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政策と活動

2021年度予算要望

2021年度予算編成に関する申し入れ

2020年12月18日

福岡市長  髙島宗一郎 殿
福岡市教育長  星子明夫 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 中山 郁美
幹事長 倉元 達朗
綿貫 英彦
堀内 徹夫
松尾りつ子
山口 湧人

新型コロナウイルス感染症の「第3波」により、医療崩壊の危機が現実のものとなり始めています。また、感染拡大の影響は飲食・観光業をはじめ多くの事業者を直撃しており、「このままでは年を越せない」との悲鳴があがっています。廃業・倒産・雇い止め等による生活困窮への対策も一刻の猶予なく求められています。

ところが、12月8日に閣議決定された政府の経済対策は、医療や暮らし・事業の緊急事態への対応は皆無に等しく、持続化給付金など事業者への直接支援は終了、雇用調整助成金特例措置は2月末までで、縮小の方向さえ示されました。また、医療機関への減収補てんもいまだに拒み続けています。その一方で、「国土強靱化」の名による公共事業などに巨額の予算を積み上げました。感染症対策に逆行し、貴職も擁護した「GoTo事業」も6月まで延長されましたが、感染の急速な拡大と国民の批判の前に「一時停止」という修正を余儀なくされるほどでした。

緊急に求められているのは、このような国の無策とたたかい、「第3波」の危機から市民の命と暮らしを守ることです。コロナの影響は来年度も続き、その対策こそが来年度予算編成の大きな柱となります。この間市民の声を受けて福岡市が広げてきた医療・介護・障害者施設の従事者への社会的検査や、感染拡大地域への面的検査は、全国的に見ても先進的かつ命を守る重要な取組みであり、この方向をさらに広げることが必要です。社会保障を切り詰める新自由主義の路線が社会のあらゆる分野から「ゆとり」を奪い、社会を脆弱にしてしまったことがコロナ危機を通じて浮き彫りになりました。この路線を転換し、暮らし・家計応援第一の政治をつくることこそ求められています。

よって、貴職が2021年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れます。

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2021年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1、国の悪政から市民の暮らしを守る市政を

「安倍政権の継承」をうたう菅政権が発足した。菅首相が掲げた「自助・共助・公助」なるものは、本来の政治の仕事である公的責任を放棄し、それに代わるものとして、「自助」――自己責任を押し付ける、むき出しの新自由主義のスローガンである。菅政権は新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、「GoTo事業」にしがみつくなど、拡大防止に逆行する政治を進め、また、日本学術会議の人事に介入し、学問の自由と国民の権利を侵害する強権的で危険な姿勢を見せている。このような中で、髙島市長が「菅の懐に飛び込」(西日本12月8日付)んで「『サシ』で会食」(同)し、「蜜月」(同)をアピールして政権におもねるなど言語道断である。今こそ「住民の福祉の増進を図ることを基本」(地方自治法)とする地方公共団体として、国の悪政から市民の暮らしを守り、国に対して物を言うことこそ、市政本来の仕事であり、その立場から来年度の国の予算編成に関連し、以下の5点を市長に求める。

(1)経済危機への対策

新型コロナが長期化するもとで、31万社を超える中小企業が廃業の危機にひんしており、完全失業者もコロナ前に比べ50万人増えている。現下の事業と雇用の危機は、放置すれば「コロナ恐慌」を引き起こしかねない戦後最悪の状況である。こうした事態を踏まえ、以下の「3つの緊急提起」を国に対して求めるものである。

  • 休業支援金や家賃支援給付金について数%から2割程度しか届いていないという事態をただちに是正する実効ある措置をとること。
  • 雇用調整助成金のコロナ特例の3月以降の継続・対象企業の拡大、持続化給付金・家賃支援給付金の継続と複数回支給、生活困窮者のための貸付金の事態収束までの延長と返済免除の拡充、国が数千億円の規模で出資する「文化芸術復興基金」の創設などの直接支援を行うこと。
  • 髙島市長が3月に「消費税の一時凍結」を首相へ提言したように、消費税の減税とともに、経営困難な中小業者に対する2019年度と20年度分の消費税納税を免除すること。

(2)前政権による集団的自衛権行使の容認や安保法制の強行に加え、菅政権になって、事実上の先制攻撃となる「敵基地攻撃能力の保有」に踏み込もうとしており、このような「戦争する国」づくりを許さず、憲法第9条の改定に対して本市として反対を表明し、同条項を変えないよう国に求めること。また、その前提となる国民投票法の改定に反対すること。

(3)菅首相は日本学術会議の人事に介入し、新会員候補6人の任命を拒否したが、同会議が推薦した候補が任命されなかったことは過去に例がなく、今回の任命拒否は、憲法第23条の「学問の自由」を脅かし、日本学術会議法にも反する、違憲・違法の暴挙である。これは、任命拒否された6人だけの問題ではなく、学問の自由と国民の権利の侵害であり、自由な学問のもたらす恩恵の享受者である本市市民および本市を含めたすべての国民にとっての重大問題にほかならない。同会議の推薦通りに任命するよう国に求めること。

(4)安倍晋三後援会主催の「桜を見る会」前夜祭について、安倍氏側の費用補填が報道されており、政治資金規正法・公職選挙法違反の疑いが濃厚となった。同前夜祭は、髙島市長が参加し、5000円だけの支払いで飲み食いして安倍氏側から補填を受けた疑いのある催しであり、本市と日本の民主主義に関わる大問題として、安倍前首相の証人喚問を国会に求めること。

(5)核兵器禁止条約の批准が50か国を超え、発効が確定した。核兵器の開発・実験・生産・保有から使用と威嚇まで違法化し、核兵器に「悪の烙印」を押す画期的な国際条約であり、被爆者をはじめとする「核なき世界」を求める世界の声が結実した巨大な一歩である。本市は被爆地の広島・長崎に次いで被爆者の多い都市であり、平和首長会議に加盟する市長として、全政令市の8割の市長が署名した、核兵器廃絶とすべての国に条約締結を求める「ヒバクシャ国際署名」にサインするとともに、市長自ら首相に対して同条約の批准を強力に働きかけること。

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2、感染拡大を抑え、市民の命と地域経済を守るコロナ対策を

(1)感染拡大を抑止するには、PCR検査を大規模に実施し、陽性者を隔離・保護する取り組みを行う以外にない。本市においては検査対象を拡充してきたものの、その対象は未だ限定的である。医療、介護現場における検査は従業者だけにとどめず、その家族、入院患者、利用者にも拡大すること。また、一部の学校ではクラスターも発生しており、子どもが活動する場所が感染震源地になる可能性もひろがっている。全ての学校、保育所、幼稚園、学童保育において子どもと職員、家族にまで対象をひろげること。半額補助を行っている高齢者についてはいつでも無料で検査を受けられるように改善を図ること。感染拡大地域等の住民を対象とした検査の場所については市役所に設置する検査センターだけに限定せず、身近なところで受けられるようにするとともに、広報・啓発を充実させ「面」での検査へと充実させること。本市における検査能力については1日あたり7600件まで拡充されてきたが、更に拡充する必要があり、手立てをとること。検査に係る財源は全額国が持つよう強く要求すること。

(2)医療機関は新型コロナ対応で財政的に逼迫し、職員給与・一時金・退職金の減額さえ生じる事態となる等、医療崩壊の危機に直面している。国・県に対し、医療機関への遅れている財政投入を急ぐよう求めるとともに、本市独自にも財政、人的支援を行うこと。

(3)保健所職員は過労死ラインを大幅に超える残業を余儀なくされるなど、日常業務に加え新型コロナに関する相談・検査対応・感染経路追跡等に忙殺されている。この間、役所内での応援や若干の増員等図られてきたものの、根本的な解決には至っていない。保健所崩壊を食い止めるため、感染者の感染経路追跡を専門的に担うトレーサーの配置を含め人員増を行い、抜本的な体制強化を図り負担軽減を行うこと。

(4)家庭ごみの夜間戸別収集を支えているごみ収集運搬労働者に、市が危険手当として特別給付金を出すこと。また、委託人件費は、人口も処理量も増え、仕事も増えているにもかかわらず、低水準に据え置かれており、委託料の算定にあたっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善を図るよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

(5)コロナの影響で雇用状態が悪い。報道によると4〜7月にかけて、前年同期に比べ大幅に解雇や雇止めが増えており、本市では1万1416人、53.8 %増とのことである。また、2020年春卒業の大学生や高校生への採用内定取り消しは前年に比べて約5倍に上っており、来年度はさらに厳しい就職状況も予想される。こうした中、従来の就労相談やオンライン合同説明会だけでは本市の雇用対策は不十分である。相談窓口の増加、広報の強化を行うとともに、市長が先頭に立って市民の雇用を守り、企業の採用数を減らさないよう経済界に申し入れること。本市職員の採用枠を増やし市役所が民間に範を示すこと。

(6)給付金・貸付金

  • 国の事業者向けコロナ支援策が不十分で多くの中小業者が営業を続けられるのかの瀬戸際に立たされている。観光・MICEや企業誘致、スタートアップに支援を特化している本市の事業者向けコロナ支援策は対象が非常に狭く、不公平感を生んでいる。幅広い直接支援で業者を激励、援助すること。
  • 飲食サービス業はお客・売り上げの激減、感染症対策の出費で営業を続けることが厳しくなっている店が少なくない。これらの業種はもともと手元資産が少なく、今後、倒産・廃業が増えることが予想される。営業を支援するための給付金制度をつくること。
  • 生活福祉資金貸付は、コロナ禍のもとで一部要件が緩和されたり、制度の拡充が図られたりしたが、就労・返済の見込みの有無や生活自立支援センターによる伴走型支援を貸付の条件にしており、必要な人が受けられない仕組みになっている。制度を抜本的に見直して、必要な人が利用できるように国と県に要望すること。窓口はふくふくプラザで一本化せず、元にもどし、各区の社会福祉協議会で受けられるようにすること。
  • 学童保育施設は、学校の一斉休校が要請された際にも原則開所することが求められ、保育所と同様に社会を支える施設として重要な役割を果たしているとの認識が高まった。現在も、コロナ感染の不安を抱えながら、感染防止対策を徹底し、かつてない不安とストレスを抱えた子どもへの献身的な支援を続けている留守家庭子ども会及び民間学童に対する財政支援を継続すること。また、市は、医療従事者や保育従事者に支給した特別給付金を、支援員が会計年度任用職員であることを理由に拒否しているが、その主張に道理はなく、留守家庭子ども会や民間学童の支援員にも、特別給付金を支給すること。
  • 一般社団法人「ひとり親支援協会」の調査によれば、新型コロナ感染症の影響で、ひとり親世帯の65.6%が「収入が昨年より減った・減る見込み」と答えている。政府は第2次補正で、児童扶養手当を受給するひとり親世帯に第1子5万円、第2子以降は1人当たり3万円を支給したが、厚生労働省の調査にもとづく貧困ラインが3人世帯で年収250万円未満とされる現下において、福岡市では母子世帯の場合、45%が年収200万円以下であり、これだけでは到底母子世帯は貧困から抜け出すことはできない。国に対し、給付金を追加支給するよう求めるとともに、新型コロナ対策として、他の自治体にならって、ひとり親家庭に対する市独自の緊急の支援を行うこと。
  • 性風俗店は生活のためにやむを得ずに働いている人たちが少なくないが、客の減少で店の存続さえ危ぶまれており、新たに貧困が増大するのではないかと懸念されている。性風俗店が本市の制度融資を受けられるようにすること。また、国に政府関係金融機関の貸付や持続化給付金の対象となるよう求めること。

(7)文化支援

  • 新型コロナ感染症対策として、市の施設でも利用人数制限がかかっているが、施設を利用したときの使用料はコロナ前のままとなっており、これは「実費負担的な意味で受益者から徴収する」という市が掲げる原則からみても明らかに異常な料金徴収になっている。入場制限をかけている市施設を利用した場合の使用料は減免すること。
  • 「福岡県文化芸術活動再開支援補助金」は舞台公演等の実施にかかる施設使用料の2分の1、日額50万円が限度になっている。市としてこの制度に上乗せし、文化・芸術団体などが利用する場合は、施設使用料を全額免除し、コロナ禍のなかであえぐ文化・芸術団体を援助すること。
  • コロナのもとでライブハウス・クラブ等は依然として大幅な規制がかけられたままになっており、このままでは存続が危ぶまれる。本市として早急に実態調査を行い、給付金や家賃助成など必要な支援を行うこと。

(8)コロナ禍の下、学生は、「バイトのシフトが激減して生活が苦しい」「食事の回数を減らしている」など、深刻な生活困窮に追い詰められている。国は、広範な学生の要求の声に押されて、「学生支援緊急給付金」の再追加配分を実施すると表明したものの、多くの学生に行き渡っておらず不十分である。本市独自に市内の学生約10万人に3万円を給付する「学生応援プロジェクト」を創設し、学生の生活支援を行うこと。

(9)コロナ感染不安のために学校を欠席している子どもや、不登校の子どもなどにオンライン授業が実施されている。12月からは、タブレット端末を活用して、コロナ感染による臨時休校や学級閉鎖の時にもオンライン授業が可能となり、市長もブログで「希望するなら誰でも自宅から授業を受けられるようになった」と語っている。しかし、現場では、7時間授業などのストレスや感染不安から、週に1~2日程度欠席している子どもが希望してもオンライン授業を受けさせてもらえない事態が起きている。このような事態を放置することは許されず、希望する全ての子どもたちがオンライン授業を受けられるようにすること。通信環境が整っていない家庭の子どもへの配慮を行い、Wi-Fiルーターを無償で貸し出すこと。

(10)保育園等で児童や保育士などに感染者が発生し、臨時休園となった場合に、どうしても保育が必要な子どもを受け入れるための代替保育の仕組みを、市の責任で早急に整備すること。エッセンシャルワーカーなど緊急事態下でも働かざるをえない保護者がどの程度存在して、どの程度の子どもが保育を必要とするのか、出勤可能な保育士はどの程度いるのかなどを把握し、保育の実施体制をあらかじめ整備しておくこと。

(11)感染への不安から、感染者や医療従事者、その家族などに心ない中傷を投げつける風潮がある。日本災害医学会の声明でも、「職場において『バイ菌』扱いされるなど、いじめ行為や、子どもたちが登園自粛を求められる事態などが報告されている」としている。こうした中傷は人権侵害であるとともに、感染の疑いのある人が名乗り出ることをためらわせるなど、感染防止を妨害することになる。市は人権啓発センターで電話相談に応じているが、差別と分断の拡大を食い止めるためには、十分ではなく、福岡市として、差別・バッシングを許さないメッセージを強力に発信すること。また、新型コロナに感染した人や医療従事者を差別や誹謗中傷から守るため、差別禁止を盛り込んだ条例を制定すること。

(12)新型コロナ対策に関する市長の独断や非科学的な発言を防止し、科学的かつ効果的な判断と助言を得るために、感染症に関する専門家等からなる専門家会議を本市に設置すること。

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3、国保・医療・年金・介護・福祉・障害者施策など社会保障制度の充実を

安倍政権は社会保障費の自然増分を毎年5000億円に削減・抑制し続けてきたが、前政権の立場を継承するとしている菅政権における2021年度の取扱いは明確にされていない。新型コロナ対策の充実が最優先の課題となる中、新年度の社会保障関連予算は国民の命を守り「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するにふさわしい規模へと充実させなければならない。「住民の福祉の増進を図ることを基本」とする地方自治体としても、国への働きかけとともに独自の努力を行うことが求められている。したがって、以下の点について要請する。

(1)国民健康保険

  • 本市の国保世帯の平均所得は73万9000円と低水準で、所得200万円以下の低所得者はその86%を占めている。昨年からの消費税増税と今年2月以降のコロナ禍は被保険者の経済的負担を増大させており、元々重い負担となっている保険料の軽減が強く求められている。しかし市長は、都道府県単位化による県への納付金負担が増となったにもかかわらず、一般会計からの法定外繰入を「負担の公平性」を理由に不十分な額にとどめ、「収入未済」や「減免」分等を保険料に上乗せする方式を改めないまま、2020年度保険料を引き上げた。所得233万円の3人世帯で1万5700円、122万円の1人世帯で7800円など、全所得階層に及ぶ保険料引上げは「保険料を引き下げる」とした市長就任時の公約を破るものであり許されない。「上乗せ方式」をやめるとともに、国や県の圧力をはねのけ、一般会計からの法定外繰入を抜本的に増やし、保険料の大幅引下げをはかること。子どもの均等割分については市独自に第一子から全額免除する手立てをとること。併せて、国に対して全国知事会が要求している「公費1兆円の投入」で均等割、世帯割をなくし保険料の協会けんぽ並みへの引下げを可能にするよう求めること。
  • 現在本市においては3人家族で所得727万円という到底高額所得者とは言えない世帯が年99万円もの保険料上限額を強いられている。賦課限度額の引上げは止め、「応益割」偏重の是正など、逆進的な国保料を生み出している算定式の見直しこそ行うこと。
  • 「都道府県単位化」は、国保の構造問題を解決しないまま自治体の主体性を奪い、住民負担増や滞納制裁強化、一般会計繰入の抑制等を強制するやり方であり、すでに大きな影響を生み出している。中止するよう国に求めること。
  • 治療費が窓口全額自己負担となる資格証明証交付世帯について本市においては6月末時点で1万1357世帯、短期証の発行は1万7681世帯に上り政令市最悪水準となっている。このことにより、加入者は受診を我慢して重症化・死亡するなど、手遅れ事例が本市内でも引き起こされている。「特別な事情」の確認は、丁寧な調査をすればできることであり、現に横浜市では、資格証明証や短期証の発行をしていない。したがって、面談できないことを理由に「特別な事情」を調査しないまま保険料滞納世帯に対し機械的に資格証・短期証を発行するやり方は許されず、他都市の例にならい、資格証・短期証への切替えをやめること。保険料滞納者で居所不明者に対して行っている「公示送達」は、個人情報保護の観点から住所、氏名を全て記載するやり方について見直すこと。
  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか3.1%に過ぎず、極めて低い水準にある。新型コロナの影響を受けた世帯への保険料減免制度は「所得が前年に比べて30%以上減少」という条件になっているが、一般減免も含め「前年比20%以上」に改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して適用対象をひろげ、広報を充実させること。
  • 国民健康保険法第44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では適用が8年連続0件という異常な事態となっている。また、「前年度比3割以上の減少」という収入要件によって、日常的に生活が厳しい人は適用されないという矛盾を引き起こしており、本要件をなくすこと。
  • 本市における国保料滞納者に対する差押さえは、わずかな預金61円を差し押さえる事例や公的手当が入る口座を狙い撃ちにしたものも含まれているなど、異常なやり方が横行している。国会においては厚生労働大臣が「ぬくもりをもった行政を徹底していく」と答弁しており、公的手当をはじめ年金、子どもの学資保険さえも差し押さえる冷酷、異常、機械的なやり方はただちにやめること。
  • 国の制度として拡充するまでの間、市独自で国保に個人事業主を含めた傷病手当を創設すること。

