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政策と活動

2023年度予算要望

2023年度予算編成に関する申し入れ

2022年12月12日

福岡市長  髙島 宗一郎 殿
福岡市教育長 石橋 正信 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 中山 郁美
幹事長 倉元 達朗
綿貫 英彦
堀内 徹夫
松尾りつ子
山口 湧人

物価高騰と国民生活の悪化が深刻になっています。しかし、岸田政権は、物価高騰と異常円安をもたらしているアベノミクス・「異次元の金融緩和」に固執し、対応不能に陥っています。

日本がこのような「賃金が上がらず、成長が止まった国」という、先進国の中でも特異な国になったのは、新自由主義によるリストラと非正規雇用の拡大で賃下げ構造をつくり、そのために産業の空洞化、技術力の流出もすすんだこと、大企業・富裕層への減税の一方で消費税を2度も大増税し、社会保障の連続改悪を強行したことなど「脆くて弱い経済」になったことが主な原因です。

その結果、大企業の内部留保はこの10年間で1.5倍となり、500兆円を超えて過去最高となる一方で、労働者の実質賃金は年24万円も減りました。打開のためには、国民生活を守りながら、同時にそれが賃上げを軸に実体経済を立て直し「やさしく強い経済」への転換をする手立てとなる改革が必要であり、そこに踏み出してこそマイナス金利という異常な金融を正常に戻すこともできます。

こうした中で自治体が市民の暮らしを守る「防波堤」となることが不可欠です。ところが、髙島市政は国に追随し、大企業応援の開発・規制緩和優先の政策をとり、市民生活をないがしろにしてきました。その結果、市内大企業の内部留保は髙島市政誕生以来1.4倍に膨れ上がったものの、市民の家計の可処分所得は1割も減ってしまいました。

福岡市政も国同様に、市民生活への当面の影響を緩和しながら、同時に実体経済を立て直す改革が必要です。とりわけ地方自治体である本市が取れる手立てとして社会保障・教育の公的負担の軽減や給付の増額などを実施し、家計の可処分所得を増やすことが緊急に求められています。私たちはこうした立場から2023年度予算編成にあたっての重点要望を貴職に申し入れます。

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2023年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1、物価高騰から暮らしを守り、市政の大もとから見直しを

(1)国政転換

岸田政権は、物価高騰に対してごく一部しか手当てせずに、消費税の減税は拒み続け、他方で、憲法違反と先制攻撃戦争に加担する「敵基地攻撃能力」の保有を決め、社会保障の大幅削減と国民への大増税を前提とした「軍事費の2倍化」へと踏み込もうとしている。アベノミクスで増えた大企業の内部留保に5年間の時限的課税によって10兆円の財源をつくり、中小企業の賃上げ支援を行うとともに、最低賃金を時給1500円に引き上げるよう国に求めること。物価高騰から家計を守り、消費をあたため景気を回復させるため、消費税を緊急に5%へ減税するとともに、中小業者やフリーランスへの過重な負担をかけるインボイス制度の導入をやめるよう国に求めること。GDP2%への大軍拡、その財源づくりとしての社会保障の削減・国民への増税路線をやめるよう国に求めること。


(答)

中小企業の賃上げ支援につきましては、賃上げ促進税制や助成金など、国において必要な施策が実施されているものと認識しております。(経済観光文化局)

消費税につきましては、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、関係法により社会保障財源に位置づけられているものと認識しております。また、インボイス制度は、令和5年10月1日からの円滑な制度移行のため、令和5年度の税制改正により、中小企業者等に対する負担軽減措置などが講じられることとされております。

防衛力強化に係る財源確保につきましては、引き続き国の動向を注視してまいります。(財政局)


(2)市政転換

アベノミクスと新自由主義の路線につきしたがって、市民の家計の可処分所得を減らしてきた髙島市政の路線を反省し、地下鉄の福岡空港国際線ターミナルへの延伸・「天神ビッグバン」・ウォーターフロント再整備などの大型開発優先、外からの呼び込み頼みの政治を大もとから改め、市民の暮らしや中小業者の営業を応援する政治、地域循環型経済へ転換すること。


(答)

福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定した総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環を作り出すことを基本戦略として掲げ、まちづくりを進めております。

第3次産業が9割を占める福岡市の特性を踏まえ、成長エンジンである都心部の機能強化や交流人口の増加を図り、都市の活力を高めることによって、経済的な成長と安全・安心で質の高い暮らしのバランスがとれたコンパクトで持続可能な都市の実現を目指してまいります。


(3)福岡市基本計画

本市は国よりも10年早く温室効果ガス排出実質ゼロの達成を掲げており、そのためには政治・経済など社会全体にわたる見直しが必要である。また、ジェンダー平等を一部門の問題にせずあらゆる施策の中心に位置づける「ジェンダー主流化」が求められている。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックも収束しておらず、コロナから命を守るための最優先の体制を構築しなければならない。気候危機打開、ジェンダー平等、コロナ対応の視点で市のあらゆる計画・施策を見直すとともに、その立場で新しい「福岡市基本計画」を作成すること。


(答)

様々な社会経済情勢の変化につきましては、基本計画の大きな方向性のもと、実施計画や各分野別計画などに基づき、対応を図っているところでございます。

次期基本計画の策定に当たっては、市議会をはじめ、多くの市民の皆様からご意見をいただきながら検討を進めてまいります。

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2、医療・介護・障害福祉などケアを支える市政を

自公政権は社会保障費の自然増分を削減・抑制する路線を続けてきたが、岸田政権においては社会保障における露骨な住民負担増に乗り出した。新型コロナ対策の充実が引き続き重要課題となる中、新年度の社会保障関連予算は国民の命を守り「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するにふさわしい規模へと転換させなければならない。「住民の福祉の増進を図ることを基本」とする地方自治体として、本市は国への働きかけとともにこれまでの国任せの姿勢を転換することが求められている。したがって、以下の点について要請する。


(1)コロナ対策

  • 日本においては、政府による「なりゆきまかせ」の対応により、7波に上る感染拡大を繰り返し、現在も8波に突入し引き続き予断を許さない状況にある。感染抑止のためには、ワクチン接種を安全かつ迅速にすすめるとともに、大規模な検査を行うことが極めて重要である。ところが感染や再感染した場合のリスクや新種株に対するワクチンの効果等に対する広報不足により接種率や接種のスピードが鈍りワクチンを大量に廃棄する事態も生じている。ワクチン接種に対する広報を充実させ、引き続きワクチン接種体制を十分に確保するとともに、一部自己負担の導入の検討はやめるよう国に求めること。また、PCR検査については「いつでも、誰でも、無料で」という立場で、県と連携し無料のPCR検査場を継続させ、箇所数も状況に応じて増やし、周知を図ること。介護・障害者施設等で希望するところには移動検査場を派遣できる体制を整えること。

    (答)

    ワクチン接種の広報につきましては、未接種の方へのダイレクトメールの送付、SNSを活用した情報提供やポスター・パネルの掲示など、様々な媒体で有効性などの正しい情報の周知を図っております。接種体制につきましては、現在、国において令和5年4月以降の接種のあり方について検討がなされているところであり、決定次第、適切に対応してまいります。接種に関する費用につきましては、全額国費による財政措置を講ずるよう、指定都市市長会を通して国に提言しております。

    また、感染拡大時の無料検査につきましては、国の基本的対処方針に基づき、県において実施されているところであり、本市としても県と連携しながら取り組んでおります。

    新型コロナウイルス感染症につきましては、今春、5類感染症に移行することとされており、国において検討される各種の政策・措置の段階的な移行の内容も踏まえ、適切に対応してまいります。

  • 新型コロナとの闘いの中、医療現場は長期間にわたりまさに崩壊の危機に直面しており、今後の感染拡大への備えとしてコロナ病床の拡充、往診・訪問看護の体制強化などに対する政治の責任が問われている。県と連携し人員や必要経費を確保できるよう医療現場への支援策を強化すること。臨時の大規模発熱外来施設を設置する手立てをとるよう国に強く求めるとともに、県と連携し、自治体独自で可能なあらゆる方策を打つこと。

    (答)

    医療提供体制につきましては、県単位で整備されており、陽性者受入可能な病床が2028床確保されているとともに(令和4年12月8日時点)、診療・検査医療機関は、市内570の医療機関が指定を受けております(令和4年12月9日時点)。

    また、症状が悪化した陽性者を一時的に受け入れる待機ステーションが必要に応じて開設されております。

    新型コロナウイルス感染症につきましては、今春、5類感染症に移行することとされており、国において検討される各種の政策・措置の段階的な移行の内容も踏まえ、適切に対応してまいります。

  • この間、現場で必死にがんばっている医療従事者のボーナス・賃金のカットや、「コロナ倒産」が起きるような医療機関の経営悪化が生じてきた。国に対し、医療費抑制路線を中止し、医療機関の減収補てんと財政支援、医療従事者の待遇改善を行う手立てを取るよう強く求めること。

    (答)

    医療機関の支援につきましては、診療報酬の特例的対応のほか、国・県により新型コロナウイルス感染症患者に係る空床確保に対する補助、院内感染拡大防止対策に係る費用の補助などの各種の支援策が講じられておりますが、さらなる財政支援について、全国市長会や指定都市市長会などを通じ、引き続き国に対し要望を行ってまいります。

  • 新型コロナとの闘いによって、医療現場とともに保健所も逼迫状況に追い込まれ職員の平均残業時間は月80時間の過労死ラインを大きく超え、感染拡大の波ごとに200時間を超える事例も生じてきた。他の部署からの応援や派遣会社活用では抜本的な改善には程遠く、保健所予算を2倍以上に増やし大幅な人員増と体制強化を図ること。

    (答)

    保健所体制の強化につきましては、保健師などの職員の増員や、感染動向に応じた外部派遣人材の増員、他部署からの応援のほか、業務の委託化や本庁への集約化、ICTの活用、国の対応、方針の変更を踏まえた業務の見直しなど、様々な手法により、職員の負担軽減や業務の効率化を図り、対応してまいりました。

    新型コロナウイルス感染症につきましては、今春、5類感染症に移行することとされており、国において検討される各種の政策・措置の段階的な移行の内容も踏まえ、適切に対応してまいります。


(2)国民健康保険

  • 本市の国保世帯の平均所得は年74万円と政令市中14番目という低水準で、所得200万円以下の低所得者がその86%を占めている。2年半にわたるコロナ禍に加えた異常な物価高は低所得層が多い被保険者の経済的負担を増大させており、もともと重い負担となっている保険料の軽減が強く求められている。しかし市は、「収入未済」や「減免」分等を保険料に上乗せする方式を改めないまま、一般会計からの法定外繰入を2年連続で削減し2年前の大幅引上げによって史上最高水準となった保険料のまま押し付けている。「上乗せ方式」をやめるとともに、国や県の圧力をはねのけ、一般会計からの法定外繰入を抜本的に増やし、保険料の大幅引下げをはかること。

    (答)

    国民健康保険料の料率の算定につきましては、法令などの定めに従い、必要とする保険料収入額を確保できるように適正に行っております。

    福岡市におきましては、一般会計からの多額の繰入により保険料負担の軽減を図っておりますが、法定外繰入は、その財源が市の税金であるため、国保加入者以外の市民の方は、前期高齢者納付金と併せて、二重に負担する構造となっております。

    また、国は「決算補填等目的の法定外繰入金」を赤字と定義し、6年を目安に計画的・段階的な赤字の削減・解消に取り組むことを定めており、その額は縮小していく必要があります。

  • 子どもの均等割分については15歳以下の第2子を半額、第3子以降について全額免除しているものの、対象年齢や減免割合に格差を設けることに道理はない。18歳までの全てのこどもを対象にし、全額免除とすること。併せて、国に対して全国知事会が要求している「公費1兆円の投入」で均等割、世帯割をなくし保険料の協会けんぽ並みへの引下げを可能にするよう求めること。

    (答)

    子どもに係る均等割保険料につきましては、子育て世帯の負担軽減を図るため、令和3年度から本市独自の措置として、多子世帯を対象に保険料の減免を実施しております。

    また、国においても、令和4年度から子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児の均等割保険料を半額にする軽減制度が導入されました。

    なお、国に対しましては、子どもに係る均等割保険料の軽減制度を拡充するよう要望するとともに、国民健康保険事業の安定的かつ持続的な運営ができるよう、医療保険制度の一本化などの抜本的改革や財政基盤強化のための国庫負担割合の引上げを引き続き要望してまいります。

  • 現在本市においては3人家族で年所得778万円という到底高額所得者とは言えない世帯が年102万円もの保険料上限額を強いられている。賦課限度額の引上げは止め、「応益割」偏重の是正など、逆進的な国保料を生み出している算定式の見直しこそ行うこと。

    (答)

    保険料の算定につきましては、法令などの定めに従い、医療給付費などの見込総額から、国や県などの支出金などの見込総額を控除した額をもとに、収入未済や減免などの影響を考慮したうえで、必要とする保険料収入を確保できるよう適正に行っております。

    賦課限度額につきましては、政令により上限額が定められております。

  • 「都道府県単位化」は、国保の構造問題を解決しないまま自治体の主体性を奪い、住民負担増や滞納制裁強化、一般会計繰入の抑制等を強制するやり方であり、すでに大きな影響を生み出している。見直すよう国に求めること。

    (答)

    国民健康保険の財政運営の都道府県単位化につきましては、持続可能な医療保険制度を構築し、将来にわたり国民皆保険制度を堅持するため、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村は引き続き保険料の賦課徴収や保健事業などを行っております。

  • 治療費が窓口全額自己負担となる資格証明証交付世帯について本市においては6月末時点で7187世帯、短期証の発行は1万6999世帯に上り政令市最悪水準となっている。このことにより、加入者は受診を我慢して重症化・死亡するなど、手遅れ事例が本市内でも後を絶たない事態となっている。「特別な事情」の確認は、丁寧な調査をすればできることであり、現に横浜市では、資格証明証や短期証の発行をしていない。面談できないことを理由に「特別な事情」を実質調査しないまま保険料滞納世帯に対し機械的に資格証・短期証を発行するやり方は許されず、他都市の例にならい、資格証・短期証への切替えをやめること。

    (答)

    短期被保険者証や資格証明書につきましては、国民健康保険法において交付が規定されております。

    資格証明書につきましては、特別の事情もなく国民健康保険料を滞納し、納付に誠意が見られない世帯に対して交付しております。交付に際しましては、事前に対象となる世帯に対して、特別の事情に係る届出書の提出について郵送で案内し、届出がない場合は電話などにより特別の事情の把握に務めるとともに、滞納世帯が負うリスクについて、パンフレットやホームページ、督促状の裏面などに明記し、周知徹底を図っております。

    今後とも接触の機会の確保を図りながら、国民健康保険法に基づいた適切な保険証の交付に努めてまいります。

  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか8.26%に過ぎず、極めて低い水準にある。新型コロナの影響を受けた世帯への保険料減免制度は「所得が前年に比べて30%以上減少」という条件になっているが、物価高騰の今こそ一般減免も含め「前年比20%以上」に改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して適用対象をひろげ、広報を充実させること。

    (答)

    保険料の減免につきましては、福岡市国民健康保険料減免基準に基づき、災害などにより損害を受けた場合や、所得が前年に比べて30%以上減少する場合、生活保護の適用を受けることになった場合など、保険料の納付が困難となった被保険者を対象として実施しております。

    また、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者などに対しては、令和2年度から国の財政支援の基準に基づき減免を実施しております。

    なお、市民への減免制度の周知につきましては、今後も国民健康保険加入の全世帯に発送する保険料決定通知書に同封のリーフレットや市政だより、ホームページなどでの広報に努めてまいります。

  • 国民健康保険法44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では適用が10年連続0件という異常な事態となっている。「前年度比3割以上の減少」という収入要件によって、日常的に生活が厳しい人は適用されない等の矛盾が引き起こされ、制度の体をなしていない本減免制度について、要件を見直し、困窮者を救える制度へと改めること。

    (答)

    本制度は、失業などの特別な理由により収入が著しく減少し、一時的に一部負担金の支払いが困難となった場合の措置であることから、収入要件を設定しているものです。

  • 本市における国保料滞納者に対する差押さえは、わずかな預金654円を差し押さえる事例や公的手当が入る口座を狙い撃ちにしたものも含まれているなど、異常なやり方が横行している。公的手当をはじめ年金、子どもの学資保険さえも差し押さえる冷酷、異常、機械的なやり方はただちにやめること。

    (答)

    国民健康保険料を滞納している世帯につきましては、督促状や催告書などの文書や電話などにより可能な限り接触の機会を確保し、自主納付の説得に努めております。

    しかしながら、負担能力がありながら度重なる納付説得にも応じず、長期にわたり滞納を続けている世帯に対しましては、保険料収入の確保と被保険者間の負担の公平性確保の観点から、やむを得ず差押などの滞納処分を実施しており、今後とも法令を遵守し業務を行ってまいります。

  • 国の制度として拡充するまでの間、市独自で国保に個人事業主を含めた傷病手当を創設すること。

    (答)

    国民健康保険における傷病手当金につきましては、任意給付のため、その財源は保険料となります。今回、新型コロナウイルス感染症に限り、特例で国からの特別調整交付金が支給されることとなりましたが、国が示す対象者や基準を超えて支給した場合、超える部分については全額が保険者の負担となります。福岡市の国民健康保険運営状況を踏まえまして、国の基準どおりの支給を行うこととしております。


(3)後期高齢者医療制度等

  • 福岡県の保険料は全国的に見ても高い水準のまま推移し2017年度から強行されてきた特例軽減の段階的廃止縮小並びに賦課限度額の引上げ強行によって、2022・2023年度の保険料は史上最高額となっている。現在、長引くコロナ禍に加え、異常な物価高騰と年金引下げによる生活困難もひろがっており、剰余金や各種基金を活用し、保険料の緊急減免等を実施するよう広域連合に求めること。また、保険料特例軽減を復活させるよう国に求めること。

    (答)

    後期高齢者医療制度は、必要な医療費を被保険者の保険料、現役世代からの支援金及び、国・県・市町村の公費で賄う制度であり、被保険者の方にも応分の負担をお願いする仕組みとなっております。

    後期高齢者医療の保険料の算定につきましては、県後期高齢者医療広域連合において、運営安定化基金などの活用も含め、適切に対応していくこととされております。

    保険料の軽減につきましては、世帯の所得に応じて均等割の7割・5割・2割を軽減する減額制度が設けられております。国において、制度発足時の激変緩和措置として、平成20年度以降、本則の軽減を拡大する措置が実施されてまいりましたが、世代間・世代内の公平を図り、能力に応じた負担を求める観点から、平成29年度より段階的に見直しが行われました。

    福岡市といたしましては、国の動向を注視するとともに、制度改革による急激な変化への十分な配慮、丁寧な説明及び周知について、様々な機会を捉えて国に要望してまいります。

  • 後期高齢者の医療費窓口負担の2倍化が2022年10月1日から強行実施され、該当する被保険者やその子どもの世代からは怒りの声や「そんなに払えない」という困惑の声がひろがり、医療機関の窓口では混乱が続いている。このままでは経済的理由による受診抑制や命を脅かす事態が生じることは明らかである。窓口負担2倍化を中止するとともに、高齢者を年齢で区切り、果てしない負担増と差別医療を押し付けている後期高齢者医療制度そのものを廃止し元の老人保健制度へ戻すよう国に求めること。

    (答)

    窓口負担割合の見直しにつきましては、後期高齢者医療制度を支える現役世代の負担増を抑制し、全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の社会保障制度」を構築するため、国において法改正が行われたものです。

    なお、法の施行にあたっては、必要な受診が抑制されることがないよう、施行後3年間は、月あたりの負担増加額を最大3000円とする措置も導入されております。

    福岡市といたしましては、国の動向を注視するとともに、制度改革による急激な変化への十分な配慮や、丁寧な説明及び周知について、様々な機会を捉えて国に要望してまいります。

  • 無料低額診療事業は経済的困窮者にも医療を保障する重要な役割を果たしている。本市において実施する医療機関を増やすための取り組みを県とも連携し強め、制度の広報を市ホームページだけにとどめず、ポスターやパンフレット等でも広く行うこと。また、国に対して薬剤費への制度適用を求め、他都市でも徐々に広がる独自助成にならい当面、本市独自でも実施すること。

    (答)

    無料低額診療事業は、社会福祉法の規定に基づき実施される第二種社会福祉事業として位置づけられ、事業の実施に当たっては届出制となっております。

    制度の広報につきましては、福岡市や生活自立支援センターのホームページに掲載するとともに、区役所の窓口でチラシを配布するなど、事業を実施している医療機関と連携し、周知に努めております。

