅に増額すること。ホームレス患者を受け入れる医療機関への負担は大きく現行の入院協力金では不足しており増額すること。

(12)貧困対策について

  • 本市でも生活に困窮する人たちがたくさん存在するにもかかわらず、本市は実態の把握さえ行なおうとしていない。市民全体の貧困実態・貧困率の調査を行い、本市独自の目標・指標を定めて総合的な貧困削減計画をつくること。また、子どもの貧困対策についても貧困率を調査しておらず、今後の具体的な目標も明確になっていない。他都市に倣って子どもの貧困率を公表し、削減目標を立て母子家庭への直接給付など具体的な施策に取り掛かること。これらを推進するために、生活保護の担当部局とは別に、貧困・生活困窮対策の独自の部局をつくること。生活保護申請や生活困窮者相談を役所で待つのではなく、出前相談会など必要な人に支援が届くようにアウトリーチを強化すること。
  • 所得が低くなりがちな高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、水道・下水道・ごみなど公共料金等の福祉減免を行うことは生活を直接支援することになり貧困対策として有効であるので速やかに実施すること。住民税や市営住宅の家賃などの減免制度を周知すること。
  • 生活福祉資金貸付の総合支援資金は各区の社会福祉協議会で受けられるようにするなど制度を使いやすくし、周知方法を見直すとともに無利子・無保証人にするなど抜本的に拡充するよう国と県に要望すること。
  • 水道料金・市営住宅家賃・住民税・国保料などの滞納は生活困窮のシグナルと捉え、ライフライン事業者の協力や局を越えた連携を行うこととなっているが実態は機能していない。実効性ある仕組みを構築すること。
  • 「子どもの食と居場所づくり支援事業」の補助金は3年目以降にも支給を継続すること。合わせて、1箇所あたりの補助を増額すること。また、自主的に学習支援などをおこなっている活動団体へ財政的支援を広げること。

(13)民生委員は児童委員を兼ねており、貧困・高齢世帯の見守りなど、地域福祉におけるその役割はますます重要になっているが、活動における負担は年々重くなり、担い手不足も深刻な問題となっている。民生委員の活動負担軽減が図られるように、業務量を抜本的に削減し、定数を大幅に増やすこと。選出における推薦に際して、町内会や地域団体に過度の負担を押しつけることのないようにするとともに、欠員等が生じた場合に市の責任で補充する仕組みをつくること。また、活動費が引き上がるように措置すること。

(14)障害者施策について

  • 障害者権利条約から障害者差別解消法に至る世界、日本の大きな流れの中で、本市でも差別解消のための条例をという障害者や市民の運動を受けて「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例」が制定された。条例には障害者の願いが一定程度反映されることになったが、条例案の根幹となる不当な差別的取り扱いと合理的配慮の2点に関する部分で障害者の声は反映されないままとなり、障害者団体からも修正の要望が出されている。したがって、条例に定められた3年後を待たず、差別的取り扱いを禁じる実体規定に「何人も」と挿入するとともに、事業者の合理的配慮の提供について努力義務から法的義務とするよう早急に見直すこと。
  • 市役所1階の床にある航空写真を避けるようにねじ曲げられた誘導ブロックや同じく市役所1階に受付がある西鉄オープントップバスがファクスでの申し込みを認めないことは市役所内で合理的配慮がなされていない重大事案であり直ちに改善すること。
  • 「重度障がい者医療費助成制度」は所得制限をすべてなくすこと。
  • 障害者が65歳になるとそれまで受けてきた障害者サービスではなく介護保険による給付に強制的に移行させられる。担当の介護ヘルパーが次々に変わるなどサービスが継承・継続されず利用者は肉体的にも精神的にも大きな負担を感じている。障害者総合支援法でのサービスと介護保険法でのサービスのどちらかを障害者本人が選択ができるようにすること。また、64歳まで障害者福祉サービスを給付され、65歳以降も同様のサービスを介護保険より受けている場合、新たに生じる利用料1割の自己負担は重く、住民税非課税世帯の利用については市が補助すること。法の根拠となっている障害者総合支援法の第7条(介護保険優先)の廃止を国に求めること。
  • より多くの障害児を受け入れられるように南部療育センターを設立すること。児童発達支援センターについても希望者が通園できるよう抜本的な増設計画を立てること。
  • 「重度障がい者入院時コミュニケーション支援事業」のサービス対象を診療、治療の介助、食事・排せつ、書類作成、買い物にも広げるとともに、施設利用者が入院時に利用できるようにすること。
  • 国における手話言語法制定を待つことなく「手話言語条例」は25道府県を含む208自治体で制定され「手話が言語だと認識された」「手話への興味が増した」と歓迎されている。政令市では京都、大阪、神戸、岡山、堺、札幌で制定され、また、本市での条例制定を求める請願でも全会派が紹介議員となっている。手話についての理解や周知を深め、手話による意思疎通手段の選択、情報取得、利用機会の拡大・保障をめざす「手話言語条例」を本市でも制定すること。
  • 「資格取得のための学校に通う」「趣味の講座を受ける」「ペットを病院に連れて行く」ことは認めないなど手話通訳者派遣事業の範囲は狭く限られており、合理的配慮が足りていない。聴覚障害者の社会参加や生きがいを保障するために派遣用件を大幅に緩和し利用しやすくすること。市長会見をはじめ市主催の行事の際には手話通訳者をつけるよう市長に要請すること。
  • 「聴覚障がい者情報センター」は法で定める「貸出利用室」「情報機器利用室」などの基準を満たしておらず「情報提供施設」とは似て非なるものである。県のセンターは春日市にあり利用しづらく聴覚障害者用の情報提供施設を少なくとも1つは福岡市内につくること。
  • 市は障害者の地下鉄無料パスであった福祉乗車証の廃止を決定し、年間1万2000円の補助上限のある福祉乗車券への統合で障害者の外出する権利を奪い、社会参加活動を大きく後退させている。また、ICカードに統合したため、地下鉄乗車時に割引を受ける場合、わざわざ駅員に対応を求めなくてはならないなど使い勝手が悪くなったとの声も出ている。制度を元に戻し、福祉乗車証(地下鉄無料パス)を存続させること。
  • 精神障害者に対する交通運賃割引をJRにも実施するよう強く申し入れること。市営地下鉄の料金割引については、切符購入のたびに駅員を呼んでシステムを操作してもらわなくてもいいように改善すること。民間交通機関にも同様のケースが見られるため事業者に改善を要望すること。療育手帳B判定の子どもも料金割引が受けられるようにすること。
  • 行動障害の強い自閉症者が利用できる短期入所施設を増やし、必要なときに必要なだけ利用できるようにすること。また、「強度行動障がい者支援事業」はノウハウの蓄積、人材の育成、事業者への支援など充実すること。
  • グループホームを増設するため市が土地や建物の確保や新設時の改修費への補助、運営費単価の加算を増額すること。また、国の家賃1万円は共有ルーム経費にあてられ、実質家賃補助にはなっておらず、市が独自に補助を出すこと。
  • 知的障害者が地域でも施設でも安心して暮らせるような支援体制を構築すること。グループホームへの入所を絶対視して、とりわけ地域に返すなど本人の意思に反して施設から追い出すことがあってはならない。施設も「終の住処」として利用できるようにし「親なきあと」の不安を少しでも和らげること。
  • 障害者支援施設等労働者の処遇について「事業者の報酬につきましては、基本的に国において対応すべきもの」と他人事のような態度は改めて、全産業に比べて10万円も低い賃金やそのことに起因する人材不足を直視すべきである。具体的に処遇を改善するために障害者支援施設等労働者の賃金を引き上げる助成金や家賃補助制度を創設すること。
  • 障害者の雇用について、本市職員の採用を抜本的に増やすとともに、精神障害者の採用枠をつくること。民間企業に障害者の採用増を要請し、そのための本市独自の補助制度をつくること。
  • 障害児・者の日常生活・補装具の購入に対する国の給付が不十分な中、市民税非課税世帯以外でも経済的負担は大きいものがある。市独自に支援制度を創設すること。また、車いす・杖・補装具等の申請・給付決定の手続きを簡素化するとともに、車椅子の修理において行政の事務手続きにかかる時間を短縮すること。
  • ガイドヘルパーによる政治・宗教活動等の移動支援について他の自治体では認められているにもかかわらず本市では厳しく制限・排除している実態について早急に改めること。プライバシー侵害にもあたる利用者の細かい利用報告書の提出を簡素化して改善すること。また、就学している障害児をスクールバスの乗降場所まで送迎するさいに、移動支援事業を利用できるようにすること。

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3、ムダな大型開発をやめ、防災・生活・安全優先のまちづくりへ転換を

(1)人工島事業について

  • 人工島事業は、税金は一円も使わないとして強行されたが、髙島市長のもとで、市が土地を税金で買い取り、こども病院・新青果市場・福岡市総合体育館など、公共施設を強引に移転させてきた。今や、市と住宅都市局が税金・公金で買い支えた金額は919億円にも及んでいる。民間への土地分譲についても、建設単価さえも下回る分譲単価の大幅引き下げ、土地を購入した企業への数億円もの立地交付金の投げ渡しなどによって、ようやく売却しているのが実態である。市長は土地の分譲が順調だと言っているが、市の計画どおりに土地処分がすすんだとしても最大で421億円もの赤字となることが明らかとなっている。髙島市長は毎年100億円にも及ぶ税金を人工島事業に投入し、就任後8年間で総額1000億円以上に上り、人工島事業は市に莫大な財政負担をもたらしており、税金投入をやめること。
  • 博多港国際海上コンテナ取扱量については、2017年は92万149TEUで、第9次福岡市基本計画で掲げた中間目標105万TEUを大きく下回っている。さらに、人工島への6万トン級以上のコンテナ船は、2014年以降1隻も入港しておらず、130万TEU達成の前提であるD岸壁の事業採択すら見通せていない。にもかかわらず、市はD岸壁の事業採択を経ずに、C2岸壁の延長だとして、岸壁の工事に着手した。需要の見通しのないまま、脱法的ともいえるやり方で岸壁を建設するのは税金の浪費以外の何物でもなく、67億円もの巨額な税金を投入するC2岸壁の延伸事業を直ちに中止すること。また、非現実的な目標である130万TEUを前提とした15メートル水深の人工島D岸壁の整備や大型コンテナ船対応のための東航路整備事業は税金の無駄使いでありやめること。みなとづくりエリアの土地について、進出した企業の実態は、単なる倉庫・配送センター用地や事務所、新青果市場関係者事業用地である。港湾関連用地に大型物流センターを誘致し、「国際物流拠点にする」という計画は完全に破綻している。みなとづくりエリア4工区において、今後見込まれる396億円の税金を投入する基盤整備、地盤改良などの事業は凍結すること。
  • 民間住宅や道路・下水道などに助成する「住宅市街地総合整備事業」について、2017年度は市全体の事業費の92%、6億4000万円が人工島に投入され、これまでの事業費総額は315億円になった。とりわけ、人工島まちづくりエリアの住宅開発は大半が積水ハウスが担っており、特定の大企業に対するこのような露骨な税金の投入はやめること。
  • 人工島進出企業に対する企業立地交付金額は30社、109億1274万円となっている。進出企業の30社の創業時の雇用計画人数の1760人のうち半数以上の917人が非正規となっている。今後の交付見込みは12社、約123億円となっており、雇用効果の薄い人工島進出企業への立地交付金をやめること。

(2)箱崎ふ頭地区の大規模埋め立て計画について

  • 市は「博多港における新たな価値の創出」を理由として、箱崎ふ頭地区の水面貯木場及び海面処分場、65ヘクタール、ヤフオクドーム9個分もの埋立てを市民や議会に説明もせずに、ひそかに国と協議し、2019年からは公有水面埋め立ての手続きに入る、こんなとんでもないことまで明らかにした。博多港全体の海上出入貨物の推移を見れば、2017年は約3322万トンと2014年と比較して約59万トン減少しており、「貨物需要に対する土地不足に対応するため」という理由は当てはまらない。過去の埋め立ての実績から換算すると700億円は必要であり、このような無駄使いはやめ、埋立計画の検討は中止すること。
  • 埋め立て事業については、第3セクター「博多港開発」を存続させ、市と共同で進めるとしている。同社はケヤキ・庭石事件を起こすとともに、人工島事業の土地処分ができず、経営危機に陥り、市から4億円から64億円の増資を受け、会社2工区を市に399億円で譲渡するなど、市民に巨額の税金を投入させて、無理やり存続させてきた。市の外郭団体の見直しでは、廃止も含めて検討されてきたものである。このような会社に埋立事業などを担わせることは許されず、会社は解散し清算すること。

(3)国家戦略特区について

  • 福岡市版アベノミクスとして市長が推進する「グローバル創業・雇用創出特区」は、外国企業の呼び込みと創業促進を口実に、雇用など様々な市民を守るルールを壊す規制緩和であり、またビルの高さ規制をとっぱらい「天神ビッグバン」などと称して大規模なまちこわしが行われるなど大企業の利益優先のものに他ならない。市長は「都市の成長と生活の質の向上の好循環」などというが、市内の民間法人企業の所得や大企業の内部留保が増える一方で、市内の家計の可処分所得は減り、市内全世帯の46%が年収入300万円未満というこの間の経済指標が示すように、「都市の成長」論は根拠がなく神話に過ぎないことが明白になった。市民を犠牲にして財界の儲けづくりの特区を突き進めることは許されず、本市の特区指定を撤回すること。
  • 中間搾取をふせぐ労働基準法の賃金支払い原則を破壊し、貧困ビジネスを広げるおそれのある「賃金支払いの規制改革」に対する提案、いわゆる「給料前借特区」提案を取下げること。
  • 「創業支援」を名目にして使用者(経営者)側に立って助言や指導を行うために設置され、実際に「解雇指南」を行ってきた「雇用労働相談センター」をただちに廃止すること。

(4)「天神ビッグバン構想」とは、古くなった都心の大企業所有ビルの建替えに市の税金をつぎ込むための構想であり、さらに航空法で許されないビルの高さを特例で国に認めさせ、水上公園も西鉄の儲けの種に活用させるなど法や条例まで捻じ曲げる異常な財界・西鉄言いなりの開発計画に他ならない。市の関連事業費予算は、旧大名小学校の解体等、地下道の設置、春吉橋のにぎわい空間の創出、西中洲の魅力づくり等々確定している6事業だけでも21億円にものぼり、さらに天神通線の整備等その他の16事業については「総事業費の算出は困難」などとして市民に莫大な借金を押し付けるものである。市民生活にも市財政にも大変な悪影響を及ぼす「天神ビッグバン構想」は、直ちに中止すること。