(2)後期高齢者医療制度

  • 後期高齢者医療制度について、福岡県の保険料は全国的に見ても高い水準のまま推移してきた。加えて、2017年度から強行されてきた特例軽減の段階的廃止縮小並びに賦課限度額の引上げ強行によって、保険料が引上げとなった世帯は2021年の見込みも含め被保険者の約6割となっている。コロナ禍による生活困難もひろがる中、低所得・低年金の高齢者世帯を狙い撃ちにした大負担増は許されず、剰余金や各種基金を活用し、次期保険料は大幅に引き下げるよう広域連合に求めること。また、保険料特例軽減を復活させるよう国に求めること。
  • 後期高齢者の医療費窓口負担を2割へと倍増させる検討が続けられており、自民党内では対象を月収13万円以上とし全体の60%程度以上にすべきだとする主張まで行われている。負担増の検討を中止するとともに、高齢者を年齢で区切り、果てしない負担増と差別医療を押し付けている後期高齢者医療制度そのものを廃止し元の老人保健制度へ戻すよう国に求めること。

(3)医療制度

  • 無料低額診療は経済的困窮者にも医療を保障する重要な役割を果たしている。本市において実施する医療機関を増やすための取り組みを強め、制度の広報を充実させるとともに、国に対して薬剤費への制度適用を求め、他都市にならい当面、本市独自に助成すること。
  • 2018年度から強行された入院時食事療養費の患者負担増は、入院できない事態をも生み出しており、元に戻すよう国に求めるとともに、本市独自に補助を行うこと。
  • 「福岡市健康先進都市戦略」(「福岡100」)については、「自助」「共助」を前提に、「国家戦略特区」を活用し、医療団体等からも問題が指摘されている「オンライン診療」や「オンライン服薬指導」など、医療機関の縮小廃止にもつながる動きを推進するものである。ICTや製薬の関連大企業の利益最優先で、活用にあたっての条件も付けず、市民合意もないまま進めている本戦略は多くの問題をはらんでおり、中止・撤回すること。

(4)こども病院、市民病院

  • こども病院においては、小児・周産期医療の拠点としての重要な役割を果たす一方、地方独立行政法人福岡市立病院機構の方針の下、採算性が優先され、昨年は違法な働かせ方に対する労基署による是正勧告まで行われた。更衣時間や引継時間を勤務時間に反映させることやリフレッシュ休暇等を試行で終わらせるのは許されず、速やかに実行に移す等、職員の勤務諸条件を改善し、職員の合意を大切にする民主的な病院運営へと転換するよう指導すること。また、バスのルートや便数を抜本的に増やすようバス事業者に強く要請するとともに、職員の駐車場利用枠を増やすこと。
  • こども病院、市民病院ともに医師、看護師等の不足が深刻となっている中で、新型コロナウイルス感染症により職員に大きな負担がかかっている。職員を正規で増員し、地域医療の拠点としての役割を果たせるようにすること。
  • 唐人町の旧こども病院の跡地については市民の財産であり、開発業者や営利企業に売り渡すことは許されず医療・福祉の拠点、保育園や児童館など、公共用地として活用するために独法から取得すること。

(5)介護保険制度の改善

  • 「医療・介護総合法」により要介護2以下の特別養護老人ホーム締め出し、一部利用者への利用料2割、3割への引上げ、「要支援1・2」の訪問介護と通所介護が「総合支援事業」へと移行させられる等、連続改悪と利用者負担増が強行され希望するサービスが受けられない事態がひろがり、介護保険はまさに「保険あって介護なし」という崩壊の危機にさらされている。国は、来年度から更に「省令改正」によって要介護5まで総合事業の対象とする「対象者の弾力化」を強行しようとしている。対象者から高い保険料をむしり取る一方、保険給付からははずすという「国家的詐欺」は許されず、市長は更なる改悪を中止するよう国に求めるとともに、本市においては「弾力化」を実施しないこと。
  • 介護労働者の平均賃金は月21万円足らずであり、全産業平均より10万円も低い中、前政権が介護報酬本体を4.48%も減額する等改悪を続けてきたことにより、離職者や事業所の廃業が相次ぐなど、深刻な事態となっている。また、コロナ禍という新たな困難に直面し、介護従業者の苦難はピークに達している。市長は、国に対し、介護報酬の引上げをはじめ、介護福祉士や調理員等介護現場で働く全ての労働者の抜本的なベースアップの対策をとるよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費に補助を行う独自制度や「危険手当」を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。
  • 改定のたびに引きあげられ、重い負担となっている介護保険料について第8期計画原案では全ての所得段階において更なる引上げが掲げられている。基金の活用をはじめあらゆる手立てを講じて引下げを図ること。本市独自減免は対象者を拡大し、拡充すること。滞納者に対するサービス取り上げ等のペナルティはやめること。国に対し現在25%の国庫負担割合をただちに10%引き上げるとともに、今以上の利用料引上げは一切行わないよう求めること。
  • 高齢者施設における食費・居住費について所得階層第3段階の本人負担限度額を引き上げる改悪が行われようとしている。国に対し中止を求めるとともに市独自に負担増にならない手立てをとること。
  • 本市の特養ホーム待機者は、申し込み者の数から「必要度の低い人」を除外する恣意的な判断によって実態より少ない人数に絞り込まれた上に、整備数も100~200人分程度に抑え込まれてきた。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅では低所得高齢者の受け皿にはならず、次期計画には特養ホームの抜本的な増設を盛り込むこと。併せて小規模多機能施設やグループホーム、宅老所などの基盤整備と公的補助を強化すること。
  • 介護認定業務の民間委託によって大幅な認定の遅れが生じ、必要なサービスが提供できない事態さえ生じさせた。認定業務を営利目的の民間企業に投げ渡すこと自体が誤りであり元の直営に戻すこと。
  • 現在検討されている「第8期福岡市介護保険事業計画(原案)」においては、介護労働者の処遇改善や介護人材確保方策など喫緊の課題解決につながる内容については皆無である一方、介護保険料引き上げが盛り込まれている等問題だらけであり、撤回し内容を見直すこと。

(6)高齢者への個人給付等

  • 高齢者乗車券については「コロナ感染防止対策」として交付方法を区役所窓口方式から郵送による本人申請方式に変更したものの、変更の周知方法を市政だよりへの掲載等にとどめたため、対象者に情報が行き渡らず混乱や交付の遅れ・漏れさえ生み出した。新年度においても郵送による申請方式を継続する場合は全対象者に申請書を送付する方法に改めること。要望の強い所得要件及び利用上限額廃止を実現すること。
  • 加齢性難聴によって認知症悪化や社会参加の妨げとなること等が指摘されているが、補聴器購入は高額なため費用の補助制度を求める要望がひろがっている。他都市にならい補助制度をつくること。

(7)本市原爆被害者の相談事業や被爆証言活動が「原爆被害者の会」の会員減少や高齢化によって極めて困難になってきており、維持・強化するための運営費補助の増額要望は切実である。ほぼ毎年行われている議会請願に応え補助金を増額するとともに、新しい世代の「語り部」を養成する事業を広島市や長崎市のように市の責任で実施すること。また、障害者と同様に被爆者のふくふくプラザ駐車場使用料を早急に全額免除するとともに被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。

(8) アスベスト(石綿)対策

  • 昨年11月の「九州建設アスベスト訴訟」に引き続き、2020年9月4日には、建設アスベスト東京2陣東京地裁判決でも一人親方等にも国の責任が及ぶとの判断が示された。国への勝訴判決は14回連続であり、建材メーカーに対する賠償責任を認めた判決は8件目となった。司法判断を重く受け止め、上告を断念するよう国と建材メーカーへ要求すること。アスベスト曝露による健康被害を防ぐための規制強化、労働災害認定基準の大幅緩和、さらに建設アスベスト被害者の全面的、かつ早期解決に向け、国と建材メーカーなどが拠出する資金で、裁判によらず簡易・迅速に救済する「被害者補償基金制度」の早急な創設などを市として積極的に国に要求すること。
  • アスベスト対策を抜本的に強化するために、アスベストアナライザーを直ちに購入し、すべての解体現場でアスベスト含有調査を行うこと。大規模災害時の飛散対応等のため、アスベスト使用建築物のハザードマップを公開し積極的に市民に周知すること。また、市民へのアスベスト被害に対する啓発活動を強めること。アスベストを扱う建設労働者の防じんマスクの普及につとめ、市内業者への購入補助を行うこと。また国民健康保険の特定健診の問診において職種や経歴に応じてアスベスト被害を明らかにできるように対策をとること。あわせて、アスベスト専門の部署を設置し、市職員の中に、石綿調査の公的資格制度である「建築物石綿含有建材調査者」などの専門家を育成、職員も大幅に増やすなど総合的なアスベスト対策をすること。
  • アスベスト使用建物の解体、改築、補修工事における事前調査やアスベスト除去費用について、国に建物所有者の負担を軽減する補助金制度の延長や対象の拡充を求めるとともに、市として独自の補助制度をつくること。

(9)生活保護行政

  • 安倍政権が強行した「生活扶助」の段階的な引下げと消費税の2回にわたる増税で保護利用者は1日3回の食事や毎日の入浴がかなわない等、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を奪われている。これまで切り下げた生活扶助費・住宅扶助費を元に戻し、老齢加算を復活させるよう国に求めること。
  • 消費税の10%増税に加え、新型コロナ感染防止対策としてのマスクや消毒用品等の購入による新たな出費は保護世帯に重くのしかかっており、下水道料金減免制度の復活、年末の福祉見舞金の支給など、市独自施策を行い、利用者の生活を支援すること。特に、夏は災害並みの暑さをしのぐために電気代がかさみ生活費を圧迫するため、市独自の夏季福祉見舞金を創設するとともに、必要な世帯全てがエアコンを購入できるよう、市独自に手立てをとること。
  • 昨年度から全行政区の保護課面接室に1つ以上監視カメラが設置されているが甚だしい人権侵害でありトラブルのもととなっているだけでなく、申請・相談者に対して監視されているプレッシャーを与え、来所する人を減らす新手の水際作戦ともなっており直ちに撤去すること。
  • 膨大な漏給、低すぎる捕捉率の早期解決が求められている。定期的な捕捉率の調査・公表、テレビやインターネットのCMの活用、公共施設などへのポスター掲示、市政だよりの1面への特集記事掲載などによる制度の周知徹底や相談の呼びかけ、誰もが手に取れるような場所に申請用紙を置くなど捕捉率向上策を講じること。申請権を保障するため「面接」「指導・助言」を口実に不当に保護申請を排除する「水際作戦」を根絶すること。このような改革をすすめ、必要な人は誰でも受けられるよう生活保護法の「生活保障法」への改正を国に求めること。
  • 2013年生活保護法改定と2015年の実施要領改定を根拠に、利用者の「資産申告」を強要することは問題である。本市でもこれを根拠に預金通帳の提出強要や財布の中身まで確認するなど著しい人権侵害さえ起きている。改定法は、利用者と福祉事務所とが協力して金銭管理の適正化を図るとしているだけで「資産申告」強要の根拠とはなりえない。本市として、「資産申告」は一切やめるとともに国に対し、誤解を招くような実施要領は撤回するよう求めること。
  • 「一日でも早く自分の力で生活できるよう」など殊更自立を強調したり、保護を受給していても、居住用不動産や少額の保険、自動車、バイク等の保有が認められる余地があることを記載していなかったりと、「生活保護のしおり」や市ホームページの記載内容には問題がある。誤った情報や誤解を招く内容がないように精査して改善すること。
  • 健康状態や年齢などを無視した就労の強要は止めること。また、「何でもいいから急いで就職を」と機械的で本人の意思とかけ離れた就労指導は真の自立を遠ざけるため改めること。
  • 入院日数や通院回数に対する不当な削減指導やジェネリック医薬品の使用強制を行わないこと。
  • 入院時、医療機関からの寝巻貸与代金については保護費に含まれず負担となっており、市独自に支給すること。おむつ代については医者の認定があるものだけに限定せず、必要額を市独自に補助すること。
  • ケースワーカーの平均担当世帯数を減らすことは利用者の生活に寄り添った援助を行うために重要だが、2020年度も 102.5ケースで、国の標準世帯数を20以上も上回っている。そのためにトラブルや誤った情報を伝えるなどといった事例が多数見受けられる。日本弁護士連合会や多くの専門家が職員を増やさないと、寄り添ったケースワークはできないことを指摘しており、国の標準数を守れるよう直ちに正規職員のケースワーカーを増員すること。
  • 本市のケースワーカーは大学を卒業して3年以内の職員が68%、経験年数4年以上はわずか6.2%と、依然として市職員としても、ケースワーカーとしても、経験が浅い職員が大半を占めるという現状である。日本弁護士連合会や学識者等から専門性の確保の必要性が指摘されており、社会福祉士や精神保健福祉士、弁護士など、国家資格を有する職員の採用や登用を行い、生活困窮者へのきめ細かな支援などノウハウが継承できる体制をつくること。
  • 大学、専修学校等への進学者を強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方は、進学をあきらめる子どもを生むと同時に新たな貧困を生み出すため、仕組みを改めるよう国に要求すること。教育扶助費や高等学校就学費用は実態に照らせばまだ不足しており、増額を国に求めること。

(10)貧困対策

  • 厚生労働省の調査によれば、コロナ禍で解雇・雇止めが、非正規雇用で働く人を中心に6万人を超え、収入減など、生活に困窮する人が増加している。今こそ、市民全体の貧困実態・貧困率の調査を行い、本市独自の目標・指標を定めて総合的な貧困削減計画をつくること。また、子どもの貧困対策についても、他都市にならって子どもの貧困率を公表し、削減目標を立て具体的な施策に取り掛かること。生活保護申請や生活困窮者相談を役所で待つのではなく、出前相談会など必要な人に支援が届くようにアウトリーチを強化すること。
  • 消費税10%増税により、市民の暮らしはますます苦しくなっている。所得が低くなりがちな高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、ごみなど貧困対策として有効な公共料金等の福祉減免を行うこと。特に、コロナ禍のもと、ウイルスの感染拡大を食い止めるため使用量が増えている上下水道料金の減免は、計画より早いペースで返済している上下水道両会計の借金返しを優先させて拒否することは許されず、他の政令市にならい、ただちに実施すること。
  • 水道料金・市営住宅家賃・住民税・国保料などの滞納は生活困窮のシグナルと捉え、ライフライン事業者の協力や局を越えた連携を行うこととなっているが、事業者には協力依頼を出しただけで、福岡市生活自立支援センターへの紹介人数さえも把握していないなど、実態は機能していない。少なくとも市の内部では局を越えた会議を定期的に開催し、積極的に実態を把握するなど、実効性ある仕組みを構築すること。
  • 福岡市食育推進会議でも小中学校の欠食率について「徐々に悪くなっている」と分析するなど、朝食を毎日食べていない子どもが増えており、行政の責任で朝食欠食対策を行うこと。「子どもの食と居場所づくり支援事業」の補助金は4年目以降も減額することなく支給を継続するとともに、1か所あたりの補助を増額すること。

(11)コロナで解雇され路上生活に陥る人が増えている。生活困窮者が安心して年を越せるよう年末年始も対応できる窓口を開設するとともに、市内の巡回を強化して、相談に応じ、支援すること。ホームレスが施設への入所を求めた場合、感染症の検査などの理由からその日に入所できない仕組みを改めるために一時宿泊所を確保すること。民間ボランティアやNPO支援団体への委託費を大幅に増額すること。ホームレス患者は、受診する時にはすでにひどい疾患を患っていることが多いため、医療機関の負担は大変重くなっている。コロナ感染対策も負担となる中、現行の入院協力金3000円では不足しており、大幅に増額すること。

(12)民生委員は活動費を若干増額し、負担軽減のため定員数を増やしたものの、業務量の多さや地域住民が抱える課題の複雑化などによって相変わらず引き受ける人が不足し、定員まで届いていない校区もある。本来行政がやるべきことを民生委員に担わせている実情がないか踏み込んで検証し、業務量を抜本的に削減するとともに、定数を大幅に増やすこと。業務量に見合った活動費となるよう増額すること。