    また、薬剤費への制度適用につきましては、無料低額診療事業は社会福祉法に定める国の制度であり、国において対処すべき課題であると考えております。


(4)こども病院・市民病院

  • こども病院・市民病院ともに医師、看護師等の不足が深刻となっている中で、コロナにより職員に大きな負担がかかり、新型コロナウイルス感染拡大のたびに退職者が増えている。さらに追い打ちをかけるように一時金がカットされ、疲弊した職員のモチベーションが下がっている。新たな感染の波に対応できるよう処遇改善をするとともに職員を正規で増員し、地域医療の拠点としての役割を果たせるようにすること。

    (答)

    病院機構の医師や看護師などにつきましては、新型コロナウイルス感染症に対応するため、医師・看護師などの院内の応援体制を構築するほか、他の医療機関からの外部専門医師の招へいなどにより必要な人員が確保されております。また、職員の勤務条件などにつきましては、病院機構において適切な対応が図られております。

  • こども病院においては、小児・周産期医療の拠点としての重要な役割を果たす一方、地方独立行政法人福岡市立病院機構の方針の下、採算性が優先されている。10年以上も継続しているリフレッシュ休暇等を試行のままにするのは許されず、速やかに正式運用する等、職員の勤務諸条件を改善し、職員の合意を大切にする民主的な病院運営へと転換するよう指導すること。また、バスのルートや便数を抜本的に増やすようバス事業者に強く要請するとともに、職員の駐車場利用枠を増やすこと。台風など強風時にタクシーを呼んでも断られるため、夜勤明けの職員が帰宅できなくなることがないように対策を取ること。

    (答)

    職員の勤務条件をはじめ、労務管理や経営のあり方につきましては、病院機構において地方独立行政法人法や同法に基づく内部規程などにより自律的に行われており、地方独立行政法人化した趣旨を踏まえ、適切な対応が図られております。

    バスの運行につきましては、引き続き、西日本鉄道(株)へ増便を要望するなど、交通利便性の向上に取り組まれております。

    職員の駐車場利用につきましては、勤務実態や自家用車利用が特段必要と認められる場合及び緊急呼出や夜間勤務の状況などを考慮し、利用を許可しており、適切に対応されております。

    また、台風来襲時は事前に服務の取り扱いを通知するなど、職員の出退勤に配慮されております。

  • 市民病院においては、老朽化による壁のヒビ割れ、水漏れが多発しているため、早急に修繕等の対策を取ること。

    (答)

    市民病院の施設・設備につきましては、引き続き、計画的な維持管理に努めてまいります。

  • 唐人町の旧こども病院の跡地は市民の貴重な財産であり、開発業者や営利企業に売り渡すことは許されず、独立行政法人から取得し、医療・福祉の拠点、保育園や児童館など公共用地として活用すること。また、企業いいなりの民間サウンディングはやめ、当該校区だけでなく隣接する校区の住民を含む跡地活用協議会などを設立し、市民の要望を反映させること。

    (答)

    こども病院跡地につきましては、現病院の整備に要した費用に充てるため売却することを基本としております。(保健医療局)

    跡地活用につきましては、行政需要がなかったことから、立地環境などを踏まえるとともに、民間サウンディングにより確認した民間アイデアも参考に、跡地の位置する校区の自治協議会と協議しながら検討を進め、令和4年3月に跡地活用方針を策定し、同方針を踏まえ7月から事業者公募を実施、令和5年1月に優先交渉権者を決定したところです。引き続き、地域への情報提供や意見交換を適宜行いながら、地域や福岡市にとって魅力ある跡地活用となるよう取り組んでまいります。(住宅都市局)


(5)介護保険

  • 本市の介護保険料はコロナ禍であるにもかかわらず、第8期福岡市介護保険事業計画でもまた引上げが行われ、基準額で前期より年1766円値上げされた。改定のたびに介護保険料は引き上げられ、制度開始時から約2倍以上になっており、史上最高額となっている。高齢者の生活は、物価高騰に加え、国が進める年金支給額の削減や医療費窓口負担の2倍化によって深刻な状況に追い込まれており、「収入は年金のみで、保険料の支払いが非常に厳しい」「他県から引っ越してきたが、福岡市の介護保険料は高いと思う」などの悲鳴があがっている。一般会計からの繰入れを含め、あらゆる手立てをとって介護保険料の引下げを図るとともに、滞納者に対するサービス取り上げ等のペナルティをやめること。

    (答)

    介護保険料につきましては、3年ごとに介護保険事業計画を策定する中で、必要な介護サービス費用などを見込み、設定しております。設定に当たりましては、介護給付費準備基金を活用し、保険料上昇の抑制を図ってまいります。また、低所得者の保険料の軽減を図るため、独自の減免制度を実施するとともに、平成27年度から、給付費の5割の公費とは別枠で国費、県費、市費を投入しており、今後もこれらの取組みを引き続き実施してまいります。

    また、滞納者に対する保険給付の制限につきましては、被保険者の負担の公平性を確保するため、介護保険法に基づき実施しております。

    なお、国に対して、国の負担割合を引き上げるといった財政支援措置や低所得者における保険料の負担軽減の拡大を図るよう、引き続き、要望してまいります。

  • 2024年の3年に1度の介護保険制度改定に向け、国は具体的項目として「サービス利用料の2割負担と3割負担の対象拡大」「要介護1、2の訪問・通所介護の保険外し」「ケアプラン作成の有料化」「老健施設などの多床室(相部屋)の室料有料化」などをあげている。しかし、これらが実施されれば、コロナ禍で疲弊し、物価高騰に苦しむ高齢者や家族はさらに負担を強いられ、必要な介護を受けられなくなる人が続発しかねない。全国老人福祉施設協議会など多くの介護関係団体が反対を表明し、「史上最悪の介護保険改定」だとの声も上がっている。このような介護保険制度の改悪は行わないよう国に求めること。

    (答)

    介護保険制度は、全国一律の制度として、関係法令に基づき実施されております。

    令和6年の介護保険制度の改正につきましては、国において、検討が進められております。

    介護保険制度の見直しに当たりましては、被保険者が必要なサービスを受けることが困難とならないよう、必要な財政措置などの支援を引き続き要望してまいります。

  • 新型コロナ感染症の拡大に加え、物価高騰による食材費や光熱費の値上げが介護事業所の経営を大きく圧迫している。政府は、コロナで経営難となっている事業所への「救済策」として、通所介護、ショートステイなどの報酬を加算したが、その結果、利用者が負担する1~3割の利用料も引き上がる事態となっている。国に対し、利用料・保険料に跳ね返らないよう公費を投入しながら、介護報酬の引上げを行うよう求めること。また、介護の基盤と、利用者・従事者の命と暮らしをコロナ危機から守るため、利用抑制や支出増に苦しむ介護事業所への減収補填を国に求めるとともに、市独自にも行うこと。そして、感染防護具の支給や施設の改修など、介護現場における感染拡大防止の取組みを支援すること。

    (答)

    介護保険制度は、全国共通の制度として運用されているものであり、介護報酬の基準や単価の設定などにつきましては、国の役割とされております。福岡市といたしましては、感染症や物価高騰の状況、国の動向などを注視しながら、適正な介護報酬の設定などについて、引き続き、国へ要望してまいります。

    介護現場における感染拡大防止の取組みへの支援につきましては、マスクなどの衛生資材の提供や、国の交付金などを活用した施設の改修への助成、無症状の感染者の早期発見を目的としたスクリーニング検査などを実施しております。今後も、引き続き、国の方針などを踏まえながら、介護現場の感染拡大防止の支援に取り組んでまいります。

  • 介護職員の低処遇・長時間労働・人手不足はもともと大問題となっていたが、コロナ危機のなかで職員の過重労働はいっそう苛酷になっており、介護従事者の「コロナ離職」も相次いでいる。全産業平均より「月7~8万円低い」とされる介護職員の低処遇を解決することこそ、介護人材を確保し、長時間過重労働を解決するために不可欠である。国に対し、介護報酬の引上げをはじめ、介護福祉士や調理員等介護現場で働く全ての労働者の抜本的なベースアップの対策をとるよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費の補助を行う独自制度を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。

    (答)

    介護職員の確保や処遇改善につきましては、国において、介護人材確保のための取組みをより一層進めることを目的に、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、その他の介護職員などを含め、さらなる処遇改善を進めるために、令和元年10月に介護報酬が改定され、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額8万円相当の引上げなどの処遇改善が図られております。

    また、令和3年4月に介護報酬の改定が行われるとともに、令和4年10月に介護職員などの給与を引き上げるための取組みとして、従来からの処遇改善加算に加えてさらなる賃金改善を行うための加算制度が創設されておりますが、今後とも適切な介護報酬体系の確立など、さらなる処遇改善について、引き続き国に要望してまいります。

    また、福岡市といたしましても、介護人材の就労や定着につながる取組みを推進してまいります。

  • 本市の特養ホーム待機者は、申込み者の数から「必要度の低い人」を除外する恣意的な判断によって実態より少ない人数に絞り込んだ上に、今期(2021年度~2023年度)における整備計画は240人分という極めて不十分なものになっている。このようなやり方は許されず、希望者全員が速やかに入所できる計画へと見直し、早急に待機者解消を図ること。併せて、小規模多機能施設やグループホーム、宅老所などの基盤整備と公的補助を強化すること。また、「要介護1・2」の特養ホーム入所からの締め出しをやめ、入所条件を緩和するよう国に求めること。

    (答)

    特別養護老人ホームにつきましては、令和元年度に実施した特別養護老人ホーム利用申込者実態調査の結果などを踏まえ、令和3~5年度を計画期間とする第8期介護保険事業計画に整備目標量を定め、この計画に基づき、整備を進めてまいります。

    小規模多機能型居宅介護やグループホームなどにつきましても、介護保険事業計画に基づき、計画的に整備を進めるとともに、小規模多機能型居宅介護などの新規開設事業者に対しては、令和3年度から市費を投入し、建設費補助を増額しております。

    また、平成27年4月から、特別養護老人ホームは新規入所者について、原則、要介護3以上の中・重度の要介護者を支える施設としての機能が強化されましたが、要介護1・2の方でも、居宅での生活が困難であると特別養護老人ホームが判断した場合には、保険者の意見を聞いたうえで施設への特例入所を認めております。

  • いきいきセンター(地域包括支援センター)がおこなう総合相談支援においては、年々相談件数が増加傾向でかつ内容が複雑化しており、職員一人当たりの業務量が非常に多く、多忙化している。地域の高齢者の実態を把握し、親身な対応を行っていくためにも、市として、いきいきセンターの体制強化のために抜本的予算増を図ること。

    (答)

    地域包括支援センターにつきましては、平成27年度に概ね中学校区単位となる57か所に増設しております。各センターでは、相談への対応・支援に当たる職員を高齢者人口に応じて配置するとともに、これらの職員とは別に地域資源を活かした生活支援・介護予防活動の推進に当たる職員の全圏域への配置を令和3年度に完了しております。

    なお、職員定数は、57か所に増設する前の平成26年度の156名から、令和4年度は266名へと増員しております。

  • 介護保険の訪問調査や各種相談等をおこなう介護保険認定調査員について、2019年度より庁用車の使用が制限されており、自転車や公共交通機関を利用した訪問では、遠方に訪問する場合や夏の猛暑時などに支障がでている。必要な場合は庁用車を使用できるよう改善すること。

    (答)

    介護保険認定調査員の訪問調査につきましては、できるだけ公共交通機関等を利用することとしているところであり、安全かつ適切に業務を実施できるよう取り組んでまいります。


(6)高齢者

  • 高齢者乗車券については区役所での直接発行を再開すること。要望の強い所得要件及び利用上限額廃止や、ICカードとタクシー助成券などの併用を可能にし、高齢者の移動権を保障すること。タクシー助成券については、1回500円という上限を撤廃するとともに、有効期限をなくすこと。

    (答)

    高齢者乗車券は、70歳以上の市民の方々に広く認知され、利用されている制度であり、社会参加の促進に寄与しているものと考えております。

    新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と市民の利便性向上のため、令和2年度から、郵送・オンラインで申請を受け付け、郵送で交付する方法を導入するとともに、令和3年度から、地下鉄駅券売機やポイントチャージ専用機でICカードにチャージする方法を導入するなどの取組みを行っているところです。

    なお、ICカードとタクシー助成券の併用については、高齢者乗車券制度は交通費の一部を助成するものであり、最もよく利用する乗車券を一つ選択することとしております。また、タクシー助成券につきましては、できるだけ多くの外出機会を持っていただくため、1乗車につき1枚の利用といたしております。

    今後とも、持続可能な制度としながら、利用者の利便性の確保に取り組んでまいります。

  • 加齢性難聴は高齢者の引きこもり、孤立、事故、そして認知症の大きな原因になり、その対策として補聴器は有効であると専門家も指摘している。しかし、その購入費用は数十万円におよび負担が非常に重く、補助を求める声が広がっている。市は「国や他市の動向を見守る」としてきたが、福岡市が手をこまねいている間にも実施自治体は広がり、東京都港区では4月から上限13万7000円、所得制限もなく、60歳以上が対象となる補助制度が始まるなど先進的な取組みが進んでいる。本市でも購入費補助制度を創設すること。

    (答)

    加齢性難聴につきましては、国において、補聴器を用いた聴こえ方の補正による認知機能低下の予防効果などの研究が進められているところでございます。福岡市といたしましては、引き続き、身体障害者手帳を取得されている方に対して、補聴器購入に対する助成を行うとともに、国などの動向を見守ってまいります。


(7)原爆被害者

「黒い雨」訴訟広島高裁判決が確定し相談事業がますます重要になる中、本市原爆被害者の相談事業や被爆証言活動が「原爆被害者の会」の会員減少や高齢化によって極めて困難になってきている。事業を維持・充実させることは団体の努力だけでは立ち行かない状況となっており、運営費補助金を増額するとともに必要な支援を行うこと。また、被爆体験を継承するために、新しい世代の「語り部」を養成する事業等を広島市や長崎市のように会と連携しながら市の責任で実施すること。また、同じ施設利用団体なのに差別的取り扱いをすることは許されず、障害者と同様に被爆者のふくふくプラザ駐車場使用料を早急に全額免除すること。また、被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。


(答)

福岡市原爆被害者への対応につきましては、原爆被害者等援護事業として、被爆者及びその家族の福利厚生や生活相談事業、小・中学校などでの「証言(語り部)活動」を継続的に行っている団体に対し、事業費の一部を助成しており、今後も引き続き支援してまいります。

市民福祉プラザの駐車場使用料及び市営地下鉄・市営渡船の利用につきましては、条例及び規則に基づき対応してまいります。


(8)アスベスト

  • 1月に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金の支給に関する法律」が施行されたが、屋外作業員や対象期間外に被害を受けた人は補償対象外である。また、給付金法による補償基金には、建材メーカーが参加していない。これらの被害者も補償対象とすることや、メーカーによる基金への拠出を実現するよう国に要求すること。アスベスト曝露による健康被害を防ぐための規制強化、労働災害認定基準の大幅緩和、さらに建設アスベスト被害者の全面的、かつ早期解決に向け、裁判によらず簡易・迅速に救済する「被害者補償基金制度」の早急な創設などを市として積極的に国に要求すること。

    (答)

    アスベスト対策に関しましては、国におきまして、石綿障害予防規則などにより安全確保のための規制整備がなされるとともに、健康被害にあわれた方につきましては、労働者災害補償保険法及び石綿による健康被害の救済に関する法律などに基づく支援制度が設けられ、状況の変化に応じて見直しも行われております。

    福岡市といたしましては、引き続き国の動向を注視するとともに、石綿健康被害救済制度の申請窓口である各区保健福祉センターにおいて、丁寧な相談対応に努めながら、適切に受付案内・情報提供を行ってまいります。

  • アスベスト対策を抜本的に強化するために、アスベストアナライザーをすべての解体現場で活用し、含有調査を行うこと。大規模災害時の飛散対応等のため、アスベスト使用建築物のハザードマップを公開し積極的に市民に周知すること。また、市民へのアスベスト被害に対する啓発活動を強めること。アスベストを扱う建設労働者の防じんマスクの普及につとめ、市内業者への購入補助を行うこと。また国民健康保険の特定検診において、職種や経歴に応じてアスベストの影響・被害が明らかになるような問診・検査を行うこと。石綿調査の公的資格制度である「建築物石綿含有建材調査者」などの専門家を育成、職員も大幅に増やすなど総合的なアスベスト対策をすること。

    (答)

    解体工事のアスベスト対策につきましては、令和3年4月の改正大気汚染防止法の施行により、アスベスト含有建材の使用の有無に関する事前調査の方法が法定化されるなど、規制の強化が図られております。アスベストアナライザーは、解体工事の立入検査時に、アスベスト含有の可能性のある建材が確認された場合に使用しております。

    市民への啓発活動につきましては、今後もホームページへの掲載や区役所でのパンフレット配布など、情報発信に努めてまいります。

    また、環境省主催の技術講習会へ参加するなど、職員の専門的知識の習得やスキルの向上を図るとともに、副市長をトップとする全庁横断的な推進組織である「アスベスト対策調整部会」のもと、関係部局が情報共有を図り、合同パトロールを実施するなど、連携して取り組んでおります。今後も、引き続き「アスベスト対策推進プラン(第二次)」に基づき、総合的なアスベスト対策に取り組んでまいります。(環境局)

    アスベストが使用された建築物は違反建築物ではなく、安全を確保するため封じ込め対策を取られているものなどもあり、風評被害を生む可能性もあることから、個人情報を含むものを公開することは課題が多いと考えております。(住宅都市局)

    特定健康診査につきましては、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づく内臓脂肪の蓄積に起因した生活習慣病予防のための健診であり、厚生労働省が示す問診票に基づき実施しており、「労働安全衛生法」における労働者に対する健診とは異なりますので、新たな問診項目を追加することは困難と考えております。(保健医療局)

  • アスベスト使用建物の解体、建築、補修工事における事前調査やアスベスト除去費用の補助対象を本市は「解体を予定していない建物」に限定している。解体も補助対象とし、建物所有者の負担を軽減する補助金制度の対象拡充を国に求めるとともに、市として独自の補助制度をつくり、「ゼロ・アスベスト」のまちづくりを進めること。

    (答)

    福岡市においては、良質な居住環境の形成と生活環境の保全を図るため、まずはアスベスト除去後も使用される建築物で多数の人が利用するものを補助対象としております。


(9)生活保護

  • 新型コロナの感染対策としてのマスクや消毒用品等の購入による新たな出費に加え、食料品や燃油代などの値上げが保護世帯に重くのしかかっている。下水道料金減免制度の復活、年末手当の支給など、市独自施策を行い、利用者の生活を支援すること。特に温暖化によって夏は災害並みの猛暑が続いており、暑さをしのぐための電気代がかさみ生活費を圧迫するため、市独自の夏季手当を創設すること。

    (答)

    生活保護基準につきましては、生活保護法第8条に基づき厚生労働大臣が定めるものとされております。また、生活扶助基準などにつきましては、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図るとともに、子どもの健全育成に必要な費用を検証するなど、社会経済情勢などを総合的に勘案して、国において定められております。

    なお、福岡市におきましては、平成12年度に個人給付施策の見直しを行い、福祉見舞金を廃止したところであり、福岡市独自に保護基準を超える給付を行うことは困難ですのでご理解願います。(福祉局)

    生活保護受給世帯に対する下水道使用料の減免制度につきましては、負担の適正化を図る観点から、平成28年6月に廃止したものであり、同制度の復活は考えておりません。(道路下水道局)

  • 急激な物価高が国民の暮らしを直撃し、所得の低い人ほど深刻な影響を受けている。とりわけ生活保護利用者は2013年からの保護基準引下げなどによって苦しい生活を強いられており、1日3回の食事や毎日の入浴がかなわない等、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が奪われている状況にある。司法でも、この基準引下げの政府決定を違法とする判決が熊本、横浜地裁などで相次いで出されている。これまで切り下げた生活扶助費・住宅扶助費を元に戻し、基準引下げ路線を転換して、憲法に規定された生存権にふさわしい水準に引き上げるよう国に求めること。

    (答)

    生活保護基準につきましては、生活保護法第8条に基づき厚生労働大臣が定めるものとされております。また、生活扶助基準などにつきましては、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図るとともに、子どもの健全育成に必要な費用を検証するなど、社会経済情勢などを総合的に勘案して、国において見直しが行われたものですのでご理解願います

  • 生活保護利用中にエアコンが故障し買い替える場合、生活扶助費をやりくりするか、生活福祉資金の貸付を受けるしかなく、買い替えが非常に困難となっている。生活保護利用者の命と暮らしを守るため、必要な世帯全てがエアコンを購入できるよう、購入費用の全額支給を国に求めるとともに、市独自にエアコン購入費用の助成制度をつくること。

    (答)

    生活保護制度は、最低限度の生活を保障するために全国一律の基準で実施されているものであり、保護基準額など国民の最低限度の生活の保障基準に関する事項につきましては、国の責任により制度運営されており、保護受給中の世帯が冷房器具を買い替える際、購入費用がない場合は、県社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付を紹介し、手続きの支援を行っております。