(5)市が強行しようとしているウオーターフロントの再整備・大改造計画は、大型クルーズ船が複数同時着岸できる岸壁に加え、今後第2期展示場、立体駐車場、回遊のための巨大な歩道橋、都市計画道路、さらに新たな埋立て、ホールやクルーズターミナル、高級ホテルとそれに続く車路等々、市民に予算も明らかにしないまま推進しようとする異常な開発計画である。しかも人を呼び込む開発計画に基づき、架空の数字を幾重にも積算して集客と経済波及効果を言いたて、ロープウエー構想まで強行するなどは許されず、本市財政を圧迫し、将来に大きな禍根を残す、この再整備計画はきっぱり中止すること。

(6)福岡空港の乗降客数は、「2010年には2780万人に」なるとの滑走路増設計画当初の推計にはいまだ及ばず、さらに国内線をみれば、客数が増えても着陸回数は2013年の7万4491便をピークに2017年は7万1094便へと毎年減り続け、増えている国際線と合わせても毎年1%前後の伸びしかないのが実態である。しかも国際線は情勢によって変動要素が大きく不安定であり、国内線は今後の少子高齢化や人口減・IT化等々で、大幅に増便する要素は何もない。朝夕のラッシュ時の「混雑」については誘導路増設等で、大幅な改善がなされる見込みであり、空港問題は、ラッシュ時間帯のダイヤ見直しや、近隣空港との連携等で解決すべきである。不必要な滑走路増設を行うことはやめるよう国や県に要求するとともに、本市としてこの計画から早急に撤退すること。また滑走路を含む空港施設の民間委託は、空港の安全性や公共性を脅かし、公的責任をあいまいにする危険を伴うものであり、市として民間委託をやめ国管理に戻すよう国に要求するとともに、当面市民・利用者の安全や住環境を守るため市としての要求を反映させる体制を強化すること。

(7)都市高速道路延伸事業について、人工島へは2.5㎞で292億円もの事業費で、しかも初めて有料道路事業以外のスキームで市費負担を増大させ、市の道路行政を歪めるものとなっている。空港への延伸は水害常襲地帯へのトンネル方式によるもので、危険で無理な工事のため、わずか2㎞の延伸に当初で500億円もの莫大な予算を伴う計画である。全額有料道路事業で実施されても莫大な市費負担であり、しかもその回収の保障もなく、それどころかこれまでの延伸事業の例をみれば500億円の予算がさらに激増することは必至であり、わずか数分の時間短縮のため途方もない公費を投入するこれらのムダな高速道路延伸計画は直ちに中止すること。

(8)九州大学箱崎キャンパス跡地問題について

  • 九州大学箱崎キャンパスの移転に伴う街づくりの理念を示す「グランドデザイン」が2018年7月に確定した。しかしながら、キャンパス周辺の4校区(東箱崎、箱崎、松島、筥松)が長年にわたって、住民の要望をまとめた「九大跡地利用4校区協議会」の提案がなんら具体化されていない。保存・活用を求めていた近代建築物は解体され、貴重な樹木も次々に伐採されている。4校区提案の方向性や精神を踏まえたものにするために、市が責任を持って土地を確保し子どもの文化ホールや児童館、保育園、子ども家庭支援センター、特養ホームなどの複合施設を整備すること。また、各種救難資材の備蓄施設をつくり、市民の避難場所として活用するとともに研究機能も備えた防災ステーション拠点を設置すること。地元住民から存続の請願も出されている九州大学総合科学博物館は、箱崎キャンパスの歴史的建造物を生かして、保管・展示し市民に公開するよう手だてを取ること。また、近代建築物や樹木、住民からの保存要望の強い六角堂を保存、活用すること。
  • 「まちづくりの具体化」について、市は「大規模集客施設の提案なども含めて考えていかないといけない」と表明している。民間提案の中には、イオンモールやイトーヨーカドーなどの企業も入っており、巨大ショッピングモールが立地すれば、箱崎商店街など近隣の商店街に大きな打撃を与えるだけではなく、周辺の交通量は激増し住環境破壊になることは明らかである。地域住民が反対し、九大箱崎キャンパス跡地利用協議会で反対の声が出されている巨大ショッピングモールへの売却はしないように九州大学に要請すること。
  • 貝塚公園について、地元では「公園はそのままにしてほしい」「道路を通し分割することは反対」などという意見が出されている。一方、グランドデザインでは貝塚公園の整備について、憩い・賑わい・交流機能のある駅前空間を創出するため、一部を再整備することが明記されている。公園利用者や周辺4校区住民の意見を聴取していないなど、市民無視も甚だしく、現在の方針を撤回し、今の貝塚公園を残すこと。
  • 2016年から始まった、キャンパス移転にともなう箱崎キャンパス内の発掘調査で、続々と発見された石積遺構について、九州大学の埋蔵文化財調査室の調査・研究では元寇防塁跡であることは明らかとなっている。国指定の史跡に指定されるよう国に申請するとともに、地元住民が求めているように元寇防塁跡を保存・活用し全体を公園として整備すること。遺構を壊しかねない都市計画道路堅粕箱崎線について、その計画を見直すこと。
  • キャンパス跡地のまちづくりにおける都市基盤整備の整備手法・主体について、約20haの南ゾーンを「再開発方式」として、URと土地を共有化し基盤整備を行い、約30haの北ゾーンについては福岡市による「土地区画整理事業」を実施するとしている。跡地を南北に分け、「再開発」や「区画整理」を行うのは、住民要望を無視するやり方でありやめること。
  • 箱崎キャンパスの移転が完了したのに合わせて、施設の解体が本格化している。跡地は広範囲にわたり有害物質で汚染されている可能性が指摘されており、キャンパス全体の土壌汚染調査と対策を最優先に行なうとともに、公園は汚染されていない場所に配置すること。また、地下水調査について、市が責任を持って実施し、有害物質が含まれる土や砂の飛散防止策を九州大学に求めること。さらに、全体の進捗状況について、市が責任を持って、適宜、住民説明会を行なうこと。

(9)本来市民の財産である公共施設の跡地活用について、必要な認可保育園や特別養護老人ホーム等々の公的活用に意欲を示さない全庁の状況は異常である。公共用地跡地を次々売却し、一部の大企業の利潤追求の場に提供するとともに、無駄な大型開発の資金づくりにすることは許されず、市民のための公用地として活用すること。

(10)青果市場跡地についても、大型商業施設中心のまちづくりでなく、住民要求にもとづき、保育所や防災公園等の公共施設をつくること。

(11)住宅行政について

  • 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台ともいうべきものである。「民間まかせ」「自己責任」を基本とする住宅政策を「住まいは人権」との立場に立った政策に転換することこそ今求められている。ところが、市営住宅の応募状況は、いまだに一般枠で13.8倍、単身の高齢者・身体障害者は30.8倍など、深刻な状況は改善されていない。市民の居住権を守り、必要な市民が入居できるよう、大幅な新規市営住宅建設計画をたてるとともに、当面建替え時に計画的に管理戸数を増やすこと。またUR賃貸住宅の空き家や、民間賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど多様な供給方式の具体化を早急に行い、市営住宅を大幅に増やすこと。さらに現行の入居基準を見直し、子育て世代の入居を促進するとともに、年齢の制限を設けず、国も認めている若者の単身世帯枠をつくること。
  • 高齢化などで共益費の徴収・管理等が困難な市営住宅においては、住民への押し付けをやめ、市が責任を持つこと。
  • 市営住宅の建替えに伴う余剰地については、第一義的には市営住宅の増設を図ること。それ以外の場合でも、住生活基本計画に基づき民間売却ではなく住民要望を反映し、「高齢者福祉施設等の誘致」など公的に活用すること。また弥永住宅の余剰地には住民要望にそって、高齢者福祉施設や地域交流施設等を設置すること。
  • 市営住宅の指定管理化は、登録した市内の中小業者へ平均的に発注されていた修繕等の業務が、委託先関連業者へ集中したり、値引きの強要が行われたり等の問題がでている。また住民要望の反映の面でも問題があり、もとの市住宅供給公社の管理にもどすこと。
  • 公営住宅への入居可能な収入階層世帯を目安に、民間賃貸住宅に居住する低所得の若者や高齢者世帯への家賃補助制度をつくり安心して暮らせるよう支援を強めること。
  • 国が、増大する民間空き家と「住宅確保要配慮者」救済を結びつけようと昨年10月に創設した住宅セーフティネット登録制度も本市ではいまだにゼロで、実体がない。低所得の単身高齢者の入居受け入れに際して、死亡した場合のリスク軽減や、住宅改修資金制度の充実等、市が具体的援助を行い、登録数を引上げ活用できる制度にすること。

(12)中高層建築物等建設にかかる紛争について

  • 近年、住民の努力で守られてきた良好な住環境を破壊する強引な中高層住宅建設の深刻な事例が後を絶たない。開発規制を強化するために用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の積極的な周知と適用に努めること。
  • 市の「建築紛争の予防と調整に関する条例」は現在、住環境を守りたいという住民の願いを実現する力となっていない。市は市民に条例の見直しを約束しながらそれを反故にし、「当事者間の…相互理解」などとして「専門家助言制度」なるものを創設した。しかしこれは建築士や弁護士が相談に乗るというものであり、住環境悪化を懸念する住民に対し「権利の濫用」をする者の相談は受けないなどとして、建築法上の「建てる権利」を振りかざし、一方的に住民の権利を制約するものとなりかねない。このような「助言制度」ではなく、現在の条例に、他都市ですでに実施されている標識設置期間の延長や、近隣説明会の義務付けと範囲の拡大、住民合意等々を盛り込むこと。また工事協定も結ばないまま一方的に工事強行を行うなど誠意がみられない業者に対しては、市工事の入札時にペナルティを課す罰則規定も導入するなど、より実効性を持つ内容に抜本的に改定すること。

(13)動植物園をインバウンド対応の「観光や賑わいの場所」へと変質させるため、計画にない新たな種の導入など過度な投資を行うべきではない。再整備にあたっては、「社会教育」、動物の「保全・保護」、そして「研究・調査」という本来の役割を発揮できる場となるように、計画通りの整備を着実に行うこと。

(14)交通対策について

  • 市営地下鉄とJR筑肥線の乗継割引を、現在の20円から東部の西鉄との乗継同様60円へ拡大するようJR九州に強く申し入れ早急に実施すること。またJR九州の実施が遅れる場合、本市分だけでも先行して割引額を引き上げること。加えて連続割引区間を室見駅から博多駅まで拡大すること。
  • 住民の要望も聞かず一方的に強行されたJR香椎線の駅無人化によって、利便性・安全性が大きく後退しただけでなく、障害者の利用制限、事故・犯罪の誘発など利用者の不安が高まっており、従前の有人駅に戻すようJR九州に強く働きかけること。
  • 公共交通不便地における生活交通対策として必要なコミュニティバスの運行は、全市的には極めて不十分である。交通不便地やそれに準ずる地域については市が積極的に制度の普及や要望の聞き取りをおこなうとともに、市が運行の主体となることや、財政措置を行うなどの支援を具体化し、本格的運行を促進すること。また高齢化と、近隣商店街の衰退等により、新たな買い物難民もうみ出されており、通院など含めた生活交通網の充実を図るため早急に生活交通条例の抜本的見直しを行うこと。
  • 西鉄は2018年4月、南区から城南区を走る12番のバスや、早良区南部のバスなどの減便を強行した。このため住民は通院や買い物等の日常生活に大きな支障をきたしており、早急に従前同様の増便を図るよう西鉄に強く要請すること。
  • 連節バスによる天神・博多駅・ウオーターフロント循環の高速輸送システム(BRT)の試行運行が強行されている。連接バス優先のため渡辺通りや大博通りの通常バスが削減され、待ち時間増や直通便削減、さらに新たなバスレーン規制等既存バス利用者や市民に不便が押し付けられている。これ以上の導入をやめ、バス利用者の不便の改善を図るとともに、3億円もかけてのバス停整備などの公金投入は行わないこと。
  • 2020年度を目標に進められているJR筑肥線各駅のホームドアについては、実施をより早めるとともに、JR博多駅にも早急に設置し、西鉄大牟田線についても福岡駅にとどまらず早急に設置するよう関係事業者に強く申し入れるとともに、推進のための協議会を設置すること。また、設置されるまでの間、乗客の安全対策要員をホームに配置するよう申し入れること。

(15)自転車対策について

  • 交通結節点でもある地下鉄藤崎駅やJR竹下駅など鉄道駅周辺の需要に追いついていない市営自転車駐車場を増設すること。また、同駐輪場の管理は民間営利企業にゆだねるのではなく、本市のシルバー人材センター等に任せること。
  • 本市の「自転車通行空間ネットワーク整備計画」は、2022年までの10か年で約100kmを追加整備するとしているが、もともとこの整備計画自体が不充分であり、現状は、わずか25.1km(25%)と極めて遅れており、その整備を急ぐこと。併せて、歩道の自転車事故は後を絶たず、指導員の大幅増員や指導内容など抜本的な安全対策を強化すること。

(16)道路対策について

  • 2017年に改定された本市の「道路整備アクションプラン2020」は、これまでわずか31%の進捗率でしかなかった全市的な歩道のフラット化目標を、重点整備19地区にしぼり、生活関連経路のバリアフリー化目標に置き換えて、現在の進捗率を86%と高くしているが、こんなゴマカシは許されず、従来の目標に戻して全市的に推進すること。
  • 本市の道路管理瑕疵による事故が相次いでいる。とりわけJR博多駅からキャナルシティ博多にかけて住吉周辺(こくてつ通りや住吉前通り)の道路陥没やくぼみ等が、2018年8月に立て続けに起こって、住民の不安の声が上がっている。原因を調査・究明して、市民の安全のため抜本的な道路改修・維持対策を講じること。

(17)水道事業等について

  • 2018年12月に改悪された「水道法」は、水道施設の所有権を自治体に残しながらも、運営権を民間に移すコンセッション方式を可能とした。コンセッション方式では、一旦、民間企業との長期契約を結べば、公のコントロールが効かなくなり、水道料金の引上げや解約時に多額の違約金が発生するなど大きな問題を抱えることになる。いま世界では、ベルリン市やパリ市など水道民営化の失敗から再公営化の動きが加速している。したがって、「公共の福祉の増進」を目的としてきた水道事業は、地方公共団体主体で健全な運営がなされるよう、改定水道法に反対して国に撤回を要求するとともに、本市においても、現行のまま直営で運営すること。
  • 水道配水管の耐震改修が40%も残されており、早急に改修すること。また、同様に、本市の下水道管も老朽化が著しく、34%も残されている耐震改修に積極的に取り組むこと。
  • 本市の1日最大給水量43万5800㎥に対し、2018年の五ヶ山ダム完成で施設能力は78万7700㎥となり、すでに過剰である。現在着手されている小石原川ダム建設やダム群連携事業等を見直すとともに、今後、不要不急の水源開発は止めるよう独立行政法人水資源機構や国土交通省に働きかけること。
  • 当初、1日の生産水量5万トンで整備された海水淡水化施設については、この5年間の実際の供給水量が日量3万トン台から2万トン台に激減している。今後も「水余り」のため、稼働する必要はなく、しかも、同施設のコストは、この13年間で累積180億円もの累計赤字を出している。したがって、これ以上の維持管理費や改良・更新費用の無駄遣いは許されず、海淡施設は廃止するよう福岡地区水道企業団に強く求めること。