(13)障害者施策

  • 東京都では、条例で合理的配慮の提供について、民間事業者に対しても義務としており、本市でも法的義務とするよう福岡市障がい者差別解消条例を改正すること。また、差別的取り扱いを禁じる実態規定に「何人も」と挿入すること。障害当事者や関係団体から成る「福岡市障がい者差別解消推進会議」については、障害当事者の比率を高めるとともに、条例に基づいて本市の施策のあり方を具体的に検証し改善につなげること。
  • 福祉乗車証については、関係者から要望の強い療育手帳Bおよび精神障害者手帳2級まで拡充すること。福祉乗車券については所得制限を廃止すること。精神障害者に対する交通運賃割引をJRにも実施するよう強く申し入れること。
  • 障害者が65歳になるとそれまで受けてきた障害者サービスから介護保険サービスに半ば強制的に移行させられ、自己負担が増え、サービスが継承・継続されず利用者は肉体的にも精神的にも大きな負担を感じている。新高額障害福祉サービス等給付費が支給されるようになったものの、対象要件から外れる人も多い。「介護保険優先原則」を機械的に適用せず、介護保険の対象年齢でも障害者福祉制度と介護保険制度を選択できるようにするなど、新たな自己負担なしでサービス水準が維持できるよう市独自の手立てをとること。法の根拠となっている障害者総合支援法の第7条(介護保険優先)の廃止を国に求めること。
  • 47都道府県と県庁所在市・政令市の計98自治体のうち、新型コロナの感染拡大前は19自治体だった首長の記者会見での手話通訳は、拡大後に4倍超の82自治体へと増え、すべての都道府県の知事会見で導入され、聴覚障害者からも歓迎されている。本市でも市長会見で手話通訳を導入したものの、緊急事態宣言中に限っており、今後については「検討課題」などとしている。これは地方公共団体などに合理的配慮の提供義務を定めた障害者差別解消法や本市の条例にも反するものであり許されない。すべての市長会見に手話通訳者を配置するよう市長に要請すること。市主催の行事の際にも手話通訳者をつけるよう市長に求めること。
  • 「手話言語条例」は29道府県を含む370自治体へとこの一年で一気に広がり、政令市でも約半数で制定されるなど、大きな流れとなっている。これ以上の先送りは許されず、早急に制定作業に入ること。
  • 手話通訳者派遣事業の範囲を「社会生活上外出が必要不可欠なとき」等として狭めず、当事者の要望を踏まえひろげること。また、聴覚障害者用の情報提供施設を福岡市内につくること。
  • 日本手話通訳士協会によれば、コロナ禍のもと、手話通訳者の多くが仕事が激減し、収入が途絶えている。担い手が不足している手話通訳者の養成を確実にすすめるためにも、報酬の引上げ、市が直接正規職員として雇用するなど、専門職にふさわしい待遇に引き上げること。
  • 児童発達支援センターは雁の巣に加え、南部には療育センターが計画されているが、ニーズからすると足りていない。今後も計画的に増設していくこと。新設される「南部療育センター」の通園区域の新たな設定にあたっては当事者の要望を反映したものにすること。
  • 強度行動障害者の短期入所施設を増設するとともに、「強度行動障がい者支援事業」はノウハウの蓄積、人材の育成、事業者への支援などを充実すること。
  • 障害者グループホームの低すぎる報酬単価の増額を国に求めること。東京都は施設を建設して、運営者を公募するなどの方法で増設を図っており、本市でも同様の手立てを取ってグループホームの設置を促進すること。あわせて、市の運営費補助を拡充するとともに、土地や建物の確保や新設時の改修費への補助を増額すること。また、利用者への家賃補助については、市が独自に上乗せ補助を行うこと。
  • 知的障害者の生活移行については、必要とする支援の質・量の確保、十分な所得保障や住宅手当の充実等、知的障害者の希望と選択を最大限尊重する仕組みを構築することなしに、進めることは許されない。入所施設も「終の住処」として利用できるようサービス提供や支援の実態について現場で適宜確認するとともに、設備や職員体制の充実を図り「親なきあと」の不安を取り除くこと。
  • 国において、処遇改善加算がされたものの、依然として低い障害者支援施設等労働者の賃金を全産業労働者平均まで引き上げるための補助や家賃補助を創設すること。
  • 本市の障害者雇用は、法定雇用率を超えてはいるものの、その内訳は非正規雇用をあわせてのものであり、正規職員で達成できるよう採用枠を抜本的に増やすこと。民間企業に障害者の採用増を要請し促進するため、国任せにせず、本市独自の補助制度をつくること。
  • 障害者関連施設の指定管理者を社会福祉事業団から民間団体に移行する公募の動きは、事業団潰しを狙ったものであり、やめること。

(14)次のパンデミックを防ぐうえで、動物とヒト、それをとりまく生態系の健康を1つととらえる「ワンヘルス」アプローチという考え方は重要である。感染症を拡散させる恐れのある野生生物の取引と消費の抑制、森林破壊の防止と土地利用の転換の抑制、持続可能な食糧の生産と消費が可能な社会への移行など、「ワンヘルス」アプローチの理念にもとづいた施策と計画を策定すること。

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4、人工島・都心部など大型開発をやめ、防災・生活・安全優先のまちづくりへ転換を

(1)人工島事業

  • 人工島事業は土地が売れないために、立地交付金というプレゼントをつけた上に、原価割れで叩き売りをして最大421億円の大赤字を残す見込みになっているが、そのような破綻した事業に2019年度も約150億円が投じられた。これ以上の税金投入はムダ使いであるとともに人工島だけを特別扱いするものであり、やめること。
  • 立地交付金制度全体額50億円のうち人工島立地企業への交付が48億円であり、あまりにも偏重した運用となっている。売れない土地の穴埋めのための異常なやり方を改め、これ以上の人工島立地企業への交付はやめること。
  • 「アイランドシティ地区将来交通量推計等業務委託」は島内人口の計画を議会にも報告せず1.6倍に増やし、鉄道を引き込むことが可能のように装う案である。「あくまでも仮定のケース」と言い訳するが、ありえない仮定に基づく計画自体、鉄軌道の導入が必要ないことを証明しており、計画はきっぱりとやめること。
  • 港湾計画で定める博多港の国際海上コンテナ取扱量目標値130万TEUは、現在の増加ペースで目標達成は「厳しい」と当局も認めざるを得ない状況である。さらに、人工島への5万トン級以上のコンテナ船の入港は、直近の5年間でわずか13隻である。C2岸壁の延伸事業、15メートル水深の人工島D岸壁の整備や大型コンテナ船対応のための東航路整備事業は必要性がなく税金の無駄使いでありやめること。
  • 不要不急のみなとづくりエリア4工区の基盤整備、地盤改良事業は凍結すること。
  • 民間住宅や道路・下水道などに助成する「住宅市街地総合整備事業」を使っての積水ハウスなど特定の大企業への露骨な税金投入はやめること。

(2)コロナ禍で人流が激減し、「博多港港湾計画」の前提が崩れた。必要もない箱崎ふ頭地区の水面貯木場及び海面処分場の埋立ては、埋立費用だけで700億円と莫大な費用がかかるため、検討をやめること。また、中央埠頭や須崎ふ頭の新たな埋立てもやめて、同計画を大幅に見直すこと。

(3)第3セクター「博多港開発」はケヤキ・庭石事件を起こすとともに、人工島事業の土地処分ができず、経営危機に陥り、市から4~64億円の増資を受け、会社2工区を市に399億円で譲渡するなど、市民に巨額の税金を投入させてきた会社である。そもそも市の外郭団体の見直しでは、廃止も含めて検討されてきたものであり、このような会社に今後の埋立事業などをいまだに担わせることは許されず、会社はただちに解散し清算すること。

(4)「グローバル創業・雇用創出特区」は、まち壊しにつながるビルの高さ制限の緩和や解雇指南など市民を守るルールを壊す規制緩和である。10月より公道での電動キックボードの実証実験が始まったが、海外では深刻な事故が起きており、周辺住民から危険性を指摘する声が出ている。直ちに実証実験をやめ、市が国家戦略特区会議で行った電動キックボードに対しての提案を撤回すること。また、本市の特区指定を返上すること。

(5)「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」は、ビルについての規制緩和、「賑わい創出」と称して地下道など関連施設建設や道路延伸へ既に数十億円投入しており、多額の税金投入、特定企業への不当な優遇などを行うものである。地価の暴騰、住民や中小業者の追い出し、渋滞・ラッシュ・災害混乱などのインフラのパンクを引き起こし、市民や零細企業には何の恩恵もない。さらにコロナ禍に伴う業績悪化やテレワークの影響でオフィスを縮小する企業が増えている中での大型開発は無謀であり、中止すること。また、北別館を天神ビッグバンのために壊して、跡地を民間に貸与する方針を撤回し、市民の財産として有効活用すること。

(6)海外から金融機関や金融人材を誘致する「国際金融都市」は、経済の金融化・バブル化を進め、実体経済の衰退、富裕層への富の集中、格差の拡大を招く。これは、菅政権に追随し、福岡市のネームバリューを上げようとする髙島市長の戦略であり、実現性のないことに「TEAM FUKUOKA」(チーム福岡)として市政、財界をあげて取り組もうとしている。市民の税金をむだづかいするような「国際金融都市」の誘致はやめること。

(7)ウォーターフロントの再整備計画は、もともと莫大な税金を投入し、呼び込み頼みの危険な計画だった。外国クルーズ船の寄港が減少し、さらに新型コロナウイルスの影響により2月以降の寄港はゼロ、その後の見通しもたっておらず、計画の前提が大きく揺らいでいる。同計画は破綻しており、きっぱりと中止すること。

(8)2017年から2019年の3年間で、高島市長が推進する財政運営プランに基づき売却された市有地が、33件、2万5700㎡にも及んでいる。この3年間の売却先をみると、西日本鉄道、JR九州関連会社、大和ハウス工業や日清製粉など、大企業となっている。そもそも市有地は市民の財産であり、大企業のもうけのために売却するのは許されず、不足している保育所や特別養護老人ホームなど、市民の生活を守るために活用すること。

(9)コロナの影響で宿泊業界は大きな打撃を受けている上に、今年4月から宿泊税が導入されたため、事業者はなおさら厳しい経営を強いられている。直ちに宿泊税の徴収をやめ、制度を廃止すること。

(10)福岡空港は、コロナによる入国拒否や渡航制限を受け旅客数が激減し「東アジアトップクラスの国際空港」にすることを謳い文句にして、30年後に旅客数を現在の1.5倍にし、路線数を倍加させるなどといった見込みも破綻した。こうした無謀な計画を見直すように国に求めるとともに滑走路増設をやめるよう国・県に要求すること。

(11)都市高速道路の人工島への2.5km延伸事業は、当初250億円もの事業費だったものが次々と膨れ上がり、401億円にもなった。福岡空港への延伸もわずか1.8kmの延伸に532億円を見込んでいるが、これも当初事業費470億円より膨れ上がった。空港口交差点は、現状でも、将来も渋滞していないことが国交省の資料でも明らかとなり、延伸の根拠はもはやなくなった。途方もない公費を投入するムダな高速道路延伸計画は直ちに中止すること。 

(12)九州大学箱崎キャンパス跡地利用

  • 市が発注をして作成させた「令和元年度 九州大学キャンパス跡地における都市機能マーケティング調査・検討業務」の報告書は「大規模な土地を必要とする都市機能の洗い出しと、その立地傾向・今後の立地予定の把握を行う」として、住民が望んでいるものとかけ離れたものである。「グランドデザイン」さえ無視し、財界に利益をもたらす巨大な集客施設の誘致をもくろみ、住民の願いに反する報告書に基づく開発はやめること。
  • まちづくりは、市長が「尊重する」と言ったキャンパス周辺の4校区(東箱崎、箱崎、松島、筥松)が長年にわたって、住民の要望をまとめた「九大跡地利用4校区協議会」の提案「4校区提案」の方向性や精神を踏まえることが大切である。市が責任を持って土地を確保し、地元住民から請願も出され、「第15回箱崎キャンパス跡地利用協議会」でも要望が出された元寇防塁を歴史遺跡として保存し、「元寇防塁」記念公園などとして整備し、九州大学も「サポートしたい」と言っている防災公園をつくること。九州大学総合研究博物館は、箱崎キャンパスの歴史的建造物を活かして保管・展示し、市民に公開するよう手だてを取り、教育・文化施設をつくるように九州大学に要請すること。
  • 貝塚公園について、住民は道路を通し分割することに反対であるにもかかわらず、こうした計画を盛り込んだ「貝塚駅周辺土地区画整理事業」により住民の声を無視した計画が進められようとしている。市は「地域の意見を聞く」と言いながら公園利用者や周辺4校区住民の意見をまともに聴取せず、市民無視も甚だしい現在の計画を撤回し、貝塚公園をそのまま残すこと。
  • キャンパス跡地を南北に分けることをやめ、住民要望を無視する「再開発」を行うのは、やめること。
  • 地域を分断する都市計画道路「堅粕箱崎線」は、計画を見直すこと。
  • 跡地は広範囲にわたり有害物質で汚染されており、新たな汚染物質が出ていることを九州大学が発表している。土壌汚染や地下水について、適宜、住民説明会を行なうとともに、適正な対処を九州大学に求めること。
  • 市長が九大箱崎跡地で推進しようとしている「FUKUOKA Smart EAST」(スマートイースト)は、AIやビッグデータ等の最先端技術を使って個人情報を勝手に利用する住民監視のまちづくりに他ならない。首相官邸主導の特例的な規制緩和で行うスーパーシティ構想の一環であるスマートイーストは、やめること。

(13)住宅行政

  • 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台である。高齢化・低所得・単身・非正規などが広がる中で、自助でなく公的な支えが強く求められている。「福岡市住生活基本計画」「福岡市住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画」は「民間まかせ」「自己責任」を基本とする住宅政策であり、市営住宅や家賃補助を抜本的に増やす等「住まいは人権」との立場に立った見直しをすること。
  • 公営住宅への入居可能な収入階層世帯を目安に、民間賃貸住宅に居住する低所得の若者や高齢者世帯への家賃低廉化補助制度を利用しやすいものにするとともにセーフティネット住宅を抜本的に増やし、安心して暮らせるよう支援を強めること。
  • 市営住宅の応募状況は、いまだに一般枠で14.3倍、単身の高齢者・身体障害者は25.5倍など、深刻な状況は改善されていない。市民の居住権を守り、必要な市民が入居できるよう、「市営住宅ストック総合活用計画」を見直し、大幅な新規市営住宅建設計画をたてるとともに、当面建替え時に計画的に管理戸数を増やすこと。またUR賃貸住宅の空き家や、民間賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど多様な供給方式の具体化を早急に行うこと。
  • 若者の多くは非正規雇用で低賃金のため、高い家賃に悩まされ、ダブルワークをする人も少なくない。市営住宅の現行の入居基準を見直し、年齢の制限を設けず、国も認めている若者の単身世帯枠をつくること。
  • 住民による市営住宅の共益費徴収や、草取り、駐車場の管理、電灯交換などの設備管理、住民トラブルの解決等を管理組合に押し付けるのではなく、市および住宅供給公社が責任を持って行うこと。また、電灯は交換頻度が少ないLEDの利用を早急に進めること。
  • 市営住宅の建替えに伴う余剰地については、第一義的には市営住宅の増設を図ること。それ以外の場合でも、住生活基本計画に基づき民間売却ではなく住民要望を反映し、「高齢者福祉施設等の誘致」など公的に活用すること。また弥永住宅の余剰地には住民要望にそって、高齢者福祉施設や地域交流施設等を設置すること。
  • 市営住宅の指定管理化は、住宅の保守管理や緊急・小口の修繕において、実態を丁寧に調べ迅速に対応するなど。住民要望が反映されない問題があり、管理を市住宅供給公社に戻すこと。
  • 市営住宅の入居者の訪問介護や訪問看護およびデイサービスの送迎等の際に利用できる無料の来訪者用駐車場を確保すること。
  • 高齢化によりエレベーターのない市営住宅の高層階から低層階への住替え希望が高まっている。エレベーター新設など対策を講じること。

(14)住宅宿泊事業法に基づく施設について、県は毎年の施設への立入調査を実施しておらず、年1回の立入調査を実施するよう求めるとともに、旅館業法に基づく民泊施設に、環境衛生監視員による年1回の立入調査をすること。無届の民泊、届け出ているが不適切な運営を行っている民泊について、立ち入り調査を強化すること。また、住宅密集地やマンションでの民泊を規制などができる実効性のある旅館業法なみの条例をつくること。

(15)中高層建築物等建設にかかる紛争

  • 「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」は現在、住環境を守りたいという住民の願いを実現する力となっておらず、市民に条例の見直しを約束しながらそれを反故にしている。また、2016年に創設された「専門家助言制度」は「役に立たない」と評判が悪く、制度をつくったからといって、条例を改正しなくていいということではない。「住民が合意しないものは建てられない」という姿勢に改めないと今後も紛争は続く。条例をより実効性のある内容に抜本的に改定することが求められている。他都市ですでに実施されている標識設置期間の延長や、近隣説明会の義務付けと範囲の拡大、罰則規定の導入、住民合意等を条例に盛り込むこと。さらに現在の条例には解体については何の定めもなく、近隣住民への事前説明と周知の義務付け等、解体に関することを盛り込むこと。
  • コロナ禍において事前説明を書類のポストインだけでよしとした方法は、多くの住民から不満が出ており、理由があれば説明会をしなくてよいという道を市が開いてしまったことは許されない。市が業者よりになっている姿勢を改め、今後、このような対応は一切しないこと。また、業者が提出した説明実施報告書が議事録と異なっているという事例も起きており、住民が報告書の内容を確認できる仕組をつくること。
  • 近年、住民の努力で守られてきた良好な住環境を破壊する強引な中高層建築物等建設の深刻な事例が後を絶たず、住民との間に紛争が頻発している。開発規制を強化するために用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の積極的な周知と適用に努めること。

(16)交通対策

  • 「JR筑肥線と市営地下鉄の乗り継ぎ割引料金と割引区域の拡大を求める請願」が採択されたように、市営地下鉄とJR筑肥線の乗継割引を現在の20円から東部の西鉄との乗継同様60円へ拡大するようJR九州に強く申し入れ早急に実施すること。またJR九州の実施が遅れる場合、本市分については先行して割引額を10円から30円に引き上げること。加えて連続割引区間について、2区から3区に拡大すること。
  • 市営地下鉄やJR筑肥線の運行トラブルが起きた際に、折り返し運転や代替輸送を速やかに行うなど市民の交通手段を確保すること。
  • 市民の切実な願いである「生活交通の充実、整備について」の請願が採択された。しかし、公共交通空白地等における生活交通対策としてアンケート調査が実施されたが、交通不便地以外の市民も対象にしたものであり、実態に即した内容になっていない等まともな対策が取られていない。市が責任を持つコミュニティバスの運行を早急に行うこと。また、西鉄は市内各地でバスの減便を強行し、住民は通院や買い物等の日常生活に大きな支障をきたしており、早急に増便を図るよう西鉄に強く要請すること。また、生活交通の確保を公共交通事業者の努力義務ではなく義務として明記するよう生活交通条例を改正すること。
  • 11月末に東京の地下鉄駅で視覚障害者がホームから転落し死亡するなどホーム転落事故は後を絶たない。JR博多駅をはじめ、市内のJRおよび西鉄大牟田線各駅にホームドアを早急に設置するよう関係事業者に強く申し入れるとともに、国まかせではなく、市としても推進のための協議会を設置すること。また、ホームドアが設置されるまでの間、乗客の安全対策要員をホームに配置するよう事業者に申し入れること。
  • JR九州が駅を無人化したことについて、車いすを利用する大分市内の3人が9月に、憲法などが保障する移動の自由を制限されて苦痛を受けたなどとして、損害賠償を求めて裁判をおこした。また、本市でもJR香椎線の無人駅で「線路に子どもが降りていると通報しても何もしてくれない」など批判の声があがっている。全駅を有人に戻すよう、JR九州に求めること。
  • 2021年11月に供用開始予定の早良南地域交流センターへの交通アクセスが不十分であり、とりわけ早良区南部から「行きたい時に行けない」という声があがり、住民からバス増便などの要求が出ている。交通事業者との交渉を早急に進めるとともに、市がコミュニティバスを運行することも含め、交通の利便性を図ること。