    なお、福岡市におきましては、制度発足当時と比較して生活保護費などの措置水準などが向上していることなどから平成12年度に個人給付施策を見直したところであり、福岡市独自に保護基準を超える給付を行うことは困難ですのでご理解願います。

  • 膨大な漏給、低すぎる捕捉率の早期解決が求められている。定期的な捕捉率の調査・公表、テレビやインターネットのCMの活用、公共施設などへのポスター掲示、市政だよりの1面への特集記事掲載などによる制度の周知徹底や相談の呼びかけ、誰もが手に取れるような場所に申請用紙を置くなど捕捉率向上策を講じること。また、申請権を保障するため「面接」「指導・助言」を口実に不当に生活保護を排除する「水際作戦」を根絶すること。このような改革をすすめるとともに、必要な人は誰でも受けられるよう生活保護法の「生活保障法」への改正を国に求めること。

    (答)

    福岡市におきましては、生活保護の相談があった場合、相談内容を具体的に確認し、「生活保護のしおり」を配布するなど、他法他施策の活用をはじめ生活保護の仕組みについて説明を行ったうえで、生活保護の申請の意思がある方には申請書を交付し、申請に必要な手続きを支援しております。

    各福祉事務所に対しましては、生活保護の申請の意思がある方の申請権を阻害しないよう指導するとともに、相談者の立場に立った懇切丁寧な対応を心掛けるよう、研修などを通して周知徹底を図っております。

    なお、生活保護法の改正などにつきましては、国において判断されるものと考えております。

  • 全行政区の保護課面接室に1つ以上の監視カメラが設置されている。甚だしい人権侵害であり、トラブルのもととなっているだけでなく、申請・相談者に対して監視されているプレッシャーを与え、来所する人を減らす水際作戦の一種であり、直ちに撤去すること。

    (答)

    防犯カメラにつきましては、犯罪及び事故の未然防止のほか、来庁される市民や職員の安全を確保するために設置しております。なお、緊急かつやむを得ないと認められる場合にのみ録画するなど、相談者のプライバシーに十分配慮した運用としております。

  • 2013年生活保護法改定と2015年実施要領改定を根拠に、利用者の「資産申告」を強要することは問題である。本市でもこれを根拠に預金通帳の提出強要や財布の中身まで確認するなど著しい人権侵害さえ起きている。改定法は、利用者と福祉事務所とが協力して金銭管理の適正化を図るとしているだけで「資産申告」強要の根拠とはなりえない。本市として、「資産申告」は一切やめること。また、国に対し、誤解を招くような実施要領は撤回するよう求めること。

    (答)

    生活保護受給者からの資産の申告につきましては、生活保護法第60条において、生活保護受給者が主体的に生計の状況を適切に把握する責務を法律上具体的に規定し、福祉事務所が必要に応じて円滑に支援することを可能としたことを踏まえ、国の実施要領改正により、少なくとも12か月ごとに資産申告を求めることとされております。

  • 「生活保護のしおり」の記載には「一日でも早く自分の力で生活できるよう」など殊更自立を強調したり、保護を利用していても、居住用不動産や少額の保険、自動車、バイク等の保有が認められる余地があることを記載していなかったりと問題がある。加えて、市ホームページでは保護利用者の居住用不動産や少額の保険、自動車、バイク等の保有について、あくまで「コロナ禍における弾力的な運用」であると強調し、コロナ禍でなくとも本来認められる余地があることを記載しておらず、問題である。誤った情報や誤解を招く内容がないよう精査して改善し、正確に周知すること。

    (答)

    生活保護につきましては、生活保護法第4条に基づき、利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが要件となっておりますので、ご理解願います。

    また、周知につきましては、生活保護の相談は個別に対応すべきものでありますので、生活保護の申請相談があった場合には、相談者の事情や状況に応じて資産の活用方法や弾力的な運用に関する事務連絡の内容を説明するなど、懇切丁寧な対応を心掛けるよう各区福祉事務所には周知徹底しており、「生活保護のしおり」や市ホームページにつきましても、分かりやすい内容となるよう努めてまいります。

  • 健康状態や年齢を無視した就労の強要は止めること。現場では、教育機関で学びたい利用者の願いにまったく耳を貸さず、就労指導をおこなったり、「何でもいいから急いで就職を」と機械的な指導をおこなったりする事例が起きており、このような指導は真の自立を遠ざけるものであるため止めること。

    (答)

    稼働能力の活用につきましては、国の通知により、「年齢や医学的な面からの評価だけではなく、その者の有している資格、生活歴・職歴などを把握・分析し、それらを客観的かつ総合的に勘案すること」とされており、本人の能力に適した就労が実現できるよう、本人の意向を伺いながら寄り添った支援に努めております。

    また、地域の求人状況には必ずしも本人の意向と一致するとは限らない状況もあるため、稼働能力の活用に当たっては、本人の能力や意向を基本としながら、まずは、現状における稼働能力の活用を支援するとともに、就労後の状況に応じて、転職による増収の相談を継続するなど、本人の稼働能力がより活かせるよう、効果的な支援に継続的に取り組んでおります。

  • 適正受診指導などと称して入院日数や通院回数に対する不当な削減指導やジェネリック医薬品使用の強制を行わないこと。

    (答)

    「長期入院患者の社会復帰対策」につきましては、長期入院患者の実態を適確に把握し、適切な医療扶助を実施し、その処遇を充実することによって患者の社会復帰を助長することを目的としており、入院治療の必要性が低く、受入先があれば退院可能な人を対象に、本人、家族、医療機関、福祉事務所が連携して社会復帰に向けた取組みを行っております。

    「頻回受診者に対する適正受診指導」につきましては、病状及び受診状況などを適切に把握した上で、適正な療養指導・助言を行うことを目的としており、実施に当たっては、事前の嘱託医協議、主治医からの意見聴取などを経て適切な処遇が図られるよう努めております。

    また、後発医薬品の普及につきましては、国全体で取り組んでおり、その一環として、医師が後発医薬品への変更を不可としていない(一般名処方を含む)場合は、後発医薬品を原則として使用していただくことになっております。

  • 入院時、医療機関からの寝巻貸与代金については保護費に含まれず負担となっており、市独自に支給すること。おむつ代については医者の認定があるものだけに限定せず、必要額を市独自に補助すること。

    (答)

    生活保護費につきましては、生活保護法による保護の基準や実施要領に基づき決定しております。

    入院に際しての寝巻代の支給につきましては、入院を必要とする者が入院に際し、寝巻又はこれに相当する被服が全くないか又は使用に堪えない場合に支給できることとなっており、おむつ代につきましては、保護の実施要領で、常時失禁状態にある患者などが紙おむつなどを必要とする場合に支給できるものとなります。

    なお、福岡市におきましては、制度発足当時と比較して生活保護費などの措置水準などが向上していることなどから平成12年度に個人給付施策を見直したところであり、福岡市独自に保護基準を超える給付を行うことは困難ですのでご理解願います。

  • ケースワーカーの平均担当世帯数を減らすことは利用者の生活に寄り添った援助を行うために重要だが、2022年度も102.5ケースで、国の標準世帯数を20以上も上回っている。そのためにトラブルや誤った情報を伝えるなどといった事例が多数見受けられる。日本弁護士連合会や多くの専門家も、職員を増やさないと寄り添ったケースワークはできないことを指摘しており、国の標準数を守れるように直ちに正規職員のケースワーカーを増員すること。

    (答)

    ケースワーカーにつきましては、今後とも必要数の確保に努めるとともに、専門知識を有する会計年度任用職員の活用や委託事業の実施など、事務の効率化を図ることにより、1人ひとりのケースワーカーが、保護受給者の実情に即したきめ細かな相談・支援が行えるよう、業務執行体制の整備に努めてまいります。

  • 本市のケースワーカーは大学を卒業して3年以内の職員が66%、経験年数4年以上はわずか6.7%と、依然として市職員としても、ケースワーカーとして、経験が浅い職員が大半を占めるという現状である。日本弁護士連合会や学識者等から専門性の確保の必要性が指摘されており、社会福祉士や精神保健福祉士、弁護士など国家資格を有する職員の採用や登用を行い、生活困窮者へのきめ細かな支援などノウハウが継承できる体制をつくること。

    (答)

    新任職員など経験年数が短い職員につきましては、配属直後に研修を実施し、生活保護業務に必要な基礎知識の習得と接遇の向上に努めております。

    また、通常の業務におきましても、先輩職員がトレーナーとして助言指導にあたるほか、係長による同行訪問や同席面接などの指導により、技能や接遇の向上を図っております。

  • 本市では、就労支援等事業などのケースワーク業務について民間企業等への委託をすすめているが、このやり方は公的責任の放棄や、保護利用者への管理強化などの問題点がある。政府が検討しているケースワーカーそのものの民間委託も含め、これ以上の外部委託はやめること。

    (答)

    被保護者就労支援事業など生活保護業務に関する業務委託につきましては、生活保護受給者の課題やニーズが多様化していることから、より個別具体的な支援を効率的・効果的に実施するため、専門的な知識や経験を有する事業者へ外部委託をしております。

  • 困窮に陥った単身の大学生などの生活保護受給権を認めないやり方や、大学、専修学校等への進学者を強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方は、進学をあきらめる子どもを生むと同時に新たな貧困を生み出すため、仕組みを改めるように国に要求すること。教育扶助費や高等学校就学費用は実態に照らせばまだ不足しており、増額を国に求めること。

    (答)

    生活保護世帯から大学などへ進学する場合は、世帯分離の取扱いとすることが国において定められており、平成30年度に、大学などへ進学する際の新生活の立ち上げ費用に充てるため「進学準備給付金」制度が創設されております。

    また、教育扶助費などにつきましては、生活保護法第8条に基づき厚生労働大臣が定めるものとされており、平成30年10月には基準額が増額されるなど、充実が図られております。

    このほか、高等学校などに就学している生活保護受給者で高等学校等就学費で就学経費が賄えない場合は、就学資金の貸付対象となるほか、一定の要件の下にアルバイト収入を収入認定から除外する取扱いを行っております。


(10)貧困

  • 生活福祉資金貸付は、生活自立支援センターによる伴走型支援を条件にしているなど、貸付に厳しい条件が課せられており、必要な人が受けられない仕組みになっている。制度を抜本的に見直して、必要な人が受けられるよう国と県に要望すること。また、窓口はふくふくプラザで一本化せず、元にもどし、各区の社会福祉協議会で受けられるようにすること。コロナの影響で収入が減った人への「特例貸し付け」の返済が負担となり、生活再建が困難となる事態が起こっている。返済免除・猶予の拡充、相談体制の強化をすすめること、および「特例貸し付け」や「住居確保給付金」などの支援策の再開・拡大を行うよう国に求めること。

    (答)

    生活福祉資金貸付制度につきましては、国の要綱に基づき、県社会福祉協議会が実施主体となり、県下統一的な取扱いをしており、支援を必要とされる方に対しましては、生活自立支援センターにおいて生活状況や収入状況などの聞き取りを行い、1人ひとりの状況に応じた支援を行っております。

    また、窓口につきましては、県社会福祉協議会から事務委託を受けた市社会福祉協議会が直接貸付事務を行うことで、迅速かつ効率的な審査が行えることから、ふくふくプラザを窓口としております。

    特例貸付につきましては、国において住民税非課税世帯への返還免除制度が設けられており、また、住居確保給付金につきましては、国の制度に基づき、引き続き適切に支給してまいります。

  • 長引くコロナ危機と物価高騰によって、市民の暮らしはますます苦しくなっている。所得が低くなりがちな高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、貧困対策として有効な公共料金等の福祉減免を行うこと。特に、コロナ禍のもとで使用料が増えている下水道料金の減免を継続し、他の政令市にならい、上水道料金の減免をただちに実施すること。

    (答)

    高齢者や障がい者、ひとり親家庭に対する公共料金などの減免につきましては、公営企業の独立採算性や受益者負担の原則など様々な課題もあることから、今後の経済状況や国の動向などを注視してまいります。(福祉局、こども未来局)

    下水道使用料の支払いが困難なお客さまにつきましては、支払期限の柔軟な対応に加え、分割納付や延滞金の免除など、引き続き、丁寧に対応してまいります。(道路下水道局)

    水道は、市民生活を支え、生活の質の向上と都市の成長を支える重要なライフラインであり、将来にわたる安全で良質な水道水の安定供給のため、財政の健全化を図りつつ、配水管の更新をはじめ、浄水場の再編などに計画的に取り組んでいく必要があります。

    このような中で、長引く新型コロナウイルス感染症の影響により水道料金収入の回復が遅れており、また、建設改良費がピークを迎えるとともに、近年の人件費の上昇や、ウクライナ情勢などの影響を受けた資源価格や資材価格の高騰などにより、これまで以上に大変厳しい経営環境に置かれていることを踏まえますと、水道料金の減免は、企業債残高の増大や施設の整備・更新の遅れを招き、将来に大きな負担を残すことになると考えております。

    なお、今後とも、個々の相談者の状況に応じた水道料金の支払期限の延長など、お客さまに寄り添った、きめ細かな対応を行ってまいります。(水道局)

  • 市民全体の貧困実態・貧困率の調査を行い、本市独自の目標・指標を定めて総合的な貧困削減計画をつくること。また、子どもの貧困対策についても、他都市にならって子どもの貧困率を公表し、削減目標を立て、その達成に必要な具体的な施策に取り掛かること。生活保護申請や生活困窮者相談を役所で待つのではなく、出前相談会など必要な人に支援が届くようにアウトリーチを強化すること。

    (答)

    生活困窮者への支援に当たりましては、生活困窮の実態を把握し、生活困窮者を早期に支援に繋げることができるよう、様々な支援施策や福岡市の関係部局との連携を図りながら支援を実施してまいります。(福祉局)

    子どもの貧困対策につきましては、子どもの生活状況等に関する調査の結果なども踏まえ、「第5次子ども総合計画」に基づき、関係部局が相互に連携を図り、教育の支援、生活の安定に資するための支援、保護者に対する職業生活の安定と向上に資するための就労の支援、経済的支援に取り組んでまいります。(こども未来局)

  • 水道料金・市営住宅家賃・住民税・国保料などの滞納は生活困窮のシグナルと捉え、ライフライン事業者の協力や局を越えた連携を行うこととなっているが、事業者には協力依頼を出しただけで、福岡市生活自立支援センターへの紹介人数さえも把握していないなど、機能していない。市の内部で局を越えた会議を定期的に開催し、積極的に実態を把握するなど、実効性のある仕組みを構築すること。

    (答)

    生活困窮者の把握につきましては、ライフライン事業者や、その他関係機関に周知を図ることで、生活に困窮された方が生活自立支援センターへの相談に繋がるよう取り組むとともに、相談者の状況に応じて関係機関と個別に情報共有を図るなど、連携して支援を実施しております。

    また、関係所属に対しましては、生活に困窮している方を把握した時は、必要に応じ生活自立支援センターや保護課への相談を促すよう、協力を依頼しております。

    令和3年度から定期的に、福祉局のほか水道局や住宅都市局などと「生活困窮者等の把握に向けた検討会」を開催し、各相談窓口への相談状況を共有するなど、連携強化を図っております。

  • 福岡市食育推進会議でも小中学校の朝食欠食率について「徐々に悪くなっている」と分析するなど、朝食を毎日食べていない子どもが増えており、行政の責任で朝食欠食対策を行うこと。「子どもの食と居場所づくり支援事業」の補助金は4年目以降も減額することなく支給を継続するとともに、1か所あたりの補助を増額すること。

    (答)

    学校においては、給食の時間を中心に、担任や栄養教諭が食に関する指導を実施しており、子どもたちの成長期に必要な栄養素や栄養バランス、朝食を食べることの大切さを教えるとともに、保護者に対しても、家庭において食に関する理解が深まるよう、食育便りの配付や、入学説明会など様々な機会を通して啓発を行っております。子どもたちの望ましい食習慣が図られるよう、今後とも食に関する指導の充実に努めてまいります。(教育委員会)

    「子どもの食と居場所づくり支援事業」につきましては、今後とも、食事の提供と居場所づくりを行う団体のご意見も伺いながら、必要な見直しや改善を加え、より多くの担い手によって子どもたちを見守り支える活動が広がっていくよう取り組んでまいります。(こども未来局)

  • 市内のホームレスは依然として多く、安心して年を越せるよう年末年始も対応できる窓口を開設するとともに、市内の巡回を強化して、相談に応じ、支援すること。ホームレスが施設への入所を求めた場合、感染症の検査などの理由からその日に入所できない仕組みを改めるために一時宿泊所を確保すること。民間ボランティアやNPO支援団体への委託費を大幅に増額すること。ホームレス患者は、受診する時にはすでにひどい疾患を患っていることが多いため、医療機関の負担は大変重くなっている。コロナ感染対策も負担となる中、現行の入院協力金3000円では不足しており、大幅に増額すること。

    (答)

    年末年始における生活困窮者及びホームレスの方への対応につきましては、緊急を要する保護の相談や急な生活困窮が発生した場合に備え、年末は各区保護課に当番職員を配置し、年始は通常の閉庁日と同様に緊急連絡網を活用するなど相談体制の確保に努めております。

    ホームレス巡回相談につきましては、今後も専門の相談員が市内全域を巡回し、ホームレスの方の相談に応じるとともに関係機関への同行やつなぎなどの支援を積極的に行ってまいります。

    ホームレス自立支援施設への入所に当たりましては、感染症などの問題があり、病院での検診の結果が判明するまでの間、待機をお願いしておりますが、入所可能となるまでの間につきましては生活保護一時貸付金により対応しております。

    また、入院協力金につきましては、現行どおりでご理解願います。


(11)民生委員

民生委員の過重負担について、活動費のわずかな増額や若干の定員増だけでは根本解決には程遠く、定員充足率は91.7%にまで低下している。本来行政が行うべきことを押し付けていないか等、徹底した検証を行い業務量について抜本的に削減するとともに活動費の大幅増額を行うこと。また、欠員が生じている地区を他地区の委員がカバーするやり方には無理があり、行政の責任において臨時の代替措置をとること。


(答)

民生委員の負担軽減につきましては、民生委員の改選毎に定数の見直しを行い、令和4年12月に28名の増員を行っており、今後も、民生委員児童委員協議会などと協議を行いながら、適切な定数の設定に努めてまいります。また、民生委員の活動に資する施策として、地域包括支援センターの増設や、スクールソーシャルワーカーの増員、業務の削減として災害時要援護者台帳調査の廃止などに取り組んできたほか、これまでの様々な調査依頼やイベントなどへの参加依頼、各種団体からの役員就任依頼に対して、民生委員の意見を聞きながら精査を行っております。

超高齢社会を迎え、住民から民生委員に様々な相談が寄せられますが、民生委員が相談をつなぐ各行政機関の充実を図るとともに、会議や研修などの場で情報共有を図るなど、民生委員に過度な負担がかからないよう配慮しております。

また、民生委員が活動しやすい環境づくりに向け、令和2年度より活動費を増額するとともに、欠員地区をフォローする民生委員に対して、活動費を追加で支給しているほか、令和3年度より社会福祉協議会が実施する生活福祉資金返還督促の郵送化による負担軽減を実施しております。

今後とも民生委員の意見を踏まえ、なり手不足の解消に向けて取り組んでまいります。


(12)障害者

  • 障害者差別解消法は合理的配慮の提供を民間事業者に義務付けたが、福岡市障がい者差別解消条例の見直しは未だに行われていない。早急に改正するとともに、差別的取り扱いを禁じる実体規定に「何人も」と挿入すること。障害当事者や関係団体から成る「福岡市障がい者差別解消推進会議」については、障害当事者の比率を高めるとともに、差別体験等の実態に基づいて本市の施策のあり方を具体的に検証し抜本的改善につなげること。

    (答)

    条例の見直しにつきましては、障がい者差別解消条例に基づき設置する「障がい者差別解消推進会議」において当事者の声も聴きながら、丁寧に検討を重ねております。

    国においては、障害者差別解消法に基づく基本方針の改定が検討されており、当該内容なども踏まえ、適切に対応してまいります。

    障がい者差別解消推進会議におきましては、福岡市の施策をはじめ、障がいを理由とする差別の解消に向けた様々な事項について、障がい者及び福祉、医療、教育、雇用その他障がい者の権利の擁護について優れた識見などを有する委員よりご意見を伺っております。

  • 福祉乗車券・福祉乗車証については、「持続可能な制度とするため」等として障害の程度や所得によって交付対象を狭める差別的取り扱いは許されない。関係者から要望の強い療育手帳Bおよび精神障害者手帳2級まで拡充するとともに、所得制限を廃止すること。精神障害者に対する交通運賃割引を頑なに拒否しているJR及び福岡北九州高速道路公社に対し「合理的配慮」の趣旨を踏まえ早急に実施するよう強く申し入れること。実施されるまでの間、市として自己負担分を補填する手立てをとること。

    (答)