(18)防災の強化について

  • 2018年7月豪雨など全国各地で地震や台風、豪雨の被害、火山活動など、深刻な災害が相次いでいる。市民の生命、身体及び財産を災害から守ることは、災害対策基本法第1条で「国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にする」と規定されているにもかかわらず、本市の「地域防災計画」においては、基本理念で「自助、共助」を強調して入れ込み、公的責任を放棄している。市民に防災の対策義務を押しつけるのではなく、市の責任で、地域防災力の向上に取り組むよう「地域防災計画」を改めること。
  • 防災対策は、災害が発生した後の応急対策や復旧・復興対策だけでなく、災害の発生を抑え、被害の拡大を防止するための予防対策に転換する必要がある。熊本地震のように、震度7が連続して起きる場合でも、被害が最小限になるように見直しをすること。九州で最も地震発生確率が高い警固断層が活動した場合でも、避難者を「2万5000人」としか想定しておらず、都心部の勤労者と来街者の増加に合わせて見直すこと。併せて都市膨張策と無尽蔵の人口呼び込み策は、災害被害を拡大するものであり中止すること。
  • 住宅の耐震改修への市の助成制度を抜本拡充するとともに、木造戸建住宅では現在対象外とされている1981年以後の住宅でも、改修費を助成対象とすること。市内の共同住宅の耐震診断と耐震改修助成の制度については、助成要件も緩和して抜本的に金額を引き上げ、制度の周知・広報も強めること。また、人命確保のための耐震ドア、耐震ベッド、窓や屋根の補強だけでも活用できるようにすること。
  • 公共施設の耐震性を確保することは、地震に対する予防対策の基本である。ところが、2017年度末時点で、市営住宅では4団地10棟1071戸、水道施設では20%、下水道施設では19%の耐震改修が残されている。予防対策を後回しにするのではなく最優先で耐震改修を行うこと。
  • 国の被災者生活再建支援金の支給額300万円を500万円へ引き上げるとともに、対象を半壊などに広げるよう要求すること。避難所の公的備蓄を抜本的に増やし、避難者数に見合う数量の確保をすること。
  • 災害発生時に被災者救助の中心的役割を担う市の消防の体制は、国の指針に照らして、ポンプ車3台、救急車4台、人員は65人も不足しており、特に過去5年間で約9500台出動回数が増えている救急要員の充足率は89.3%と前年と比べて低くなっており問題である。本市の市民一人当たりの消防費は2017年度決算額で政令市最低額となっており、予算を確保し国の指針を満たすよう早急に増車・増員すること。また、救急救命士も大幅に増員し、消防水利の整備をすること。
  • 2018年7月豪雨では甚大な被害が生じ、本市においては65万人余に避難勧告、3715人に避難指示がだされ、自主避難も含め最大1179人が避難所に避難した。しかしこれは全体の0.17%に過ぎず、実際の避難行動に結びつくよう調査・研究すること。また避難所については情報が入手できるよう避難所にテレビやラジオを設置し、快適に過ごすことができるよう畳などを設置すること。
  • 火薬、爆薬、石油類、可燃性ガスなどの危険物貯蔵場等特定建築物の耐震化率は、「耐震改修促進計画」が作成された10年前と変わらず約59%であり、耐震化完了の目標をたて早急に実行すること。また、荒津の石油コンビナートや、西戸崎の石油タンク、東浜のガスタンク等の耐震化・液状化対策は、事業所まかせでなく、市として、国や関係行政機関と連携して、避難体制とともに抜本的に強化すること。
  • 「福岡県津波浸水想定」(2018年7月公表)によれば、従来、本市が想定していた最大津波高2m前後どころか、3.4mの水位が想定されている。津波ハザードマップに避難場所の指定を書き込むとともに、津波の想定水位を表示し、市民に啓発すること。最悪の津波を想定し、必要な津波避難ビルを確保するとともに、避難ビルの認証シールやオートロック対策など実効性ある対策を早急にとること。
  • 災害の際、要援護者の安全を確保できるよう「避難行動要支援者名簿」をもとに、市が責任を持って本人や家族の状況や特徴に合わせたきめ細かい支援計画をつくり上げること。
  • 年々集中豪雨発生などによる危険が高まっているもとで、市内の急傾斜地崩壊危険区域の指定は31区域にすぎず不充分である。県と連携して、地権者の協力も得ながら、指定区域の拡大を求めるとともに、市としても安全確保の対策をおこなうこと。
  • 現在有床診療所141施設のうち、スプリンクラーは46施設しか設置されていない。国の補助予算の増額を求めるとともに、市が独自支援をおこなって設置させること。併せて設置義務のない福祉・医療施設についても、市として独自の補助制度をつくること。
  • 市内の早良区や西区を流れる室見川は、2018年7月豪雨で上流では護岸が一部崩壊し、流域には避難勧告が出され、専門家からも護岸の老朽化による氾濫の危険性が指摘されている。河床掘削、老朽化した護岸のかさ上げ・改修などの氾濫防止対策を急ぐよう県に要請すること。また本市の浸水防止対策については、周船寺川の対策を前倒しすること。併せて、必要な河川には市有地や公園などの公的施設を活用して、地下貯水施設等を設置すること。また、調整池やバイパス雨水管などの整備、河床掘削や護岸整備を行うこと。
  • 2018年7月豪雨では主要河川の状況について、水位計や監視カメラで警戒監視を行い、避難情報を発令してきたが、水位計や監視カメラは主要河川の一部にのみ設置され、中小河川いわゆる準用河川には設置されておらず不十分である。予算を組んで全河川に水位計と監視カメラを早急に設置すること。
  • 2018年7月豪雨では西区の西山下池が一部決壊し、南区の源蔵池では十数件の宅地の一部の法面が崩落して避難指示が出される事態となった。市内300か所のため池について、耐震性や豪雨による洪水の危険性などの調査点検を行うとともに、ハザードマップの策定や暫定的な避難方法の住民周知をすること。併せて源蔵池については被害者へ生活再建の支援をおこなうこと。

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4、地球温暖化対策などの環境問題について

(1)地球温暖化防止対策について

  • 2018年の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では、2020年以降の温暖化対策の国際的な機構や取り組みを通じて、今世紀中の気温上昇を、1.5度以内に抑制することを目標とする「パリ協定」(COP22)の「実施ルール」が採択された。しかしながら、この会議で日本政府は、なんら積極的な提案行動を取らず、国内NGOからその存在感の薄さについて「限りなく透明に近い」と批判され、さらに、石炭融資では世界トップで海外NGOから「汚染者」として指弾された。安倍政権の温室効果ガスの削減目標は、世界第5位の大量排出国でありながら、2030年までに「13年比26%削減」で、これは国際的な基準である1990年比に直すと18%減に過ぎない。また、原発と石炭火力発電を「重要なベースロード電源」と位置づけた2014年のエネルギー基本計画は、世界の流れにも逆行するものである。したがって、EU並みに「1990年度比で40%削減」を目標にすることや同基本計画の撤回など、エネルギー政策の根本的な転換を国に強く要求すること。
  • 2016年12月に策定された「福岡市地球温暖化対策実行計画」での温室効果ガスの削減目標については、2030年度で2013年度比28%に過ぎず、元々低い国の水準と比較しても何ら積極的と言えるものではなく、「1990年度比で40%削減」に準じた市全体の排出総量の削減目標に改めること。また、その際、排出量を増やす「天神ビッグバン」やウオーターフロント再整備等の都市乱開発を前提にしないこと。

(2)原発について

安倍政権は、未だに福島原発事故原因の究明を放置したまま、原発を将来にわたって推進することを決め、再稼働への暴走を続けている。再稼動すれば、現実的な危険の上に、将来「核のゴミ」やプルトニウム再処理の深刻な問題も出て来るのは必至である。どんな世論調査でも再稼働反対は5割を超えている。しかも、安倍政権が原発企業と一体なって進めて来た「原発輸出」も世界各国で行き詰まり「総崩れ」となった。原発輸出を「アベノミクス」の成長戦略にすること自体、深刻な福島原発事故の教訓に学ぼうとしない許し難い姿勢であり、その「国策」が脱原発、再生可能エネルギーの拡大という世界の流れに逆行するものである。

  • 小泉純一郎、細川護煕両元総理が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が運転中の原発の即時停止など、原発ゼロ・自然エネルギー基本法案を発表しており、市長はこの基本法案に賛同するとともに、安倍政権に対して、日本中のすべての原発の再稼働をきっぱり中止し、「原発ゼロの日本」へ本格的に踏み出すよう要求すること。
  • 九州電力は、川内原発に続き、周辺4自治体が反対している中、玄海原発3・4号機の再稼動を強行した。特に3号機は、スリーマイル島(アメリカ)と同じような原発事故にもつながる2次給水系の重大な蒸気漏れ事故を発生させたが、何ら反省していない。市長は再稼働について「国の判断にゆだねる」とした安倍政権追随の姿勢を改め、九電と国に対して、玄海原発の3・4号機の即時停止と全機の早急な廃炉を強く要請するとともに、市として「脱原発宣言」を行うこと。
  • 九電と締結した「原子力安全協定」には、2次給水系事故などの報告義務が除外されているなど全く不十分である。同協定には、どんな微細な事故であってもすべてを直接福岡市へ連絡をさせるとともに、事故後対策だけでなく、再稼働や施設の変更にあたっての本市への事前説明・了解、立入調査などの内容を盛り込むよう見直しをすること。
  • 熊本地震では甚大な被害で屋外退避せざるをえない状況が出たが、原子力災害の避難計画は屋内退避を基本としており、複合的な災害によっては安全に避難できない。本市の避難計画では、157万市民が避難することは不可能である。したがって、250キロメートル圏内の住民が影響を受けるような最悪規模の事故も想定した地域防災計画・避難計画に抜本的に見直すこと。国まかせでなく市独自に避難指示が出せるよう専門機関を設置すること。

(3)再生可能エネルギーの推進について

  • 本市には太陽光・風力の市内利用可能量をすべて導入すれば市内全世帯の電力消費をまかなえる潜在能力がある。しかしながら、本市の「福岡市環境・エネルギー戦略」の再生可能エネルギー目標は、国の低い目標でさえ20%をめざしているのに、2030年で市内電力量のわずか8%を担うものでしかない。市は「大規模な風水力や地熱発電を除いたら国の11%と遜色ない」としているが、実際には中小水力や風力まで除いており、これらを入れれば国は17%と格段の差があることは明らかである。したがって、市は2030年までに電力需要の4割を再生可能エネルギーと省エネルギー技術でまかなう、電源別の目標を定めるとともに、再エネ普及目標を抜本的に引き上げること。
  • 福岡市には風力発電エネルギー量は約90万世帯分の年間約4600ギガワットアワーもありながら、「風況に恵まれていない」と決めつけてしまうのは何の道理もなく、風レンズ風車から発展し、コストも低いマルチレンズ風車やウインドソーラータワーなどを活用して風力発電にも積極的に取り組むこと。
  • 市有施設・市有地で太陽光や風力、小水力などの発電の活用を抜本的に拡大すること。その際は、環境保全や住民の健康に配慮すること。また、太陽光発電の「屋根貸し」を普及するため、補助制度を大幅に拡充すること。さらに、本市においても、地域で市民自らが主体的にエネルギー事業に共同で参画する「分権型エネルギー」を真剣に育成していくとともに、適正な買い取り価格を保障するよう、国と電力会社に働きかけること。
  • 九州電力は、「電力供給量が需要を上回ることによる大規模停電を回避する」と称して、太陽光発電の「出力制御」を実施した。このため、本市施設のメガソーラー5ヵ所と学校等の太陽光屋根貸し民間事業所5か所が影響を受けている(2018年10月現在)。 こうした出力制御によって再生可能エネルギーに真剣に取り組む市民にブレーキをかけ、再エネ事業者に何ら補償もないまま大きな打撃をもたらすことは許されない。したがって、市は九電と国に対して、原発優先の「給電ルール」を見直し、再生可能エネルギーを優先するよう、要求すること。
  • 自治体による、みやまスマートエネルギー株式会社や株式会社浜松新電力等を参考に、再生可能エネルギーを地産地消する地域エネルギー会社設立について、本市でも前向きに取り組むこと。

(4)大気汚染、騒音等問題について

  • 光化学オキシダントについては、2017年度も前年度に続いて全測定局で環境基準を達成していないにも関わらず、その発生原因抑制の一つである本市の「自動車交通公害防止計画」を終了したまま放置している。光化学オキシダントの原因研究・調査をいっそう強化するとともに、少なくともその間、同計画を再び策定して、自動車交通の総量規制に万全を期すこと。併せて、市の公用車は全て電気自動車に切り替えていくこと。
  • 東区箱崎阿恵線の自動車交通騒音、永年にわたる博多区千代地域の国道3号線・都市高速2号線・JR新幹線・航空機などによる複合騒音によって、住民の健康や生活に深刻な被害が出ており、市として実効ある解消の対策を取ること。また、市が経年的に定点観測している騒音11地点でも、2017年度2か所しか環境基準を達成しておらず、住環境を破壊している。国、県とも図って、直ちに抜本的な改善対策を講じること。
  • 福岡貨物ターミナル駅(福岡市東区)の貨車と関連作業の深夜騒音は周辺住民に、未だ深刻な影響を及ぼしている。住民が測定した騒音は深夜でありながら75デシベルから85デシベルとなっており、受忍限度を超えている。地域の自治会や小学校区の自治会連合会などからも改善を申し入れているが、日本貨物鉄道株式会社は未だまともな騒音軽減の対応をしていない。したがって、貨車の運行時間を夜12時までとし、深夜作業をやめ、併せて、居住地近くでの電気機関車のアイドリング禁止、停止する時の位置の変更や貨車のブレーキ音の改善を市は国土交通省や環境省とも連携を図って、同社に実行させること。

(5)クロツラヘラサギ、ミヤコドリなど多様な希少種が飛来し、国指定鳥獣保護区に指定されている博多湾の和白干潟については、30年にわたるその干潟を守る保全活動が、日本ユネスコ協会連盟から「未来遺産」に登録(2013年)され、2016年4月の環境省の「重要湿地」として発表された「ラムサール条約潜在候補地リスト」でも登録基準をクリアしている。本市がもうこれ以上「将来的な課題」と言って引き延ばすことは許されない。2015年約1万人、2017年5000人以上もの請願署名も出されており、市長は直ちに、「特別保護地区」指定を国に申請するとともに、次回締約国会議でラムサール条約登録地にされるよう積極的な取組みを推進すること。