(17)自転車対策

  • 市内での自転車関連の交通事故は、自転車が加害者となる対歩行者の事故の割合が増加し、交差点及び交差点付近での事故発生件数が全体の69.8%を占めるなど、歩行者と自転車の事故が地域での課題となってきている。本市の「自転車通行空間ネットワーク整備計画」は、2022年までに約100kmを追加整備するとしているが、もともとこの整備計画自体が不充分であるにもかかわらず、現状はわずか34.7kmと極めて遅れており、自転車通行空間関連経費を抜本的に増額し整備を急ぎ、歩行者と自転車の分離を促進すること。
  • 自転車利用者が、ルールを学び身に付けるための啓発活動を市として充実をさせるとともに、学校や事業所などと連携して進めること。また、指導員の大幅増員・都心部以外への配置や指導内容の改善など安全対策を抜本的に強化すること。
  • 新型コロナ感染拡大でUber Eatsなど飲食宅配代行サービスの利用者が増える中、配達員の自転車走行中の事故や交通トラブルが各地で相次いでいる。事業者に安全対策を申し入れること。
  • 市営自転車駐輪場について、個別施錠型の機械の破損が散見されるので、点検・修理を行うこと。

(18)道路対策

  • 「福岡市バリアフリー基本計画」にもとづく歩道の段差解消、勾配の改善、視覚障害者用誘導ブロックの設置等は、目標の今年度末38.5kmの完了が困難となっており、速やかに推進すること。また、重点整備地区以外の箇所についても、緊急性や必要性を踏まえて、全市的に生活関連経路のバリアフリー化を推進すること。
  • 昨年の滋賀県大津市の交差点での保育園児死傷事故は、防護柵があれば防げたのではないかと指摘されている。本市において類似した交差点は306か所あり、そのうち2020年11月時点で240か所が未対策となっており、安全対策を急ぐこと。
  • 市内では消えかかった横断歩道が増え、それが元で子どもや高齢者の事故も増えており、県に対し、横断歩道や停止線の路面標示の改善と交通安全施策関連予算の増額を求めること。また、市として、消えかかっている路側帯などの路面標示について、予算措置して早急に塗り直すこと。
  • 中央区平尾5丁目にある西鉄の南山荘通バス停をはじめ横断歩道や交差点のそばに存在する「危険なバス停」が、国土交通省の調査で全国約40万箇所あることが明らかとなっている。市独自でも市内のバス停について調査するとともに、地元住民や利用者、バス事業者や警察などと協議し、バス停や横断歩道の移設等の安全対策をおこなうこと。
  • この間の道路陥没事故を受け、日常パトロールや路面下空洞調査等の頻度を増やし、原因と劣化・優先度の分析をおこない、道路改修・維持対策を講じること。

(19)水道事業等

  • 「水道法」は、水道施設の運営権を民間に移すコンセッション方式を可能としたことで、市民の不安は大きくなってきている。利益優先の民間事業者の参入は、経営の効率化の名のもとに、水道事業の安全性・安定性の後退につながり、料金値上げなどの住民負担増を招くことが懸念されている。水道事業は、安全・安心・安定的な水供給によって、憲法の生存権を保障するものであり、地方公共団体主体で健全な運営がなされるよう現行のまま直営を堅持し、民営化や広域化は行わないこと。
  • 水道配水管の耐震化率は2019年度末で58.9%であり、残されている配水管の耐震改修について、現行の年間45kmの更新ペースでは完了まであと40年間もかかるため、さらに早めるよう計画を見直すこと。また、災害時などに水を供給しなければならない重要給水施設として414か所を指定し耐震ネットワーク工事を進めているが、未だ西鉄天神駅や福岡空港、主要な病院など48か所が未整備であり、工事を急ぐこと。さらに、この耐震ネットワークの対象となっていない避難所も多くあり、対象施設を抜本的に増やすこと。あわせて、本市の下水道管も68%が未耐震であり、早急に改善すること。
  • 本市の1日最大給水量44万3539㎥に対し施設能力は78万900㎥あり、すでに過剰である。一方、1日の生産水量5万tの海水淡水化施設は、年間約25億円の維持管理費等の経費をかけながら、実際の生産水量は、2018年以降、日量2万㎥以下に激減しており、稼働する必要はない。したがって、これ以上の無駄遣いは許されず、海淡施設は廃止するよう福岡地区水道企業団に強く求めること。
  • 猛毒のダイオキシンを生成する2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(除草剤)が、1971年に林野庁によって五ケ山ダムの上流域の佐賀県吉野ヶ里町に945㎏が埋められたままになっている。1984年、愛媛県宇和島市では、山中に埋められた同除草剤がダイオキシンとなって大量に流れ出て大問題となった。水道の水質を守るうえで絶対に放置は許されるものではなく、国に対し、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸の撤去を強く要望すること。

(20)防災対策

  • 地域防災計画
    • 毎年のように、全国各地で豪雨水害、台風、地震、火山活動など、深刻で広範囲に被害が及ぶ災害が相次いでいる。気候変動の影響で過去に経験のない様相を見せる災害も起きており、想定規模など、従来の枠だけにとらわれない備えをとるよう「地域防災計画」を見直すこと。
    • 政府は、新型コロナの感染拡大をうけ、避難所の過密抑制など感染症対策の観点を踏まえた防災の推進が必要であるとし、防災計画を修正した。本市「地域防災計画」の感染症対策についても、避難所の過密抑制などの観点を盛り込んだものに見直すこと。
    • 市民の生命、身体及び財産を災害から守ることは、災害対策基本法第1条で「国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にする」と規定されている。しかしながら、本市「地域防災計画」の基本理念には、「共創による防災先進都市・福岡をめざして」として、「市民、企業、NPOとの共創」による取組とし、「自助、共助」をことさら強調し公的責任を明記していない。市民に防災の対策義務を押しつけるのではなく、市の責任で、地域防災力の向上に取り組むよう「地域防災計画」を改めること。
  • 避難対策
    • 2020年9月の台風10号で、福岡市は38万7900世帯、77万3914人に対し、土砂災害や浸水被害のおそれがあるとして避難勧告を出した。しかしながら、実際に避難した住民は4472人であり、避難すべき住民の0.6%程度しか避難していない。市民に避難に関する情報が速やかに伝わり、実際の避難行動に結びつくよう調査・研究すること。
    • コロナ禍での避難所運営は、ソーシャルディスタンスを確保する必要があり、現行の避難所数では、災害の規模によっては収容しきれずに避難所難民を生むこととなる。実際に2020年9月の台風10号では、西区の今宿公民館をはじめ、少なくとも9か所で避難してきた人が入ることができなかった。現在の避難所で収容できる人数を計算し、不足分を公共施設や地域の集会所などで補足する計画を立てること。
    • 九州で最も地震発生確率が高い警固断層が活動しても、避難者数を2万5000人としか想定しておらず、都心部の勤労者と来街者は増加しており、考えられる最大規模の災害にともなう数に見直すこと。
    • 避難所における人権やプライバシーを守るために必要な間仕切りや避難者の健康維持のための段ボールベッドは、コロナ感染を防止する上でも重要となっており、避難直後からすぐに使えるように、国・民間まかせでなく、市として必要数を備蓄すること。また、公的備蓄を抜本的に増やすこと。
    • 土砂災害、浸水、津波のハザードマップや、揺れやすさマップについて、パソコンやスマートフォン等を活用することができない高齢者などにも、災害時に自分のいる地域でどういう被害が起きるのか、避難経路や避難場所はどこかなどが理解できるよう、校区ごとのマップを作成し、市の責任で全世帯に配布すること。
    • 情報が入手できるよう避難所にテレビやラジオを設置し、快適に過ごすことができるよう畳などを設置すること。収容避難所には、冷暖房を付けるとともに、トイレは主として洋式に改修すること。また、避難直後から使用できるように、いすやベッドなどの備品をそろえるとともに、衣類やあたたかい食料・弁当が避難者にいきわたるようにすること。電源車と給水車の配置、通信の確保ができるよう、関係機関との事前協定を行うこと。
    • 福祉避難所については障害者や高齢者などの避難所としての機能を発揮できるよう万全を期すことが求められている。現在109か所を指定しているが、施設が被災し使用できない場合も想定し、指定箇所も抜本的に増やすこと。「避難行動要支援者名簿」の登録者だけでなく、その名簿から漏れている障害者に対しても、避難誘導、具体的な移動の手段の手配などについて、通常時からきめ細かい個別計画を市の責任で策定するなどして対策を強化すること。福祉避難所の備蓄については市の責任で進めること。停電に備え、高齢者施設などに非常用自家発電設備をすすめるために、国に対する補助制度の継続、拡充を求めるとともに、市独自の補助制度をつくること。また、発電機等に必要な燃料の確保を市の責任で進めること。被災時に施設運営で一番の課題となる職員不足については、協定を結んでいる他都市などとの協議を進め、福祉避難所に対する受け入れ体制を事前に確立すること。
    • 津波ハザードマップについて、避難の方向の記載はあるものの、区域内で避難できる高いビルなどが記載されていない。必要な津波避難ビルを確保し、ハザードマップに記載すること。また、避難ビルの認証シールやオートロック対策など実効性ある対策を早急にとること。
    • 年々集中豪雨の発生などによる危険が高まっているもとで、市内の急傾斜地崩壊危険区域の指定は、土砂災害ハザードマップで指定している土砂災害警戒区域80区域のうち、35区域にすぎず不充分である。県と連携して、地権者の協力も得ながら、指定区域の拡大を求めるとともに、市としても安全確保の対策をおこなうこと。
  • 木造戸建住宅の耐震化の助成制度については、対象外とされている1981年以後の住宅も対象とすること。市内の共同住宅の耐震診断と耐震改修助成の制度については、助成要件も緩和して抜本的に金額を引き上げ、制度の周知・広報も強めること。また、人命確保のための耐震ドア、窓や屋根の補強だけでも活用できるようにすること。
  • 自然災害で住宅が壊れた人に支援金を支給する被災者生活再建支援法について、半壊世帯も対象になった。支援対象を半壊だけではなく、一部損壊世帯に広げるとともに、被災者生活再建支援金の支援金上限額を300万円から500万円へ引き上げるよう国に求めること。また、本市の災害見舞金は、住家の全壊でも最高で6万円となっており、抜本的に引き上げること。
  • 公共施設の耐震性を確保することは、地震に対する予防対策の基本である。ところが、2019年度末時点で、市営住宅では3団地4棟407戸が残されている。予防対策を後回しにするのではなく、2023年度の完了予定を大幅に前倒しすること。
  • 県が管理する市内の二級河川13水系のうち、改修計画がある河川はわずか5水系しかなく、現在改修を実施しているのは3水系となっている。直近の水害で2級河川では、8河川、21か所において溢水が生じており、河床掘削、老朽化した護岸のかさ上げ・改修などの氾濫防止対策を急ぐよう県に要請するとともに、必要な河川には農業用ため池を治水池へ転用し雨水流出抑制を強化し、市有地や公園などの公的施設を活用して地下貯水施設等を設置すること。また、樋井川における河川への雨水流入抑制の活動をしている団体と情報共有を図りながら積極的な支援をすること。さらに、急激な浸水を避けるため、越水してもすぐに破壊しない耐越水堤防を整備し、避難する時間が確保できる対策を強めること。あわせて、バックウォーターや内水氾濫対策、浸水が予測される箇所のかさ上げ、バイパス雨水管などの整備、河床掘削や護岸整備を行うこと。
  • 2020年7月豪雨で熊本の防災重点ため池が決壊した。人的被害を与える可能性のある防災重点ため池は、市内で82か所であり、防災工事を進めるための財政措置を国にもとめると同時に市独自でも工事をすすめること。また、防災重点以外のため池についても、耐震性や豪雨による洪水の危険性などの調査点検を行い、ハザードマップの策定や暫定的な避難方法の住民周知をすること。

(21)消防行政

  • 今年のコロナ感染の拡大における救急活動は、消防職員に感染リスクの不安や発熱患者への対応など、さらなる負担を強いており、現場は疲弊しているのが実態である。本市の消防本部職員1人当たりの管轄人口は、1449人と政令市最高であり、京都市や大阪市のほぼ2倍という状況は異常である。また、一般会計の歳出に占める消防費の予算の構成比は1.7%と政令市最低であり、市民1人当たりの消防費も2019年度決算額で政令市最低額となっている。本市の消防の体制は、国の指針に照らして、ポンプ車2台、救急車3台、人員は67人も不足しており、特に過去5年間で救急出動件数が約8651回も増えているのに、救急要員の充足率が90.7%と依然として低いのは問題である。早急に100%充足をすること。また、抜本的に予算を増額し、国の指針を満たすように、消防力指針を早急に整備すること。
  • 消防職場でのパワハラ・セクハラ・暴力に対応するために、弁護士など第三者が参加する機関を設置すること。管理職を含む全職員を対象に、パワハラ・セクハラ・暴力の根絶、ジェンダー平等の推進をはかる研修を実施すること。

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5、地球温暖化対策をはじめとする環境を守る本気の取組みを

(1)地球温暖化防止対策

  • 菅内閣が2050年までに温室効果ガス排出ゼロを宣言したが、世界で122番目と大きく出遅れている。宣言の実現のためには、2030年までの思い切った削減目標が必要であり、国に4割以上の削減目標を求めること。また、排出ゼロと言いながら、原子力発電や石炭火力発電にしがみつく政府の計画の見直しを求めること。
  • 福岡市は、2040年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると表明したが、福岡市地球温暖化対策実行計画の基準年は2013年度としたままであり、国際的な基準年度である1990年との比較目標を持つこと。温室効果ガスの排出量を増やし環境を悪化させる「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」、「ウォーターフロントネクスト」等の都市開発を見直す立場で、従来より排出削減目標をさらに前倒しすること。
  • 日本でも世界でも、記録的な高温や台風等の強大化、豪雨、大洪水、山火事、干ばつなど、気候変動の影響が顕在化し、被害者や死者数も増大している。世界では20か国1000以上の自治体、日本でも横浜市や大阪市など46自治体で「気候非常事態宣言」がされており、本市にも九州大学の学生等から宣言を行うよう求める請願が出されている。さらに、11月には衆参両院で国をあげて地球温暖化対策に取り組む決意を示す「気候非常事態宣言決議」が全会一致で採択された。したがって、本市でも地球温暖化を回避するための脱炭素化の実現に向けて、市全体で取り組むために「気候非常事態宣言」をおこなうこと。

(2)原子力発電

  • 2020年1月の広島高裁判決は、日本が世界有数の地震国、火山国であり、原発を動かす条件がないことを改めて明らかにし、四国電力伊方原発3号機の可否をめぐって、運転してはならないとする決定を出している。温暖化対策を口実に原発の再稼働、新増設に固執する菅政権の姿勢は許されず、「原発ゼロ基本法」を制定し、「原発ゼロの日本」を実現するよう、国に求めること。
  • 2020年12月の大阪地裁判決は、大飯原発3、4号機をめぐり、想定される地震の揺れ(基準値振動)が過少評価されているとし、原子力規制委員会の設置変更許可を取り消す判断をした。九州電力玄海原発3、4号機は原子力規制委員会の「新基準」の審査で合格し再稼働されているが、今回の判決は、規制委員会の審査が安全を保障するものではないことを明らかにしている。したがって、市長は九電と国に対して、玄海原発の3・4号機の即時停止と早急な廃炉を強く要請すること。
  • 原発再稼働の同意権や事前了承権を周辺自治体にまで拡大すべきだという声は全国的に広がり、茨城県東海第二原発や静岡県浜岡原発では、新協定に向けた取り組みが自治体と電力会社との間で始まっている。本市が九電と締結した「原子力安全協定」は、2次給水系事故などの報告義務が除外されているなど全く不十分である。したがって、どんな微細な事故であってもすべてを直接福岡市へ連絡させるとともに、事故後対策だけでなく、再稼働にあたっての本市への事前説明・了解、立入調査などの内容を盛り込むよう「原子力安全協定」の見直しをすること。
  • 福岡市は玄海原発から約35~60km圏内に位置しており、「福岡市地域防災計画」(原子力災害対策編)では実効性のある避難計画の策定が求められるが、屋内避難を基本としているため地震などの複合的な原子力災害に対応できていない。全市民の放射能被害を想定し、福岡市から他の都市への避難を含めた計画を立てること。

(3)再生可能エネルギー

  • 本市には再生可能エネルギーの市内利用可能量をすべて導入すれば市内全世帯の電力消費をまかなえる潜在能力がある。本市の「福岡市環境・エネルギー戦略」の再生可能エネルギーによる発電規模目標は2030年で市内電力量の8%であったが、本市が2040年までに温室効果ガス排出の実質ゼロ宣言をしたことからすれば、再生可能エネルギーによる本市の発電規模目標の大幅な見直しをしなければ実現できない。したがって、市は再生可能エネルギーによる発電目標を抜本的に引き上げること。
  • 福岡市には風力発電の利用可能なエネルギー量が約90万世帯分の年間約4600GWhもある。同じ北部九州では唐津市や北九州市で風力発電が積極的に取り組まれており、福岡市は風況に恵まれないと決めつけていることには何の道理もない。風力発電に対する位置づけを抜本的に据え直し、他都市の実践にならい、積極的に取り組むこと。
  • 市有施設・市有地で太陽光や風力、小水力などの発電の活用を抜本的に拡大すること。その際は、環境保全や住民の健康に配慮すること。また、太陽光発電の「屋根貸し」を普及するため住宅用エネルギーシステム導入促進事業の補助制度を大幅に拡充して、年々急減している助成件数を大きく引き上げる取り組みを進めること。さらに、本市においても再生可能エネルギー事業に、幅広い事業者や市民、学生らが参加できるよう、予算規模と各種支援制度などを抜本的に拡充し、市民共同発電を真剣に育成していくこと。
  • 市役所本庁舎の電力は、以前は再生可能エネルギーの比率が高い新電力会社から調達していたが、価格だけを考慮することから数年前から九州電力に戻っている。「環境配慮契約法」は価格だけでなく温室効果ガス等の排出の削減に配慮しなければならないと定めており、現在の入札参加基準をあらため、再生可能エネルギーの比率を重視した独自の基準にするなど、コスト最重視の入札のあり方を見直すこと。
  • 九州電力の再生可能エネルギーの出力抑制は、2018年10月以来常態化している。これは“原発優先給電”の仕組みが再生可能エネルギー普及の最大の障害となっていることを示しているものであり、本市の再生可能エネルギー施策とも大きく矛盾する。したがって、市はこれを電力バランスの需給による仕方がないものとせず、九電と国に対して原発優先の「給電ルール」を見直し再生可能エネルギーを優先するよう強く要求すること。