    福祉乗車券・福祉乗車証につきましては、将来にわたり持続可能な施策としていく必要があり、対象者や所得要件の見直しは予定しておりません。

    また、精神障がい者に対する交通運賃割引につきましては、様々な機会を通して、県や他の自治体とも連携を行いながら、JR及び有料道路各社に対して精神障がい者への交通割引制度の適用について引き続き要望しております。

  • 障害者が65歳になるとそれまで受けてきた障害者サービスから介護保険サービスに半ば強制的に移行させられ、自己負担が増え、サービスが継承・継続されず利用者は肉体的にも精神的にも大きな負担を感じている。新高額障害福祉サービス等給付費が支給されるとはいえ、対象要件から外れる人も多い。介護保険の対象年齢でも障害者福祉制度と介護保険制度を選択できるなど、新たな自己負担なしでサービス水準が維持できるよう市独自の手立てをとること。問題の大元にある障害者総合支援法の第7条(介護保険優先)の廃止を国に求めること。

    (答)

    介護保険の対象となる障がい者の支援につきましては、障害者総合支援法第7条などの規定により、介護保険に障がい福祉サービスと同内容のサービスがある場合は、介護保険による給付が優先されますが、介護保険の被保険者である障がい者から障がい福祉サービスの利用に係る支給申請があった場合は、具体的な利用意向などを把握した上で、障がい者の個々の状況に応じて必要なサービスの支給決定を行っております。

    また、平成30年度の制度改正により、障がい者が65歳以上になっても使い慣れた事業所においてサービスを利用しやすくする観点などから、高齢者や障がい児・者が共に利用できる「共生型サービス」が創設されております。

    新高額障害福祉サービス等給付費につきましては、一定の要件を満たす高齢障がい者の介護保険に係る自己負担の一部を償還払いすることで、利用者負担の軽減を行っております。しかしながら、対象外となる方々もいることから、今後も引き続き国に対象者範囲の見直しを要望してまいります。

  • 本市では、聴覚障害当事者や関係団体からの長年の要望である市長会見における手話通訳について頑なに拒否し合理的配慮の提供義務に反し続けている。全ての市長会見に手話通訳者を配置するとともに、市主催の行事の際にも手話通訳者をつけること。

    (答)

    市長会見や市主催の行事における聴覚障がい者への配慮につきましては、福岡市職員が差別の解消に向け、特に合理的配慮の提供を適切に行うために必要な事項を定めた職員対応要領などにより周知を行っており、令和4年度から、すべての市長定例会見に手話通訳者を配置しております。

    引き続き、全職員を対象としたeラーニングの実施などにより、障がい者に対する合理的配慮の提供について周知を図ってまいります。

  • 「手話言語条例」は34道府県を含む459自治体へと広がり、政令指定都市を含め大きな流れとなっている。これ以上の先送りは許されず、本市においても早急に制定作業に入ること。

    (答)

    「手話言語条例」の制定につきましては、差別解消条例において、手話も言語に含むこととし、障がいのある方に対してコミュニケーション及び意思決定の支援などを保障する必要があるとの基本理念を定め、障がいを理由とする差別の解消を推進することとしており、同条例の普及や施行状況、国の動向を見守りながら、対応を検討してまいります。

  • 手話通訳者派遣事業の範囲は「社会生活上外出が必要不可欠なとき」等として未だに狭められており、当事者の要望を踏まえひろげること。また、聴覚障害者用の情報提供施設について市民プラザ内の「情報センター」では極めて不十分な機能となっており、春日市のクローバープラザ並みの機能を持たせること。

    (答)

    手話通訳者派遣事業につきましては、現在、医療機関や公共職業安定所などを利用する場合や、公的機関などが主催・共催する講演及び会議に出席する場合など、社会生活上外出が必要不可欠なときに適当な通訳者が得られない場合において派遣しております。平成28年度からは社会生活上の必要性が高い、電気・ガス・水道の手続き・工事や携帯電話・ファックスなどの購入・修理も加えるよう派遣対象を拡充しております。

    聴覚障がい者用の情報提供施設につきましては、平成25年度から市民福祉プラザ内に聴覚障がい者情報センターを設置し、聴覚障がい者、盲ろう者及びその家族などへの相談対応や手話通訳者や要約筆記者等の派遣など総合的なコミュニケーション支援を実施しております。

  • 日本手話通訳士協会によれば、コロナ禍のもと、多くの手話通訳者の仕事が激減し、収入が途絶えるケースも生じている。行政として支援するとともに、担い手が不足している手話通訳者の養成を確実にすすめるためにも、報酬の引上げ、市が直接正規職員として雇用するなど、専門職にふさわしい待遇に引き上げること。

    (答)

    手話通訳者の派遣報酬につきましては、引き続き他都市の状況を研究してまいります。また、福岡市内の7区役所に会計年度任用職員として手話通訳職員を配置することとしております。

  • 強度行動障害者の短期入所施設は絶対的に不足しており、市の責任で増設するとともに、民間事業者の参入がひろがるよう職員加算や施設の改造費補助を創設すること。「強度行動障がい者支援事業」はノウハウの蓄積、人材の育成、事業者への支援などを充実すること。

    (答)

    短期入所施設につきましては、事業者へ働きかけを行うほか、国庫補助なども活用し、強度行動障がい者の受入れ拡大に努めていくとともに、利用者一人ひとりの状況に応じた十分な支援体制が確保されるよう、国に対して報酬の見直しを要望してまいります。

    また、強度行動障がい者支援事業につきましては、支援拠点施設(か~む)において、3か月程度の集中支援を行い、個々の障がい特性に応じた支援計画を検討・策定し、行動問題の軽減を図り、地域移行が促進されるよう取り組むとともに、支援拠点施設を直接利用しない場合でも、家族や事業所の相談に応じ、必要に応じて家庭訪問や事業所訪問を行い、適切な助言・指導などを行うことで、障がい当事者や家族が潜在化しないよう努めております。また、事業所職員の支援技術の向上を図るための研修や、強度行動障がい者を受け入れる事業所の負担軽減などを図るため、受入れ事業所と他の事業所の職員が共同で支援に当たる「共同支援事業」を実施しております。

    今後とも、強度行動障がい者への効果的・継続的な支援事業のあり方について、学識者、事業者、相談支援員などによる研究会でも検証の上、検討してまいります。

  • 障害者グループホームの低すぎる報酬単価の増額を国に求めること。あわせて、市の運営費補助を更に拡充するとともに、土地や建物の確保や新設時の改修費への補助を増額すること。また、利用者への家賃補助については、市が独自に上乗せ補助を行うこと。

    (答)

    障がい者グループホームにつきましては、障がい者の地域生活への移行を支援する生活基盤として重要であると考えており、これまで民間事業者による整備を基本とし、国の補助制度を活用するほか、福岡市独自の補助制度を創設しており、平成28年7月には消防用設備に対する補助上限額の引上げ、平成31年4月には重度障がい者を受け入れる事業者への補助上限額の引上げを行うとともに、令和2年度からは重度障がい者を受け入れる事業者への運営費補助制度を創設するなど充実を図っており、また、令和4年度からは、強度行動障がい者のグループホームへの受入れを促進するため、運営費補助の対象を拡大しております。

    グループホームの設置数は、令和4年4月1日現在、前年と比較して67か所、378名分の増となっております。

    今後も補助制度の活用状況や効果を踏まえ、市営住宅の活用や情報提供の仕組みづくりなど、関係局と連携し検討するとともに、国に対して引き続き報酬単価の引上げを求めてまいります。

  • 知的障害者等の地域生活移行については、必要とする支援の質・量の確保、十分な所得保障や住宅手当の充実等、知的障害者の希望と選択を最大限尊重する仕組みを構築することなしに、進めることは許されない。入所施設も「終の住処」として利用できるようサービス提供や支援の実態について現場で適宜確認するとともに、設備や職員体制の充実を図り「親なきあと」の不安を取り除くこと。

    (答)

    入所施設につきましては、真に必要とする方たちが適切に利用できるよう、制度、財政両面からの支援を国に要望するとともに、障がい者の重度化、高齢化や「親なき後」の生活の安心も見据え、知的障がい者などが、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、在宅で生活するために必要な支援の充実を図るなど、総合的な支援体制の構築に取り組んでまいります。

  • 国において、処遇改善加算がされたものの、障害者支援施設等労働者の賃金は全産業労働者平均まで未だ月6万円近くの隔たりがある。加算分を基本報酬に組み込んだ上で抜本的な引き上げを図るよう国に求めること。また、市独自に処遇改善のための補助や家賃補助を創設すること。

    (答)

    障がい福祉サービスなどにおける福祉・介護職員などの処遇改善加算につきましては、国において令和4年10月に福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算が創設されるなど制度が拡充され、さらなる賃金改善が実施されております。今後とも障がい福祉サービス事業所の経営実態に見合う報酬水準が確保され、良質な人材確保が図られるよう引き続き国へ要望してまいります。

    また、事業者に対して処遇改善加算などの取得を促進するなど職員の処遇改善につながる取組みを進めてまいります。

    なお、実地指導などにおいて賃金などに関する法令違反が確認された場合については、労働基準監督署などと連携し、改善を指導してまいります。

  • 障害者の一般就労は、収入を得るということだけではなく、就労によって本人が社会とのつながりを持ち、生活や人生を豊かにすることであり、重要な意味を持っており障害者に対する継続した就労支援には就労支援事業所職員が安心して働ける雇用の安定性が不可欠である。NPOや社会福祉法人などA型事業所を営む法人が安心して就労支援事業を継続していくために、国に報酬単価の引上げを求めるとともに、職員の人件費の引上げや、専任で就職支援ができる担当者等の配置ができるよう市として独自に財政支援を行うこと。また、B型事業所・生活介護事業所においても工賃の増額が図れるよう市としても支援策を充実させること。

    (答)

    就労継続支援事業所職員の処遇改善につきましては、国において令和4年10月に福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算が創設されるなど制度が拡充され、さらなる賃金改善が実施されております。今後ともさらに障がい福祉サービス事業所の経営実態に見合う報酬水準が確保され、良質な人材確保が図られるよう引き続き国へ要望していくとともに、事業所に対して処遇改善加算などの取得を促進するなど職員の処遇改善につながる取組みを進めてまいります。

    また、工賃向上に向けた支援につきましては、令和4年10月1日に開設した障がい者工賃向上支援センターにおいて、業務開拓や障がい者施設への受注調整、受注体制づくりの支援を行うとともに、障がい者施設の商品やサービスについて、ときめきショップやホームページなどで積極的に情報発信するなど、一体的に支援を行ってまいります。

  • 本市の障害者雇用は、法定雇用率を超えてはいるものの、その内訳は非正規雇用が多くなっており、正規職員で達成できるよう採用枠を抜本的に増やすこと。民間企業に障害者の採用増を要請し促進するため、国任せにせず、本市独自の補助制度をつくること。

    (答)

    福岡市における障がい者の雇用につきましては、障がいの特性に応じた業務内容や職場環境に配慮しながら、今後とも計画的な採用を行い、雇用の拡大に努めてまいります。(総務企画局)

    民間企業の障がい者雇用につきましては、障がい者就労支援センターにおいて、企業訪問や企業セミナーなどを実施し、障がい者雇用の啓発・助言を行っております。

    今後とも、ハローワークや就労移行支援事業所などの関係機関や民間企業と連携を図りながら、障がい者の就労支援に積極的に取り組んでまいります。

    なお、障がい者の採用にあたっての助成につきましては、国の制度として特定求職者雇用開発助成金などの各種制度があり、企業などからの相談があった場合には、適切に情報提供を行ってまいります。(福祉局)

  • 障害者関連施設の指定管理者を社会福祉事業団から民間団体に移行する公募の動きや指定管理料の縮減はサービスの低下を引き起こすものでありやめること。

    (答)

    社会福祉事業団は、福岡市の障がい児・者福祉分野における重要な機能を果たしているところであり、今後とも障がい福祉サービス事業への民間の参入状況を勘案しながら先駆的・高度専門的な分野や民間の取組みが進んでいない分野に重点的に取り組むとともに、社会福祉法人としての自主性や組織体制の適性化を図りながら、中・長期的視点に立った組織や機能の見直しを進めてまいります。


(13)ヤングケアラー

ヤングケアラーは、本来、大人が担うような家事や家族の世話などを日常的に行っていることで負担を抱え、子どもの権利が侵害される深刻な社会問題になっている。昨年、専用相談窓口と専用相談ダイヤルが設置されたが、当事者からの相談はわずかである。支援者や関係団体から相談事業だけでは不十分であり、「包括した家族支援が必要」と声があがる中で国は多機関・多職種連携による支援マニュアルを作成している。子どもたちの権利を守るために、ヤングケアラー専門の部署を早急につくり、有識者や支援者、関係団体とも密に連携し、相談後の対応を注視するなど情報の共有を図り、対策を練ること。あわせて当事者の体験を聞く場を設け、研修会の開催など広く市民への周知・啓発活動を行うこと。


(答)

ヤングケアラーにつきましては、要保護児童支援地域協議会の構成機関などが連携しながら支援を行っており、ヤングケアラー相談窓口における専門のコーディネーターとともに、適切な支援に繋いでおります。今後とも、関係局と緊密に連携を取りながら、ヤングケアラーへの支援に取り組んでまいります。

また、引き続き関係機関への周知や研修を行うとともに、市民への啓発等にも取り組んでまいります。

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3、ムダな大型開発をあらため、市民の生活・安全優先のまちづくりを

(1)地下鉄七隈線の延伸

市長選直後、地下鉄七隈線を博多駅から空港の国際線ターミナルまで約3km延伸する構想が報道された。事業費は数百億円から1000億円以上かかると考えられ、市民の多くが利用するものではなく、圧倒的多数が外国から来る観光客のためのものであり、不要不急の国際線への地下鉄延伸計画はやめること。


(答)

福岡空港国際線ターミナルへの地下鉄延伸計画はありませんが、福岡市における今後の交通のあり方については、本市交通政策の指針である都市交通基本計画を見直していく中で、市民や議会の意見を伺いながら検討してまいります。


(2)天神ビッグバン・博多コネクティッド

「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」については、コロナによるリモートの浸透などでオフィス需要が減り、空室率が危険水域の5%を超え、供給過剰の懸念が高まっている。その破綻を取り繕うために、市長は「固定資産税が3倍になるから」などと理由をつけて、「税金を使わない」という自身の約束を投げ捨てて立地交付金を倍増させ、空室を埋めようとすることは許されない。建替えと地価高騰によって昔からの住民や零細な中小業者が追い出され、天神は「若い人の買い物・流行発信の場」「雑多で活気のある街」から、どこにでもある味気のないオフィス街へと急速に変貌しつつある。また、大型ビルの乱立は、オフィスからのCO2排出量を増やし温暖化対策とも逆行する。大企業だけが潤い、市民には何の恩恵もない「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」は中止すること。


(答)

「天神ビッグバン」につきましては、警固断層のリスクがあるなかで、耐震性やセキュリティに課題を抱える更新期を迎えたビルが多い天神地区において、規制緩和を積極的に活用し、民間投資を喚起することで、ビルの建替えを促し、災害に備えると同時に、新たな雇用や空間、税収を生み出していくプロジェクトとして取り組んでおります。また、「博多コネクティッド」につきましては、筑紫口駅前広場やはかた駅前通りの再整備など交通基盤の拡充とあわせ、ビルの建替え誘導や回遊性の向上などを図り、博多駅の活力と賑わいをさらに周辺につなげていくプロジェクトとして取り組んでおります。

ビルの建替えにあたっては、規制緩和等により民間活力を最大限に引き出しながら、耐震性が高く、環境面や、感染症にも対応した先進的なビルへの建替えを誘導し、緑・憩い・アートなどまちに潤いを創出することで、市民にとって魅力あるまちづくりを推進してまいります。

引き続き、都心部の機能を高め、新たな空間や雇用、税収を生み出し、都市の成長の果実で生活の質の向上につながるよう取り組んでまいります。


(3)人工島・港湾再編

  • 市は人工島の土地処分について「完売! 黒字150億円」としているが青果市場・こども病院・総合体育館などの公共施設を移転させることにより土地分譲全体の約36.9%を市が税金で買い支えて、進出企業に立地交付金をばら撒き、本来開発業者が負担すべきインフラ整備の肩代わりといった特別待遇をするなど、あの手この手で巨額の税金投入をしてきた結果にすぎない。今後の事業も含めて人工島では3940億円もの税金が投入されることが見込まれ、2021年度も基盤整備63億円、立地交付金29億円など、この破綻した事業に約122億円が投じられた。これ以上の税金投入はムダづかいであるとともに人工島だけを特別扱いする不適切な支出はやめること。

    (答)

    アイランドシティにつきましては、居住者が1万人を超え、まちの成熟が進むとともに、大規模物流施設の立地などによる港湾機能の強化が進み、令和4年8月に土地分譲の見通しが立つに至ったところであります。引き続き、福岡市の未来をリードする先進的モデル都市づくりや、国際物流拠点の形成など、福岡市の成長に寄与するようしっかりと取り組んでまいります。

  • 立地交付金の交付額の人工島進出企業への割合は2021年度96%、制度開始から見ても84%を占めている。このような交付金のあり方は極めて異常であり、人工島の破綻救済に交付金制度を悪用することはやめること。

    (答)

    アイランドシティにつきましては、福岡市において産業集積を図る重点地域と位置づけており、今後とも、雇用助成の仕組みを加えた立地交付金制度などを活用して、積極的に企業誘致に取り組み、市民の雇用創出をはじめ税収の確保や地場企業の事業機会の増大を図ってまいります。

  • 港湾計画で定める博多港の国際海上コンテナ取扱量目標値130万TEUは、現在のペースで目標達成は「厳しい」と当局も認めざるを得ない状況である。さらに、人工島への5万トン級以上のコンテナ船の入港は、直近の5年間でわずか12隻である。15メートル水深の人工島D岸壁の整備や大型コンテナ船対応のための東航路整備事業は必要性がなく税金のムダづかいでありやめること。

    (答)

    博多港は、九州の輸出入コンテナの半数以上を取り扱っており、九州の経済、産業を支える基盤として重要な役割を果たしております。このような中、現在、令和4年度内の供用を目指しアイランドシティコンテナターミナルの整備に取り組んでおります。

    また、近年では基幹航路を中心に数多くの大型船が投入されており、中国航路や東南アジア航路などアジア域内においてもコンテナ船の大型化が進んでいる状況にあります。こうした船舶の大型化や貨物の増加に対応し、船舶の安全かつ円滑な航行を確保するためには、岸壁や東航路の整備が必要であります。

    引き続き、アイランドシティD岸壁の早期整備につきまして、様々な機会を捉え国に提言を行うなど、コンテナターミナル全体の機能強化に取り組むとともに、港湾計画の目標値である「国際海上コンテナ取扱個数130万TEU」の達成に向けて戦略的に取り組んでまいります。

  • 民間住宅や道路・下水道などに助成する「住宅市街地総合整備事業」による積水ハウスなど特定の大企業への露骨な税金投入はやめること。

    (答)

    アイランドシティは、(第九次)基本計画において「活力創造拠点」として位置づけ、「環境と共生し快適な居住環境を形成する先進的モデル都市づくりを進める」としていることから、新たな核となる住宅市街地づくりを行うため、引き続き、住宅市街地総合整備事業を活用し、環境に配慮した良質な住宅整備の誘導や道路などの都市基盤施設の整備を進めてまいります。

  • 「中長期的な視点で検討」などとしていまだに現存している必要のない鉄軌道の導入計画はきっぱりとやめること。

    (答)

    アイランドシティへの鉄軌道の導入につきましては、アイランドシティのまちづくりの進展や、東部地域の交通体系の変化の状況などを踏まえつつ、中長期的な視点に立ち検討を行ってまいります。

  • コロナ禍でインバウンドが破綻して、ウォーターフロントネクストも大幅な見直しが迫られたなか、「博多港港湾計画」の前提が大きく崩れたにも関わらず、現計画に固執しようとしている。中央ふ頭や須崎ふ頭の新たな埋立てはやめて、同計画を大幅に見直すとともに、必要もない箱崎ふ頭地区の水面貯木場及び海面処分場の埋立ては、埋立費用だけで700億円と莫大な費用がかかるため、検討をやめること。

    (答)

    博多港港湾計画につきましては、概ね10年から15年程度の将来を目標年次とした、港湾の開発、利用及び保全の方針などを定める長期的な計画であり、具体化に向けては、必要性などを勘案し、関係局とも調整しながら進めてまいります。

    箱崎ふ頭地区の埋立てにつきましては、平成28年3月に改訂した博多港港湾計画に位置付けており、引き続き、総合的に検討を進めてまいります。

  • 第3セクター・博多港開発株式会社はケヤキ・庭石事件を起こすとともに、人工島事業の土地処分ができず、経営危機に陥り、市から多額の増資を受け、会社2工区を市に399億円で譲渡するなど、巨額の税金が投入された会社である。そもそも市の外郭団体の見直しでは、廃止も含めて検討されてきたものであり、このような会社に今後の埋立事業などを担わせることは許されず、会社はただちに解散し清算すること。