(6)ごみ行政について

本市のごみ処理量は2017年度、家庭ごみも事業系ごみも昨年より増え、総量57万3000tにもなっており、これは本市のごみ減量を目指した「新循環のまち・ふくおか基本計画」(目標年次2025年度)の122%に上り、ごみのリサイクル率も31.4%と遠く及んでおらず、抜本的なごみ減量と再資源化の取り組みが求められている。

  • 家庭ごみについては、3Rの促進とともに、紙類は「燃えるごみ」とはせずに、市の責任で分別収集を拡大すること。
  • 粗大ごみの屋外持ち出し料金については、負担を減らすため、高齢者や障害者等は無料にすること。
  • 本市においては、廃プラスチック類を分別せず、燃えるごみとして収集し、2018年度も約5万トンを大量焼却している。政令市の中でこうした分別をしていないのは、福岡市を含めわずか3市のみである。環境省の基本指針でも「廃プラスチック類の取扱いについては、まず発生抑制を、次に再生利用を促進」し、「焼却による熱回収よりも、リサイクルの方がCO2の排出量は少ない」としている。したがって、本市も焼却に頼るのをやめ、プラスチック製容器包装類の分別を行い、その再資源化をめざすこと。

(7)本市の公共事業で発生される産業廃棄物である建設残土については、その処分が適正に行われているかどうかを現地に出かけて監督する義務があるにも拘わらず、人工島での工事残土が実際には飯塚市にある産業廃棄物処分場の許可エリア外に置かれて、市外住民にも多大な被害をもたらしていた。ところが、本市は、そこが許可エリアかをも確認しておらず、また、ため池の残土でも現地に出かけて監督していないなど、杜撰な実態が明らかになった。福岡市の指定した処分場以外に持ち込まれる「自由処分」の残土は全体の85%にも達している。したがって、残土処分の総点検、チェック機能を抜本的に総ざらいして、「建設発生土の処理ルール」通りに実施すること。

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5、中小企業・小規模企業の営業を守る総合的施策、農林水産業の再建を

(1)中小企業・小規模事業者対策および経済対策について

中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在である。本市でも企業の99.1%を占め、働く人の3人に2人が働いている中小企業、とりわけ小規模事業者を支えれば、地域経済の循環に役割を果たし日本経済再生の道がひらかれる。“大企業がよくなれば中小企業もよくなる”という、大企業中心の経済政策を根本的にあらため、中小企業を日本経済の根幹に位置づけ、それにふさわしい振興・支援策をすすめるときである。しかしながら、帝国データバンクが2018年3月に全国2万3137社を対象にした調査では、アベノミクスの評価について、規模の小さい事業所ほど、アベノミクスが実感できないという厳しい指摘が相次いでおり、大企業と中小企業・小規模企業との間で、評価の格差が広がっていることが示されている。

  • 髙島市長は、中小企業のビジネスチャンスの拡大にもつながるとして、国家戦略特区を活用したスタートアップ都市づくりに27億8000万円、観光・集客戦略の推進には20億800万円など企業や人を呼び込む施策には莫大な予算をつけて推し進めている。しかしながら、地元の中小企業・小規模事業者への経済波及効果はなく、経営と存続は深刻な状況である。中小企業・小規模事業者の振興予算は、融資と金融対策を除いて、わずか2億5217万円と極端に低いままである。本市の経済と雇用を支えている中小企業・小規模事業者の振興予算を抜本的に増やすこと。
  • 中小企業振興施策の策定、実施にあたっては、福岡市中小企業振興条例第4条2項に規定している「中小企業者の実態の把握」を確実に行うために悉皆調査を実施すること。
  • 中小企業者や小規模事業者の意見を反映させるために、中小企業振興審議会の回数を増やし、部会を作るなどして、より専門的な活動ができるようにすること。
  • 景気回復のための経済対策には公共事業だけでなく、地場中小企業・小規模企業の仕事づくりにつながる民間需要の拡大が不可欠である。全国で573自治体が実施している住宅リフォーム助成制度は、地域住民が、地元の中小建設業者に発注することが条件であり、投じた金額の10~25倍の経済波及効果や住宅の寿命をのばすなど環境対策としても効果が明らかとなっている。住宅リフォーム助成制度を拒否し続ける異常な姿勢をやめ、対象工事を限定しない制度を本市でも創設すること。
  • 請願が採択されながら長年棚上げにされている、競争入札資格のない未登録業者に対して、自治体が建設工事や修繕工事等を発注する小規模工事登録制度を直ちに実施すること。
  • 市が発注している官公需の契約実績は1000億円にものぼっている。しかしながら、本市最大の公共事業である人工島事業の岸壁改良工事では、地元小規模企業への発注はゼロ、下請けまで含めても8%しかなく、一方、学校改修事業でみると、地場の小規模企業への発注は95%にもなっている。暮らしに身近な公共事業ほど、地元の小規模企業が受注している。従って、官公需が市内の中小企業の仕事起こしに役立つよう運用状況を調査し、市内の地元中小企業、特に小規模企業への生活密着型の公共事業を優先して発注すること。その際、中小企業とは分けて市内の小規模企業に対する官公需の発注状況についても調査し把握すること。
  • トライアル発注認定事業については、認定商品のホームページへの掲載だけでは不十分であり、広報などPR活動の改善・充実を図るとともに本市での購入を抜本的に増やすこと。
  • 公共工事設計労務単価は2012年度比で、平均で1.44倍に引き上げられたものの末端の労働者まで反映していない。市は技能労働者への賃金水準の引き上げなどについて適切に対応するよう、元請業者に文書で要請しているとしているが、未だ下請代金の未払いや大手ゼネコンによる低単価発注などをやめさせるためのルールが守られておらず、市として現場の下請け、孫請けの実際の賃金について、従業員への聞き取り調査をはじめとした実効のある対策を講じること。また「公契約に関する基本法の制定を求める意見書」が本市議会で採択されるなど、公契約法(条例)の制定を求める運動と世論は大きく広がり続けており、「公契約条例」を制定した自治体は川崎市、相模原市などの政令市、県内の直方市を含め、26都道府県の65自治体に及んでいる。自治体の仕事を受注する企業に人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける公契約条例の制定をすすめること。
  • マイナンバー制度の施行で中小企業、小規模事業者は、従業員とその家族の番号管理に加え、パソコン管理においても番号の流出防止のためにインターネットから遮断し、専用のソフトまで購入しなければならないなど、費用負担及び実務が大変な状況である。個人、事業者宛の通知などにマイナンバーの記載は必須ではないことを周知徹底すること。あわせて制度そのものをやめるよう国に求めること。
  • 国に対し全業種100%保証の「セーフティーネット融資」の復活を求めるとともに年利1%未満、保証料全額補助の恒常的な融資制度をつくるとともに経営安定化特別資金の一般枠の保証料率を特例枠並に引き下げること。また、市の融資制度で不必要な書類を強要しないよう、銀行や保証協会に対して改善をもとめるとともに、市が責任をもって、必要な融資が受けられるよう銀行や保証協会に働きかけること。
  • 2017年に実施された「福岡市商店街実態調査」の結果、商店街数が138団体と2009年と比較して24団体も減少していることが明らかとなった。また、後継者の決まっていない65歳以上の経営者の店舗数は1商店街平均4.9店となっており、商店街の衰退が深刻な状況である。本市、中小企業振興審議会においても、商店街連合会の代表から「商店街、中小小売店業者は景気回復の実感が得られていない状況」「平成31年10月に実施される消費税率の引き上げで個人消費の回復は難しく、厳しい状況が続く」などの意見が寄せられている。また、同審議会において、アーケード、街路灯等の共同施設の設置、補修・整備のための費用の支援や、空き店舗の入居費、改装等に対する助成を求める意見が出されている。地元商店街や商店を守るため、実態や要望を踏まえた十分な支援をおこなうとともに商店街対策予算の増額と体制強化を図ること。また、そのためにも全国の107自治体で実施されている、店舗の新築、増築、リニューアルや備品購入などに対する助成を行う「商店リニューアル助成事業」を創設すること。
  • 身近な所に買い物場所がない高齢者が増えているが、買い物弱者対策事業として実施されている「地域との共生を目指す元気商店街応援事業」の活用商店街は少ない。一方で商店街実態調査では買い物弱者を認識している商店街は6割にも上っている。従って、支援内容を商店街などが支援を受けやすいように改善するとともに予算を増やすこと。

(2)雇用・労働条件の改善について

  • 安倍政権が野党と広範な団体、市民の反対を押し切って「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)と「残業時間の上限規制」法を一本化した労働基準法の改定案など8本の法律を一括改定する「働き方改革推進法」を強行成立させた。働く者の命と健康をまもり、まともな働き方改革を実現するために、労働時間規制を全面的に適用除外する「高度プロフェッショナル制度」(「残業代ゼロ」制度)を労働基準法から削除し、世界にほとんど見られない「みなし労働時間制」を採用している裁量労働制の抜本的見直を国に求めること。
  • 最低賃金の引上げは待ったなしであり、ただちに最低賃金時給1000円を実現し、1500円以上をめざすことを国に要請すること。
  • 国の2018年10月の労働力調査によると、役員を除く雇用者にしめる非正規雇用の割合が38%と調査開始以来、最も高くなっている。本市では全国平均よりも高く労働者全体の4割にも及んでいる派遣労働者、契約社員やパート、期間社員などの非正規労働者は、正規労働者の6割弱という低賃金に加えて、短期・細切れの雇用契約の更新がくり返される等、つねに雇用不安をかかえて働いている。市長が直接地元財界や大企業に正規雇用の維持・拡大を強く要請すること。また、市内の大企業の残業協定は大半が過労死ラインの月80時間を超えており、是正を求めること。
  • 福岡市が2017年11月から始めた「働き方改革推進企業認定事業」は「大臣告示」の月45時間を超え、60時間の残業をしても、長時間労働の是正にチェックがなくても認定され、従業員への調査や聴取もしない仕組みとなっている。したがって、「ブラック企業」を認定しかねない制度となっている本事業について、抜本的に見直すこと。
  • 過酷な労働条件、雇用環境で労働者を使い捨てにするブラック企業の根絶に向けて、本市として専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくり、街頭相談や電話相談を行うこと。また、ブラックバイトに関しては大学や高校と連携して周知徹底と相談体制を構築すること。あわせて、ブラック企業根絶条例を策定し、市として調査、相談、啓発に積極的に取り組むこと。
  • 福岡市が発行している「働くあなたのガイドブック」は、ブラック企業やブラックバイトを根絶するためには大事な広報物である。2017年は1万1700部発行され、高校、専門学校、大学、短期大学に9081部配布されている。一方、共産党市議団の調査では、「ガイドブックを見たことがある」と答えたのは1%であった。従って、抜本的に作成部数を増やすとともに、どのように配布し活用されているのかを把握すること。また、我が党が要求し、2018年3月にはじめて発行した「働くあなたのリーフレット」を市内の高校、専門学校生、大学生全員に渡せるように作成部数を増やすとともに、労働者向けリーフレットを作成すること。

(3)農林水産業の振興について

  • 安倍政権が9月の日米首脳会談で、日米FTA交渉を開始することで合意したことは、日本の農林水産業をきわめて深刻な危機に立たせている。このまま日米2国間交渉に引き込まれていけば、TPP交渉で譲歩した線が出発点となって、際限のない譲歩が迫られることは火を見るよりも明らかである。アメリカが要求している農産物の輸入拡大は、安倍政権のもとで低下した食料自給率(38%)をさらに押し下げ、地域経済の柱である農業、それにかかわる加工・輸送業に致命的な打撃を与えることは必至である。亡国の日米FTA交渉をきっぱり中止することを国にもとめること。また、政府が承認を強行した日欧経済連携協定(EPA)についても、82%の農産品の関税を撤廃するなど、国民の生存基盤の農業の破壊につながるものであり、承認を取り消すよう国に求めること。
  • 本市において生産量が多い花卉、野菜の価格安定対策や助成制度の改善・拡充を国に要望するとともに、当面市の責任で拡充すること。
  • 本市の農家の経営主の平均年齢が71.2歳となっている。農家戸数及び農業従事者数についても、2013年度と2017年度を比較すると、296戸、776人も減少している。一方で、農林業総合計画における本市の新規就農数の目標はわずか12人という極めて低い目標になっており、農業従事者が増加する目標を設定すること。農家の後継者づくりについては、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、農業への新規参入者を増やすこと。農業次世代人材投資事業を本市のような都市近郊農業にも充分に活用できるよう要件の緩和を国に要求すること。また、これ以上耕作放棄地を増やさない手立てをとるとともに、活用については市民農園や体験農業、学校農園、農業ボランティアなどさまざまなチャンネルで市民の多くが農業・農村にふれ、生産にかかわる取り組みができるようにすること。また株式会社への農地取得・利用を認める政府方針に反対すること。
  • 有害鳥獣による農作物への被害額について、大幅に減少しているものの2017年度は約5000万円となっており、そのうちイノシシの被害額は約3300万円で被害額の67%をしめている。引き続き必要なワイヤーメッシュ、電気柵の設置などを行うために、予算を増やすこと。また該当する鳥獣の生態や繁殖条件の調査、増えすぎる鳥獣を適正な密度に減らす地域や自治体の取り組みを支援するよう国に申し入れること。また、鳥獣が街中に下りずに生息できる森林環境の整備をはじめ国が鳥獣被害対策交付金を大幅に増やし、農家や自治体の防護柵・電気柵・わなの設置、捕獲物の利用などへの支援を強めるよう申し入れること。
  • 市場を移転統合した後、新青果市場で取引を行っている小売業者は、開設前の2016年1月と比較すると589人から492人に減少している。小売業者や生産者などの高速代及びガソリン代の負担が増えており、負担軽減策をつくること。2018年6月に改定された卸売市場法は、卸売市場の整備と取引規制という2つの柱を法律の目的から削除し、卸売市場の公的役割を後退させるものであり、元にもどすよう国に求めること。また、福岡市中央卸売市場における運営については、引き続き、市が開設者になるなど、公的役割を果たすとともに、取引規制の廃止を行わないこと。
  • 本市の木材は、安い外材の影響で市内産木材の需要が伸びず、荒廃森林も増えている。市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。また、「公共建築物木造利用推進法」が施行されて9年になるが、市公共施設整備における2017年度の木材使用量は2016年度と比較して減少しているなど、本市ではまったくすすんでいないのが実態である。地域産材利用促進事業の予算はわずか260万円となっており、抜本的に予算を増やし、不足している木造の設計・建築技術者の育成や木造建築技術の開発・普及にとりくみ、需要を計画的につくりだすなど、可能な限り木造化を推進すること。あわせて、木質バイオマスの活用検討予算は15万円だけであり抜本的に予算を増やし、公共施設への木質バイオマスを燃料とする器具の導入を図ること。
  • 安倍政権が今年6月に成立させた、森林管理経営法は森林所有者の経営管理権を市町村を通じて民間事業者に委託するものであり、市町村が集積計画に不同意の所有者からも経営権を取り上げる仕組みとなっている。市として森林所有者から経営権を取り上げないようにすること。また自発的な森林経営者の経営に介入することになり、森の健全育成に逆行する森林管理経営法の撤回を国に求めること。
  • 安倍政権は多くの漁業者に十分な説明もなく、きわめて短時間の審議で、沿岸漁業の漁業権を地元漁業者に優先してきたこれまでの仕組みを廃止し、地元外の企業に与えることを可能にするなどの漁業法の大改悪を強行成立させた。漁業法の改悪で、力のある企業の沿岸漁業の参入、支配が広がり、地元漁民が狭い漁場に追い込まれることは明らかであり、撤回を国に求めること。