(4)騒音・大気汚染等問題への対策

  • 国の騒音規制法に基づいて行われている「道路に面する地域における環境基準の達成状況」では市内の4290戸が昼夜ともに騒音レベルの環境値を超過している。また、市が独自に行っている自動車による騒音の定点観測地点11か所の測定では、昼間は7か所、夜間は8か所が環境基準を超えている。さらに、光化学オキシダントの昼間の1時間値が環境基準を超えた日数が香椎測定局では年間96日に達している。したがって、自動車による騒音、大気汚染などの原因抑制をするためにも、「自動車交通公害防止計画」を再び策定し、自動車交通の総量規制をおこなうこと。また、現在の交通量などから再検討し、騒音、振動、大気汚染の観測地点の選定についての見直しを行うこと。併せて、市の公用車は全て電気自動車に切り替えていくこと。
  • JR福岡貨物ターミナル駅では、貨車の連結やブレーキの音、リフトの作業音などが、深夜2時まで鳴りやまず、周辺住民の受忍限度を超えている。市は、日本貨物鉄道株式会社に対し、貨車の運行時間を夜12時までとし、深夜の騒音を伴う作業をやめるよう、国土交通省や環境省とも連携を図って同社に実行させるとともに、防音壁を設置させ騒音被害を軽減させること。
  • 東区奈多に移転したヘリポートによる騒音について、地域住民から不安の声が寄せられている。市として、ただちに騒音実態の調査を国に求めること。

(5)博多湾の和白干潟は、絶滅が心配されているクロツラヘラサギ・ズグロカモメ・ツクシガモなどが、餌となる貝、カニ、ゴカイなどの豊富な底生動物を求めてやってくる日本海側で最大規模の干潟である。30年にわたるその干潟を守る保全活動が、日本ユネスコ協会連盟から「未来遺産」に登録(2013年)され、2016年4月の環境省の「重要湿地」として発表された「ラムサール条約潜在候補地リスト」でも登録基準をクリアしている。2018年の締約国会議では、大都市である東京都江戸川区の「葛西海浜公園」が新たにラムサール条約登録湿地になっており、本市として条約登録に向けた地域住民の理解を速やかに得る手立てをとること。和白干潟の「特別保護地区」指定を国に申請し、ラムサール条約登録地にされるよう積極的な取組みを推進すること。

(6)ごみ行政

  • 本市では、2011年に「新循環のまち・ふくおか基本計画(第4次福岡市一般廃棄物処理基本計画)」を策定しごみ処理量の削減を目指してきたが、目標の2024年度47万tに対して、2019年度は56.5万tであり、計画当初年度の56.3万tをも上回り、減るどころか増えている。市はこの状況を、「想定以上に人口・事業所が増加」したためなどと言い訳しているが、「福岡市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例」第3条には、「市は、あらゆる施策を通じて、廃棄物の減量を推進する」と責務が謳われていることからも許されない。さらに、市は「第5次基本計画」の素案においても、今の施策の延長線上ではごみは増えるとして減量を目標に掲げていないのは、全く無責任である。したがって、市は、「第5次基本計画」で、ごみ処理量の抜本的な削減を明確に目標とすること。
  • ごみを資源化していく施策に大きく転換して、3Rの促進を図ること。また、事業系ごみについて、空きびん・ペットボトルの分別回収を行うなど、分別の種類を増やし、ごみ減量の取り組みを推進すること。さらに、家庭や飲食店などから排出される生ごみの資源化を促進するために、生ごみ処理機やコンポスト化容器の購入に助成制度を設けるとともに、市として市施設や商店街、大規模店舗などへの設備の設置を行うこと。
  • 廃プラスチック対策は、発生・製造抑制の観点からごみ回収のコストを製造者側が負担するよう国に求めること。また、市としてプラスチック削減目標を明確に持ち、分別回収を行うこと。さらに、市民や事業者に必要な啓発をおこなうとともに、バイオマスプラスチック等を製造する地場業者を育成し、支援すること。
  • 市は今年の台風10号の影響のため9月6日のごみ収集を中止したが、市のホームページやLINEなどの告知にとどめたため情報が届かず、通常通りにごみを出した市民も多く、次回持ち出し日まで放置されることとなった。台風や大雪などでごみ収集作業に危険があると予測できた場合は、収集中止を早い段階で判断し、報道機関に依頼するなどあらゆる手立てをとって市民に周知徹底すること。また、ごみ収集車の低公害化やハイブリッド仕様について他都市を参考に導入するための補助制度などについて検討すること。
  • 高齢者や障害者などを対象にした粗大ごみの持ち出しサービスは無料にすること。

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6、中小企業・小規模企業の営業を応援する総合的施策、農林水産業の再建を

(1)中小企業・小規模事業者対策および地域経済振興

  • 中小企業・小規模事業者の振興予算は、融資と金融対策、プレミアム商品券事業を除いて、わずか1億3000円と極端に低いままである。一方で、新産業関係に68億6000万円、観光費は20億1000万円など企業や人を呼び込む施策などに偏重した経済振興策となっているが、コロナによる進出企業の停滞、インバウンドの破綻を受けて経済施策を大幅に見直すべきである。従って、本市の経済と雇用を支えている中小企業・小規模事業者の振興予算を抜本的に増やすこと。
  • 「中小企業者の実態の把握」(中小企業振興条例第4条)の一環として、小規模企業者に特化した実態調査を実施すること。中小企業者や小規模企業者の意見を反映させるために、中小企業振興審議会の回数を増やし、部会を作るなどして、より専門的な活動ができるようにすること。審議委員に小規模企業者の代表を参加させること。
  • 地場中小企業・小規模企業の仕事づくりにつながる用途の制限がない住宅リフォーム助成制度や商店リフォーム支援制度を創設すること。
  • 競争入札資格のない未登録業者に対して、自治体が建設工事や修繕工事等を発注する小規模工事登録制度を実施すること。
  • 中小企業振興条例では第14条「小規模企業者の事情に配慮するよう努めること」と謳っている。にもかかわらず、本市は小規模企業者及び地元中小企業との契約実績を把握していない。調査を行い把握すること。また、公共事業を地元中小企業、特に小規模企業者へ優先して発注すること。
  • 官公需契約実績によれば中小企業者向実績は件数で2015年度の80.3%から2019年度78.0%、金額でも同年比で90.1%から86.3%とともに減少している。中小企業者向の公共事業の割合を増やすこと。
  • 市発注の公共事業の下請け、孫請けの賃金について、従業員への聞き取りをおこない設計労務単価が守られているかを調査するとともに文書通知だけでなく実効ある対策を講じること。
  • 自治体の仕事を受注する企業に人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける公契約条例の制定をすすめること。
  • 合計620万にのぼる免税事業者と簡易課税制度利用事業者を廃業に追い込むインボイス制度は、中小企業と小規模事業者に大きな打撃となる。インボイス導入をやめるよう国に求めること。
  • 自営業・農業において、妻など家族従業者への給与を必要経費として認めない所得税法第56条は国連女性差別撤廃委員会からも見直し・検討を求められている。廃止するよう国に求めること。
  • 菅首相が経済産業大臣に、中小企業の再編促進などによる生産性の向上を指示し、中小企業基本法の見直しを目論んでいる。地域社会や雇用の維持など中小企業の役割を生産性に矮小化しようとする方向性は大変危険であり、中小企業を守る立場でこのような方針は撤回するよう進言すること。

(2)雇用・労働条件

  • 過酷な労働条件、雇用環境で労働者を使い捨てにする働かせ方を強いる企業が少なくない。労働問題を県や国に任せるだけでなく、専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくり、街頭相談や電話やSNSを使った相談を実施すること。調査、相談、啓発を網羅した、違法・脱法的な働き方をなくすための条例を作ること。
  • Uber Eatsをはじめとする雇用関係によらない働き方が急速に広がっている。雇用契約を結ばないため、労働基準法や最低賃金法も適用されず新たなブラックの手口が生まれており市独自の実態調査を行うこと。
  • 「働くあなたのガイドブック」は、抜本的に作成部数を増やすとともに、どのように配布し活用されているのかを把握すること。また、「働くあなたのリーフレット」を市内の高校、専門学校生、大学生全員に渡せるように作成部数を増やすとともに、労働者向けリーフレットを作成すること。
  • 今年、福岡県の最低賃金は1円しか上がらず、非正規雇用率が全国平均より高い本市の労働者の生活は引き続き厳しい状態である。国に大幅な値上げを求めること。

(3)農林水産業の振興

  • コロナ禍のもとで、主食米の需要量見込みが大きく下がる可能性があるが、減反を押し付けないように国に要望すること。価格や需要安定のために政府備蓄米の買い上げを増やすなど抜本的な対策を要求すること。日本の経済主権・食料主権を守るために日米貿易協定やTPP、EPA、FFRはやめるよう国に求めること。
  • コロナ禍での減収対策としても野菜、花卉の価格安定制度の改善・拡充は大切であり、国に要望するとともに、市の「野菜花き生産安定事業」は品目を拡充すること。
  • 国連「家族農業の10年」キャンペーンに取り組み、福岡市特有の家族農業経営の活性化推進計画を作成し具体化すること。
  • 本市の農家の経営主の平均年齢が72.1歳となっている。農家戸数及び農業従事者数についても、2015年度と2019年度を比較すると、223戸(10%)、649人(18%)も減少している。農家の後継者づくりについては、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、農業への新規参入者を増やすこと。
  • これ以上耕作放棄地を増やさない手立てをとるとともに、活用については市民農園や体験農業、学校農園、農業ボランティアなどさまざまなチャンネルで市民の多くが農業・農村にふれ、生産にかかわる取り組みができるようにすること。
  • 有害鳥獣による農作物への被害額は4085万円となっており影響は依然大きい。被害の多くを占めるイノシシ対策のためワイヤーメッシュ、電気柵の設置など予算を増やすこと。
  • コロナ禍のもと、漁価の下落、販売量の低迷などで漁業従事者の暮らしと経営が悪化しているため支援が必要である。漁協経営基盤強化対策事業(漁業共済事業促進)補助金の補助率を引き上げること。新たに漁船保険料の助成制度をつくること。
  • 生物の生息・生育に適した水質・底質環境を成立させ、多様な生物が保全される博多湾になるように漁協が行っている漁場保全・環境改善活動への支援を拡充すること。離島漁業再生活動促進事業での支援を継続すること。
  • 市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。また、市公共施設における木材使用量を増やすために利用促進を義務付ける条例を制定すること。

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7、憲法と子どもの権利条約を生かし、子どもの成長・発達を中心にすえた教育行政の推進を

(1)少人数学級

  • 教育委員会は、来年度、コロナ対策として、教室内での身体的距離を確保するために、小中学校全学年で「35人以下学級」を実施する。少人数学級はコロナ禍以前から、長年に渡り、幅広い市民をはじめ教職員などの願いであり、「35人以下学級」が全学年で実施されることは大きな前進である。しかし、来年度限りの暫定措置としていることや、教室は増えるが教員は増やさずに対応するのは問題である。現場からは、「教員を増やさずに実施するのは無理がある。担任の負担が増える」と懸念の声があがっている。よって、必要な予算を確保し、教員を抜本的に増やして恒久的に「35人以下学級」を実施すること。
  • 少人数学級を求める教育研究者有志が呼びかけた「少人数学級と豊かな学校生活の保障」を求める全国署名は、18万筆を超えて提出された。また、16道県を含む534議会で少人数学級の実現を国に求める意見書が採択されている。本市においても、「少人数学級の推進を求める意見書」が採択され、萩生田文部科学大臣は国会答弁で「不退転の決意で臨む」と表明している。将来的な「20~30人程度」の少人数学級を実現するための法改正や予算の増額を国に求めること。

(2)GIGAスクール構想は、「個別最適な学び」を実現すると称して、子ども1人に1台のタブレット端末を整備するものである。このタブレット端末の導入については、分離・分割発注をせず、三井住友トラスト・パナソニックファイナンス1社が独占し、リース契約で市の負担は約19億円にも及び、それとは別にランニングコストとして年5億円もかかることが判明した。また、GIGAスクール構想の元となった経産省の研究会の報告によると、「子どもたちの学習データをAIが記録し、AIが学習内容を提示して、同じ教室で端末を使って、1人ひとりが異なる教科や単元を学ぶことが進むべき方向」とされている。現場からは、端末を含むICT活用の研修は教員の負担を増加させ、集団での共同の学びが壊されかねないと懸念が広がっている。よって、莫大な経費がかかり、特定の業種や民間教育産業などを儲けさせ、集団での共同の学びを大切にしてきた学校教育を変質させるGIGAスクール構想はやめること。

(3)第2次福岡市教育振興基本計画は、少人数学級の拡大や特別支援教育の教員の加配、教育環境の整備などが抜け落ちており、低学年からの英語教育を押しつけ、財界要求のグローバル人材育成を強調するゆがんだものとなっている。よって、同計画は、コロナ禍で新たな不安とストレスをため込んだ目の前の子どもたちの実態から出発した手厚く、柔軟な教育の実現をめざし、憲法と子どもの権利条約の立場に立ち、一人ひとりの子どもの発達と人格の完成を土台に据えたものへと抜本的に見直すこと。

(4)教職員の働き方

  • 2019年度の福岡市立学校教諭等の勤務実態調査によれば、1日あたりの総活動時間(勤務時間)は小学校で10時間18分、中学校で10時間12分など、2014年の前回調査と比較すると短縮はしているものの、依然として深刻な長時間労働となっている。そのような中で教員の働き方改革と称して導入がねらわれている「1年単位の変形労働時間制」は、1日の労働時間を10時間まで可能とし、現在の長時間労働にお墨付きを与え、固定化させてしまうものである。よって、長時間労働の解消にはならない「1年単位の変形労働時間制」は導入しないこと。
  • 岐阜市は、夏休み中に、教員が年次有給休暇などを取りやすくするために、16日間の学校閉庁日を設けている。本市は、お盆の3日間を閉庁日に設定しているが、教室のワックスがけや壁塗り、会議や校内研修などに教員は忙殺されており、年次有給休暇などが極めて取得しづらい実態となっている。教員が気兼ねなく休暇を取得できるように、夏休み中の業務を減らし、学校閉庁日を増やすこと。
  • 本市の新任教諭の初任者研修について、「週1回の研修は負担が大きい」「子どもの前で指導教諭から批評され、ストレスを感じた」「トイレ掃除を素手でやれと指示された」などと現場の声が報道された。人権無視の理不尽な指導がなされていないか調査、是正し、決して現場任せにせずに、指導主事が新人教諭と直接面談するなど、心のケアをサポートする体制を強化すること。また、本来、法的に認められた教員の研修権に基づく自主的な研修こそ奨励すること。
  • 新学習指導要領の全面実施により、年間の標準授業時間数は3年生が980時間、4~6年生は1015時間となり、ほぼ毎日6時間授業となっている。標準授業時間数はあくまで目安の数字であり、必ずしもその時間数を実施する必要はなく、子どもや教員の負担とならないように、柔軟に教育課程を編成するよう指導すること。また、教員の持ち時間の上限は、1日4コマ(小学校で週20コマ、中学校で週18コマ)に定め、教員定数を増やし、全体の授業時間数を減らすこと。
  • 市立高校の専科の非常勤講師が会計年度任用職員への移行に伴い、授業準備を含めて2時間の在校が求められ、1コマあたりの給料は減少している。講師からは、「担当する授業コマ数は変わらないのに、在校時間は長くなり、給与が減るのは納得できない」という声が寄せられている。また、在校時間を確保するために、授業のない日にも出勤を求められる場合もあるという。このような給与のあり方は元に戻し、制度を見直すこと。また、正規採用を大幅に増やし、講師頼みではない人事政策へと転換するとともに、常勤講師の給与や休暇制度など、処遇を改善すること。
  • 勤務実態調査によると、中学校教諭の時間外活動の中で最も多い業務が「部活動指導」となっており、依然として、大きな負担となっている。学習指導要領に教育課程と部活動の関係性が明記されたが、部活動は本来生徒の自主的な活動であり、「顧問=教員」とする基本的な指導のあり方の見直しを検討すること。部活動の「休養日は週2日以上、土日のどちらか休み」と定めた部活動ガイドラインを徹底するとともに、教員の負担を減らすため、部活動指導員と部活動支援員のさらなる増員を図ること。
  • 福岡市登校支援対策会議の報告書では、いじめや不登校など様々な課題を抱えた児童生徒や保護者からスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーへの相談が増えているが、それぞれの配置状況、勤務の実態から、十分な支援が行えていないと指摘している。このような専門職員の位置づけは、コロナ禍の中、ますます重要になっており、教員の負担を軽減するためにも、正規で採用し、すべての学校に配置すること。同様に、専門職である学校司書も1人が4~5校担当する体制ではなく、1校に1人配置すること。また、学校司書が会計年度任用職員に移行され、4年ごとに採用試験を受けることになっているが、専門性や継続性が求められる職種であることを考慮し制度を改めること。あわせて、養護教諭の複数配置をひろげること。