    (答)

    博多港開発株式会社につきましては、これまでも福岡市と両輪でふ頭の整備を行うなどの重要な役割を果たしてきており、今後とも、これまで蓄積した同社のノウハウや資産を博多港の機能強化など公共性の高い分野に積極的に役立ててまいりたいと考えております。


(4)世界水泳

  • 2023年7月に開催される世界水泳選手権・福岡大会の本市負担は当初計画の35億円から95億円に膨れ上がっている。同大会によって468億円の経済効果が見込めるという試算についても40万〜50万人が来場するという、コロナ前の人出を当て込んだ試算にすぎない。コロナ収束も見通せず、開催自体が不透明な巨大イベントに莫大な市費をつぎ込もうとすることは許されず、大会の中止を提起するとともに、大会運営から手を引くこと。

    (答)

    世界水泳選手権は、各国からトップアスリートの参加が見込まれる、世界でも有数のスポーツイベントであり、本大会の開催は、市民スポーツの振興に加え、コロナ下で大きな影響を受けた地域経済の活性化や国際都市福岡の都市ブランド力の向上に寄与する絶好の機会になります。そのため、開催都市として、世界水泳連盟をはじめとする関係機関との連携を図り、万全の受け入れ体制を整え、市民の皆さまに世界水泳を開催してよかったと思っていただけるよう努めて参ります。

  • 東京オリンピック・パラリンピック大会をめぐる各社のスポンサー契約などに関係する、汚職事件が次々に明らかになっている。世界水泳選手権・福岡大会のスポンサーとの契約が適切に実施されているのか検証するために、スポンサーごとの契約金額を開示するとともに、契約経緯についても明らかにすること。

    (答)

    スポンサー選定につきましては、条件などを確認し、世界水泳連盟による確認、承認を踏まえて組織委員会として決定しております。

    なお、スポンサーごとの契約金額につきましては、開示しておりません。


(5)ウォーターフロント・MICE・観光

ウォーターフロントの再整備計画は、もともと莫大な税金を投入し、呼び込み頼みの危険な計画だったところ、市は「感染症の影響により、これまで通り、『MICE』『クルーズ』『賑わい』が融合した一体的なまちづくりを進めることは難しい状況にある」として、計画の大幅縮小を打ち出し、事実上、破綻した。しかしながら、この計画「見直し」は中央ふ頭北側について見直すだけで、それ以外については温存、もしくはさらなる拡大を目論んでいる。コロナを経験した世界は、たとえパンデミックが収束しても「密」を嫌う観光客は減らず、「数を追及する観光」から「質の観光」へのシフト、「インバウンド重視」から「国内客・地元客重視」へのシフトが必要だとされている。「外需頼み」「インバウンド頼み」という呼び込み型経済政策は時代遅れであり、ウォーターフロント開発計画そのものを完全に中止すること。


(答)

ウォーターフロント地区(中央ふ頭・博多ふ頭)につきましては、ふ頭基部において、「オール・イン・ワン」のMICE拠点の形成や、賑わいと憩い空間の創出など、引き続き市民や来街者が楽しめる魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。


(6)国家戦略特区など規制緩和

  • 市が2019年に国家戦略特区制度を活用して提案した、電動キックボードの規制緩和は、全国で交通ルールを無視した危険な運転を増加させるとともに、事故件数も2020年10件から2021年度は110件と急増させた。このように国家戦略特区は、農業、医療、教育、労働などの分野の国民生活や安全にかかわる規制について、財界の要求に応じて緩和し、市民を守るルールを壊す仕組みとなっている。本市の「グローバル創業・雇用創出特区」指定を返上すること。

    (答)

    福岡市の国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」につきましては、スタートアップ支援による開業率の向上やイノベーションの推進による新たなビジネスなどの創出により、雇用の拡大を図ることを目的として取り組んでおります。

    福岡市につきましては、特区の指定からこれまでの成果として、創業のすそ野が広がり、多くの企業が生み出されるなど、創業都市としての存在感が格段に向上しております。また、既存企業とスタートアップ企業のビジネスマッチングも進めてまいりました。そうした取組みを継続しつつ、次のステップとして、数多く誕生した企業の中から世界を舞台として飛躍的に成長する企業が生まれることを目指し、グローバル展開やスケールアップの促進に取り組んでおります。

    今後とも、国家戦略特区を活用することにより、技術革新や市民ニーズの変化で、時代に合わなくなった規制を緩和し、新しい価値の創造にチャレンジする企業の支援や、既存企業と創業企業との連携による相互の成長を図り、福岡市の都市の成長と生活の質の向上を図ってまいります。

  • 市は「Fukuoka Smart East」の取組みの一環として、松島校区や貝塚公園で実施してきた自動運転バスの試乗体験を、2022年度もJR箱崎駅周辺の公道で一般市民を乗車させ実施し、それらを追認・支援している。国会での審議・法改正もせずに、安全性が確認されていない技術を、営利企業の利益追求のため、いわば脱法的に一般社会で実施することは問題がある。市としてこのようなやり方を認めないこと。

    (答)

    「自動運転バスの試乗体験」につきましては、警察庁が定めている公道実証実験のためのガイドラインや道路使用許可基準に沿って実施したものであります。なお、実施の際には、福岡県警と協議や審査を重ね、安全性に十分に配慮しております。

    今後とも、様々な社会課題を最先端の技術革新の導入などにより解決する「Fukuoka Smart East」の実現に向けて取り組んでまいります。


(7)福岡空港

福岡空港は、コロナによる入国拒否や渡航制限を受け旅客数が激減し「東アジアトップクラスの国際空港」にすることを謳い文句にして、30年後に旅客数を現在の1.5倍にし、路線数を倍加させるなどといった見込みも破綻している。また、航空業が気候変動に与える影響は大きく、地球環境を保持する観点からも矛盾する。こうした無謀な計画を見直すように国・県に求めるとともに滑走路増設をやめるように要求すること。


(答)

福岡空港は、九州・西日本地域の発展を支える主要地域拠点空港として、重要な役割を果たしており、福岡市が「人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市」を目指すに当たって、その機能強化は極めて重要かつ喫緊の課題であると考えております。

福岡空港については、ピーク時間帯には増便が困難なほど過密化が進んでいることから、「総合的な調査」や「PI(パブリック・インボルブメント)」の実施などの様々な手順を経て、国において滑走路を増設することを決定し、平成27年度に事業着手されたところです。

福岡市としては、航空需要の今後の回復及び将来の増加に適切に対応していくため、引き続き滑走路増設の令和7年3月完成に向けて、国や県とともに取り組んでまいります。


(8)九州大学箱崎キャンパス跡地

  • 箱崎キャンパス跡地のまちづくりは、キャンパス周辺の4校区(東箱崎、箱崎、松島、筥松)が長年にわたって、住民の要望をまとめた「九大跡地利用4校区協議会」の提案の方向性や精神を踏まえることが必要である。地元住民が求めている元寇防塁跡の可視化保存・活用や防災機能を備えた広い公園の整備、住民が集えるコミュニティセンターの設置は、グランドデザインの方向性と同じであり、住民要望を実現すること。九州大学総合研究博物館については、箱崎キャンパスの歴史的建造物を活かして保管・展示し、市民への公開、活用するなど、九州大学に住民要望の実現を求めること。

    (答)

    九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、地域の代表や学識経験者などからなる「箱崎キャンパス跡地利用協議会」のご意見も伺いながら、平成30年7月に、まちづくりに共通する整備ルールや将来の絵姿等を示す「グランドデザイン」を策定し、引き続き、まちづくりの具体化に取り組んでおります。

    今後も、地元住民のご意見などを踏まえ、九州大学等と連携してグランドデザインの実現を目指してまいります。

  • マンション開発の結果、人口が急増し、開校後わずかな期間で過大規模校となった西都小学校や東区の照葉地区の小中学校を教訓に、こうした地域での無秩序なマンション建設の規制を行うこと。また、小学校用地を確保すること。

    (答)

    九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、新たな拠点の創出に向けて多様な都市機能の誘導を図ることとしており、周辺の住環境等に配慮した住戸数の制限などについて、九州大学やUR都市機構と検討しております。(住宅都市局)

    なお、学校用地の確保につきましては、「福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針」に基づき、児童生徒数の推移や住宅開発の動向を注視しながら、適切に取り組んでまいります。(教育委員会)

  • 貝塚公園について、住民は道路を通し分割することに反対であるにもかかわらず、こうした計画を盛り込んだ「貝塚駅周辺土地区画整理事業」が住民の声を無視して進められようとしている。市は、住民に対して「地域の意見を聞く」と言いながら、いまだに、公園利用者や周辺4校区住民の意見をまともに聴取もしておらず、市民無視は許されない。現在の計画を撤回し、貝塚公園をそのまま残すこと。

    (答)

    九州大学箱崎キャンパス跡地における、都市基盤の整備手法や主体につきましては、良好な市街地の形成を図るため、エリアの特性や整備スケジュールなどを踏まえて九州大学とともに検討を行い、議会をはじめ、地域の代表や学識経験者などからなる「箱崎キャンパス跡地利用協議会」においても検討状況を報告しながら進めております。

  • 跡地を4つに分断する都市計画道路「堅粕箱崎線」「原田箱崎線」は、計画を見直すこと。

    (答)

    都市計画道路「堅粕箱崎線」「原田箱崎線」につきましては、地域の代表や学識経験者などからなる「箱崎キャンパス跡地利用協議会」でご意見を伺いながら策定したグランドデザインにおいて、福岡市の骨格を担う道路ネットワークの機能補完・強化を図る、自動車の主要動線として位置付けており、適宜、地元住民にも説明しながら、整備を進めております。

  • 市長が九大箱崎跡地で推進しようとしている「FUKUOKA Smart EAST」(スマートイースト)は、AIやビッグデータ等の最先端技術を使って個人情報を勝手に利用する住民監視のまちづくりに他ならない。首相官邸主導の特例的な規制緩和で行うスーパーシティ構想につながるスマートイーストは、やめること。

    (答)

    「Fukuoka Smart East」は少子高齢化など、まちづくりの様々な課題を解決しながら、持続的に発展していくため、最先端の技術革新の導入などによる快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出し、未来に誇れるモデル都市を創造していくものであります。

    まずは、その先駆けとして、箱崎のまちづくりにおいて取り組み、それが全市に広がり、より多くの人々に届くよう進めてまいります。


(9)住宅

  • 新自由主義による自己責任の押し付けが住宅困窮者を増やし、長期化するコロナ禍、物価高騰のもと、多くの市民が予期せずに住まいを奪われ、あるいはその維持確保が困難になりかねない事態に直面している。住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台である。高齢化・低所得・単身・非正規雇用などが広がる中で、コロナ危機、物価高騰により自助でなく公的な支えがより一層強く求められている。「福岡市住生活基本計画」「福岡市住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画」は国に追随する「民間まかせ」「自己責任」「持ち家偏重」を基本とする住宅政策である。本市の借家戸数は6割を超えており、賃貸が多数である現実を踏まえ、市営住宅や家賃補助を抜本的に増やすなど「住まいは人権」との立場に立って、これらの計画の見直しをすること。

    (答)

    高齢者など住宅確保要配慮者への住宅の確保につきましては、住宅審議会での審議を踏まえ策定した「住生活基本計画」及び「住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画」に基づき、市営住宅を含む公的賃貸住宅及び民間賃貸住宅を合わせた賃貸住宅市場全体での対応を基本とし、引き続き、重層的な住宅セーフティネットの機能強化に向け取り組んでまいります。

  • 公営住宅への入居可能な収入階層世帯を目安に、民間賃貸住宅に高齢者・低額所得者や子育て世帯などの入居を拒まないセーフティネット住宅は約4000戸あるにも関わらず、家賃低廉化補助制度の対象となる住宅は10戸、補助利用は22年度が2戸とわずかである。募集戸数を抜本的に増やすとともに事業者や市民に制度の周知を広げ、若者単身者も対象にすること。また、入居者自身に家賃を支給するよう制度を改め、セーフティネット住宅に限定せずに枠を広げることを国に求めることと合わせて、こうした制度を市独自で行うこと。

    (答)

    低額所得者等の住宅確保要配慮者の居住の安定確保につきましては、「住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画」に基づき、セーフティネット住宅への改修費補助や要支援世帯に対する入居者負担低減などの経済的支援策を設けており、引き続き、制度活用に向けて、広報・周知に取り組んでまいります。

  • 市営住宅の応募状況は、一般枠で8.9倍、単身の高齢者・身体障害者は25.4倍など、いまだに深刻な状況は改善されていない。市民の居住権を守り、必要な市民が入居できるよう、「市営住宅ストック総合活用計画」を見直し、大幅な新規市営住宅建設計画を立てるとともに、髙島市長就任当初より400戸以上も減っている管理戸数を当面建替え時に計画的に増やすこと。またUR賃貸住宅の空き家や、民間賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど多様な供給方式の具体化を早急に行うこと。

    (答)

    市営住宅につきましては、管理戸数のうち約半数の住戸が、昭和40年半ばから50年代に整備され、順次、更新時期を迎えることから、現在、居住環境を維持保全し、将来にわたって安定的な運営を図っていくため、「市営住宅ストック総合活用計画」に基づく、計画的・効率的な建替えや改善事業に、鋭意取り組んでおります。

    また、令和4年10月よりUR賃貸住宅の空き家をセーフティネット住宅として登録し、入居者負担軽減のため経済的支援策を設けております。

    民間賃貸住宅の活用につきましては、引き続き、福岡市と住宅事業者や福祉団体などで構成する「居住支援協議会」において、住宅確保要配慮者が民間賃貸住宅に円滑に入居できる支援策を実施するとともに、継続的に協議・検討を行ってまいります。

  • 若者の多くは非正規雇用で低賃金のため、高い家賃に悩まされ、ダブルワークをする人も少なくない。熊本市では若年の単身者でも入居可能な市営住宅の募集が行われており、本市でも市営住宅の現行の入居基準を見直し、年齢の制限を設けず、国も認めている若者の単身世帯枠をつくること。

    (答)

    若者の単身世帯枠につきましては、市営住宅条例において、心身障がい者やDV被害者、犯罪被害者など、より住宅困窮度が高い方は、高齢者に限らず入居申込ができることとしております。

  • 住民による市営住宅の共益費徴収や、草取り、駐車場の管理、電灯交換などの設備管理、住民トラブルの解決等を管理組合に押し付けるのではなく、市および住宅供給公社が責任を持って行うこと。また、電灯は改修工事や故障時の交換を待たずに交換頻度が少ないLEDの利用を早急に進めること。

    (答)

    市営住宅における共益費の徴収などにつきましては、市営住宅条例及び同条例施行規則により、入居者には共用部分の光熱水費などの費用負担のほか、敷地内を適正な状態に維持していただく必要があることから、管理組合等による共同での履行をお願いしております。

    なお、管理組合活動を支援するため住宅供給公社に専任の係組織を設置しており、共益費回収などの支援に取り組んでおります。

    市が共益費を徴収することにつきましては、制度上の整理や良好なコミュニティ形成への配慮などの課題もありますので、地域の実情や現在行っている支援の効果などの状況を踏まえながら検討してまいります。

    LEDの利用につきましては、新築住宅において平成24年度から共用廊下灯を、平成27年度以降は、全ての照明器具をLED照明としております。また、既存住宅につきましても、引き続き、外壁改修工事や蛍光灯型照明器具が故障した際に、LED照明へ交換してまいります。

  • 市営住宅の建替えに伴う余剰地については、第一義的には市営住宅の増設を図ること。それ以外の場合でも、住生活基本計画に基づき民間売却ではなく住民要望を反映し、「高齢者福祉施設等の誘致」など公的に活用すること。また、弥永住宅の余剰地には住民要望にそって、高齢者福祉施設や児童館、図書館等を設置すること。

    (答)

    市営住宅につきましては、「市営住宅ストック総合活用計画」に基づき、建替えや改善事業による機能更新を進めております。

    大規模な市営住宅を建て替える際は、土地の有効活用により将来活用地を創出し、公共施設の導入や、福祉関連部局と連携し、地域課題を踏まえた福祉施設の誘導を行うなど、地域拠点の整備を進めてまいります。

    今後も、将来活用地につきましては、公共利用を最優先にしながら、地元の意向も踏まえ、その規模や地域特性に応じて事業提案公募を実施するなど、活用方法を検討してまいります。

  • 市営住宅の管理について、本市では民間企業を指定管理者に指定している住宅があるが、保守管理や緊急・小口の修繕において、実態を丁寧に調べず、対応の遅れが生じている問題がある。市住宅供給公社による管理へ戻すこと。

    (答)

    市営住宅の管理につきましては、幅広い管理業務のうち、民間事業者が一般的に実施している、保守管理、緊急・小口修繕及び駐車場管理運営業務について、民間事業者の能力やノウハウを活用し、入居者サービス向上などを図るため、一部の区において民間事業者による指定管理を実施しております。

    民間指定管理者のサービスにつきましては、令和3年度に、市が管理組合を対象に実施したアンケート調査の結果において高い評価を受けており、適切なサービスの提供がなされていると考えております。

    今後とも、市営住宅の機能や役割を踏まえつつ、福祉的な配慮への対応やコミュニティの活性化、効果的な管理運営などに向け、福岡市住宅供給公社、民間指定管理者、それぞれの力を引き出しながら、安定的なサービス提供に努めてまいります。

  • 市営住宅の入居者の訪問介護や訪問看護およびデイサービスの送迎等の際に利用できる無料の来訪者用駐車場を確保すること。また、こうした駐車場に近隣の工事車両などが長時間駐車して、市営住宅の住民への来訪者が利用できない事態も生じている。住民関係者が優先して使えるように必要な手立てを取ること。

    (答)

    市営住宅における来訪者用駐車場につきましては、入居者の親族などの来訪や介護サービスなどの訪問時の駐車スペースについてニーズが高くなっているため、市営住宅にコインパーキングの設置を行っております。

    また、コインパーキングの利用状況等を踏まえ、入居者などが利用しやすい運営に努めており、今後も駐車場の適切な管理運営に取り組んでまいります。

  • エレベーターのない市営住宅はバリアフリーの観点から重大な問題である。建替えなどで対応する現在の市の整備計画ではあまりにも遅く、市営住宅などについて「市は…高齢者、障がい者等が安全かつ円滑に利用できるようにするために…必要な措置を講じるよう努めなければならない」と定めた福祉のまちづくり条例にも反する。すべての市営住宅にエレベーターをすみやかに設置し、バリアフリーにすること。

    (答)

    エレベーターの設置につきましては、「市営住宅ストック総合活用計画」に基づき、特に老朽化が著しい中層住宅の建替えを推進するとともに、片廊下型の既存中層住棟への設置に努めております。


(10)中高層建築紛争

  • 市内の中高層マンション建築の直近5年間における苦情相談件数は年平均69件で、年平均の建築数(標識設置件数)の12%にも及ぶ。「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」は現在、住環境を守りたいという住民の願いを実現する力となっておらず、「住民が合意しないものは建てられない」という姿勢に改めないと今後も紛争は続く。住民合意・罰則規定の導入など条例をより実効性のある内容に抜本的に改定すること。また、解体についても近隣住民への事前説明と周知の義務付けなどの規制を盛り込むこと。

    (答)

    建築紛争の予防と調整に関する条例につきましては、建築基準法関係規定に定めのない標識の設置や事前説明の義務化などを法に上乗せして定めることにより、建築計画等について事前に周知し、建築主等と近隣住民が早めの話し合いを行うことで、建築紛争を未然に防止することを目的としております。

    建築紛争の解決は、建築主等と近隣住民双方の歩み寄りと協力により実現されるものであると考えております。

    また、建物がなくなる解体工事につきましては、解体業者において事前説明や家屋調査などを適宜行っていることから、事前説明等の義務付けまでの必要性は低いと考えております。

    今後とも、建築紛争の解決に向けた調整に努めてまいります。

  • 住民説明会が開かれても不誠実な説明・対応に終始して打ち切るケースや建築主等が一方的にまとめた、事実上虚偽の報告ともいえる「議事要旨」をつけて市に報告していた事例など、建築主側の悪質な言動が後を絶たない。前項の抜本的改正が実現されるまで当面、当事者となる「住民」の範囲拡大、住民から要求があった場合の説明会開催の義務化、原則として説明会出席者全員が署名した議事録の提出、市の指導の義務化などを盛り込んだ、紛争予防条例の改正を緊急に行うこと。

    (答)