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6、憲法と子どもの権利条約を生かし、子どもの成長・発達を中心にすえた教育・文化行政の推進を

現在の本市の教育計画「新しいふくおかの教育計画」は、「世界に羽ばたく人材育成」などとして、英語教育をことさら強調し低学年に拡大するなど財界要求に基づき各教科のバランスを壊し、発達段階を無視する歪んだ内容となっている。策定中の新計画も「グローバル社会を生きるキャリア教育の推進」を掲げるなど現計画を継承しようとしている。

また、「あいさつ・掃除、自学、立志」という「福岡スタンダード」と名付けたスローガンは新計画においてさらに項目を増やし特定の価値観を子どもと教職員に押し付けようとしている。

新計画は教育の目的から逸脱することなく子どもの発達と人格の完成を土台に据えたものへと抜本的に見直すことが求められる。


(1)一般会計のほぼ6%台で推移し史上最低水準となっている本市の教育予算(権限委譲分を除く)は、抜本的に増額すること。

(2)本市における35人以下学級は小学校4年生までで打ち切られ、中学校は1年生のみ選択制となっている。教育委員会が行った「教育意識調査」においても教職員、保護者ともに全学年での35人学級実施が多数の願いとなっていることが浮き彫りとなっている。新教育振興計画に「全ての学年、学校で35人以下学級」を明記して実施すること。

(3)教職員の働き方の改善について

いま、教職員の長時間労働が社会問題になっている。本市でも例外ではなく教職員は休みたくても休めず慢性的な長時間過密労働を強いられ、精神疾患などによる休職者は減らず健康破壊が深刻である。実態調査においても月80時間を超える勤務時間外の活動が明らかになっている。その是正は、労働条件の改善として緊急であり、子どもの教育条件としてきわめて大切な課題である。

  • 1日5コマも6コマも授業を持てば、所定の勤務時間内に仕事を終えることは不可能である。教員の持ち時間数の上限を、1日4コマを目安に定め(小学校で週20コマ、中学校で週18コマ)、それに必要な授業時間数の見直しを行い、教員定数を増やすこと。
  • 学校業務の削減が必要である。「校務支援システム」では抜本的な対策にはなっていない。学校において、教職員の話し合いに基づき、学力テスト対策の補習の中止や研究授業の指導案の簡略化、アントレプレナーシップ教育など不要不急の業務を削減・中止するよう指導すること。地域行事など勤務時間外の活動への参加押し付けは行わないよう学校現場を指導すること。
  • 昨今「教師・講師不足」が深刻となり、その穴埋めのために持ち時間数が増えるなど、悪循環を引き起こしている。過重・超過勤務の抜本是正のため、正規採用を大幅に増やし、講師頼みでない人事政策へと転換すること。
  • 部活動指導のガイドラインで定めた「休養日は週2日以上、土日のどちらか休み」を徹底すること。教員が顧問になる義務はなく、顧問強制はやめさせること。
  • 常勤講師について、権限委譲に伴い廃止した退職手当、大幅に縮減した夏期休暇日数、1年を半年に短縮した採用期間等、改悪内容を元に戻すとともに、常勤講師・非常勤講師ともに賃上げ・勤務条件の改善を図ること。
  • いじめや不登校をはじめとする諸問題を改善するために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、学校司書等の専門職員の位置づけはますます重要になっており、現場の願いも切実である。これら専門職員を正規化し全校配置すること。また、養護教諭の複数配置をひろげること。

(4)教育のあり方について

  • 「二分の一成人式」はことさら親への感謝を子どもに強要し、様々な事情を抱えた子どもに個人的な心情を発表させるものでありやめること。
  • 後を絶たないいじめの根絶に向けて、いじめは人権侵害であると位置付け、学校及び教育行政の子どもに対する安全配慮義務、集団的に対応する学校の責務、いじめられた子、いじめた子に対する徹底したケア、被害者の「知る権利」を保障することを原則として取り組むこと。
  • 子どもと学校間の競争を激化し、教職員の困難を増大させている一斉学力テストは、やめること。
  • 道徳の教科化を見直すよう、国に対して求めるとともに、本市としては評価を強制しない手だてをとること。
  • 中学校における職場体験学習の受入れ先に自衛隊を選定する理由について「近年、災害が多発している中で、人命救助について学ぶ観点」と正当化している。しかし、憲法違反の集団的自衛権が付与されている自衛隊は体験先としてふさわしくない。にもかかわらず、昨年度4校26人が陸上自衛隊福岡駐屯地及び航空自衛隊春日基地で参加している。自衛隊を職場体験学習の選択肢から外すよう学校に指導すること。
  • 学校・子ども・保護者に対して日の丸掲揚、君が代斉唱を実質強制しているやり方を改めること。
  • 一昨年12月に西区の小学校で3年の男子児童が鎖骨を折る怪我を負った体罰をはじめ、部活の練習態度が不真面目といって胸元を掴み倒して平手で頭部を叩くなどの体罰が発生している。相次ぐ体罰の根源にある要因を教育委員会として解明し、根絶のために取り組むこと。
  • 顧問が確保できないことなどを理由に中学校部活動が廃止に追い込まれている。当面、補助指導員の更なる充実のための予算増額を図り、顧問の確保・育成のための抜本的な方策を検討すること。指導員には、顧問の教員と連携した過熱化の抑制、スポーツや文化の科学的知見や教育の条理を踏まえた指導を重視させること。また市大会、県大会等上位大会出場旅費も不足している事態を解消するため関連予算を増額すること。
  • 教科書採択方法については現場教師の意見が重視されるよう当面元に戻し、より民主的な方法へと改善すること。教育委員会会議については非公開を改めて完全公開とすること。
  • 新たな標準服の導入やあり方について検討している「中学校標準服検討委員会」は「新たな標準服を提案する必要性を確認」した。新標準服は生徒が快適に学校生活がおくれるようなものにするのは勿論、とりわけ性的マイノリティや外国籍の生徒に配慮したものにすること。委員会メンバーに、LGBTの意見を更に反映させるため関連団体からの委員の増加、子どもの貧困や福祉関連の学識経験者を入れること。また、標準服自体も当事者や現場の意見を尊重しつつ、教育委員会として廃止も含め検討すること。

(5)教育を受ける権利の保障について

  • 昨年10月に生活保護基準がまたも引き下げられたことを理由に、本市の就学援助基準を改悪しないこと。クラブ活動費・生徒会費・PTA会費について項目に加え、国に対して財政措置を求めること。入学準備金を必要実態に合わせ更に引き上げること。
  • 不登校生に対応するまつかぜ学級・はまかぜ学級と同様の施設を増設するとともに民間のフリースクールへの助成を行うこと。
  • 公立夜間中学は8都府県25市区に31校が設置され、約1800人が学んでいる。夜間中学のニーズはすでに明確であり議会請願もなされるなど要望が強い。国は各都道府県に1か所の設置を目指しており市立夜間中学を本市に設置すること。

(6)教育環境の改善について

  • 分離新設されたばかりの西区・西都小学校が児童数の増加でまたも分離新設となる。この間、市内のいたるところで急激な児童生徒の増加によって、学校がパンクし教育環境が悪化するという事態が繰り返されてきた。市長が「都市の成長」などとして人口流入を推し進め子どもたちを犠牲にすることは許されず、教育環境整備の立場から無責任な開発はやめるよう市長に進言すること。
  • 千早校区は駅前の開発とマンション建設の急増で人口が増え、小学校がこの5年間で320人も増え、2021年には1040人になる見込みである。運動場が狭く国の基準の半分近くとなり、3学年ごとの使用割りを作成し、運動会は隣の中学校を借りて実施しているなど教育に支障が出ている。したがって、千早小を分離し、別の小学校を新設すること。また、西区・元岡中学校も生徒数が増加しパンクしそうであり学校用地を取得すること。
  • 東区・箱崎中学校の九大箱崎キャンパス跡地への移転は、土壌汚染がない安全な場所を選ぶこと。また、近隣の児童数の増加が予測されるため跡地に学校用地を確保しておくこと。
  • 災害時に避難所になる体育館や理科室などの特別教室へのエアコン設置は国の「臨時特例交付金」を活用すれば本市の負担は約75億円ですむ。早急にエアコン設置を決断すること。また、不登校ぎみの生徒のためのステップルームとPTA会議室へのエアコン設置を行うこと。あわせて、市立高校のエアコン電気代は市が負担すること。エアコンの運用については児童生徒の健康維持を最優先に配慮して、現場の裁量により運転させること。
  • 昨年7月、大阪市でブロック塀の倒壊による子どもの死亡事故が発生した。この事故を受けて本市も危険なブロック塀の調査をおこない87校に問題があると公表している。しかしながら、改修が完了しているのは僅か1校であり、子どもの命に関することにもかかわらず対応が遅すぎると言わざるを得ない。ブロック塀対応の「臨時特例交付金」を使って緊急に改修を行うこと。
  • 通学路のそばにある831件もの危険なブロック塀の撤去が急がれる。現在、民間の危険ブロック塀の撤去の補助は対象が狭いうえに、補助額が少なく年間の利用はたった5件である。抜本的に対象を広げ、補助額を増額し、特に通学路については特別の体制で危険ブロック塀をゼロにするプロジェクトを行うこと。
  • 7月の大雨災害で西陵中学校グラウンドの擁壁が幅40メートルにわたって崩落し、土砂が付近の住宅街に流れ込み民家や通行中の車などに被害を与えた。同じような擁壁を持つ学校が20校あり早急に調査を行い、しかるべき対策を講じること。
  • 学校施設の老朽化が進む中で改修費は増やさなければならないにもかかわらず現状維持に留まっている。校舎校地等維持補修費を増額して学校施設の改修を大幅に進めること。施設・設備をはじめとする学校環境・安全点検は現場だけに押し付けず、予算を組んで専門家により少なくとも年1回は行うとともに築30年以上の大規模改造未実施校について全て来年度着手すること。また、プールについては財政負担を理由に改築しない方針を撤回し必要な改修・改築は速やかに実施すること。
  • 学校用務員の拠点校方式によって、各学校に用務員が常駐していない。そのために用務員の数も減って現場では既に不都合が生じており、施設及び設備の維持管理に不十分な点が目立ち、修繕の対応に時間がかかるようになっている。児童生徒の安全で快適な学習環境の確保に支障が出ないよう用務員を各校1人は配置すること。
  • 用具室やボイラー室など校舎以外の施設にスレート板やPタイルなど、アスベスト含有が疑われる建材が使用されているという長年の指摘にもかかわらず、調査も行わず、教育委員会はまともに受け止めていない。学校からアスベストを全て撤去する指針を策定し、当面の取り扱いについては緊急対策を図るとともに、対処後の報告を義務付けること。
  • 洋式トイレの増設計画は完了までにあと10年以上かかるとされているが大幅に前倒しすること。トイレが不足している学校については増設を行うとともに「臭い」「汚い」「暗い」「プライバシーが守れない」などの問題について早急に解消すること。

(7)おいしく、安全な給食のために

  • 学校給食は、全ての子どもにとって重要であるが、特に低所得世帯の子どもの栄養にとって重要であり、食格差を改善する政策である。食格差を縮める観点から給食費の負担減が求められている。子どもの学校に関する出費の中で、給食費の占める割合は大きい。支援対象者を限定せずに、全員の給食費を無償化する普遍的な子育て支援策として実現することによって、結果的に低所得者への援助ともなる。したがって、給食の無償化を目指すとともに一部無償化や一部補助を含めて検討すること。
  • 中学校給食におけるアレルギー対応食の提供については、西区・早良区で残されている未対応を早急に解決すること。
  • 小学校給食の民間委託は中止し、現行の非常勤嘱託員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、責任を持った調理を直営で行うこと。また、狭隘化や老朽化をはじめ労働環境が劣悪となっている給食室・控室については大規模改造を待たず直ちに改善するとともにエアコン・スポットクーラーを設置すること。

(8)特別支援教育について

  • 通常学級で学ぶLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)など発達障害児に対応する支援体制の遅れにより、困難が拡大している。通級指導教室を増設すること。特別支援学級は、学年が広範囲にまたがっており、また一人ひとりの障害の程度に幅がある。児童生徒8人を担任1人で受け持つという基準では不十分であり国に改善を求めること。また市独自に小中学校の特別支援学級の教員を1クラス2人以上にするよう加配すること。
  • 「特別支援教育支援員」を大幅に増員して必要な児童生徒に行き届くようにすること。「支援員」については、短期の臨時的任用という配置は問題であり、雇用期間を1年以上にするなど安定・継続できる雇用にすること。

(9)高校・大学の教育について

  • 「市立高等学校活性化に向けた取組方針」には、部活動の加入率、大会やコンテスト出場など学校を正当に評価するにあたらない詳細な成果指標が定められている。過度な競争に駆り立てる「方針」は撤回すること。
  • 本市独自の私学助成は拡充を図ること。
  • 経済的理由で進学を諦めざるを得ない若者をなくすために市独自の給付制の奨学金を創設すること。重要な役割を果たしている市教育振興会高校奨学金は希望者全員が借りられるよう改善すること。

(10)幼稚園教育について

  • 私立幼稚園の運営は幼児の減少や人件費の負担増などで極めて厳しい状況にある一方、障害児の受け入れ、預かり保育の実施による対応にも苦慮しており、教諭の待遇改善を図るためにも、運営費補助などを大幅に増額すること。
  • 医療的ケアが必要な子どもに対して看護師や教員を配置できるようにすること。

(11)本市の図書館の住民100人当たりの蔵書数は政令市最低レベルであり、予算を増やし総合図書館及び分館などの蔵書充実を図るとともに、地域による格差を是正するため、図書館増設を急ぎ、当面「移動図書館」(仮称)を実施すること。また、司書は正規職員として増員すること。図書館を営利追求の場に変質させる指定管理者制度はやめ直営に戻すとともに、運営への民間営利企業の参入を進めないこと。