(5)教育のあり方

  • 下着の色のチェックや頭髪黒染めの強要、地毛証明書の提出など、いわゆる「ブラック校則」は、市民社会でも到底認められない人権侵害である。文科省は校則について、学校をとりまく社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて、絶えず積極的に見直す必要があると述べている。熊本市では、初めて校則についてのアンケートを実施するなど、校則の見直しに向けた議論が始まっている。本市も、児童生徒が校則の見直しに関与できる仕組みをつくり「ブラック校則」の根絶にとりくむこと。
  • 本市で2019年度に把握されたいじめは、小学校で過去最多の1896件、中学校で736件となり、それぞれ前年度より激増している。ネットやSNSを使った誹謗中傷、からかいや悪口が増える傾向にある。いじめは、どんな形であろうと人権侵害である。学校及び教育委員会が、決していじめ対応を後回しにせずに、子どもに対する安全配慮義務、集団的に対応する学校の責務、被害者の「知る権利」を保障することなどを原則とし、いじめ問題にとりくむこと。さらに、いじめが命に関わったり、長期欠席の原因になったりする「重大事態」については、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」などに基づき、第三者委員会を設置して調査にあたるが、その対応に被害者側が不信感を募らせているケースがある。被害者側にも問題があるという誤った姿勢を見直し、被害者側に心を寄せて、子どもが安全に生きる権利を保障する方向で「いじめ対策法」を運用すること。
  • 3月の突然の全国一斉休校要請について、本市は、教育委員会会議も開かずに、市長の意向に唯々諾々と従い、現場の意見も無視して決定した。現場は、マスコミ報道や保護者からの問合せで初めて決定を知るという状況になっており、教育委員会に対する不信と徒労感が広がっている。市長の意向に付き従い、トップダウンで教育委員会の決定事項を現場に下ろして従わせるようなあり方は見直し、その都度現場にフィードバックをすること。また、教育委員会会議は完全に公開とすること。
  • コロナ禍の下で、今年は全国一斉学力テストや福岡市独自の生活習慣・学習定着度調査は中止されたものの、これらは、子どもと学校に競争主義を押しつけ、前年度よりも点数を上げることが目的となっており、そのために練習問題を解かせるなど、子どもと教員の負担を増大させている。よって、来年度以降も、全国一斉学力テストは中止するよう国に求めるとともに、市独自の生活習慣・学習定着度調査は、やめること。
  • 道徳教育が特別の教科となり、教科書に基づく授業が始まっている。特定の価値観をおしつけたり、「徳目」を数値化したりして、評価は強制しないこと。
  • 「二分の一成人式」は、様々な家庭事情を抱えた子どもに親への感謝を強要し、個人的な心情を発表させるもので問題だと批判の声があがっている。感謝というのは、人から「感謝しなさい」と言われてするものではなく、自然と湧き上がってくる感情である。キャリア教育の一環として行われている「二分の一成人式」はやめること。あわせて、起業家教育に特化した「アントレプレナーシップ教育」はやめること。
  • 2019年度、職場体験学習を自衛隊で行った中学校は、6校で35人の生徒が参加している。安保法制が成立して、自衛隊による米艦防護などは常態化し、自衛隊と米軍の一体的な運用が加速している。憲法違反の集団的自衛権が付与された自衛隊は、一般の職業とは同列視できないもので、一職場として、「職場体験」先に選定することはやめるように学校を指導すること。
  • 部活の朝練に遅刻してきた生徒に平手打ちをして打撲傷を負わせたり、講堂での授業中に指示に従おうとしなかった生徒の襟首をつかんで講堂の外に出し、胸ぐらをつかんで後ろに押したりなど、今年も体罰が発生している。体罰は明らかな暴力であり、絶対に許されるものではない。毎年、発生する体罰については厳正に対処し、「しつけ」と教育の一環で体罰は必要だという考え方を教育現場から一掃し、その根絶にとりくむこと。
  • 子ども、教員、保護者に対して、日の丸掲揚・君が代斉唱を実質強制するやり方を改めること。
  • 教科書採択方法については、児童生徒をよく知る教師自らがその役割を自覚し、教科書を吟味し、教育現場の意見が十分尊重されたうえで、教科書選定されるように、より民主的な方法へと改善すること。

(6)一般会計の約8%にとどまっている本市の教育予算(権限委譲分は除く)は、抜本的に増額すること。

(7)教育を受ける権利

  • 2018年10月から段階的に生活保護基準の引下げが行われたが、教育委員会は保護基準に連動させてきた就学援助基準への手立てをとらず、就学援助から外れてしまう世帯が生まれている。機械的な対応は許されず、就学援助基準を生活保護基準に連動させるのはやめて、基準を引上げること。また、国が認めているクラブ活動費・生徒会費・PTA会費について項目に加え、国に対して財政措置を求めること。入学準備金を必要実態に合わせ更に引き上げること。
  • 不登校の子どもが増加している。子どもの権利条約にある教育を受ける権利、安心して休む権利、子どもの意見表明権などを保障する立場から、学校復帰を前提とせず、適応指導教室など公的な施設の拡充や、不登校の子どもを支える多様な場への公的支援と連携の強化が求められている。よって、まつかぜ学級、はまかぜ学級、すまいる学級と同様の施設を増設すること。また、フリースクールなどの民間教育施設に通う子どもが、学校の出席扱いにならずに進路決定に影響を与えている。学校の出席扱いについて校長の裁量や、教育内容によって選別することは許されず、「民間施設についてのガイドライン」を見直して、すべてのフリースクールに通う子どもを学校の出席扱いとすること。
  • 公立夜間中学校は、10都府県に34校設置されている。国や文科省は、自治体に公立夜間中学校の設置を強く求めており、「各都道府県に少なくとも1校」に加えて「各政令市に1校」という方針を決めた。札幌市は、2022年4月に開校することを決めるなど政令市でも設置に向けての動きが進んでいる。また、福岡市の義務教育未就学者は、2010年の国勢調査で1842人となっており、政令市で5番目に多い。さらに、不登校により、学ぶことのないままに「卒業」した「形式卒業者」や中学中退者なども合わせると、未就学者はその10倍存在するといわれている。ニーズは明確となっており、再び議会請願がなされるなど、要望も強い。したがって、民間任せではなく市立夜間中学校の設置を急ぐこと。

(8)教育環境

  • 市長が「都市の成長」などとして開発による人口流入を推し進めている。そのために、東区では、千早駅前の開発とマンション建設で人口が増え、千早小学校が過大規模校となり、アイランドシティ地区では昨年開校したばかりの照葉北小学校も過大規模になる見通しで、3つめの小学校に加え中学校も新設の予定である。まさに無秩序な開発が過大規模校を次々と生み出し、教室が足りなくなってからしか手立てを取らない教育委員会の姿勢が、子どもたちに我慢をさせ続けている。これ以上、過大規模校を生み出すことは許されず、教育環境を守る立場から、開発抑制を可能にする条例などのしくみを教育委員会の責任で構築すること。
  • 学校教育法施行規則によると、小学校の学級数は、12学級以上18学級以下を標準としており、文科省は31学級以上の過大規模校について、速やかにその解消を図るよう促している。福岡市では過大規模校の状態が一定期間継続すれば適正化の手立てをとるとしているが、子どもの学校生活は一度きりであり、放置し続けることは許されない。「福岡市小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針」を見直し、早急に過大規模校の解消のために、用地の取得を行い、分離・新設すること。
  • 西区の元岡中学校の分離・新設については、学校用地として農業用ため池である湯溜池を埋め立てて確保する計画が示され、調査費が計上された。用地選定にあたっては、保護者やPTA、専門家の意見も聞かず、教育委員会内部の議論だけで決定された。加えて、ため池を埋め立てることによる液状化のリスクや費用などもまともに検証されていない。外部の専門家や保護者など地域住民の意見を聞いて、土地区画整理事業の地域などを広く見直して、早急に選定をやり直し、分離・新設を進めること。あわせて、西都小学校の分離・新設については、2023年の開校予定を遅らせないようにすること。
  • 小中学校の理科室や音楽室などの特別教室へのエアコン設置については、PFI方式ではなく、分離分割発注で行うこと。外国籍の子どもが通う日本語指導教室やPTA会議室への設置を急ぐこと。また、猛暑による熱中症予防のために、体育の授業や学校行事で体育館を使えず、教育活動に支障が生じている。したがって、小中学校の体育館へエアコンを早急に設置すること。
  • 学校施設ブロック塀改修事業として、高さ1.2mを越える危険なブロック塀約3万mを特に優先して改修するとしている。しかし、依然として約3分の2の危険なブロック塀が残されている。さらに、法律が定めた控え壁の設置がないと疑われる箇所もある。予算を増額して、速やかに改修すること。また、通学路の危険なブロック塀の撤去も急がれる。抜本的に対象を広げ、補助額を増額して、通学路の危険なブロック塀をゼロにすること。
  • 2020年度の学校施設の改修は、コロナの影響による長期休業期間の大幅な短縮のために大規模改造や便所改造などを中心に多くが延期となっている。予定されていた改修については全て来年度に実施するとともに、来年度の施設整備についても遅らせることなく予定通り実施すること。また、プールについては、必要な改修を速やかに実施するとともに、猛暑のため授業を中止したところもあり、熱中症対策やプライバシー対策として全体を覆う日除けなどを設置すること。
  • 学校用務員の配置が拠点校方式となっているため、用務員のいない学校では、施設及び設備の維持管理に不十分な点が目立ち、修繕の対応に時間がかかるようになっている。現場では、用務員の配置を求める声が強く、児童生徒の安全で快適な環境を整えるために用務員を各校1人は配置すること。
  • 学校施設におけるアスベスト含有調査を早急に行い、成形板を含む非飛散性のアスベスト含有建材が、どこに、どれだけあるかを専門業者に依頼し調査を行うこと。明らかにすること。アスベスト含有建材に破損などがないか点検し、破損している箇所は飛散防止対策を徹底するとともに、ある程度の劣化が認められる箇所については破損を待たずに補修を行うこと。さらに、大規模改造にあわせて計画的に学校施設の「ゼロ・アスベスト」を進めること。
  • 洋式トイレの増設計画は、年間30校ずつ整備するとしているが、2019年度は25校にとどまっている。完了までに10年以上かかる計画を見直し、大幅に前倒しすること。また、春吉中では、南校舎3階にトイレが男女それぞれ1か所しかない状況である。トイレが不足している学校については、ただちに増設を行うとともに、「臭い」「汚い」「暗い」「プライバシーが守れない」など、いわゆる「不備便所」の状態を早急に解消すること。
  • 現在、肢体不自由学級がある学校と、福岡市福祉のまちづくり条例制定後に新設された学校には、エレベーターが設置されている。校内のバリアフリー化を促進するとともに、災害時の避難場所となる学校にエレベーターを設置することは、地域住民が安全に安心して利用できるようにするためにも必要である。よって、全ての小中学校について、肢体不自由学級の有無に関係なく、エレベーター設置計画を作成し、早急に設置すること。

(9)学校給食

  • 緊急事態宣言期間中に人員縮小を行ったために、第3給食センターの開業が約3か月遅れることになり、給食が停止し、市販の弁当となった。これは、教育委員会が進めてきた学校給食公社の調理部門の廃止とセンターへの集約化、大規模化により、緊急時には多くの子どもたちに給食を提供できなくなる可能性があることを示した。よって、緊急時における事業継続計画を作成し、給食の停止が起こらないようにすること。
  • 第3給食センターの調理員の募集によると時給850円となっている。公社よりも調理員の待遇が悪化していることは明らかであり、調理員不足となれば、深刻な過重労働となり、給食にも影響が出ることが懸念される。よって、調理員の待遇改善を行うよう指導徹底すること。
  • 小学校給食の民間委託は中止し、現行の非常勤嘱託員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、直営で行うこと。また、給食室・控室については大規模改造を待たず、直ちに改善するとともに、エアコン等を設置すること。
  • 子どもの健全な成長を保障し、栄養をしっかり取れる学校給食は教育の一環であり、全ての子どもにとって重要である。コロナ禍の下、とりわけ子育て世帯の経済的負担は大きくなっており、家庭で十分に食事がとれず、給食が唯一の食事となっている家庭もある。したがって、学校給食費の一部助成、無償化を行うこと。

(10)特別支援教育

  • 小学校における通常学級で学ぶASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠陥多動性障害)など、発達障害の可能性のある児童が増えている。しかし、今年新設された自閉症・情緒障がい学級は小学校で3校、中学校で2校、LD・ADHD等通級指導教室は、小学校で1校に留まっている。よって、自閉症・情緒障がい特別支援学級とLD・ADHD等通級指導教室を増設すること。
  • 特別支援学級には、年度途中に通常学級から移る児童生徒が少なからず存在し、8人の定員以上となることもある。それを担任1人で受け持つという基準では不十分であることは明らかであり、国に改善を求めること。また、市独自に小中学校の特別支援学級の教員を1クラス2人以上にするよう加配すること。
  • 学校生活支援員を大幅に増員し、支援が必要な児童生徒すべてに行き届くようにすること。また、肢体不自由児が通う学校には、肢体不自由学級の有無に関わらず、介助員を必要数配置すること。
  • 2020年度の発達教育センターへの就学相談件数は約1300件となっている。そのうち8割以上が地域の学校への就学を希望している。療育センターや児童発達支援センターなどと連携し、子どもや保護者のニーズを積極的に把握するとともに、その意向に寄り添った就学相談を行うこと。そして、障害を理由に希望する学校への就学を断念することがないように、必要な援助・配慮の体制を整えること。
  • 本市の特別支援学校の児童生徒数は2008年から2020年の間に、1246人から1674人と1.3倍に増加しているが、2004年に博多高等学園が開校して以来、移転や増築はされているものの、1校も新築されていない。中央教育審議会の初等中等教育分科会は、特別支援教育のあり方について「国として特別支援学校に備えるべき施設等を定めた設置基準を策定する」ことを求める「中間まとめ」を発表した。よって、本市としても特別支援学校の増設計画をつくり、必要な学校用地を確保すること。

(11)高校、大学の教育

  • 「市立高等学校活性化に向けた取組方針(第2次)」には、相変わらず、部活動の加入率、大会やコンテスト出場など学校を正当に評価するにあたらない詳細な成果指標が定められている。過度な競争に駆り立てる「方針」は撤回すること。
  • 本市独自の私学助成は拡充を図ること。
  • 現在、学生の2人に1人が奨学金を借り、その返済のために生活が困難に陥り、自己破産する事例も少なくない。国の給付型奨学金は支給範囲が限定され、学生全体の2%に過ぎないのが実態である。そのため、自治体独自に給付型奨学金制度を創設、拡充する動きが広がっている。したがって、誰もがお金の心配なく学ぶことができるように、市独自の給付型奨学金を創設すること。また、重要な役割を果たしている市教育振興会高校奨学金は希望者全員が借りられるよう改善すること。

(12)国の制度設計が不十分なため幼稚園類似施設に通う子どもたちは、幼保無償化の対象になっていない。よって、制度の見直しを国に求めること。国は、救済のための関連経費を盛り込んだが、自治体が独自に支援している施設が対象の中心で、その施設の調査と支援するかどうかは自治体の判断となっている。本市として、幼稚園類似施設の実態を調査し、子どもの発達、成長を保障する一定の質をもった施設としての役割を認め、補助対象となるよう制度の見直しを国に求めるとともに、市独自に補助を行い、実質的に保育料を無償とすること。

(13)本市の図書館の住民100人当たりの蔵書数は政令市最低レベルであり、予算を増やし総合図書館及び分館などの蔵書充実を図ること。また、司書は正規職員として増員すること。「福岡市総合図書館新ビジョン」に基づく、図書館を営利追求の場に変質させる指定管理者制度はやめて、直営に戻すとともに、運営への民間営利企業の参入を進めないこと。

(14)社会教育施設

  • 公民館は「自治協議会のセンター」の役割が強調され、社会教育施設としての機能の側面が弱まっている。本来の役割を果たすため、各区の地域支援課職員を増員するなど、社会教育を支援する必要な人員を確保するための予算を増額すること。
  • 公民館の市民の利用にあたって、「目的内使用」で利用していたところを急に「目的外使用」となるなど、活動への行き過ぎた干渉や誤った対応が行われているケースが散見されており、幅広い市民の利用が保障されるよう、館長や主事に対し、適切な対応のあり方について徹底すること。
  • 議員の「市政報告会」は、市民の市政参画を推進する上で重要なものである。会場使用料は政務活動費を充てることが認められた公共的なものであり、議会改革調査特別委員会においても、各議員が積極的に行うべきなどと意見が出されている。したがって、公民館を市政報告会の会場として利用する場合、「目的外使用」とする扱いはやめ、「目的内使用」とすること。
  • 早良区南部に開設予定の地域交流センターについて、ホールや諸室の設計は住民の意見を最大限尊重し、誰もが利用しやすいものとすること。また、南区における整備について検討だけにとどめず、建設計画を早急につくること。

(15)文化行政

  • 本市の文化予算の約4割は博多座の運営費で占められており、それを除けば市民1人当たり約849円で貧弱である。文化予算の抜本的な増額を行うこと。
  • 文化芸術振興財団が行っている「ステップアップ助成プログラム」の助成事業数をさらに増やし、それに見合う補助を行うこと。
  • すべての小中学生が1年に1度は文化芸術に触れる機会をつくること。特に「音楽・演劇観賞会」の実施校が2割に満たない中学校には手立てを取ること。「観賞会」実施校には補助を行うこと。
  • 拠点文化施設は、社会包摂の場として役割を果たすよう検討を行うとともに、洗練された舞台芸術を「観る」ことだけではなく、舞台の創造、舞台芸術をささえる人材育成など本市における文化の拠点になるよう方針を明確化すること。
  • 市内における演劇等の専門性に対応できる中規模ホールは、拠点文化施設内に整備予定の800席の劇場型ホールができたとしても足りず、そのほかにも計画すること。
  • 市民センターのホールで子どもが舞台を見えやすくするための子ども用クッションの貸し出しを行えるように市が備品として購入すること。
  • 音楽・演劇練習場の4施設は8割から9割の高い稼動率のため利用しづらい。「検討」を理由に先延ばしすることは許されず、直ちに未設置の西部地域につくるととともに、すべての行政区に設置する計画をつくること。また、ぽんプラザホール同様の小劇場を増設すること。