    福岡市では、近隣住民等から説明会開催の要望があった場合は、建築主へこれに応じるよう指導を行い、概ね開催されている状況となっております。

    また、議事録につきましては、署名までは求めておりませんが、建築主及び近隣住民の双方で確認しておくことを促しております。

    建築紛争の解決は、建築主等と近隣住民双方の歩み寄りと協力により実現されるものであると考えており、今後とも、建築紛争の解決に向けた調整に努めてまいります。

  • 紛争予防条例の周知が形式的なものにとどまっており、建築主側は説明会などの現場で条例や解説書の中身を「知らない」「よくわからない」と公然と答えるケースも少なくない。建築主側への条例の周知のあり方を見直し、条例や解説書の精神が実際に生きるように徹底すること。

    (答)

    紛争予防条例やその解説については市ホームページに掲載し周知しております。

    今後とも、建築主等と近隣住民双方が条例の主旨等についての理解を深めるよう周知啓発に努めるとともに、建築紛争の解決に向けた調整に努めてまいります

  • 唐人町商店街におけるマンション建築問題では、建築主側が、資料配布をしたことで説明が終わったとして建築確認申請を提出し、住民が求める説明会を4か月も開催しなかった。ようやく説明会を開催しても、「工事着手のお知らせ」として説明が始まり、住民の不安と怒りをあおった。しかも、その1か月後に開催された仕切り直しの説明会では事前に住民から出された疑問に全く答えられず、意味のないものであった。このような建築主の姿勢は「周辺の居住環境に十分に配慮するとともに、市民の良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない」とする紛争予防条例に定められた建築主等の責務を放棄するものであり、建築する資格はない。建築を中止するよう建築主に指導すること。

    (答)

    当該建築計画については、条例に基づく事前説明が適切に行われたのち、建築基準法に基づく確認済証が既に交付されております。

    市では、建築主等に対し、住民の要望である説明会について、開催を要請するとともに、工事の施工方法については、近隣住民の安全を第一に考え、十分に話し合いを行うよう指導を行っているところです。

    建築紛争の解決は、建築主及び近隣住民が相互の立場を尊重し、双方の歩み寄りと協力によって実現されるものであります。

    今後とも、建築紛争の解決に向けた調整に努めてまいります。

  • 開発規制を強化するために用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の積極的な周知と適用に努めること。

    (答)

    良好な住環境の形成・保全へ向けては、全市的な土地利用誘導の枠組みである用途地域などを基本としつつ、地域の状況や特性に応じたきめ細かなまちづくりのルールを定める制度である地区計画や建築協定などを活用することが有効であると考えており、令和4年12月末現在、135地区において地区計画を策定し、また、80地区で建築協定を認可しております。

    今後も、これらの制度の周知を図り、地元の方々と共働してルールづくりに取り組みながら、制度の積極的な活用に努めてまいります。


(11)公共交通・生活交通

  • 市営地下鉄とJR筑肥線の乗継割引についてJR九州は割引を拒みポイント付与程度でお茶を濁している。「JR筑肥線と市営地下鉄の乗り継ぎ割引料金と割引区域の拡大を求める請願」が全会一致で採択されており、JRには公共交通事業者としての責任があること、莫大な内部留保もあること、公共交通事業者として、同じ市内の利用者に対し、割引額に差を付けることは許されないことなどを市としてJRに協議の場で明確に伝え、現在の20円から東部の西鉄との乗継同様すみやかに60円へ拡大するようJRに強く申し入れること。また、JRが割引を実施しない場合でも、物価高騰対策および公共交通利用促進による脱炭素施策としても、本市が先行して割引額を10円から30円に引き上げること。加えて連続割引区間について、2区から3区に拡大すること。

    (答)

    JR筑肥線から地下鉄への乗り入れの初乗り料金軽減につきましては、市議会において請願が採択されたことも踏まえ、令和4年度はJR九州と部長級の実務者協議を2回実施し、協議を継続しておりますが、単純な減収施策であることや、同社からは乗継ポイントなどの負担軽減策をすでに実施していることから、割引料金・区間のさらなる拡大については困難との回答をいただいております。交通局におきましても、依然としてコロナの収束時期やポストコロナ時代における輸送人員の回復見通しなどが不透明であることや、令和3年度決算の単年度損益はかろうじて黒字に転じたものの財政計画からは約88億円の減益と悪化しており、収入・支出両面の経営改善策を検討・実施している状況にありますが、今後の経営環境の変化を捉えつつ、請願採択の趣旨である東西の格差是正に向けて、引き続き、協議を続けてまいります。

  • 市営地下鉄やJR筑肥線の運行トラブルが起きた際に、折り返し運転は行われるようになったものの、特に姪浜以西はトラブルがあると姪浜駅に足止めされることが度々ある。JRは過去にタクシーによる輸送を行った実績もあり、姪浜以西などにおいて、市としてJRに代替輸送を速やかに行うよう市長自ら強く申し入れること。JRが実施しない現状では市の責任で市民の交通手段を確保すること。

    (答)

    JR筑肥線内の輸送障害に伴う代替輸送等の対応につきましては、JR九州において、判断のうえ実施されるべきものであると考えており、効果的かつ円滑に行われるよう、交通局としてJR九州と必要な協議を進めてまいります。

  • 早良南地域交流センター「ともてらす早良」への交通アクセスが悪く、とりわけ早良区南部からは不便である状態が解消されていない。一定のバス増便がされたが、全く不十分である。同区選出の超党派の議員が要求しているように、野芥方面からのアクセス向上、さらなる増便を交通事業者に求めるとともに、市がコミュニティバス・シャトルバスを運行することも含め、交通の利便性を図ること。

    (答)

    早良南地域交流センターへの交通アクセスにつきましては、これまで交通事業者へ働きかけをしてきており、令和3年11月の開館に合わせ、バスを増便していただいております。

    今後とも、市民が利用しやすい施設となるよう努めてまいります。(市民局)

  • 西区の姪浜北団地および小戸1丁目の生活交通について、昭和バスのバス停をマリナ通り沿い、ファミリーマートマリノアシティ店付近に増設するか、もしくは市が責任をもったコミュニティバスを運行するなどして公共交通不便地を解消する手だてをとること。

    (答)

    福岡市が主体となったバスの運行につきましては、コロナ禍に伴う交通状況の変化や持続可能でバランスの取れた公共交通ネットワークの確保など、踏まえる課題が多いと考えております。

    姪浜北住宅及び小戸1丁目のバス路線の利便性向上につきましては、地域の実情などを踏まえながら、交通事業者と協議してまいります。

  • 東区蒲田団地の「蒲田団地」バス停では、東区の箱崎駅前を通って博多駅まで行く都心部行きのバスは、平日が8時台に2本しかなく、帰りは15時台に1本、16時台に1本のみで、土日や祝日には1本のバスもない。抜本的な増便の手だてをとるよう事業者に市として強く要求すること。増便が実現しない状況のもとでは市が責任を持ったコミュニティバスや、蒲田団地から歩いて通学すれば40分はかかる多々良小学校や多々良中学の子どもたちのために市の責任でスクールバスを運行すること。

    (答)

    福岡市が主体となったバスの運行につきましては、コロナ禍に伴う交通状況の変化や持続可能でバランスの取れた公共交通ネットワークの確保など、踏まえる課題が多いと考えております。

    東区蒲田団地のバス路線の維持・充実につきましては、地域の実情などを踏まえながら、交通事業者と連携して取り組んでまいります。

  • 南区の長住・花畑・柏原方面からは、平日に走っている大橋・区役所方面行きの西鉄バスが土日・祝日にはない。区役所は選挙時の期日前投票所であり、また、南市民センターは土日祝日は特に利用が多い公共施設である。こうした場所へのアクセスが脆弱な現状は交通権・移動権が阻害されている状況に等しい。市として西鉄に土日祝日の便の運行を強く要求するとともに、市が責任を持ったコミュニティバスの運行を検討すること。

    (答)

    福岡市が主体となったバスの運行につきましては、コロナ禍に伴う交通状況の変化や持続可能でバランスの取れた公共交通ネットワークの確保など、踏まえる課題が多いと考えております。

    南区南西部のバス路線の維持・充実につきましては、地域の実情などを踏まえながら、交通事業者と連携して取り組んでまいります。

  • 西鉄は市内各地でバスの減便・路線廃止を強行し続けている。通院や買い物など住民の日常生活に大きな支障をきたしており、生活交通確保への最大限の配慮を定めた公共交通条例を無視している。西鉄の横暴を許さず、早急に増便を図るよう西鉄に強く要請すること。生活交通の確保を交通事業者の努力義務ではなく義務として明記することや、「自助」「共助」を住民に責任を押し付けるやり方を改めるなど、条例を改正すること。また、市が近年推進しているオンデマンド交通は現状では料金が高く、採算が見込めない地域には進出せず、採算が見込める地域でも不採算化すれば撤退する危険があるなど、公共交通事業としてあまりにも不十分であり、あり方を抜本的に見直すこと。公共交通不便地を解消するため、市が責任をもってコミュニティバスを運行すること。

    (答)

    公共交通による生活交通の確保に向けた取組みにつきましては、高齢化の進展などに伴い、重要性が高まっていると考えております。

    一方、郊外部における人口減少やバス乗務員の不足、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、バス路線の維持に課題が生じております。

    このため、地域、交通事業者及び市が共働して、公共交通ネットワーク維持に努めるとともに、持続可能な生活交通確保に向けた取組みの一つとして、令和4年度より、オンデマンド交通を活用した社会実験を実施しております。

    今後とも、現在の生活交通条例に基づく休廃止対策等を実施するとともに、社会実験での課題等を踏まえながら、地域の実情に応じた持続可能な生活交通確保の仕組みづくりに取り組んでまいります。

  • 毎年のように視覚障害者が駅ホームから転落する死亡事故が後を絶たない。西鉄福岡駅は2025年度末までに福岡(天神)駅にホームドアを設置する予定だが市内の他の西鉄大牟田線各駅およびJR博多駅をはじめ、市内のJRに9ホームドアを早急に設置するよう関係事業者に強く申し入れるとともに、国まかせではなく、市としても推進のための協議会を設置すること。また、ホームドアが設置されるまでの間、乗客の安全対策要員をホームに配置するとともにホーム中央に視覚障害者の道しるべとなる線状誘導ブロックを敷設するよう事業者に申し入れること。

    (答)

    鉄道駅におけるホームドアの設置につきましては、鉄道事業者による取り組みを踏まえながら、ホームドア以外の安全対策も含め、引き続き鉄道事業者と協議を行ってまいります。

    なお、JR筑肥線においては、JR九州によりホームドアの設置が進められ、令和3年3月13日より市内全駅で稼働しております。

  • JR九州は駅の完全・一部無人化を進めている。市内でも香椎線に加え筑肥線でも一部無人化が進んでいる。そのため車椅子利用者は介助員が来るまでに長い時間がかかったり、前日までの予約ができなければ移動に著しい制約を受けたりしている。同社に対して移動の自由を制限されて苦痛を受けたなどとして損害賠償を求めた訴訟が起きている。同社の進める完全・一部の無人化は本市の障害者差別解消条例が規定する合理的配慮に欠けるものであり、全駅を有人に戻すよう、JR九州に求めること。

    (答)

    駅無人化につきましては、令和4年7月に国土交通省が策定した「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」も踏まえながら、無人駅における安全性や利便性を確保するよう、働きかけてまいります。


(12)生活道路・交通安全

  • 「道路整備アクションプラン2024」の「生活関連経路のバリアフリー化された割合」は、年間整備延長が少なく、このままの水準では目標を達成できないため、抜本的に予算を増額すること。また、バリアフリー化の対象を重点整備地区に限らず、緊急性や必要性を踏まえて、全ての鉄道駅周辺とその周辺道路等のバリアフリー化を推進すること。あわせて、横断歩道等における歩車道境界部について、「福岡市移動等円滑化のために必要な道路の基準を定める条例」の段差標準2cm規定の運用を改善することで、国体道路の春吉橋のような段差がないものを積極的に導入し、車いすユーザーや視覚障害者の歩行の安全にも配慮した縁石を導入すること。

    (答)

    生活関連経路のバリアフリー化につきましては、令和3年6月に策定した「道路整備アクションプラン2024」に基づき、「ユニバーサル都市・福岡」の実現に向け、引き続き、計画的に取り組んでまいります。また、生活関連経路以外の道路のバリアフリー化につきましても、必要性や緊急性などを勘案しながら取り組んでまいります。

    横断歩道等における歩車道境界部につきましては、視覚障がい者や車いす使用者及び学識経験者のご意見を伺いながら、段差のない縁石の構造などの検討を進めており、令和4年度から、各区1か所程度で試験施工を実施しております。

  • 通学路および学童保育や園児等の移動経路など、子どもの通行路を総点検し、危険箇所の安全対策を緊急に講じること。また、保育園周辺の交通安全対策を強化し、県と協力して、信号機や横断歩道の設置をすること。さらに、「小学校周辺の歩車分離率」を引き上げること。

    (答)

    通学路や未就学児の移動経路をはじめとする道路の交通安全対策につきましては、関係機関と連携し、安全点検により抽出された箇所などにおいて、路側帯のカラー化や防護柵の設置、交差点部における車止めの設置などによる安全対策に取り組んでおります。

    「小学校周辺の歩車分離率」の引き上げにつきましては、令和3年6月に策定した「道路整備アクションプラン2024」に基づき、重点的に取り組んでまいります。

  • 消えかかった横断歩道が増え、それがもとで子どもや高齢者の事故も起きている。市内でも消えかかったものが増えており、県に対し横断歩道や停止線の路面標示の改善と交通安全施策関連予算の増額を求めること。また、ドライバーへの注意喚起並びに横断歩道手前での速度低下を促すことを目的とした安全対策として、横断歩道の視認性向上に向けたカラー化をすること。さらに市として、消えかかっている路側帯などの路面標示について、道路維持費を増額し、早急に塗り直すこと。

    (答)

    横断歩道や停止線の改善につきましては、地域からの要望などを踏まえ、県公安委員会へ適切な維持管理を求めてまいります。(市民局)

    横断歩道のカラー化につきましては、必要性や緊急性などを勘案しながら、取り組んでまいります。

    また、路面標示をはじめ、福岡市が管理する道路の維持管理につきましては、日常的なパトロールに加え、道路の「傷みカード」や「LINE通報システム」などによって、市民や企業などから寄せられる通報も踏まえ、不具合を早期に確認し、効果的・効率的な維持管理に取り組んでまいります。(道路下水道局)

  • いわゆる「危険なバス停」については、南区清水バス停(上り)が改善されていない。事業者任せにせず、市がイニシアチブを発揮して、実態調査を行い、早急に対策を講じること。

    (答)

    バス停留所の安全性確保に向けた対策につきましては、国、各バス事業者、県警察、各道路管理者などで構成される「福岡県バス停留所安全性確保合同検討会」において、バス停留所の交通安全上の実態把握及び安全性確保に向けた検討を行っており、今後とも各関係機関と連携し、改善に取り組んでまいります。

    なお、南区清水町(上り)バス停留所につきましては、バス事業者による停留所の移設が必要となりますが、福岡市といたしましても、引き続きバス事業者に対し、早期の停留所移設に向けた働きかけを行ってまいります。

  • 道路陥没は市内で年200件前後発生している。道路陥没を未然に防ぐために、日常パトロールや路面下空洞調査等の頻度を増やし、原因と劣化・優先度の分析をおこない、道路改修・維持対策を講じること。

    (答)

    道路の維持管理につきましては、日常的なパトロールに加え、市民や企業などへ通報の協力をお願いするとともに、路面下空洞調査を実施し、道路の損傷や空洞の早期発見と早期補修に取り組んでおります。

    また、これまで補修した空洞の発生要因を分析するとともに、下水道の整備時期などの地域特性も踏まえながら、空洞が発生しやすい箇所を抽出し、今後の調査路線を選定しております。今後とも、日常的なパトロールや空洞調査により、事故の予防保全に努めてまいります。

  • 市内の自転車関連事故のうち対歩行者事故の割合は10年前から3倍化しており、その約6割が歩道上で発生していることから、自転車と歩行者との衝突事故をいかに減少させるかが課題である。本市は「自転車活用推進計画」で、自転車通行空間の2024年度までの整備目標を160kmとしているが、現時点での整備では物理的な分離をしている自転車道は中央区大手門地区など25.6%しかなく、36.3%が歩道に自転車道を記した歩行者との混在形態であり、43%が車道に矢羽根型路面表示等を記しただけの自動車との混在形態となっている。これでは、自転車の事故を減らすことは期待できない。したがって、自転車通行帯は「1mまで縮小できる」という条例の整備規定を安易に適用せず、歩道、車道と分離された自転車通行空間を整備するために、関連予算を抜本的に増額し整備を急ぎ、自転車対歩行者事故を減らす対策を行うこと。

    (答)

    自転車通行空間につきましては、令和3年3月に策定した「自転車活用推進計画」及び令和元年9月に改正した条例(「道路の構造の技術的基準及び道路標識の寸法を定める条例」)に基づき、歩行者や自転車、自動車の安全を確保するため、積極的に整備してまいります。

  • 自転車安全利用指導員を大幅に増員し、都心部以外の自転車事故発生件数の多い幹線道路などにも配置して、安全対策を抜本的に強化すること。また、小中学生・高校生への学校における自転車安全利用の啓発活動を強めること。あわせて飲食宅配代行サービスの配達員による自転車走行中の事故や交通トラブルは各地で相次いでおり、指導や啓発とともに、引き続き事業者と共同した交通安全教室の実施などをおこなうこと。

    (答)

    自転車利用者に対する啓発活動につきましては、「自転車の安全利用に関する条例」に基づき、自転車安全利用指導員などによる指導・啓発や、関係機関・団体と共働した毎月8日の自転車安全利用の日の街頭キャンペーンなどを積極的に行うとともに、企業などへ出前講座の開催を働きかけてまいります。自転車を利用する宅配事業者に対しましては、自転車の安全利用に関する動画などの配信依頼を行うとともに、宅配事業者と連携した自転車教室を開催しております。また、天神・大名地区や博多駅周辺地区などの都心部における、自転車安全利用指導員による指導・啓発などに引き続き取り組んでまいります。(市民局)

    市立学校における自転車の安全利用に関する教育につきましては、全ての市立小中学校および高等学校において、自転車の正しい乗り方や交通ルールの遵守など、自転車の安全運転と事故防止に向けた指導を行っております。(教育委員会)


(13)水道・下水道

  • 新型コロナ危機の下、景気の低迷と生活の困難が長期に及んでいるところに急激な物価高騰が襲いかかっており、市民生活、中小企業の業況等は、なお厳しい状況にある中、水道料金は市民に重い負担となってのしかかっている。本市は、水道料金の減免を求める市民の声に対し、企業債残高の増大を招くなどと言い訳をしてきているが、2021年度は企業債残高を計画以上に約15億円も縮減しており、問題は市民生活を守る立場に立つかどうかである。現に多額の負債を抱えていながら、減免に踏み出した自治体は、福岡都市圏では5市町、政令指定都市では6市ある。本市でも、特別の減免措置を講じること。

    (答)

    水道は、市民生活を支え、生活の質の向上と都市の成長を支える重要なライフラインであり、将来にわたる安全で良質な水道水の安定供給が求められております。

    また、水道事業は、受益者負担の原則に則った独立採算制を基本に、水道料金収入を主たる財源として経営するものであることから、財政の健全化を図りつつ、配水管の更新をはじめ、浄水場の再編などに計画的に取り組んでいく必要があります。

    このような中で、長引く新型コロナウイルス感染症の影響により水道料金収入の回復が遅れており、また、建設改良費がピークを迎えるとともに、近年の人件費の上昇や、ウクライナ情勢等の影響を受けた資源価格や資材価格の高騰などにより、これまで以上に大変厳しい経営環境に置かれていることを踏まえますと、水道料金の減免は、企業債残高の増大や施設の整備・更新の遅れを招き、将来に大きな負担を残すことになると考えております。

    なお、今後とも、個々の相談者の状況に応じた水道料金の支払期限の延長など、お客さまに寄り添った、きめ細かな対応を行ってまいります。

  • 本市は、水道料金と下水道料金に減免制度がそもそもない。他都市に倣ってつくること。また、生活保護利用世帯への下水道使用料の減免制度を復活させること。

    (答)

    水道事業につきましては、受益者負担の原則に則った独立採算制を基本に、水道料金収入を主たる財源として経営するものであることから、水道料金の減免を行った場合、事業運営に影響を及ぼすとともに、最終的にはその費用を他のお客さまにご負担いただくこととなるため、減免制度は設けておりません。(水道局)

    下水道事業会計での負担による減免は、歳入面では使用料収入の大幅な伸びが期待できない中、歳出面では下水道施設の改築・更新費用などの増大が今後見込まれ、将来に大きな負担を残すことが危惧されることから、慎重に判断すべきであると考えております。

    生活保護受給世帯に対する下水道使用料の減免制度につきましては、負担の適正化を図る観点から、平成28年6月に廃止したものであり、同制度の復活は考えておりません。(道路下水道局)