(12)社会教育施設について

  • 公民館が「自治協議会のセンター」に変質させられ社会教育施設としての機能を果たせなくなっている事態が起こっている。本来の役割を果たすため必要な人員を確保できるよう予算を増額すること。公民館の利用については、幅広く市民の使用ができるものであるにもかかわらず、市民の利用にあたって、活動への行き過ぎた干渉や、誤った対応が行われているケースが散見されており、館長や主事に対し、適切な対応のあり方について徹底すること。
  • 早良区に建設予定の地域交流センターの整備に当たっては、ホールをはじめ諸室の設計に利用者の声を取り入れるとともに、早良区北部南部双方向から乗り換えなしで行けるバス路線の充実を図ること。また、南区における整備計画も急ぐこと。

(13)文化行政について

  • 芸術・文化は、人々に生きる力を与え、心豊かなくらしに欠かすことができないものであり、文化を創造し、享受することは国民の権利となっている。しかしながら、安倍政権は、「稼ぐ文化」をめざし、芸術・文化に「経済効果」や「効率」を求めている。本市では、文化行政を経済観光文化局に集約して以降、「文化財の活用」など開発・観光や経済的利益のための文化行政にゆがめられている。経済観光文化局を改組し、文化行政を本来の姿に戻すこと。
  • 2017年10月に開館した科学館について、少年科学文化会館では展示室への観覧料が無料であったにも関わらず、未就学児以外は有料となっている。また、プラネタリウムについても、料金が値上げされたうえに、市内在住65歳以上の減免制度もなくなっている。したがって展示室及びプラネタリウムの観覧料について、少年科学文化会館当時の観覧料と減免制度に戻すこと。
  • 市内における演劇等の専門性に対応できる中規模ホールが不足している。拠点文化施設内に整備予定の800席の劇場型ホールだけでは足りず、そのほかにも建設すること。また800席の子どものための劇場型ホールを公共用地跡地などに建設すること。
  • 2018年12月に福岡市拠点文化施設及び須崎公園再整備事業の整備に係る、事業者検討委員会が設置されたが、検討委員は市の関係者や学識者だけになっている。地元の文化芸術関係者や住民の代表を検討委員に入れること。また、拠点文化施設の運営などのソフト面では、社会包摂の場として役割を果たすよう検討を行うとともに、洗練された舞台芸術を「観る」ことだけではなく、舞台の創造、舞台芸術をささえる人材育成など本市における文化の拠点にすること。
  • 音楽・演劇練習場の4施設は8割から9割の高い稼動率を維持している。高い稼働率で、利用しづらい状況を放置することは許されず、直ちに音楽・演劇練習場がない西部地域に設置するととともに、すべての行政区に設置すること。また、ぽんプラザホールも稼働率が高く、利用しづらい状況にあり、同様の小劇場を増設すること。
  • 「子どもたちの7人に1人が貧困」という調査結果もあるほど、子どもの貧困が進んでおり、子どもたちの心豊かな成長のために、どの子にも芸術・文化を創造、鑑賞できる条件を整えることがますます重要となっている。しかしながら、本市において、各小中学校にダンス、演劇、伝統芸能等のアーティストを派遣し、子どもたちが文化芸術を鑑賞、体験する機会を創出する、子ども文化芸術魅力発見事業の実施校は拡充されているものの、2018年で全144校のうち50校しか実施されていない。すべての小中学生が1年に1度は文化芸術に触れる機会をつくるために事業を拡充すること。

(14)埋蔵文化財の活用については、文化庁が求めているように地域に親しまれた財産とすることや学校教育、生涯学習の場で活用するように抜本的に改善し、関係予算を増額すること。埋蔵文化財センターの収蔵物の活用にあたっては、市民への展示・公開を積極的に行う展示スペースを確保すること。

(15)スポーツ行政の推進について

スポーツ基本法は「スポーツは国民の権利」という基本理念を明確に位置づけ、地方自治体のスポーツ振興の責務を明記している。ところが、本市におけるスポーツ行政は、福岡の都市を売り込むことなどを目当てに、呼び込み型のスポーツイベントの誘致や派手な事業に予算をつぎ込むなど、後退とゆがみが生じている。こうした中、市民のスポーツ実施状況の現状は、週1日以上の実施者は53.3%と前年比で6%も下がっており、スポーツ活動の多面的な発展をはかる条件を整備することが求められている。

  • 市内スポーツ施設の土日祝日の応募倍率は、野球場等で35.9倍、テニスコートで16.3倍、体育館等で5.6倍など誰もがスポーツをする権利が保障されていない。身近なスポーツ施設を新・増設し、推進すること。さらに、体育館、市民プールなどの利用者からは、「駐車場が狭い」「更衣室が狭く、エアコンも欲しい」「卓球台やバレーネットが古い」など、施設整備への改善の声が多数寄せられている。老朽化しているスポーツ施設は改善し、スポーツ用具については適宜、更新すること。その際、スポーツをギャンブル化する「スポーツ振興くじ助成金」の収益金に頼る財源をあらため、市として財政措置を取るとともに、公共スポーツ施設整備のための補助金の対象と補助率の拡大を国に対して求めること。
  • 障害のある人もない人も、スポーツできる権利を保障するための身近な環境整備やバリアフリー化、運動広場の改良は、自治体の義務である。障害者がスポーツ・レクリエーション等の活動を通して、障害者スポーツの振興と障害者の心身の健康増進、社会参加推進を図り、障害の有無にかかわらずスポーツを行うことができる本市のスポーツ環境を作ること。特に、拠点施設である「障がい者スポーツセンター」は、老朽・危険箇所が施設内に数多くあり、空調や照明、駐車場、洋式トイレの少なさに対する意見を多くの利用者がアンケートに記すなど、公共スポーツ施設として極めて問題がある。施設の改修や要望にすみやかにこたえて改善するとともに、学校跡地や市有地を使って絶対的に足りていない「障がい者スポーツセンター」の増設計画を立てること。
  • 住民のスポーツ参加を増進するための施策をすすめる専門職員の確保、指導者の配置を行うこと。担い手としての活動を支えるために、スポーツ推進委員の位置づけを高め、研修費や必要経費への補助金を充実させ、地域でのスポーツ振興への支援や奨励をおこなうこと。
  • 総合体育館については、車で利用することが前提の位置にありながら、駐車料金は最初の1時間の無料制度がなく、頭打ち制限料金も500円(各区の体育館は300円)と高く駐車料金は値下げすること。総合体育館の利用申し込みについては、中高生の大会などの申し込み枠が極めて少なく、従来の各地の体育館で運営してきた大会を差し置いて、BJリーグなどプロスポーツ大会を優先する等のSPCによる利益第一主義は許されず、市が改めさせること。
  • 千代町の市民体育館については、市民スポーツの拠点体育館として、大規模改修を行い、今後も使用し続けること。九電記念体育館と弓道場の閉館に伴い、代替の施設を身近なところでつくること。
  • 本市の体育館やプールなどのスポーツ施設の管理については、利用者から「アリーナや競技場の照明が暗い」「エアコンがあるのに冬は寒く、夏は暑い」「利用時間や駐車場時間に機械的な対応をされる」「ロッカーが有料」などの経費節減の対応に不満の声があがっている。利用者の立場にたった運営のために、営利企業による指定管理はやめ、直営にもどすこと。

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7、一人ひとりの子どもが大切にされ、安心して子育てできる市政に

(1)「中学生までの医療費無料化」を求める市民の声に押され、入院は中学3年生まで無料化されたものの、通院については自己負担が導入されている。自己負担が押しつけられた3歳以上から就学前については受診抑制も生じており、ただちに無料に戻すこと。子どもの医療費助成は中学卒業までを対象にしている自治体が1030で、高校卒業までが476にのぼるなど、中3までの助成は当たり前であり、小学6年生にとどまっている本市は非常に遅れている。市長選で、市長は西日本新聞のアンケートに対し「安心して子供を産み育てられる環境づくりを進める」「子育て支援の充実が必要」と回答しており、通院についても中学卒業まで、自己負担をやめ完全に無料にすること。あわせて、必要なすべての子どものメガネ・コンタクトにかかる費用も助成対象とすること。

(2)保育行政について

  • 髙島市長は7年間で保育所を1万3000人分整備したなどと述べ、2期8年の実績として打ち出しているが、実態は髙島市政発足前は1104人だった未入所児童は1471人と大幅に増加しており(4月1日時点)、依然として保育所は足りていない状況である。本市には学校や青果市場、消防出張所等々たくさんの跡地があるがまったく活用しようとしない。破綻した詰め込みや認可以外の保育施設で対応する市長の小手先のやり方をただちに改め、公共用地を活用して、適正規模の認可保育所を新築中心に抜本的に増やし、保育所に入れない子どもをなくすこと。特に大名小と青果市場跡地の保育所建設は請願も出されており、住民要望通り新設すること。また、減らし続けてきた公立保育所を増やすこと。
  • 厚生労働省の2017年の調査では、保育士の給料は全産業平均と月額10万3900円も開きがあり、保育士不足を深刻化させる要因となっている。現場からは「あと月5万円アップすれば、将来に見通しが持てる」という声があがっており、少なくとも「福祉職俸給表」のもとで働く公務労働者と同水準の賃金、諸手当、一時金を実現するよう予算措置をすること。廃止した長時間保育手当、研修費、被服費など保育協会への補助金5億円は保育士の人件費にかかるものであり、復活させるか、市独自の賃上げのための補助を行うこと。また、非正規職員の賃金を時間額1500円以上にし、フルタイムで働く非正規職員を正規職員にするために、財政措置をおこなうこと。年休の消化や休憩の代替のための人員を確保できるように本市独自の手だてを講じること。
  • 保育士不足のために子どもの受け入れを減らしている園が全国で200以上もあることが判明している。本市でも南区の保育園が保育士不足で休園に追い込まれた。保育士確保のため、高いところでは13万円の家賃補助を行っている東京都などから比べると本市の家賃補助1万円は低すぎる。家賃補助は少なくとも毎月3万円に引き上げるとともに、非正規職員と調理員にも適用し期限をなくすこと。
  • 国のキャリアップ研修は職員不足で多忙な保育士に60時間もの研修を課しているが、ただでさえ人手不足なのに、現場では研修に行った保育士のカバーを他の保育士がしなければならないなど負担になっている。さらに一部の職員にだけ月4万円の昇給を義務付けるため、所長や主任保育士との逆転を起こすなど現場に混乱を持ち込み、他の職員との格差をつけるもので問題がある。制度の見直しとともに、すべての保育士の賃金引上げのための手立てを国に求めること。
  • 保育標準時間認定対応の常勤保育士等の人件費の追加や加算など、市町村からの委託料が増額されているが、早朝や延長の保育で交代の保育士を実際に増やして対応するためには不十分であり、実態に見合うよう運営費すなわち公定価格の引上げを国に求めること。国の配置基準の低さが保育士の仕事量の多さや長時間労働を生み出し、サービス残業や持ち帰りの仕事を増大させる要因ともなっている。国に対し配置基準を引き上げるよう求めること。
  • 民間の保育職場の調理員は保育士と比べても、初年度でもボーナスを除いて約22万円の賃金格差があり、勤務年数が長いベテラン調理員が若い保育士よりも低いケースもある。アレルギー食や宗教食への対応など、過密で専門性が高くなっている調理員の処遇を保育士と同等にするよう改善を国に求めること。調理業務の特殊性に見合う手当を新設するなど、調理員の格付けを保育士並みにするよう、本市独自の手だてをとること。アレルギー食、宗教食に対応する給食の実施においては、特別な食材の購入など独自の負担となっており、保育所に対し除去食用食材等を購入するための補助を行うこと。
  • 本市の認可外保育所への補助は職員の健診費用などわずか1491万円、20政令市中10番目と低い額になっている。24時間保育や、一時・休日・延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求に応え、地域の子育て支援、家族支援に大きく貢献し、保育行政の補完的役割を果たしている認可外保育所の職員給与・修繕費・管理費への補助を創設すること。併せて、認可化をめざしているところには、財政支援をさらに増やすこと。
  • 国は保育料を10月から0~2歳児は住民税非課税の低所得世帯、3~5歳児は原則全世帯を対象に無料にし、給食については今回の無償化を機に保護者負担とする方針を打ち出している。0~2歳児についても全世帯を対象にするとともに、給食も含め無料にするよう国に求めること。また、保育料や給食費以外にも制服・遠足・文房具代等「隠れ保育料」と呼ばれる実費徴収費が保護者の重い負担になっている。これらの費用についても無料にするよう国に求めること。無償化されるまでの4月から10月までの半年間については、本市として保育料を無料にするとともに、3歳以上児の主食を含めた完全給食を実施し、保護者負担を求めないこと。併せて「待機児童支援事業」については保護者への補助限度額をさらに引き上げて負担を軽減すること。同制度の周知を図るとともに申込み期限は撤廃すること。
  • 認可保育所は現行基準でも狭いうえに、市が詰め込みを押し付けている。厚生労働省は「保育の実施は定員の範囲内で行うことが原則」としており、保育環境を悪化させ、現場の混乱を増大させる詰め込み強要をやめること。本市の面積基準は諸外国と比較しても低い水準で、上乗せは乳児室だけにとどまっている。現場からも「さらに豊かな福岡市の『面積基準』を作ってください」との要望があがっており、ほふく室も含め、保育所の面積基準を抜本的に引きあげるとともに、財政措置を拡充すること。
  • 全国の認可保育所の定員は平均108.3人であり、本市の現場からも90人を適正規模とするよう要望が出ている。本市では300人もの定員を擁する認可保育所も存在しており、「マンモス園」を適正な規模へ解消する手だてをとること。
  • 保育施設の職員配置基準については、現場からは「普段でも3人同時に保育するのは大変なのに、災害でも起きれば0歳児を2人同時にかかえることはできるが3人はかかえられない」という声もあがっており、災害時を含め子どもの安全を確保するため、保育士対子どもの人数を0歳児は1対2、1歳児は1対4、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4・5歳児は1対15へと改善をすること。病気を発症しやすい幼児のために看護師を配置するなど財政的補助をおこなうこと。
  • 障害児を受け入れる保育所全てに正規の保育士を配置できるだけの十分な補助を行うこと。「医療的ケア児に関する保育ニーズ調査」によれば、介助者の求めるサービスの第1位は「保育所等での医療的ケアの提供体制の整備」となっている。未就学の医療的ケアが必要な子どもの発達を保障するため、医療的ケア児を受け入れる保育所への看護師の配置や保育士の加配、研修のための助成等を行うこと。今年度千代保育所でモデル事業を行ってきたが、本格的に本市の事業として実施し、公立保育所なども活用して少なくとも各行政区に1つ医療的ケア児を受け入れる保育所を設置すること。また、通園施設を抜本的に整備・拡充するとともに、単独通園施設に申し込んで入れなかった場合でも、空きがあるうちに保育所へも申込みができるように、単独通園施設の決定時期を前倒しすること。
  • 小規模保育事業など、認可保育所以外の施設・事業においては、保育基準が条例化されているものの園庭の設置義務がなく、職員全員が保育士の有資格者でなくてもいい等とされているため、保育所との間で保育の質に格差が生じるなど、課題が明らかとなっている。すべての子どもの最善の利益と発達の権利を保障するため、条例を見直し、保育基準を認可保育所と同等に引き上げること。
  • 国が直接所管する企業主導型保育園は、2017年に行った立ち入り調査によると福岡市でも30園中13園が厚生労働省が定める基準を満たしていなかったことが明らかになっている。認可園と比べると基準が大幅に緩和されており、保育の質の確保について問題が指摘されており、定員割れをおこしている園も多い。しかし、市はこれを待機児解消の手段としており、保育の実施義務がある自治体の姿勢としては問題である。市として実態を把握し、少なくとも監査基準を守らせること。
  • 豊かな「食育」としての給食をめざすために、給食は外部委託や外部搬入ではなく、自園調理の直営方式とすること。
  • 政令市のほとんどが実施している産休明け保育を、本市においても市の責任で早急に実施すること。また、保育ニーズを踏まえて、休日保育、病児・病後児デイケア事業など特別保育事業を拡充させること。