(16)スポーツ行政

  • 市内スポーツ施設の土日祝日の応募倍率は野球場が61.2倍、テニスコートが13.3倍、体育館が6.2倍など高く、スポーツ基本法に定められた、国民のスポーツをする権利が保障されていない。身近なスポーツ施設を新・増設し、推進すること。2021年3月末で廃止することが予定されている千代町の市民体育館の第2競技場棟及び本館棟、プールは、31万人以上の市民が利用しており、市民スポーツの拠点体育館として、大規模改修を行い使用し続けること。さらに、老朽化しているスポーツ施設は改善し、スポーツ用具については適宜、更新すること。
  • 障害の種類や程度にかかわらず、スポーツを行うことができる環境を作ることは、市の責任である。市内体育館をはじめ、運動施設のバリアフリーを進めるなど利便性の向上を図ること。また、拠点施設である「障がい者スポーツセンター」について、以前からの改修要望である、トイレの洋式化と駐車場屋根の設置をすみやか実施すること。学校跡地や市有地を使って絶対的に足りていない「障がい者スポーツセンター」の増設計画を立てること。
  • 中学校のグランドは校庭開放によって地域のスポーツ振興に寄与しておりその必要な整備が求められている。堤小学校をはじめ要求が出ている防球フェンスの設置を行うこと。早良区にソフトボールのできる運動公園をつくること。
  • 住民のスポーツ参加を増進するための施策をすすめる専門職員の確保、指導者の配置を行うこと。担い手としての活動を支えるために、スポーツ推進委員の位置づけを高め、研修費や必要経費への補助金を充実させ、地域でのスポーツ振興への支援や奨励をおこなうこと。福岡マラソンや大規模スポーツ大会へのボランティアを強要しないこと。
  • 車で利用することが前提の総合体育館の駐車料金を他の市立体育館と同水準に引き下げること。値下げすること。
  • 福岡市の体育館やプールの利用料金について、65歳から69歳が半額、70歳以上は無料になっている。福岡市内にある民間のスポーツ施設についても、市民が利用する際、利用料金の補助制度を作ること。
  • 本市の体育館やプールなどのスポーツ施設の管理については、利用者の立場にたった運営のために、営利企業による指定管理者制度ではなく直営にもどすこと。
  • 2022年に延期された世界水泳選手権は、寄附金、協賛金の募集を開始してから3年が経過した現在でも、全く集まっておらず、事業費の全体像もわからないままである。経費・収支の見込みもずさんな世界水泳から手を引くこと。

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8、一人ひとりの子どもが大切にされ、安心して子育てできる市政に

(1)保育行政

  • 2020年7月1日時点で、未入所児童は1154人、待機児童は38人と、依然として希望する保育所に入れない子どもたちが多数残されている。定員増による詰め込みや、企業主導型など認可外保育施設に頼って受け皿を確保するやり方を改め、こども病院跡地をはじめ公共用地を活用して、適正規模の認可保育所を抜本的に増やすこと。また、現在、7園となっている公立保育所を増やして、せめて各行政区に設置すること。
  • 企業主導型保育事業は、従来から保育分野を担ってきた厚労省ではなく内閣府が主導し、実施機関には保育のノウハウも経験もない児童育成協会が決定された。今年度、会計検査院の調べでは、企業主導型保育所のうち、「病児保育」で全く使われていなかったり、事実上閉鎖したりしている施設があることが分かった。会計検査院は、児童育成協会による審査や指導が適切に行われていなかったとして、内閣府に改善を求めている。保育の素人である株式会社などの営利企業が参入する企業主導型保育事業は、本市でも補助金目当ての詐取事件や不正が発生し、児童育成協会のずさんな審査や指導・監査の問題とともに、保育基準緩和による保育の質の低下が指摘されてきた。よって、待機児童解消のためには認可保育園を増やすことを基本とし、保育所を営利目的で運営する企業主導型保育事業を、これ以上推進することはやめること。また、児童育成協会に指導・監査を任せるのではなく、国が、企業主導型保育園で不正や問題が起こっていないか調査し、設置や指導・監査に責任をもつ仕組みに抜本的に見直すよう、国に求めること。
  • 株式会社テノ・サポートが運営する独立行政法人国立病院機構の院内保育所の一部で、36協定違反事案が発生している。また、テノ・コーポレーションは、東京都板橋区で運営する認可保育所でうつ伏せ寝事故を起こすなど問題が多い。テノが運営する保育所について、適切な保育が実施されているか、保育士など職員の勤務実態及び処遇についても調査し、指導を強化すること。また、本市は、同社に2019年度の子育て支援員研修や放課後遊び場事業を委託しているが、適切でないことは明らかであり、今後は委託先として選ばないこと。
  • いわゆる幼保無償化は対象年齢が3~5歳児に限定され、副食費が保護者の実費負担となるなど、真の無償化には程遠いものである。よって、対象年齢をすべてに広げるよう国に要請するとともに、0~2歳時の保育料をさらに引下げること。また、制服、遠足、文房具代等、「隠れ保育料」と呼ばれる実費徴収費が、保護者の重い負担となっている。子育て世代の負担軽減のために、これらの費用について無料とするよう国に求めるとともに、市独自に減免の手だてをとること。
  • 副食費は各園で定めることとされており、その額が保育園を選ぶ際のものさしで園の格差が広がっている。また、給食は保育の一環であり、食育の重要性や保育所での生活を豊かにする視点から、副食費の実費徴収に対する有識者の批判があがっている。したがって、副食費の実費負担はやめ、無償とするよう国に求めること。さらに、本市として、第3子以降に限らず、助成の対象を広げ、副食費無償化の手だてをとること。
  • 保育士の給料は、全産業平均より約10万円も低い状況が続いている。新型コロナを経験し、保育の重要性が再認識され、医療や介護分野とともに、ケアに手厚い社会への転換が求められている。本市の保育士からは、「せめて月5万円アップすれば、将来に見通しがもてる」「3年経てば辞める保育士が少なくない」などという声が寄せられており、公定価格の抜本増を国に求めるとともに、すくなくとも「福祉職俸給表」にもとづく賃金となるよう市独自の手だてをとること。あわせて、勤続年数に応じて、賃金が上昇するよう「福岡市保育士勤続手当」を増額すること。また、処遇改善等加算Ⅰや処遇改善等加算Ⅱなどの加算が適切に利用されているか、保育園職員の賃金状況を把握すること。
  • 非正規職員の賃金が低く、離職が相次ぎ、求人を出しても応募が無い状況である。よって、非正規職員の賃金は、時給1500円以上とし、フルタイムで働く非正規職員の正規化を促すためにも、財政措置を行うこと。
  • 保育士の離職防止のため、市独自の施策である家賃の一部助成や奨学金の返済支援は今後も継続し、家賃助成は、少なくとも毎月3万円に引き上げ、非正規職員や給食調理員にも適用すること。
  • 給食調理員の給料は、保育士と比べて大きな格差があり、人手不足が深刻である。アレルギー食や宗教食への対応、日々の子どもたちの様子を観察するなど、専門性とともに、保育士とのコミュニケーションが欠かせず、保育の一環である給食を担う調理員の役割は大きい。よって、調理員の処遇は保育士と同等に改善するよう国に求めること。また、調理業務の特殊性と専門性に見合う手当を新設するなど、格差是正のために市独自の手だてをとること。
  • 産休・病休代替職員を速やかに配置できるよう、予算措置を行うこと。また、保育標準時間認定対応の常勤保育士等の人件費の追加や加算など、市町村からの委託料が増額されているが、早朝や延長の保育で交代の保育士を実際に増やして対応するためには現在の公定価格では不十分であり、実態に見合うよう公定価格の管理費の引上げを国に求めること。
  • 保育士の労働時間の短縮を図り、子育てしながら働き続けられる労働環境を整備する必要がある。キャリアアップ研修とともに、保育士の業務の負担となっているのが、書類などの事務作業である。提出すべき書類などが多いために残業が増え、「休憩も十分に取れない」「子どもと向き合う時間や保護者とのコミュニケーションの時間が削られている」という声があがっている。保育士の労働実態を調査し、近隣市の例にならって、提出すべき書類を見直し削減すること。ICT導入で業務軽減を図るとしてきたが、小手先のやり方ではなく、抜本的な業務の削減を図るとともに、どうしても必要な業務については、残業手当を支給すること。
  • 国の保育士配置基準の低さが、コロナ禍で現場の負担を増大させている。現場では接触や「3密」を避けることは難しいため、保育士を増やし、例えば、4歳児30人に対し、2人の保育士を配置できるようになれば、室内で遊ぶ組と外で遊ぶ組など2つのグループに分けて、ソーシャルディスタンスの確保のための工夫ができる。また、緊急事態宣言期間に、少人数の保育を経験した保育士から「普段もこんなゆとりのある保育がしたい」という声があがっている。今こそ、保育士配置基準の引き上げを国に強く要請するとともに、市独自に、保育士対子どもの人数を、0歳児は1対2、1歳児は1対4、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4・5歳児は1対15へと改善すること。あわせて、1947年以来変わっていない面積基準の改善に踏み出すよう国に求めるとともに、本市独自にも改善を図ること。
  • 小規模保育事業など、認可保育所以外の施設・事業においては、保育基準が条例で定められているものの園庭の設置義務がなく、職員全員が保育士の有資格者でなくてもいいなどとされているため、保育所との間で保育の質に格差が生じるなど、課題が明らかとなっている。すべての子どもの最善の利益と発達の権利を保障するため、条例を見直すとともに、保育基準を認可保育所と同等に引き上げること。
  • 本市の認可外保育施設は、2020年4月1日現在、312施設と年々増えているが、その補助は、職員の健診費用など約1500万円にとどまっている。24時間保育や、一時・休日・延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求に応え、地域の子育て支援、家庭支援に大きく貢献し、保育行政の補完的役割を果たしている認可外保育所の職員給与・修繕費・管理への補助を創設すること。あわせて、認可化をめざしている施設への財政支援を強化し、認可化を進めること。
  • 障害の程度が重い児童も、医療的ケア児も全ての保育所で受け入れることができるように、1対1で個別対応できる体制を整えるために必要な保育士の加配や看護師の配置、研修のための助成などさらなる予算の増額を図ること。また、少なくとも各行政区に1つ医療的ケア児を受け入れる保育所を設置すること。

(2)子どもの医療費助成について、来年7月から、通院助成の対象を中学生まで拡大し、1医療機関につき、1月あたりの自己負担額を500円にするとした。市長は、「ふくおか安心ワンコイン」と宣伝しているが、今般、新型コロナの拡大のなか、失業や倒産、給与や賞与の削減、売上の急激な減少などが相次ぎ、とりわけ子育て世代には経済的困難が広がっている。他の政令市では、高校卒業まで助成対象を拡大したり、自己負担をゼロにしたりなどの流れが強まっている。したがって、本市でも、入院・通院ともに助成対象を高校卒業まで拡大し、通院時の自己負担をゼロにし、早急に子どもの医療費は完全無料とすること。また、システム改修や医療証発行などを前倒しするよう業者に要請するとともに、来年4月から助成拡大を開始すること。

(3)留守家庭子ども会

  • 2020年4月20日現在、本市の留守家庭子ども会の登録者数は1万8065人と増え続けており、200人を超える施設も14か所となっている。コロナ対策として「3密」を避けるためにも、子どもの発達・成長のためにも支援単位ごとの支援員の手厚い体制が求められている。しかし、現状はひとつのホールで支援単位以上の子どもを見ることになっている。したがって、支援単位については、必ず子ども40人以下とし、支援単位ごとに専用の設備と専用室を設けるとともに、さらに少人数の単位とすることを展望して施設整備を行うこと。また、各単位に放課後児童支援員を複数配置すること。
  • 施設の面積基準である子ども1人あたり1.65㎡を確実に保障し、児童登録者数に応じて、狭隘施設が生じないよう、計画的に整備すること。また、8㎡以上を確保した「静養するための機能を備えた区画」や、職員室、調理室、ホール(集会室)を備えるようにすること。さらに、安全、衛生上必要なトイレ、手洗い場を国の設置基準に沿って増設すること。
  • 支援員が会計年度任用職員に移行された。人員削減や待遇が悪化することは許されず、手厚い人員体制と専門職にふさわしい労働条件への改善を図り、支援員の正規化を進めること。あわせて、経験豊かな支援員であっても、4年ごとに採用試験を受けなければならないことになっており、希望すれば継続して雇用するよう制度を改めること。
  • 民間の学童保育施設に対して、国からコロナ対策の補助金が交付された。これは民間学童の役割を国が認めたということであり、本市も、社会福祉法人が運営する学童保育施設の役割を明確にし、恒久的な独自の財政支援を行うこと。

(4)雁の巣幼稚園跡地には児童発達支援センターの新設が決まったが、地域住民から請願が出されている児童館を含む複合的な施設とすること。また、入部幼稚園と内野幼稚園の跡地については、公募内容を一部変更したが、いずれも応募が無い状況である。安易な民間売却は許されず、児童館の設置など、子どもの居場所づくりを基本にして、子ども関連施設に活用するという本来の目的に立ち返り、跡地の活用を図ること。

(5)児童館の利用者数は近年特に中高生が右肩上がりで増加するなど、中高生の居場所としてニーズは高まっているのに、本市では中央区に1つしかなく、都心部から遠いところに住む市民は利用しづらいという不利益を被っている。また、1館体制では国の児童館ガイドラインが定める児童館としての拠点性や地域性は発揮できないことは明らかである。専門職員のいる児童館は、公民館など他の施設で肩代わりすることは不可能であり、早急に児童館を全ての行政区に設置するとともに、公立幼稚園や学校、こども病院跡地など公有地を活用して計画的に増やすこと。

(6)児童虐待防止

  • 本市の児童虐待の相談は過去最多を更新する2449件(2019年度)と増え続け、深刻な状況が続いている。2018年12月に策定された児童虐待防止対策体制強化プランで示された職員配置基準をすみやかに達成するとともに、親身な相談活動ができるように専門職である児童福祉司、児童心理司、弁護士資格をもつ職員を大幅に増員すること。児童福祉司・心理司の47%が、経験年数3年未満という状況をあらため、職員の継続性と専門性を高めること。
  • 今年度より児童相談所内に児童心理治療施設を設置したことによって、児童相談所の一時保護所の定員が40から10へと減らされたが、多い時で20人を超えて子どもを受け入れたこともあった。不足する児童相談所の一時保護所の定員を増やすとともに、さらに相談所を増設すること。
  • 児童養護施設の職員配置基準については、条例では児童定員に対する職員数の最低基準を「子ども5.5人に1人」としているが、これは厚生労働省が示す目標水準「子ども4人に1人」をも下回っており、全国児童養護施設協議会が求める水準「3人に1人」へと改定し、さらに人員増をはかること。職員確保のための本市独自の支援補助制度をさらに拡充するとともに、国に対しても措置単価の引上げを要求すること。
  • 「福岡育児院」(東区)が、職員の残業代の一部を支払っていなかったとして、2020年8月31日付で福岡東労働基準監督署から是正勧告を受けている。同施設は、過去にも同様の勧告を受けた他、入所児童が虐待の被害を児童相談所に訴えるなど、市が年に1度監査を行っているにもかかわらず、事件・事故が絶えない。市として再度調査を行い、運営等をあらためさせるなど、再発防止策を講じること。また、監査を実効性あるものにすること。

(7)養育・専門里親には里親委託児童の大学進学にあたって「支度金」が一度支給されるだけで、高すぎる日本の大学学費からすれば、進学支援というには程遠い。2020年4月から実施された「高等教育無償化」で対象になるのは、全学生の1割程度、給付型奨学金制度についても、対象は低所得者かつ成績優秀者と厳しく限定され、学生総数の2%にすぎない。したがって、大学進学について、少なくとも高校進学までと同程度の学費等に対する支援を行うよう国に求めるとともに、本市としても国任せにせず独自に支援を行うこと。

(8)ひとり親家庭への支援

  • ひとり親家庭の医療費について所得制限をはずし、18歳まで完全に無料にすること。
  • ひとり親家庭に対する独自の家賃補助を行うこと。
  • 児童扶養手当の抜本的増額を国に求めるとともに、当面市独自の加算を行うこと。

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9、清潔・公正、平和と民主主義を尊重する市政を

(1)市長の政治倫理、政治姿勢

  • 市長の政治資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」の2019年報告内容によれば、政治資金パーティーで約5233万円の売上、4527 万円の収益を上げており、利益率87%にも及ぶパーティー券の購入は対価的意義の乏しい事実上の寄附である。財界関係者や市の受注業者から巨額の政治資金を受け取ることは市政をゆがめるものとなる。市長政治倫理条例第3条には「道義的に批判を受けるおそれのある趣旨の寄附を受領しない」等の規定があり、「政治倫理基準に違反する事実があるとの疑惑をもたれ」(同条2)ているにも関わらず、市長は、利害関係者による購入の公開など「自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当た」(同前)ろうとしていない。このような疑惑をもたれる、市長の政治資金パーティーをやめること。
  • 市政における最高責任者である高島市長の日程について、市長室も把握することなく、事実上どこで何をしているのかわからない状況となっている。このような状況は異常であり、市長の日程を公開し、登退庁盤にきちんと表示すること。

(2)住民参加の政策決定

  • 髙島市長によるコロナ感染の拡大にともなう学校臨時休業など、独断専行で物事をすすめるやり方に、市民や議会から大きな批判の声が出されている。また、さまざまな住民団体や要求団体との直接の対話を拒否する市長の姿勢は許されず、市政の進め方については市議会と市民の意見をよく聞き、住民投票・住民意向調査・住民討論会などを活用して、住民参画の上での政策決定を基本とすること。
  • 2019年度、本市が実施したパブリックコメントは5事案であるが、意見提出件数は多いもので124件、中には2件という事案もあり、市民の意見を広く聴取できていないのが実態である。パブリックコメントの周知方法や期間の延長など進め方を改善し、多くの市民意見を集めること。また、市の施策への反対意見を無視するなど、実質切り捨てることが行われており、少数意見を排除しないこと。あわせて、市民の意見を市政に反映させるために、説明会や懇談会など行政が出かけて行き意見を聞くこと。また、各種審議会など委員の市民公募枠を新設・拡大すること。