  • 水道事業は、安全・安心・安定的な水供給によって、憲法の生存権を保障するものであり、地方公共団体主体で健全な運営がなされるよう現行のまま直営を堅持し、民営化や広域化は行わないこと。

    (答)

    水道事業につきましては、「水道長期ビジョン2028」に基づき、福岡市が責任を持って主体的に運営し、計画的に事業を推進するとともに、他水道事業体との連携も図りながら、安全で良質な水道水の安定供給に取り組んでまいります。

  • 水道配水管の耐震化率は2021年度末で60.6%であり、残されている配水管の耐震改修について、現行の年間45kmの更新ペースでは完了まであと35年間もかかるため、さらに早めるよう計画を見直すこと。また、災害時などに水を供給しなければならない重要給水施設として414か所を指定し耐震ネットワーク工事を進めているが、いまだ救急告示病院である今津日赤病院など13か所が未整備であり、工事を急ぐこと。さらに、この耐震ネットワークの対象となっていない避難所も多くあり、対象施設を抜本的に増やすこと。あわせて、本市の下水道管も67%が未耐震であり、早急に改善すること。

    (答)

    配水管につきましては、新設や更新の際に全て耐震管を使用し、長期的な財政収支の見通しを踏まえた上で、実質的な耐用年数内に更新できるよう、平成29年度から更新延長を年間45キロメートルにペースアップし整備を行っております。

    特に、耐震ネットワーク工事につきましては、「地域防災計画」で指定された避難所や救急告示病院に加え、多くの帰宅困難者が発生すると予想される西鉄天神駅など、重要給水施設414か所の給水ルートの耐震化を、令和6年度末までに全て完了できるよう進めてまいります。(水道局)

    下水道管の耐震化につきましては、下水道の根幹となる施設である水処理センター・ポンプ場に直結する幹線管渠や緊急輸送路下における重要な幹線管渠などに加え、老朽化の進行や腐食環境下にあり、破損のおそれの高い管渠などについて、令和5年度は、約42キロメートルの整備を進めてまいります。(道路下水道局)

  • 本市の1日最大給水量45万4833㎥に対し施設能力は78万987㎥あり、すでに過剰である。一方、1日の生産水量5万㎥の福岡地区水道企業団の海水淡水化施設は、年間約25億円の維持管理費等の経費をかけながら、実際の生産水量は、2013年以降、1日平均生産水量が施設能力の半分の2.5万㎥を超えた年がなく、日量1万㎥の五ケ山ダムからの用水供給開始で稼働する必要はない。それにもかかわらず、地区水道企業団の計画では、2022年から2027年にさらに155億円をかけて設備更新をしようとしており、これはムダづかいにほかならない。したがって、海淡施設は廃止するよう企業団に強く求めること。

    (答)

    海水淡水化施設につきましては、県策定の「福岡地域広域的水道整備計画」に位置づけられており、渇水時などにおける水の安定供給に寄与するものであることから、水資源に恵まれない福岡都市圏にとりまして必要な施設であると認識しております。

    なお、設備更新につきましては、福岡地区水道企業団において、更なるコスト削減に取り組まれていると聞いております。

  • 猛毒のダイオキシンを生成する2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(除草剤)が、1971年に林野庁によって五ケ山ダムの上流域の佐賀県吉野ヶ里町に945㎏が埋められたままになっている問題で、国は、埋設された除草剤の撤去へ方針転換した。国に対し、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸の安全かつ速やかな撤去を強く要望すること。

    (答)

    2,4,5-T系除草剤の移設等につきましては、平成4年から関係利水者である那珂川市、福岡地区水道企業団、春日那珂川水道企業団と連携して、国に要望してまいりました。

    このような中、国が令和3年より撤去を念頭に置いた調査を進め、令和4年に掘削処理に向けた試料採取などに着手することから、水源汚染に対する不安を払拭するため、ダム管理者である福岡県に対して、国への積極的な働きかけについて要望するとともに(令和4年11月に県が国へ掘削処理に関する要望書を提出)、国に対して調査を含む掘削処理の安全かつ速やかな実施などを要望しております。

    今後とも、関係利水者や県と連携して、国へ強く要望してまいります。


(14)防災

  • 本市「地域防災計画」の基本理念には「市民、企業、NPOとの共創」などとして「自助、共助」をことさら強調し公的責任を明記していない。市民に防災の対策義務を押しつけるのではなく、市の責任で、地域防災力の向上に取り組むよう改めること。

    (答)

    「地域防災計画」において、災害時の被害を最小化し、被害の迅速な回復を図る「減災」の考え方を基本として、これを実現するため、自助、共助、公助が一体となった災害に強い共創のまちづくりを推進していくこととしております。

  • 「福岡市地域強靭化計画」には、被災後の都市のイメージの回復、福岡市のブランド力の確保・向上策として、平時から都市のブランド力向上を行うことやMICE誘致、開催支援策を推進していくなど、災害対策とは関係のない事業も入っており、見直すこと。

    (答)

    地域強靭化計画につきましては、国のガイドラインにおいて、災害による風評被害や信用不安による、経済等への甚大な影響を回避するよう示されており、「福岡市地域強靭化計画」においても、災害による風評被害や信用不安による経済等への甚大な影響を回避すべく、平時から都市のブランド力向上を行うほか、MICE誘致、開催支援などを推進していくこととしております。

  • 避難
    • 2022年9月の台風14号の接近に、14万792世帯、29万5237人に土砂災害や河川氾濫、高潮のおそれがあるとして避難指示を出した。しかしながら、実際に避難した住民は1206人であり、避難すべき住民の0.4%程度しか避難していない。市民に避難に関する情報が速やかに伝わり、実際の避難行動に結びつくよう調査・研究すること。

      (答)

      災害時の避難行動につきましては、多様な伝達手段により、高齢者等避難や避難指示などの緊急情報を発信し、これらの情報やマイ・タイムラインを活用し、速やかな避難行動につなげていただくように努めてまいります。

    • 市の指定避難所数は一次避難所と収容避難所を合わせても435か所しかなく、コロナ禍を踏まえ、1人当たりの面積を4㎡確保すれば、最大で避難者は10万1000人しか収容できない状況であり、大規模災害が発生すれば避難してきた市民を収容することができない事態となることは明らかである。抜本的に避難所の増設をはかるとともに、不足分を公共施設や地域の集会所などで補足する計画を立てること。

      (答)

      災害時の避難につきましては、避難所のほか、親戚・知人宅やホテルなどの安全が確保できる場所に、各自の状況に応じて避難していただくよう事前に周知を行っており、避難所についても、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、一時避難所に加え、収容避難所も同時に開設するなど、より多くの避難所を確保することとしております。また、地元の民間施設と、災害時における利用に関する協定を締結するなど、地域の実情に応じ、指定避難所以外の避難所の確保にも取り組んでおります。

    • 九州で最も地震発生確率が高い警固断層が活動しても、避難者数を2万5000人としか想定しておらず、都心部の人口・勤労者・来街者は増加しており、考えられる最大規模の災害にともなう数に見直すこと。

      (答)

      地震などの災害対策につきましては、国・県の動向を踏まえ検討するとともに、必要に応じて「地域防災計画」の見直しを行い、災害に強い都市づくりを進めてまいります。

    • 避難所における人権やプライバシーを守るために必要な間仕切りは1校区あたり10セット、避難所用テントは20台しか備蓄していない。また、避難者の健康維持のための段ボールベッドの備蓄はしておらず、民間まかせとなっている。国からの支援や民間企業との協定だけでは、いつ必要な物資が届くのかわからず、避難直後から避難者のプライバシーや健康を守るために、市として必要数を備蓄すること。また、食料や水の備蓄は3日分しかなく、公的備蓄は抜本的に増やすこと。

      (答)

      避難所で使用する間仕切りや簡易ベッドにつきましては、公的備蓄の拡充に取り組んでいるところであり、これらに加え、企業などとの災害時応援協定や国からの物資支援も活用しながら、避難所の状況に応じ、適切に対応してまいります。

    • 避難所における性的少数者(LGBT)に対する対応が進んでいない。災害時に性的少数者が直面する課題に対応するため、更衣室や入浴施設は、ひとりずつ使える時間帯を設定や下着、生理用品、ヒゲソリなど、男女別の物資は、個別に届けられるような仕組みを作るなどの対応策を検討すること。

      (答)

      性的マイノリティの方への配慮につきましては、「避難所運営の手引き」において、様々な人に配慮した避難所運営を行うこととしており、適切な運営に努めてまいります。

    • パソコンやスマートフォン等を活用することができない高齢者などには、災害時に自分のいる地域でどういう被害が起きるのか、精確に知ることができない。ハザードマップや揺れやすさマップについて、全区1本のものが配布されているが、具体的な危険箇所は、きわめてわかりにくい。避難経路や避難場所はどこかなどが誰にでも理解できるようにすることが求められている。地域まかせではなく、市の責任で校区ごとのマップを作成し、全世帯に配布すること。また、浸水については、二級河川地域のマップしかなく、準用河川である地域も法律で周知する対象であり、ハザードマップに明記すること。

      (答)

      ハザードマップにつきましては、災害種別毎に災害想定区域や市が指定する避難場所などを記載したハザードマップを印刷し、市民へ配布するとともに、市のホームページに掲載いたしております。

      また、市民が必要な時に必要な情報をパソコン・スマートフォンなどにより確認でき、複数の災害リスクを重ね合わせて表示することや任意の場所を拡大・印刷できる総合ハザードマップを配信しており、これらの活用について、出前講座などを通して市民への周知・啓発を図っております。(市民局)

      警固断層帯南東部で地震が発生した場合に、お住まいの地域がどのくらい揺れるかを強さ別に色分けした揺れやすさマップの各区版を配布するとともに、出前講座や耐震セミナーを開催し、建物の耐震化の重要性について周知啓発に努めております。(住宅都市局)

      準用河川における洪水浸水想定区域図につきましては、現在、県が進めている二級河川の洪水浸水想定区域図の作成状況を踏まえ、検討してまいります。(道路下水道局)

    • 避難所によっては、情報が入手できないところもあり、テレビやラジオを設置し、改善すること。また、快適に過ごすことができるよう畳などを設置すること。収容避難所には、冷暖房を付けるとともに、トイレは主として洋式に改修すること。また、避難直後から使用できるように、いすやベッドなどの備品をそろえるとともに、衣類やあたたかい食料・弁当が避難者にいきわたるようにすること。

      (答)

      避難所の環境整備につきましては、公的備蓄の充実に努めるとともに、エアコンについても、必要に応じて民間事業者との災害協定に基づき、移動式エアコンなどを設置することとしております。

      今後とも、国のガイドラインなどに基づき、誰もが安心して避難生活を送ることができるよう、生活環境の整備に努めてまいります。

    • 福祉避難所については障害者や高齢者などの避難所としての機能を発揮できるよう万全を期すことが求められている。現在147か所を指定しているが、施設が被災し使用できない場合も想定し、指定箇所を抜本的に増やすこと。また、障害者や高齢者などの要配慮者が避難所をたらいまわしにされないように、直接、福祉避難所への避難も検討すること。停電に備え、高齢者施設などに非常用自家発電設備の設置をすすめるために市独自の補助制度をつくること。また、発電機等に必要な燃料の確保を市の責任で進めること。「避難行動要支援者名簿」に登録されている人のうち、避難計画が立てられているのは6.6%に過ぎないのは大問題である。名簿登録から漏れている方も含めて、避難誘導、具体的な移動の手段の手配などについて、通常時からきめ細かい個別計画を市の責任で策定するなどして対策を強化すること。被災時に施設運営で一番の課題となる職員不足については、協定を結んでいる他都市などとの協議を進め、福祉避難所に対する受け入れ体制を事前に確立すること。

      (答)

      福祉避難所につきましては、その開設が見込まれる施設に対して、引き続き、協定の締結を働きかけ、福祉避難所数の拡大に取り組むとともに、直接避難については、国のガイドラインを踏まえ、検討を行ってまいります。

      高齢者施設などにおける非常用自家発電設備につきましては、国の交付金などを活用し、引き続き、整備促進を図るとともに、国に対し、補助制度の拡充を要望してまいります。また、非常用自家発電設備のない障がい者福祉避難所に対しては、引き続き、非常用電源装置の配備を進めてまいります。

      福祉避難所で必要となる職員及び発電機に必要な燃料などにつきましては、基本的に施設において確保することとなっており、必要に応じて、施設の電力確保を支援してまいります。(福祉局)

      避難行動要支援者の個別避難計画につきましては、福祉事業者などと連携した計画作成に取り組むほか、地域における作成支援を目的としたワークショップを実施するなど、作成の推進に努めております。(市民局)

    • 災害時の被災者とペットが一緒に避難行動をとる「同行避難」について、現場で混乱が起きないように、環境省が策定している「人とペットの災害対策ガイドライン」を、市民や避難所を運営する人、市の職員に周知徹底すること。

      (答)

      ペットとの同行避難につきましては、「避難所運営の手引き」などに基づき、誰もが安心して避難生活を送ることができるよう、避難所を運営する市職員や地域の方に、その取扱いの周知を行っております。(市民局)

      また、市民やペットの飼い主等に対し、各種イベントや動物愛護管理センターホームページなどにより、ペットとの同行避難についての周知啓発を行っております。(保健医療局)

    • 津波ハザードマップについて、避難の方向の記載はあるものの、区域内で避難できる高いビルなどが記載されていない。必要な津波避難ビルを確保し、ハザードマップに記載すること。また、避難ビルの認証シールやオートロック対策など実効性ある対策を早急にとること。

      (答)

      津波避難対策につきましては、県が公表した「津波浸水想定」を踏まえ、津波ハザードマップを作成し、対象校区に配布するとともに、市のホームページに掲載しております。

      また、市民が必要な時に必要な情報をパソコン・スマートフォンにより確認でき、複数の災害リスクを重ね合わせて表示することや任意の場所を拡大・印刷できる総合ハザードマップを配信しており、これらの活用について、出前講座などを通して市民への周知・啓発を図っております。

    • 年々集中豪雨の発生などによる危険が高まっているもとで、県が指定する市内の土石流災害にかかる特別警戒区域を含む警戒区域380件のうちハード事業が実施されているのは、わずか5件、1.3%、急傾斜地崩壊における特別警戒区域を含む警戒区域1397件 のうち、わずか4件、0.2%となっている。県に対して、ハード事業の大幅な前倒しを実施するよう求めるとともに、市としても安全確保の対策をおこなうこと。

      (答)

      土砂災害特別警戒区域などにおけるハード対策につきましては、関係法令に基づき、県が区域を指定し、対策事業を行うこととなっております。

      福岡市としましても、地域からの要望を踏まえて、県に対して、早期整備の要望を行ってまいります。

  • 木造戸建住宅の耐震化の助成制度については、対象外とされている1981年以後の住宅も対象とすること。市内の共同住宅の耐震診断と耐震改修助成の制度については、適用もほとんどされておらず、助成要件も緩和して抜本的に金額を引き上げ、制度の周知・広報も強めること。また、人命確保のための耐震ドア、窓や屋根の補強だけでも助成を活用できるようにすること。

    (答)

    民間住宅の耐震化につきましては、「福岡市耐震改修促進計画」に基づき、共同住宅の耐震診断費助成及び木造戸建住宅や共同住宅の耐震改修工事費助成を実施しております。

    昭和56年以降の木造戸建住宅につきましては、平成29年5月に「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」が国から示されており、引き続き、所有者、リフォーム業者、設計者等に幅広く周知してまいります。

    共同住宅の耐震化につきましては、一部制度要件の緩和を図っており、管理組合の合意形成や入居者への対応が困難な中、毎年度数件の申請があっております。今後も揺れやすさマップの配布、管理組合などを対象とした出前講座の開催などにより、耐震化の重要性についての周知啓発に努めていきます。

    人命確保のための家屋以外の補強・支援につきましても、耐震シェルター・防災ベッドの設置も補助対象とするなどの耐震改修助成制度の拡充を図っておりますが、建築物を耐震化することが建物の倒壊を防ぎ、人命を守るために最も重要であると考えており、引き続き、現行の耐震改修助成制度の普及・活用と併せて、民間住宅の耐震化の促進に取り組んでまいります。

  • 自然災害で住宅が壊れた人に支援金を支給する被災者生活再建支援法について、最大でも300万円と少ない上に、「一部損壊」は対象外にされている。緊急に500万円に引き上げるとともに、被災の実情に応じた支援ができるように、額も対象も拡充することを国に求めること。また、本市の災害見舞金は、住家の全壊でも最高で6万円となっており、抜本的に引き上げること。

    (答)

    被災者生活再建支援金につきましては、これまでも指定都市市長会などにおいて、国に対し、対象範囲の拡充など制度の見直しを要望しており、引き続き国の動向を注視してまいります。

    福岡市災害見舞金につきましては、被害の程度などに応じて定めた市の基準に基づき、引き続き支給してまいります。

  • 県が管理する市内の二級河川13水系のうち、整備計画がある河川はわずか6水系しかなく、すべての2級河川の整備計画の策定を求めること。2009年の水害で市内の二級河川は、8河川、21か所において溢水が生じた。河床掘削、老朽化した護岸のかさ上げ・改修などの氾濫防止対策を急ぐよう県に要請すること。また、1999年6月の豪雨で周辺地域に大きな被害をもたらした七隈川の未整備部分の整備を早急に行うこと。必要な河川には農業用ため池を治水池へ転用し雨水流出抑制を強化し、市有地や公園などの公的施設を活用して地下貯水施設等を設置すること。さらに、急激な浸水を避けるため、越水してもすぐに破壊しない耐越水堤防を整備し、避難する時間が確保できる対策を強めること。あわせて、バックウォーターや内水氾濫対策、浸水が予測される箇所のかさ上げ、バイパス雨水管などの整備、河床掘削や護岸整備を行うこと。

    (答)

    二級河川につきましては、河川管理者である県に対し、河川整備基本方針等の策定とあわせて適切な維持管理及び河川改修の促進について要望してまいります。

    福岡市が管理する河川の治水対策につきましては、治水の根幹である河川の河道拡幅や地下河川などにより流下能力の向上を図ってまいります。

    なお、七隈川の整備につきましては、市全体における河川整備の進捗などを踏まえ、検討を進めてまいります。

    さらに、用途廃止された農業用ため池の治水池整備による雨水流出抑制に取り組むなど、引き続き治水対策を総合的に進めてまいります。

  • 人的被害を与える可能性のある防災重点ため池は市内で250か所あり、2021年度から防災工事のための調査が開始された。2020年度、82か所の市街化区域にある、ため池について調査を行った結果、7割について対応能力が不足していることが明らかとなった。災害を伴う大雨は毎年のように発生しており、調査や防災工事を早急に完了させるための財政措置を国に求めるとともに、市独自でも調査、工事をすすめること。また、防災重点以外のため池についても、耐震性や豪雨による洪水の危険性などの調査点検を行い、ハザードマップの策定や暫定的な避難方法の住民周知をすること。

    (答)

    防災重点農業用ため池につきましては、引き続き、安全向上のため、排水施設の改良工事などを行うとともに、防災重点農業用ため池に係る防災工事などの推進に関する特別措置法に基づき、国庫補助を活用しながら、ハザードマップ作成などの対策を推進してまいります。

    また、防災重点農業用ため池を含む農業用ため池につきましては、水利組合による日常点検や、業務委託による点検、職員による点検を実施しているほか、農閑期や、大雨・台風接近に関する警報などが予測された際は、事前に水位を下げる措置を講ずるなど、引き続き、水利組合と連携しながら、適切な管理に努めてまいります

  • 福岡市は玄海原発から約35~60km圏内に位置しており、「福岡市地域防災計画」(原子力災害対策編)では実効性のある避難計画の策定が求められるが、屋内避難を基本としているため地震などの複合的な原子力災害に対応できていない。全市民の放射能被害を想定し、福岡市から他の都市への避難を含めた計画を立てること。

    (答)

    「地域防災計画(原子力災害対策編)」や「原子力災害避難計画」に基づき、対処体制の整備や実施要領の作成など対策の具体化を進めるとともに、国の「原子力災害対策指針」の改正の動向を踏まえながら、「地域防災計画」及び「避難計画」の見直しを行うなど、原子力災害対策の充実、強化に取り組んでまいります。


(15)消防

  • コロナ感染の拡大における救急活動は、救急隊員が防護服を脱げないまま休息を取ったり、搬送先が見つからず時間がかかったりするなど、さらなる負担を強いており、現場は疲弊しているのが実態である。本市の救急要員は、国の指針に照らして90.7%と依然として充足率が低い。抜本的に予算を増額して、救急隊員を増やすこと。

    (答)

    救急要員につきましては、これまで、本市の救急需要に対応するため、救急要員の増員や救急車の増車など、救急体制の強化を図るとともに、増加するコロナ感染症事案にも適切に対応するなど、救急隊の効率的かつ効果的な運用に取り組んでまいりました。