(3)留守家庭子ども会について

  • 政府は人手不足を口実に児童福祉法に基づく省令で定めている学童保育の職員の配置や資格などの「従うべき基準」を「参酌すべき基準」に変更しようとしているが、資格のない職員が1人で保育を担うことも可能にするもので、一人体制では職員が休むと開設できなくなったり、子どもの安全確保ができなくなったりするとんでもない改悪である。質の低下、市町村格差拡大につながり、保護者の願いにも逆行するものであり、やめるよう国に求めること。あわせて、人手不足解消・指導員の確保のために必要なのは処遇改善であり、学童保育関係予算の大幅な増額を国に求めること。
  • 留守家庭子ども会の支援単位は国が示している努力義務では不十分であり、市としてさらなる質の向上をめざし、必ず40人以下とするとともに、各単位に主任支援員を複数配置すること。支援単位ごとに専用の設備と専用室を備えること。
  • 施設の面積基準である子ども1人あたり1.65㎡を確実に保障し、児童数(会員数)の変動で狭隘施設が生じないよう、十分な余裕をもって改善すること。設備については条例の基準では不十分であり、豊かな保育ができるよう見直すとともに「静養するための機能を備えた区画」は、8㎡以上を確保した専用室とすること。保育室以外に職員室、調理室、ホール(集会室)を備えるようにすること。安全、衛生上必要なトイレ、手洗い場を国の設置基準に沿って増設すること。
  • 子どもの成長・発達のためにも経験豊かな主任支援員・支援員こそ必要である。主任支援員については、嘱託員制度の枠組で考えることにそもそも問題がある。5年ごとの採用試験は負担であり、長く見通しをもって続けられるよう定年までの継続雇用をするとともに、年功給・一時金・退職金制度を導入すること。専門職にふさわしく、主任支援員・支援員・補助支援員の賃金を大幅に引き上げること。勤務日以外の行事参加は子どもの成長・発達に関わるもので重要であり、手当については賃金保障をすること。支援員については任期付き雇用を撤廃し、希望する職員については、そのまま採用すること。
  • 現在の勤務時間体系では子どもがいる保育時間中から事務作業などを始めねばならず、引き継ぎ時間も確保されていない。嘱託員制度を理由に勤務時間を見直さないことは許されず、主任支援員については1日5時間45分以上の勤務時間を確保できるようにすること。事務処理専念日については、各留守家庭単位ではなく、主任支援員の人数に応じてひと月一人一日とすること。
  • 利用料は条件をつけず一律に引き下げ、保護者負担をさらに軽減すること。
  • 障害認定がなくても配慮が必要な子どもは増えており、特別な配慮を必要とする子ども1〜2人につき1人の支援員を配置すること。

(4)市立幼稚園跡地活用事業公募には、用途として学童保育施設が明記されている。これは、本市において、留守家庭子ども会以外の学童保育についてもその役割を認めたものである。現在、本市では東区と南区で社会福祉法人が学童保育所を運営しており、不登校や障害を抱えている子ども、様々な理由で留守家庭子ども会に行けない子ども達も受け入れ、保護者と子ども達の心のよりどころとなっている。しかしながら、市からの補助がなされておらず、予算不足など運営では困難を極めており、利用者の負担も重いために退所せざるを得ない子どももいるのが実態である。社会福祉法人が行っている学童保育所の役割を明確にし、支援をすること。

(5)放課後等デイサービスの報酬改定が行われ、厚生労働省は影響調査を行なったが、障害の重い子の受け入れ割合が低いとして報酬が低い「区分2」に分類された事業所が85%となり、事業所の存続の危機に立たされている事例もある。このような報酬改定の背景には増え続ける放課後デイサービスの経費を抑えたいという国の狙いがあるが、子どもを第一に考える事業所ほど存続が厳しくなるという実態がある。区分をなくして基本報酬を増やすよう国に求めること。

(6)他の政令市と比較しても本市の児童館設置数1というのは異常である。専門職員のいる児童館は、公民館など他の施設で肩代わりすることは不可能であり、児童館を早急に少なくともすべての行政区に1つは設置し、公立幼稚園や学校、こども病院跡地など公有地を活用して計画的に増やすこと。早良区の地域交流センターは、中高生の居場所を求める住民要望を無視することは許されず、そのためのスペースを設置し、専門職員を配置すること。

(7)児童虐待防止について

  • 本市の児童虐待の相談は過去最多の1292件(2017年度)と右肩上がりで増え続け、深刻な状況が続いているが、人員体制は2015年度からわずか6人しか増やしておらず実態に見合っていない。親身な相談活動ができるように専門職である児童福祉司、児童心理司、弁護士資格をもつ職員を大幅に増員すること。経験年数が2〜3年の職員が多数という状況を改め、職員の継続性と専門性を高めること。
  • 児童養護施設の職員配置基準については、全国児童養護施設協議会も小学生以上については子ども3人に対し職員1人にするよう要望するなど、人員配置基準を引き上げるよう求めている。条例を改善し、さらに人員増をはかること。職員確保のための本市独自の支援補助制度を拡充するとともに、国に対しても措置単価引き上げを要求すること。
  • 児童養護施設のユニット化計画を早急に完了すること。新設される「児童心理治療施設」は民間委託ではなく、市直営で運営すること。また「児童心理治療施設」の設置によって児童相談所の一時保護所が不足することは明らかである。里親や児童養護施設に一時保護を依頼することは無理があり、一時保護所の不足解消をふくめ児童相談所を増設すること。

(8)現在、養育・専門里親には高校進学までは里親手当、生活費や教育費等「措置費」が支給されているが、大学進学にあたっては「支度金」が一度支給されるだけで、進学支援というには程遠い。また、給付型奨学金制度が創設されたといっても対象は住民税非課税世帯で、かつ成績優秀者と厳しく規定されている。大学進学についても、少なくとも高校進学までと同程度の学費等に対する支援を行うよう国に求めるとともに、本市としても国任せにせず独自に支援を行うこと。

(9)ひとり親家庭への支援について

  • ひとり親家庭の入院・通院にかかる医療費について所得制限を外し、18歳まで完全に無料にすること。
  • 福岡市の母子家庭の46%が民間アパート・借家に住んでおり、ひとり親家庭に対して家賃補助を行うこと。
  • ひとり親家庭の命綱である児童扶養手当の受給要件をなくし、支給額を第一子から抜本的に拡充するよう国に求めること。2か月に1回のまとめ支給を見直し、毎月支給するよう求めること。あわせて、結婚歴のないシングルマザーにも、死別・離婚の場合と同じように寡婦控除が適用されるよう、早急に所得税法改正を求めること。

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8、清潔・公正、平和と民主主義を尊重する市政を

(1)市長の政治資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」の2017年報告内容によれば、政治資金パーティーで約5447万円の売上、4655万円の収益を上げており、利益率86%にも及ぶパーティー券の購入は対価的意義の乏しい事実上の寄附である。財界関係者や市の受注業者から巨額の政治資金を受け取ることは市政をゆがめるものとなる。市長政治倫理条例第3条には「道義的に批判を受けるおそれのある趣旨の寄附を受領しない」等の規定があり、「政治倫理基準に違反する事実があるとの疑惑をもたれ」(同条2)ているにも関わらず、市長は、利害関係者による購入の公開など「自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当た」(同前)ろうとしていない。このような疑惑をもたれる、市長の政治資金パーティーをやめること。

(2)髙島市長はウオーターフロント地区の交通アクセス強化を有識者の研究会に調査・研究させていたにもかかわらず、選挙で一方的にロープウエー導入をうたう公約をもりこみ、研究会を冒とくした。箱崎ふ頭の埋立も一部与党議員と示し合わせる形で突然打ち出した。市長が市民も議会も無視して独断専行で物事をすすめるやり方は許されない。「ロープウエー導入」は公約であることを撤回するとともに、今後の市政の進め方については市議会と市民の意見をよく聞き、住民投票・住民意向調査・住民討論会を活用すること。

(3)「行革」、民間参入について

  • 市長は、「伸び続ける社会保障費」や「増加する施設改修費」を理由として、2017年「政策推進プラン」「行政運営プラン」「財政運営プラン」といった新たな行革プランを策定した。しかしその中身はウオーターフロントや天神ビッグバンなどの大型開発は聖域にし、「個人施策の再構築」や「受益者負担の原則」と称して高齢者や障害者へ支援策を廃止し、公的施設の駐車場の有料化などを押しすすめている。そもそも財政難は市民のせいではなく、歴代市政が市民の反対を押し切って人工島などの不要不急の大型開発に突き進み借金を膨らませたことにある。大型開発にはメスを入れず、教育、福祉、医療、文化、交通など市民サービスを切り捨てる行革プランは中止すること。
  • 市は市民の貴重な財産である公共施設の整備・管理運営にPFI方式といった民間手法を導入して、西鉄やJR九州、九州電力、日本管財などの大企業に丸投げし、公的責任を完全に放棄している。また市が公共施設などの所有権をもったまま、運営権を民間企業に売却するコンセッション方式の導入も計画され、新たな大企業の儲けの場にしようとしている。このようなPFI方式やコンセッション方式はやめること。また公共施設は教育、学習、福祉、文化、体育など市民の暮らしに欠かせない基本的人権の保障の場として、行政が直接責任を持ち、整備・管理・運営をおこなうこと。
  • 公の施設の指定管理者制度がすすむ中で、民間営利企業参入が推進され企業の儲け道具に変質させられている。「民にできることは民に」といいながら、市民サービスの低下につながる不適切な管理・運営、現場労働者の非正規化・低賃金・人減らし・劣悪な労働条件など、行政の責任放棄とサービス低下は顕著となっている。指定管理者制度における営利企業参入を抜本的に見直して、原則直営に戻すこと。併せて指定管理者制度が導入されている施設にはモニタリングの基準を強化するとともに、抜き打ち点検や専門家による現場点検、現場労働者から直接の聞き取り調査を厳しくおこなうこと。また問題があれば指定取り消しなど毅然と対処すること。その上問題のある指定管理者は事業所名を公表するとともに、他の施設を含め指定管理者の対象から除外すること。
  • 第3セクターについては、九電の利益を保障するために利潤分を上乗せし市財政を食い物にしている「株式会社福岡クリーンエナジー」や、市政を財界いいなりに誘導するブレーンの役割を果たしている「福岡アジア都市研究所」は必要なく、解散させること。2017年12月に策定された「外郭団体のあり方に関する指針」はこうした不必要な団体の廃止にふみこんでおらず、逆に、教育振興会に滞納対策強化を唯一の成果指標として押しつけるなど、市民生活破壊の内容を盛り込んでおり、同指針を抜本的に見直すこと。

(4)市職員の配置と労働条件等について

  • 本市の人口1万人当たりの職員数は107人となっており、旧県費負担教職員を含んでも政令市最下位である。このような中、職員の労働強化と過重負担は深刻で、誇りとやりがいをもって市民のための仕事をしたくてもできない職場が多数ある。これ以上の削減は「過労死」をも生み出し、ひいては市民サービスを低下させるものとなるため職員定数を増やすこと。また区役所や福祉関係、教育、防災など必要な部署を増員し2836人の嘱託員と、790人の臨時的任用職員、さらに区役所などで派遣導入や業務委託されている職員などを正規職員にすること。また技能・労務職に対する退職不補充政策を改めること。併せて若い職員の昇任の機会を奪う退職者役付再任用は無原則に拡大しないこと。
  • 市職員の長時間・過密労働の実態は、残業時間を「年360時間以内」と定めている厚生労働大臣告示を超えて時間外勤務をおこなっている職員が581名に上るなど極めて問題であり、改善は急務である。サービス残業を根絶し、超過勤務手当は実態どおり支払うこと。
  • 税務職場等における派遣社員導入について「クーリング期間」を空けながら雇用を継続するやり方は、市民サービスを低下させるものであるとともに脱法行為である。したがって正規職員に戻すこと。
  • 市職員給与や諸手当の認定などの計算をおこなっている総務事務センターは、民間会社「アデコ」に委託されているが、結婚、離婚、家族の死亡など職員の個人情報を民間職員が入手でき、また市側が業務の指揮をするなど偽装請負の疑いがあり問題である。総務事務センターの民間委託はやめること。
  • 市職員給与については、1999年から20年間で平均給与は68万6000円引き下げられるなど長年にわたっての賃金引き下げ、抑制政策のもとにおかれてきた。このような状況は、公務員としてのモチベーションを低下させ、生活設計や地域の景気にも深刻な影響を与えている。臨時・非常勤職員を含む市職員給与の大幅賃上げで、地域経済に結びつく公務員賃金の改善を図ること。
  • ごみ清掃や下水道などの委託人件費は低水準に据え置かれており、算定にあたっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善を図るよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

(5)市民団体が夏に開く「平和のための戦争展」は、2年続けて名義後援を拒否され、アミカスで行われた女性団体の平和の取り組みでは「原発反対」の展示があることを理由に名義後援を受けられなかった。本来名義後援は、市民の自主的な活動を後援することを通じて市の事業目的を実現させるものであるが、後援しない理由に「特定の主義主張に立脚した内容が含まれている」としている。しかし特定の主義主張にあたらない意見などはありえず、様々な意見を積極的に保障する姿勢こそが行政の中立にあたるものであり、「名義後援の承諾に関する取扱い要領」を抜本的に見直すこと。また中立性を理由に公的施設の使用を許可しないなどの事例が全国的にみられる。さいたま市では公民館の中立性を理由に憲法9条を題材に詠んだ俳句を公民館だよりに掲載することを拒否した問題がおこったが、裁判で不掲載は違法だと確定した。本市においては「なみきスクエア」で、市民団体が施設を利用する際には名義後援がなければ利用は認めないとすることは「住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない」とする地方自治法244条の精神に反するものであり、このような運用は改めること。