(3)「行革」、民間参入

  • 2017年度から2020年度まで市長が推進してきた政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランは、人工島事業やウォーターフロント再整備構想、「天神ビッグバン」、「博多コネクティッド」などの大型開発は聖域にする一方、教育、福祉、医療、文化、交通など市民サービスを切り捨ててきた。市民サービスをもとに戻すとともに、行財政改革と称して、これ以上市民生活サービスの削減はしないこと。
  • 市が「特別定額給付金事業」や「生活困窮者自立相談支援事業」を約10億円で「株式会社パソナ」に業務委託したものの、その業務の「手伝い」に市職員が7局からのべ約1700人も動員されていたことが判明した。これは、公務員の営利企業への従事禁止などを定めた地方公務員法に違反するものであり許されない。契約どおりに業務を遂行できなかった、パソナに委託費の返還を求めるとともに、大企業に不当なもうけを保証する委託業務のあり方について、抜本的に見直すこと。
  • 市は、この間、給食センターや福岡市総合体育館など、市民の貴重な財産である公共施設の整備・管理運営にPFI方式といった民間手法を導入して、公的責任を完全に放棄している。また市が公共施設などの所有権をもったまま、運営権を民間企業に売却するコンセッション方式の導入が港湾施設で計画され、新たな大企業の儲けの場にしようとしている。PFI方式やコンセッション方式はやめること。
  • 市が責任を持って運営すべき公的施設であるにもかかわらず、指定管理者制度がすすむ中で雇用形態を市が把握できない事態が生じている。また、指定管理者制度の導入で、 西市民センターのホール横の男子トイレの洗面所が2か月近く破損したままで修繕されなかったなど、市民サービスの低下につながる不適切な管理・運営、行政の責任放棄が顕著となっている。指定管理者制度における営利企業参入を抜本的に見直して、原則直営に戻すこと。併せて指定管理者制度が導入されている施設にはモニタリングの基準を強化するとともに、抜き打ち点検や専門家による現場点検、現場労働者から直接の聞き取り調査を厳しくおこなうこと。
  • 「株式会社クリーンエナジー」の操業に伴う、九州電力への配当金は16年間で8億4000万円にもなっている。市財政を食い物にしているクリーンエナジーを廃止し、直営に戻すこと。また、市政を財界いいなりに誘導する役割を果たしている、「福岡アジア都市研究所」は廃止すること。

(4)市職員の配置と労働条件等

  • 本市の人口1万人当たりの職員数は106人となっており、政令市最下位である。このような中、大型台風や集中豪雨などの災害対応や、コロナ感染への対応も充分にできない状況が明らかとなっている。市は職員を増やすことなく、最小の経費で最大の効果と称して、窓口業務などを民間委託している。公務職場の民間委託化によって、職員が継続的に従事することで蓄積される公務に必要な専門性やノウハウ、経験が失われている。また、住民からの苦情や発生した問題が、市政運営に反映されず、信頼を損なっている。よって、これ以上の民間委託化はやめ、職員定数を増やすこと。
  • 残業時間を「年360時間以内」と定めている厚生労働大臣告示を超えて時間外勤務をおこなっている職員が2019年度は636名となり、2018年度と比較すると52名も増加し、改善されるどころか悪化している。長時間・過密労働は、過労死をうみだしかねず、直ちに改善すること。
  • 市職員給与については、20年間で平均100万円近く引き下げられてきた。このような中、2020年人事委員会勧告に基づいて、市長が、コロナ禍で市民の命や健康を守るために奮闘している市職員の期末手当を0.05か月分、平均で1万9000円引き下げたことは許されない。このことが公務員としてのモチベーションを低下させ、生活設計や地域の景気にも深刻な影響を与えている。臨時・非常勤職員を含む市職員給与の大幅賃上げを行なうこと。
  • 処遇を改善するという目的で、2020年4月から導入された会計年度任用職員制度について、月収の大幅な減収による影響は大きく、悲鳴があがっている。このような実態は許されず、法の趣旨に従って待遇改善を行うこと。

(5)名義後援

  • 市民団体が開く「平和のための戦争展」について、総務企画局長は、文化活動であることを認めた。文化芸術基本法では、自治体は支援の際に表現の自由を保障し、芸術への介入をしてはならないと定めている。また、市は「国論を二分する一方の主張を支持すると市の主張と誤解される恐れがある」と戦争展の後援拒否を合理化してきたが、この論理は、「9条俳句事件」で最高裁が断罪した論理そのものであり、議論の分かれる問題において、一方の主張の名義後援を拒否することは、もう一方の主張を行政が持ち上げることになることは明らかである。市が戦争展を政治的であるとして名義後援取り消しを行ったのは、違法であり「名義後援の承諾に関する取扱い要領」を抜本的に見直すこと。
  • なみきスクエアの「ひまわり広場・会議室」は、市民に広く貸し出されているスペースであり、事実上「公の施設」として扱われている。しかしながら、市民団体などが利用する際には名義後援がなければ認めないとしており、これは「住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない」とする地方自治法第244条の精神に反するものであり、運用を改めること。

(6)入札制度

  • 本市の総合評価方式による入札は、その評価内容を議会や市民がチェックすることができず、不透明となっている。評価内容を公開するなど、抜本的に改善すること。また、特命随意契約やプロポーザル方式のあり方については、特定業者との癒着構造によって入札の公正・公平さが失われかねず、制度の総点検を行い抜本的な見直しをおこなうこと。
  • 2020年度1者入札の割合が全入札の13%にもなっている。競争性のない1者入札は許されず、入札をやり直すこと。

(7)本市の消費生活センターは、相談業務が営利企業に委託され、啓発や事業者指導をおこなう行政担当職員との円滑なコミュニケーションができず、消費者安全法が求める消費生活センターとは大きくかけ離れている。2019年度の相談件数は1万2290件とここ数年横ばいである。相談体制について、2020年度の仕様書では、受注者は相談の受付及び処理が円滑になされるよう月間応答率90%以上を維持することとし、事実上、すべての市民の相談すべてについて責任をもって処理することとはなっていない。悪質な事業者への立入調査も文書指導も行っていないなど、現在の体制では、充分な相談活動ができていないのは明らかである。仕様書に市民からの相談に対応できる人数を明記するとともに相談員の賃上げなど、処遇改善のために予算を大幅に増やすこと。また消費者相談業務を民間に委託している政令市は本市しかなく、県弁護士会からは「営利団体への業務委託は不適切である」との意見書も提出されており、業務委託ではなく市直営でおこなうこと。

(8)NPO法人は福祉や社会教育、文化、芸術、環境保全などの分野で社会貢献の重要な役割を果たしているとともに、コロナ危機で苦しむ市民に向けて、きめ細かい支援も実施している。その一方で、新型コロナにより、様々な領域において、多くのNPO法人が、運営や活動、事業に大きな影響を受けている。人件費も含む事務局の経費への支援など、自由度・柔軟度の高い補助・助成をするとともに、空き店舗の借り上げや空き教室の活用など活動場所の提供を進めるとともに、併せて認定NPO法人の優遇税制の維持発展をおこなうよう国に求めること。

(9)ジェンダー平等

ジェンダー平等を求める国際的潮流が大きく発展する中で、コロナ禍で浮き彫りになったジェンダー格差を打開するために経済的・社会的差別をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会をめざすことが強く求められている。

  • 「福岡市男女共同参画基本計画(第3次)」では達成すべき数値目標の多くが未達成であり、達成されたものは非常に低い水準の目標でしかない。分析がまともにないまま、新しい計画を立てようとしている。意識改革頼みではなく、実際の処遇や制度を変えるところに踏み込まないと改善しない。第4次計画の策定にあたっては、ジェンダー平等を実現するために女性差別撤廃条約と憲法を全面実施する立場で以下の7点を踏まえた見直しを行うこと。
    • 政策・意思決定の場において「2030年までに男女半々」の目標を本気で掲げ、ジェンダー平等を推進すること。
    • 本市企業において「家族的責任を有する労働者」の時間外労働や深夜労働、転勤などを制限し、生活時間が保障された企業数などについて具体的目標を持つこと。特に、市役所についての目標を設定すること。
    • 非正規や雇用によらない働き方は、コロナ禍で多くの女性労働者が生活困窮に追い込まれたことから明らかなようにジェンダー平等に逆行する。非正規は一時的・臨時的な仕事に限定し、雇用は正規を原則とする職場を増やす目標を持つこと。
    • 男女間の賃金格差の解消に向け、目標・期限を明確にして取り組むとともに、市として市内事業所の正社員においても男女の賃金格差を調査し、格差の是正をはかる指標をもつこと。
    • 社会の基盤を支え、命を守る分野は女性労働者が多い分野でもある。医療、介護、保育などケア労働従事者が抜本的に増員され、処遇が改善される目標を持つこと。
    • 子どもの年齢・発達に即した包括的性教育を公教育に導入すること。
    • ひとり親など経済的困難を抱える家庭に対し、児童手当・児童扶養手当の増額、教育の無償化、生活保護制度の拡充など、総合的な支援を強化し、貧困の改善などを目標とすること。
  • 「福岡市特定事業主行動計画」においては2020年度までに課長級以上全体に占める女性の割合を15%程度とすることを目標にしているが、政府の目標40%程度と比べても低いものとなっており、次期計画では大幅に引き上げること。管理職への登用を抜本的に強め、昇任などの差別を一掃する手立てをとること。また、政策方針決定への女性の参画を高め、現在35.3%である各種審議会への女性の参画率を目標の40%へ早急に達成し、50%を目指すこと。
  • 選択的夫婦別姓について、直近の意識調査で賛成が70.6%、政府の調査でも婚姻が一番多い30代で賛成が84%になるなど、圧倒的多数が支持している。国連の女性差別撤廃委員会からも再三の勧告を受けている。法律で夫婦に同姓を強いているのは世界で日本しかなく、日本の制度は、いわば「強制的夫婦同姓制度」である。民法を改正し、選択的夫婦別姓を法制化するよう国に求めること。また、女性のみに課せられた再婚禁止期間、「世帯主」規定の廃止など、いまだ民法・戸籍法などに残る時代遅れの差別的な条項をなくすよう国に求めること。
  • 性暴力被害者に寄り添うフラワーデモが福岡でも昨年4月より毎月開催される等、性暴力根絶への願いは切実である。性暴力の多くが顔見知りによって起きている。強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」を撤廃し、同意要件を新設するなど、刑法の性犯罪規定を抜本的に改正するよう国に求めること。現在の性暴力被害者支援センター・ふくおかでSNSを使って気軽に相談ができる体制や、精神科受診の公費負担の拡充など抜本的に充実するとともに、本市独自のワンストップ支援センターや病院拠点型のセンターを創設すること。
  • DVの相談支援体制を充実させるため、各区の子育て支援課に臨床心理士を配置するとともに、アミスを含めて子連れの相談者のために保育士や学習援助者の体制をつくること。民間シェルターへの補助金など支援の拡充、中長期滞在できる中間的施設(ステップハウス)の開設・運営へ助成するとともに、自立に要する費用の補助を拡充すること。男性DV被害者が気軽に相談できる体制の強化をはかること。
  • ハラスメントは女性をはじめとする労働者の人権と働く権利を傷つける重大な行為である。国に対し、ILO条約を批准できる水準のハラスメントの禁止を明確にした法整備を行うよう求めること。本市としてハラスメントが違法であることを明確にした「ハラスメント禁止条例」を制定すること。市職員のハラスメントの相談・調査・判断をすべて同じ部署で行うことは問題であり、啓発・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を設置すること。
  • 同性婚に賛成する人が64.8%、20~30代では80%を占めるという全国調査があり、同性婚を認める世論が広がっている。また、「結婚の自由をすべての人に」と同性同士の結婚ができないのは憲法に違反するとして、全国で訴訟が行われている。同性婚を認める民法改正を国に求めること。性的マイノリティ及び関係者の専門相談窓口を抜本的に増やすなど、相談事業を拡充すること。リーフレットの増刷やTVCMの活用など性的マイノリティの人権に関する宣伝啓発活動を拡充すること。性的少数者の約25%が、性的指向や性自認を本人の許可なく暴露する行為「アウティング」をされた経験をもつことが、当事者1万人を対象にした調査で分かった。性的指向・性自認等を理由とした差別を禁じ、多様性を尊重する立場を市長が明確にするとともに、企業に対し勧告や指導が行えるなど性的多様性を尊重する包括的な条例を制定すること。

(10)2004年に策定された「福岡市人権教育・啓発基本計画」は、実質同和問題や差別の問題のみに矮小化しており、憲法で保障された幅広い人権を取り扱うものに改善すること。また、部落差別を理由にした団体や個人への特別扱いを一切やめ、一般行政に徹するとともに、行政の主導による市民と企業への「人権啓発」の名による同和研修の押しつけはしないこと。あわせて、「部落差別解消推進法」の運用において、参議院の付帯決議を厳守し、「同和」の特別対策の復活や、人権侵害を生み出しかねない特別な教育啓発や実態調査を実施しないこと。

(11)ヘイトスピーチ、多文化共生

  • 本市は「ゴキブリ」「じっくり苦しんで死んでください」「犯罪をおこす」など、外国人や観光客の多い天神などで、繰り返し行われている宣伝活動とデモをヘイトスピーチと認定しておらず、また、公共施設を使った集会などで明らかにヘイトスピーチがあった場合でも、使用を拒否しようとはしていない。民族差別をあおるヘイトスピーチを放置することは許されず、高島市長が毅然としてヘイトスピーチを許さない宣言を行うとともに、福岡市の所有する施設の貸し出しの制限を行うための実効ある対策を行うこと。また、ヘイトスピーチを根絶するための条例を制定すること。
  • 福岡市の外国人居住者は2020年9月で3万7000人に達しており、今後も増え続けることが予想されている。労働法令違反の働き方を強いられるなど、過酷な労働環境に加え、コロナ禍で解雇され苦しんでいる外国人居住者が急増している。気軽に相談できる市独自の相談窓口をつくること。また、外国人居住者の人権保障をすすめていくために、市として総合的な多文化共生推進計画をつくること。

(12)自治協議会会長の平均年齢は72.8歳、自治会、町内会長は68.9歳と、後継者不足が深刻になっている。担い手不足の大きな要因である、行政からの依頼事項は2019年度で年間553件にもなっており、市の下請けにするこのようなやり方を抜本的に見直すとともに、本市のまちづくりの基本点として、「公助」を明確に打ち出すこと。また、自治協議会共創補助金交付要綱の第4条第2項の「その全てを実施しなければならない」という箇所を削除し、自治協議会が主体的に決定できるようにすること。また、条例等で住民の加入を義務付けることは問題であり、やめること。

(13)投票率向上・政治参加の取り組み

  • 投票区について、距離や地形などを総合的に判断して分割し、投票所を抜本的に増やすとともに、すべての投票所のバリアフリー化をさらにすすめること。また、在宅投票制度、郵便投票、学生に対する不在者投票、在外投票、洋上投票など、制度を周知徹底し、投票機会の保障をはかること。
  • 期日前投票は導入以降、期日前投票所の増設なども行われ、国政・地方選挙問わず定着が進んできた。選挙実施のたびに利用割合が増加し、衆議院では 40%程度、参議院では 30%程度にまで上昇している。さらに投票率を高めるために、市内各地に「共通投票所の設置」「大学や高等学校、商業施設等への期日前投票所の設置」をすること。また、現在唯一の「共通投票所」である市役所1階と区役所は投票日当日も投票所として利用できるようにすること。さらに、病院や高齢者福祉施設への入院患者、入所者が施設内において不在者投票ができるよう、未指定施設等への働きかけを強めること。
  • 選挙公報は有権者に候補者情報を届ける最も重要な公的媒体であるにもかかわらず、全市的に配布日が投票日直前だとの苦情も多い。印刷も配布も、各1社に委託する体制を改めるとともに、委託業者数を抜本的に増やし、少なくとも投票日の1週間前に有権者に届くよう手立てをとること。また、不在者投票の指定施設ではない、病院や高齢者施設にも、選挙公報を配布するようにすること。

(14)平和行政

  • 高島市長は、市民の反対を押し切って6月に自衛隊に対して、本人の同意もなく、若者の名簿2万9817人分の提供を強行し、青年をはじめ市民の中に怒りが広がっている。全国の6割の自治体が個人情報やプライバシーを保護する観点から本人の同意なしの情報提供を拒否している中で、本市において本人の同意なしに情報を提供するなど断じて許されない。また、自衛隊は憲法が禁じる集団的自衛権の行使を容認され、海外で「殺し殺される関係」に投げ込まれる危険があり、本市の青年をそのような場に送り出すことは認められず、自衛隊への対象名簿の提供はしないこと。
  • 福岡空港の滑走路増設工事に伴い、同空港内にある米軍板付基地の施設(倉庫等)が移転され、福岡市はそのための負担金を負担している。さらに1972年に返還された米軍基地の跡地に残存していた燃料輸送管(パイプライン)に沿って土壌汚染が確認され、汚染土の除去費用など少なくとも約4億円は日本側が全額を負担し、その一部を福岡県と福岡市が支払っていたことは異常である。米軍基地の移転費用や原状回復費の返還を求めるとともに、市は、米軍基地の固定・強化につながる税金の支出をやめること。米軍板付基地の即時全面返還と福岡空港の軍事利用の中止を、国と米国に対して強く要求すること。
  • 福岡市の「平和都市宣言に関する決議」にも、「博多港港湾施設管理条例」にも反する、博多港への米艦船及び自衛隊艦船の入港を拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。
  • 高島市長の就任以来、核兵器廃絶や非核三原則の遵守などをうたう「非核平和都市宣言」を求める議会請願が、被爆者団体や高校生など幅広い市民から、10年間に7回も出されている。高島市長は、「アジア太平洋都市宣言」や議会決議を理由に、頑なに拒否する異常な態度を改めて、市民の切実な願いを真正面から受け止め、ただちに宣言すること。
  • 国連の軍縮大使や各国政府代表などが参加している原水爆禁止世界大会や、広島・長崎市の原爆資料館に、高校生をはじめ若者や親子を派遣するなどの事業について、北九州市等を見習って予算化すること。また、市として、原爆資料展をおこなうこと。
  • 福岡市は広島市、長崎市に次いで被爆者が多く、また日本最大の引揚げ港を持ち、犠牲者1000人を超える大空襲を受けている。2020年10月、戦争の歴史や悲惨さを後世に伝える「平和資料館」の建設を目指して、「引揚げ港・博多を考える集い」や、戦争を語り継ぐ活動を続ける「福岡女性団体交流会」など約10の市民団体や市民によって「福岡市に平和資料館の設置を求める会」が発足し、市民の共感が大きく広がっている。現在、戦争の史実を学ぶ公的な場は、市民福祉プラザの一角にある引き揚げ常設展示施設や、空襲で大きな被害が出た地区にある博多小の平和祈念室などに限られている。北九州市では2022年の開館を目指し、「平和資料館(仮称)」の準備を進めており、本市も常設の平和資料館を設置すること。
  • 市は2021年度までに引揚げ関係資料の展示の在り方について再考し活性化を目指すとしているが、市民からの資料収集を再開するとともに、引揚げ者などでつくる市民団体や関係者の意見も反映した展示施設にすること。その際、資料について説明する学芸員も配置し、博多港引揚げの史実を学校教育の課題に位置付け、子どもたちに戦争の悲惨さと平和の大切さを教える教材として使うこと。引揚げ記念碑「那の津往還」は記念樹とともに、ウォーターフロントの再整備の中で移転することなく、維持すること。

以上

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