(6)2017年度本市が実施したパブリックコメントは8事案であるが、意見提出件数は多いもので83件、中には0件という事案もあり、パブコメだけでは市民の意見を広く聞くことはできないことは明らかである。市民の意見を市政に反映させるためには、説明会や懇談会など行政が出かけて行き意見を聞くこと。あわせて各種審議会など委員の市民公募枠を新設・拡大すること。

(7)本市の総合評価方式による入札は、技術提案能力や施工能力を有する大企業が請け負い地場の中小企業者の受注機会が少なく、請け負っても低賃金で働かされるなど結果的に大手ゼネコンに有利になっている。また評価内容について「知的財産保護の立場から公表できない」などとして議会にも明らかにしておらず、選定が適正に行われているのかが疑問視されており、評価内容の公開を行うこと。併せてこの方式による受注工事は財政局で一本化されており、所管の委員会での説明が不十分であるためチェックできない状態であり、改善をおこなうこと。また特命随意契約やプロポーザル方式の在り方については、特定業者との癒着構造によって入札の公正・公平さが失われかねず、制度の総点検を行い抜本的な見直しをおこなうこと。

(8)本市の消費生活センターは、相談業務が営利企業に委託され、啓発や事業者指導をおこなう行政担当職員との円滑なコミュニケーションができず、消費者安全法が求める消費生活センターとは大きくかけ離れている。2017年度の相談件数は1万3348件とここ数年横ばいであるが、現在の9人の相談員体制では過重負担となっており、相談員の増加や研修体制の強化のためにも予算を大幅に増やすこと。また消費者相談業務を民間に委託している政令市は本市しかなく、県弁護士会からは「営利団体への業務委託は不適切である」との意見書も提出されており、業務委託ではなく市直営でおこなうこと。

(9)NPOは、福祉や社会教育、文化、芸術、環境保全などの分野で社会貢献の重要な役割を果たしており、とりわけ自然災害が増えているもとで積極的な役割が発揮されている。そのような中、当事者の団体からは、資金や活動場所の提供、優遇税制の維持発展をはじめとして、様々な要望が出されている。空き店舗の借り上げや空き教室の活用など活動場所の提供を進めるとともに、人件費も含む事務局の経費への支援など、自由度・柔軟度の高い補助・助成をすること。併せて認定NPO法人の優遇税制の維持発展をおこなうよう国に求めること。

(10)市長は福岡市の知名度を上げMICEを推進する絶好の機会などとして、2019年G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議の開催に名乗りをあげ準備や歓迎、機運の醸成という名目で予算を計上しているが、会議のための経費が最終的にいくらになるのか具体的な金額は明らかにしていない。また「テロ防止」を看板にして大掛かりな交通規制や警備などで市民生活の制限が行われ、「おもてなしのボランティア」という体裁で7区の自治協議会が協力要請されようとしているが、市民に何の恩恵もなく、逆に市民生活に多大な影響を与えるG20の会議開催は中止をすること。

(11)労働における女性差別について

  • 「福岡市働く女性の活躍推進計画」のうたう「女性活躍推進」は、男女の賃金格差の是正や女性に対する差別の撤廃の計画はなく、もっぱら財界・大企業が要求する「成長戦略」のために、都合よく「女性を活用」するというものでしかない。男女賃金格差・昇進昇格差別などの是正をはかる指標を盛り込むなど、職場での男女平等をすすめる立場で計画を抜本的に見直すこと。
  • 福岡市特定事業主行動計画においては2020年までに課長級以上全体に占める女性の割合を15%程度とすることを目標にしているが、現状では13.6%であり、これは政府の目標40%程度と比べても低いものとなっており引き上げること。管理職への登用を抜本的に強め、昇任などの差別を一掃する手立てをとること。また、政策方針決定への女性の参画を高め、現在34.7%である各種審議会への女性の参加率を目標の40%に早急に達成すること。
  • 自営業・農業において、妻など家族従業者への給与を必要経費として認めない所得税法56条は、封建的な「家父長制度」の名残である。国連女性差別撤廃委員会の「最終見解」が初めて所得税法56条を取り上げ、「配偶者や家族の所得を必要経費と認めていないことが女性の経済的独立を妨げている」として見直しを求めており、全国でも504自治体、福岡県内でも25自治体が「所得税法第56条の廃止」を求める意見書を採択している。国に対して同法56条を廃止するよう求めること。

(12)憲法24条は「個人の尊厳と両性の本質的平等」をうたっているが、いまだ民法に差別的規定が残されている。選択的夫婦別姓の導入、女性の再婚禁止期間の廃止、戸籍法に残る婚外子とその母親への差別規定の撤廃など、家族に関する法律上の差別を全面的になくすため、民法の改正を国に求めること。

(13)性的マイノリティをめぐってはこの間行政的にも社会的にも大きな変化・発展があるものの、今後は差別の解消や偏見の除去、生活の向上と権利の拡大などをおこなわなければならない。2018年度から本市で始まった「パートナーシップ宣誓制度」で申請組数は現在34組あり市営住宅の申し込み等が可能になったものの、民間事業者には効力が及ばない。渋谷区の「パートナーシップ条例」は戸籍上家族でないことを理由に断る事業者には是正勧告した上で事業者名の公表ができるなどと定めている。本市でも「パートナーシップ条例」を制定すること。

(14)セクハラやマタハラなどは女性をはじめとする労働者の人権と働く権利を傷つける重大な行為である。ハラスメントが違法であることを明確にした「セクシャルハラスメント防止条例」を制定し、セクハラや女性労働者の様々な訴えに対し啓発・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を設置すること。併せて「職場におけるハラスメントをなくすための実効ある法整備」を行うよう国に求めること。

(15)DV被害の防止、被害者の保護と自立支援について

  • 本市への2017年度のDV相談は3603件と依然として多く、早急な対策が必要であり各区の子育て支援課に臨床心理士を配置するとともに、アミカスを含めて子連れの相談者のために保育士や学習援助者の体制をつくること。また相談支援体制の充実及び関係機関の連携強化を図り休日・夜間の相談体制を整え、切れ目のない支援に取り組むこと。
  • 2つの民間シェルターへの補助金など支援の拡充、中長期滞在できる中間的施設(ステップハウス)の開設・運営への助成すること、併せて自立に要する費用の補助をおこなうこと。
  • 男性DV被害者は「DVは女性が被害にあう」という固定観念のもとで相談できないのが実態である。「DV被害者が男性であるのは特別でない」という発信をし、広く社会全体に認知をはかるとともに、気軽に相談できる体制の強化をはかること。

(16)南区に1か所しかない男女共同参画推進センターについては、利用率や利用料金が高いため、市民が気軽に借りれない状況であり新設すること。併せて夜間の利用料金は引き下げること。

(17)同和事業が終結し一般事業へと移行したにもかかわらず、本市がいまだに続けている部落解放同盟福岡市協議会への750万円もの補助金の支出と特別扱いをやめること。

本市の「人権教育・啓発基本計画」は、「同和問題の解決に向けた取り組みの手法・成果を生かす」などとして、実質同和問題や差別の問題のみに矮小化しており、ニセ「人権教育」の押し付けはやめ、憲法で保障された幅広い人権を取り扱うものに改善すること。市職員の研修、校区の人権尊重推進協議会などの学習会での同和・部落差別問題の押しつけはやめること。学校研修、連絡会等を通じての解放同盟の教育介入を排除し、学校やPTAへの「同和研修」の強要、解放同盟の運動や主張に加担する「研修」名目での職員の出張及び加配教員の偏重配置をやめること。特に、「部落差別解消法」の運用において、参議院の付帯決議を厳守し、「同和」の特別対策の復活や、人権侵害を生み出しかねない特別な教育啓発や実態調査を実施しないこと。

(18)在日韓国・朝鮮人や中国人を罵倒するヘイトスピーチとデモは、本市においても観光客や外国人が多い天神や博多駅などの街頭で行われている。民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するため、断固たる立場にたつとともに、ヘイトスピーチが行われないように条例制定をすること。ヘイトスピーチは集会の自由・表現の自由として保障すべきものではなく、繰り返す団体に対して公園や公共施設の使用を認めないなど適切な対応をとること。

(19)福岡市で働く外国人居住者は、中国・韓国・ネパール・ベトナムなどの国から、留学や技能実習生として来日し、労働法令違反の働き方を強いられている。ダブルワークやトリプルワークをしながら、過酷な毎日を送っている人も多く、気軽に相談できる市独自の労働相談窓口をつくること。また、外国人居住者の人権保障をすすめていくために、市として総合的な多文化共生推進計画をつくること。

(20)地域コミュニティ活動について

  • 本市のまちづくりの基本点として、「公助」を明確に打ち出すこと。市が自治会・町内会などコミュニティに依頼している業務は、年間約500にも及び、そのために過重になって担い手づくりが困難となっている。市の下請けにするこのようなやり方は抜本的に見直すこと。自治協議会共創補助金交付要綱の第4条第2項の「その全てを実施しなければならない」という箇所を削除し、自治協議会が主体的に決定できるようにすること。
  • 防犯灯の設置・維持管理は、市の責任であり、現在、自治会がおこなっている箇所については、自治会の意見を聞きながら、LED化にともなって、徐々に市に移管する計画を持ち、全額市が負担し、設置・維持管理すること。

(21)投票率向上の取り組みについて

  • 投票区を距離や地形などを総合的に判断して分割するなどして、投票所を抜本的に増やすこと。また、在宅投票制度、郵便投票、在外投票、洋上投票など、制度を周知徹底し、投票機会の保障をはかること。投票所への送迎のための巡回バスを運行すること。 投票所のバリアフリー化を行うとともに、投票者の安全に万全を期すこと。
  • 期日前投票者は増える傾向にあり、市内の大学や高校内、来客の多い博多駅やキャナルシティ、マークイズももちなどの商業施設内、地下鉄構内などに、期日前投票所を「共通投票所」として告示日翌日から投票日前日まで設置すること。また、現在唯一の「共通投票所」である市役所1階では、投票日前日も投票できるようにするとともに、投票日当日も、市役所と区役所は投票所として利用できるようにすること。さらに、病院や高齢者福祉施設への入院患者、入所者が施設内において不在者投票ができるよう、未指定施設等への働きかけを強めること。
  • 選挙公報は有権者に候補者情報を届ける最も重要な公的媒体であるにもかかわらず、全市的に配布日が投票日直前だとの苦情も多い。印刷も配布も、各1社に委託する体制を改めるとともに、委託業者数を抜本的に増やし、少なくとも投票日の1週間前に有権者に届くよう手立てをとること。

(22)平和行政と基地問題について

  • 2017年、国連で核兵器を人類史上初めて違法とする「核兵器禁止条約」が誕生し、ノーベル平和賞を核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞した。2018年の国連総会では約20カ国が条約批准の準備をしているとの発言があり、すでに批准した19カ国を合わせると、近い将来の発効が見通せる。条約に背を向ける日本政府に対して条約を批准するよう市長が独自に要請すること。「ヒバクシャ国際署名」は、1732自治体(国内99.5%)が加盟する平和首長会議で、「賛同・協力すること」が2017年に決定しており、市長が署名するとともに、署名用紙を市役所や区役所、市民センターなどの受付などに置き、市民に署名を呼びかけること。
  • 2018年は朝鮮半島で平和の激動が始まった。4月の南北首脳会談では、「朝鮮半島の完全な非核化」を謳った「板門店宣言」が出され、6月の史上初の米朝首脳会談では、対立から対話への大きな変化が開始された。しかし一方で、福岡空港には米軍基地が残っており、2017年の米軍機の着陸回数は94回で国内の民間空港でトップであり、福岡市民の不安は高まっている。福岡市民は、「板付基地返還促進協議会」を63年前に結成して以来、「米軍の空港使用をやめ、米軍基地の早期全面返還」を要求しているが実現に至っていない。そこで、市長自身が、福岡空港の軍事利用をやめることと米軍板付基地の即時全面返還を、国に対して強く要求すること。また、博多港への米軍艦及び自衛隊艦船の入港を拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。
  • 毎年、市民から市議会に、核兵器廃絶や非核三原則の遵守などを求める内容の「非核平和都市宣言の早期実現」を求める請願が出され続けており、2018年には、「平和大使」であった現役高校生からの議会請願も行われた。しかし、本市は、それらの請願に議会の議決や、「アジア太平洋都市宣言」で事足りるとする態度に終始している。市民の請願を真正面から受け止め、核兵器廃絶や非核三原則の遵守を明確に記した非核自治体宣言を行うこと。
  • 広島・長崎の被爆から73年を経て、核兵器の禁止・廃絶へ、世界が大きく動こうとしており、特に、若い世代に戦争の悲惨さ・被爆の実相を伝えていく事業が大事である。そのために、国連の軍縮大使や各国政府代表などが参加している原水爆禁止世界大会や、広島・長崎市の原爆資料館に、高校生をはじめ、若者の派遣をおこなうなどの平和事業や平和啓発活動を予算化すること。また、市として、原爆資料展をおこなうこと。
  • 博多港引揚げに関する資料収集を再開し、保管場所の設置や総合図書館に保管している資料の大々的な展示会を実施すること。博多港引揚げの史実を学校教育の課題に位置付け、子どもたちに戦争の悲惨さと平和の大切さを教える教材として使うこと。「引揚げ港・博多を考える集い」が刊行した『あれから73年 十五人の引揚体験記』について、市教育委員会は、「人権上不適切な表現が使用されている」という理由で寄贈を拒否している。しかし、市教育委員会が指摘している点は「凡例」などで説明をしており、県内すべての高等学校、大学、公立図書館に贈呈されている。直ちに同書の市内中学校への贈呈を受け入れること。引揚げ記念碑「那の津往還」と記念樹については、昨年度、市民から請願も出されており、ウオーターフロントの再整備の中で移転することなく、維持すること。福岡大空襲や原爆、引揚げなどに関する常設の平和資料館を設置すること。
  • 自衛隊は新たに導入するオスプレイを佐賀空港に配備する計画である。また、自衛隊築城基地(築上郡)には、オスプレイ24機が常駐する沖縄の米軍普天間基地の「緊急時」の「能力代替」のためとして、米軍用の弾薬庫や2700ⅿまでの滑走路延長が狙われており、日出生台演習場での日米共同訓練においても参加したオスプレイが飛来している。自衛隊オスプレイの佐賀空港へ配備や、米軍オスプレイの築城基地への緊急配備が行われれば、自衛隊春日基地や福岡空港へ飛来することが想定され、市民への危険性が危惧される。したがってオスプレイが福岡空港への飛来することがないよう国に要求すること。あわせて、そのような米軍の行動根拠となっている日米地位協定について、全国知事会同様に、改定を求めること。

以上

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