    今後も引き続き、救急需要の動向に注視し、必要な予算を確保するなど、適切な救急体制の確保に努めてまいります。

  • 2021年度の一般会計の歳出に占める消防費の予算の構成比は1.2%しかなく、4年連続で政令市最低となっている。また、本市の消防本部職員1人当たりの管轄人口は1458人であり、京都市や大阪市のほぼ2倍という状況は異常である。これらのことにより、本市の消防の体制は、国の指針に照らして、ポンプ車2台が足りず、人員は71人も不足しており、特に査察を行う予防要員は86.9%と充足率があまりにも低すぎる。抜本的に予算を増額し、早急に「消防力の整備指針」に基づき、消防機材も人員も100%充足すること。

    (答)

    国が定める消防力の整備指針につきましては、包括的な整備水準を示しているもので、各自治体においては、地域の実情などを総合的に勘案し、消防体制を整備しております。

    福岡市では、これまで消防署所の適正配置等、実態に即した消防体制の強化を図ってまいりました。

    令和5年度につきましても、引き続き、必要な予算を確保し、車両、資機材及び人員の確保に努めてまいります。

  • 2021年度の消防局におけるハラスメント事例はゼロだとしているが、この問題は表に出にくく泣き寝入りしている例がありうるとして、対応するべきである。日頃からの署内での人権侵害、パワハラ等の根絶に向けた取り組みをさらに強めること。また消防職場での暴力・パワハラ・セクハラに対応するために、弁護士など第三者が参加する機関を設置すること。

    (答)

    消防職員のハラスメント対策につきましては、国が定める法令などを踏まえ適切な措置を講じるとともに、ハラスメント撲滅の方針や相談窓口などの体制の周知・啓発に取り組んでおり、今後とも風通しの良い職場環境づくりに努めてまいります。

  • 消防組織に女性消防吏員を増加させることは、子どもや高齢者、災害時の要支援者など、様々な状況にある多様な住民への対応力が向上するとともに、多様な視点でものごとを捉える組織風土、育児・介護などそれぞれ異なる事情を持っていることを組織や同僚が理解し支援する組織風土が醸成されることにより、組織の活性化、組織力の強化、士気の向上が図られるとして、消防庁は2026年までに全国で女性消防吏員比率を5%に引き上げる目標をしめしている。しかし本市の女性消防吏員の割合は3.3%に過ぎず、現状のままでは達成を見込めない。したがって、女性が安心して働ける職場環境づくりに努め、女性の活躍の場が広がることによる新たな課題や問題点にも柔軟に対応するなどして、女性消防吏員を目標に照らして計画的に増やすこと。

    (答)

    本市の女性消防吏員につきましては、平成11年の採用開始以降、救急業務、警防業務など様々な分野で活躍しているところであり、今後も国の目標を踏まえ女性消防吏員の採用に努めてまいります。

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4、気候危機打開へ、地域と地球の環境守る先頭に

(1)気候危機打開・エネルギー

地球温暖化の影響で、毎年のように世界で、また日本でも、命がおびやかされる酷暑、豪雨や巨大台風による甚大な災害が起こる非常事態となっている。気候危機への抜本的対策はもはや一刻の猶予もないほど深刻さを増している。

  • 政府は2050年までに温室効果ガス排出ゼロを宣言したが、2030年度の削減目標は「2013年度比で46%削減」で、これは2010年比にすると42%減であり、国連が示した「2030年までに2010年比45%減」という全世界平均よりも低い。2050年実質ゼロを目指すには2030年までにCO²を50~60%削減することが必要であり、この立場で本市として計画の見直しを国に求めること。また、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力依存をやめ、国連が提起しているとおり2030年にゼロとするよう国に求めること。さらに、エネルギー自給率の向上を国に求めること。

    (答)

    国の目標につきましては、パリ協定に基づく国際的な枠組みの下で、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年度の削減目標を46%削減、さらに50%の高みを目指すと決定し、国連へ提出されているものと認識しております。

    また、電源構成やエネルギー自給率につきましては、国がエネルギー政策の枠組みの中で、検討・決定されるものと認識しております。

  • 本市は、2022年に「第5次福岡市地球温暖化対策実行計画」を策定し、政府よりも10年早い2040年度温室効果ガス実質ゼロを掲げ、あわせて市民の運動に押される中で「気候非常事態宣言」も行った。しかし実行計画は、エネルギー消費量の削減目標を持たない計画となっており、再生可能エネルギーの2030年度の導入目標も40万㎾のまま18年前の計画と1ミリも変わらない。このままでは2040ゼロは画餅に終わる恐れが強く、実行計画の抜本的な見直しが求められる。実行計画の「2030年50%削減」という目標を大幅に引き上げること。エネルギー消費量の削減目標について全体目標と分野ごとの目標を明確に持つこと。また、再エネ導入の新たな野心的な2030年度目標を持つこと。さらに市民の意欲、知恵、協力が反映できるようにするため、中高校生や大学生など若者をはじめ、広く市民や企業・団体が参加する推進協議会議などをつくり、計画の見直しと推進を図ること。

    (答)

    令和4年8月改定の「地球温暖化対策実行計画」につきましては、2030年度における市域の温室効果ガス排出削減目標を、国の計画における削減目標が46%であるなか、福岡市の今後の人口増、世帯増なども見込んだうえで、2013年度比で50%削減という高い目標を掲げたものであり、設定した目標を確実に達成できるよう取組みを進めてまいります。

    エネルギー消費量につきましては、省エネに関する成果指標として、施策の効果をより的確に把握できることから、人口増加等の影響を受けない原単位当たりのエネルギー消費量を成果指標に設定しており、総量については、同実行計画の進捗管理のなかで引き続き把握してまいります。

    再エネに関する2030年度の成果指標につきましては、再生可能エネルギーによる設備導入量40万kWに加え、再生可能エネルギーの利用率を45%とする成果指標を設けており、再生可能エネルギー等の導入推進と再エネ由来電力等の利用拡大という両面の取組みによって、再生可能エネルギーの普及拡大を図ってまいります。

    今後の脱炭素の取組みにつきましては、市民・事業者・学識経験者等で構成する地球温暖化対策実行計画協議会や地球温暖化対策市民協議会をはじめ、出前講座や大学生を対象としたワークショップなど様々な機会を通して、市民、事業者に共感を広げ、連携・協力しながら取組みを進めてまいります。

  • 「第5次福岡市地球温暖化対策実行計画」を、「福岡市基本計画」と並ぶ本市の上位計画と位置付け、全局横断型の体制で推進を図ること。

    (答)

    「地球温暖化対策実行計画」につきましては、「基本計画」を環境面から総合的・計画的に推進するための基本指針である「環境基本計画」の部門別計画に位置づけられるものであり、関連する行政計画と連携を図るとともに、副市長をトップとし、局長、区長などで構成する「温暖化対策推進会議」が中心となって、同実行計画に基づく取組みを着実に推進してまいります。

  • 本市の建築物等への太陽光発電は、環境省によれば各種再生可能エネルギー発電可能性量の中で最も多く年間4億7000万kWhとされている。市内建築物等への太陽光発電の積極的な導入を促進すること。

    (答)

    住宅用太陽光発電につきましては、発電した電力をためる蓄電池や、電気自動車と住宅が相互に充給電可能なV2Hシステムの導入助成により、電力の自家消費の促進に引き続き取り組んでまいります。

  • 福岡市には風力発電の利用可能なエネルギー量が約90万世帯分の年間約4600GWhもある。風力発電に対する位置づけを抜本的に据え直し、他都市の実践に倣い、自然環境に配慮する仕組みを盛り込んだ上で、風速7m/秒以上の海上などで積極的に取り組むこと。

    (答)

    風力発電につきましては、小型風力発電の実証実験において、高効率な風レンズ風車であっても、福岡市の風況では十分な発電量が得られなかったことから、現段階においては、太陽光発電のように広く導入を進めていくことは困難と考えております。

    今後とも、技術革新の進展や民間事業者の動向などを注視してまいります。

  • 九州電力の再生可能エネルギーの出力抑制は2018年10月以来常態化しており、2021年度は82日にのぼった。このことにより“原発優先給電”の仕組みが再生可能エネルギー普及の最大の障害となっていることを示している。本市の西区大原と東区蒲田等の6か所のメガソーラー発電も大きな影響を受けており、再生可能エネルギー施策とも大きく矛盾する。したがって市はこれを電力の安定供給による仕方がないものとせず、九電と国に対して原発優先の「給電ルール」を見直し再生可能エネルギーを優先するよう強く要求すること。

    (答)

    優先給電ルールにつきましては、再生可能エネルギーの最大限導入と電力の安定供給を両立させていくために、各エネルギーの特性を踏まえ、国において定められているものと考えております。

    九州電力送配電(株)においては、再生可能エネルギーの出力制御量の低減に向けて、令和4年12月からオンライン代理制御が開始されているほか、国においても、出力制御量の低減に向けた検討が進められているところであり、その状況を注視してまいります。

    引き続き、再生可能エネルギーの有効利用のため、連系線を活用した他地域への送電可能量の拡大などの基盤整備について、他都市と連携して国に対し働きかけてまいります。

  • 市役所本庁舎をはじめすべての公共施設で使用する電力を2030年までに100%再生可能エネルギーに転換すること。また、市有施設・市有地で太陽光や風力、小水力などの発電の活用を環境保全や住民の健康に配慮した上で抜本的に拡大すること。あわせて、本市の公用車については電気自動車化をすすめ、高速充電設備の野心的導入を図ること。

    (答)

    市役所の業務にかかる温暖化対策の取組みにつきましては、周辺環境に配慮しながら、自家消費を目的とした太陽光発電設備の導入を拡大するとともに、使用電力を原則、再生可能エネルギー由来電力に切り替えていくこととしております。(環境局)

    公用車につきましては、対象の車種が無い場合を除き、各車両の利用用途も踏まえ、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の優先的な導入を推進してまいります。(環境局・財政局)

    急速充電設備につきましては、市民、事業者が利用できる商業施設への設置に対する一部助成などにより設置拡大を進めてまいります。(環境局)

  • 政府は原子力政策について、昨年決定した「第6次エネルギー基本計画」から「可能な限り原発依存度を低減する」という文言を消し、代わりに原発再稼働の加速と運転期間延長や新増設を盛り込んでいる。原発はひとたび事故を起こせば、極めて広範な地域に、長期にわたって深刻な被害を及ぼす異質の危険がある。温暖化対策を口実に原発の再稼働、新増設に固執する岸田政権の方針に反対し、「原発ゼロ基本法」を制定し、「原発ゼロの日本」を実現するよう、国に求めること。

    (答)

    原子力発電所の再稼働などにつきましては、国のエネルギー政策の中で判断されるべきものと考えております。

  • 九州電力玄海原発3、4号機は原子力規制委員会の「新基準」の審査で合格し再稼働されているが、2020年12月の大阪地裁判決は、想定される地震の揺れ(基準値振動)が過少評価されているとし、原子力規制委員会の設置変更許可を取り消す判断をおこなっており、規制委員会の審査が安全を保障するものではないことが明らかになっている。したがって、市長は九電と国に対して、玄海原発の3、4号機の即時停止と早急な廃炉を強く要請すること。

    (答)

    新規制基準につきましては、福島第一原子力発電所の事故の教訓などを踏まえ、従来の基準から大幅に強化された基準であり、玄海原子力発電所3・4号機の再稼働につきましては、新規制基準に基づく国の厳格な適合性審査のもと、安全性が十分に確認され、再稼働に至ったと認識しております。

    今後とも、原子力発電所の安全確保と情報公開の徹底について、国及び県に要望を行うとともに、原子力災害対策の充実に努めてまいります。(市民局)

    原子力発電を含めた電源構成については、国のエネルギー政策の中で判断されるべきものと考えております。(環境局)

  • 原発の再稼働に対する同意権や事前了承権を、30キロ圏内の周辺市町村に広げる取り組みが、東海第二原発や静岡県浜岡原発で始まり、全国的にも広がっている。一方、本市が九電と締結した「原子力安全協定」は、2次給水系事故などの報告義務が除外されているなど全く不十分である。また、玄海原発で起きた火災事故について九電から本市への第一報があったのは、2021年8月7日の事故では1時間12分後、11月16日の事故では1時間22分後である。この対応は、放射能が漏れるような事故が発生した時に、仮に風速6m/秒の西風の下ではすでに放射能が市内に到達している時間であり、あまりに遅すぎる。したがって、どんな微細な事故であってもすべてを直接福岡市へただちに連絡させるとともに、事故後対策だけでなく、再稼働にあたっての本市への事前説明と事前了解権、立ち入り調査権を認める内容を盛り込むよう「原子力安全協定」の見直しをすること。

    (答)

    原子力安全協定につきましては、原子力災害に備えていく上で、重要かつ必要なものであり、今後の「原子力災害対策特別措置法」や「原子力災害対策指針」などの改正を踏まえながら、実効性ある協定となるよう検討を進めてまいります。

    今後とも、国や県と連携し、迅速な情報収集に努めてまいります。


(2)JR騒音

  • JR福岡貨物ターミナル駅では、貨車の連結やブレーキの音、リフトの作業音などが、深夜2時まで鳴りやまず、周辺住民の受忍限度を超えている。市は、日本貨物鉄道株式会社に対し、貨車の運行時間を夜12時までとし、深夜の騒音を伴う作業をやめるよう、国土交通省や環境省とも連携を図って同社に実行させるとともに、防音壁を設置させ騒音被害を軽減させること。

    (答)

    福岡貨物ターミナル駅に関する騒音につきましては、市民の相談により騒音を測定し、鉄道事業者に騒音対策を要請してきたところであり、鉄道事業者においては、これまで、運行速度順守の徹底や騒音低減に向けたレールの改良が実施されております。

    また、在来鉄道の走行騒音につきましては、環境基準などが定められておらず、新設及び大規模改良に際してのみ騒音問題の未然防止などのための指針が定められている状況にあるため、既設の在来線についても指針などを策定し騒音対策を推進するよう国へ要望を行っております。

    今後も、市民の相談に応じて、鉄道事業者に対する騒音対策の要請などを実施してまいります。

  • JR西日本の新幹線車両基地とJR九州新幹線とが分岐する南区弥永5丁目地域の騒音被害については、深夜2時近くまで騒音で周辺住民から苦情が寄せられている。弥永4丁目で止まっている防音壁を延長するなど、騒音防止の手立てを市としてJRに要請すること。

    (答)

    南区弥永地域の新幹線騒音につきましては、九州新幹線開通直後は環境基準を超過したため、鉄道事業者に要請を行い、防音壁の嵩上げや吸音板の設置、レールの削正が実施されております。

    弥永5丁目地域は、安全面から防音壁の嵩上げは困難ですが、引き続き定期測定を行い、環境基準を超過した場合は、鉄道事業者に対して騒音対策を要請するとともに、新型防音壁など新たな対策・技術の導入を検討するよう国へ要望してまいります。


(3)干潟

今日、世界で、干潟は水の浄化など自然の恵みをもたらすものであり、温室効果ガスである二酸化炭素の吸収にも重要な役割を果たしており、保全が重視されてきている。昨年11月18日、鹿児島県出水市の干拓地一帯が、例年1万羽を超えるツルが飛来する国内最大の渡来地としてラムサール条約に登録され注目された。本市の和白干潟も、絶滅が心配されているクロツラヘラサギ・ズグロカモメ・ツクシガモなどが、餌となる貝、カニ、ゴカイなどの豊富な底生動物を求めてやってくる日本海側で最大規模の干潟である。永年にわたる和白干潟を守る保全活動は日本ユネスコ協会連盟から「未来遺産」に登録(2013年)され、2016年4月の環境省の「重要湿地」として発表された「ラムサール条約潜在候補地リスト」でも登録基準をクリアしている。本市として条約登録を「将来的な課題」とせず、登録に向けた地域住民の理解を速やかに得る手立てをとること。和白干潟の「特別保護地区」指定を国に申請し、ラムサール条約登録地にされるよう積極的な取組みを推進すること。


(答)

和白干潟のラムサール条約登録につきましては、まず国、県と連携して国指定鳥獣保護区の特別保護地区指定について地域住民の理解を深めていくことが必要であるため、将来的な課題であると考えております。

干潟の保全につきましては、「博多湾環境保全計画(第二次)」においても、重要な施策として位置づけており、今後も引き続き、市民、NPOなど多様な主体との連携、共働により干潟の保全に取り組み、和白干潟の重要性について、理解を深めるための取組みを進めてまいります。


(4)ごみ

  • 家庭用ごみ袋は、最小が15Lであり、他市のような小さなサイズのごみ袋がない。ごみ袋の値段は、全国の市町村では1リットル当たり0.8円程度なのに福岡市では1円と全国平均よりも高い。また、国の有料化手引きでは「住民の受容性」も勘案し負担額の住民意向調査をするよう定められているにもかかわらず、物価高騰以後、本市は調査すら行っていない。したがって、家庭用ごみ袋については、他市のように小さなサイズのごみ袋を作り、レジ袋の代わりに1枚でも購入できるようにすること。また、ごみ袋代の値下げを行うこと。さらに、高齢者や障害者などを対象にした粗大ごみの持ち出しサービスは無料にすること。

    (答)

    家庭ごみ用の指定袋のサイズや販売方法につきましては、他都市において様々な工夫がなされており、その実施状況や成果、課題について把握に努めているところであり、引き続き、指定ごみ袋のあり方を含め、ごみ減量・リサイクルに係る施策について検討を行ってまいります。

    また、家庭ごみ用の指定袋の価格設定につきましては、負担の公平性の確保、ごみ減量・リサイクルの行動を起こすきっかけづくり等の観点や福岡市周辺の市や町の状況を踏まえ設定しております。

    粗大ごみの持ち出しサービスにつきましては、従来の粗大ごみ収集運搬事業の追加サービスとして、高齢者や障がい者などを対象に新たに実施した制度であり、市民サービスの公平性を保つ見地から、受益者負担の原則により、利用される方々に経費の負担をお願いしております。

  • 本市は「第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画」において、2030年度のごみ処理量を53万tとするとしているが、これは全く現在の処理量と変わらないもので、減量する目標となっていない。「福岡市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例」第3条には、「市は、あらゆる施策を通じて、廃棄物の減量を推進する」と責務が謳われていることからも許されない。したがって、市は、ごみ処理量の抜本的な削減を明確にした目標とするよう「第5次基本計画」を見直すこと。

    (答)

    「循環のまち・ふくおか推進プラン」の数値目標につきましては、今後の人口や事業所数の増加といった都市の成長を見込みごみ処理量を推計し、新規施策の効果や国の方向性も踏まえ設定しております。

    近年のごみ処理量につきましては、事業系ごみにおける分別区分に古紙を追加した効果に加え、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響も大きいと考えられることから、今後の動向を注視してまいります。

  • 海洋プラスチックごみをはじめプラごみ対策は、地球の将来がかかった大問題である。本市では、年間10万6000tのプラスチック類が焼却処理され、再生利用されているのは瓶と合わせて1万1000t程度である。そもそもプラスチックの焼却は化石燃料を燃やすことと同じであり、二酸化炭素排出により温暖化への深刻な影響を与えるものである。本市の家庭系プラスチックごみの焼却量を2030年度までにわずか3000tだけ減らす「第5次基本計画」は、2040年カーボンニュートラルとの整合性がない。したがって、本市の廃プラスチック対策を抜本的に強化し、“焼却中心主義”から脱却し、プラスチックごみを出さないシステムの確立をめざすこと。

    (答)

    プラスチックごみ対策につきましては、「循環のまち・ふくおか推進プラン」に基づき、発生抑制と再使用の2Rに重点を置いた3Rの取組みを推進しており、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」を踏まえ、環境配慮設計や使用の合理化、代替素材の利用の促進に向けて、市民・事業者と連携しながら更なる取組みを推進し、使い捨てプラスチックの削減に努めてまいります。また、プラスチックごみの効果的な回収・リサイクル体制の構築に向けた課題を検証するため、新たに戸別収集モデル事業を実施するとともに、収集後のリサイクル体制の確立に向けて取り組んでまいります。

  • 家庭ごみの収集運搬労働者は、コロナ禍の下でエッセンシャルワーカーとしてコロナ感染の不安を抱きながら業務をしているが、人口も処理量も増え仕事も増えているにもかかわらず、その賃金は低水準に据え置かれており、委託企業の多くで定期昇給がない。夜間戸別収集を維持・継続するためには、委託労働者の雇用の安定と労働条件の改善は不可欠である。したがって、市が危険手当として特別給付金を出すとともに、全職員がPCR検査等を定期的に受けられる予算を確保すること。また委託料の算定にあたっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善を図るよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

    (答)

    コロナ下において、安定的にごみ収集業務を継続していくためには、収集時における手袋、マスクの着用や消毒の徹底などの感染防止対策にしっかり取り組むことが最も重要であると認識しており、委託料の積算にあたっては、感染防止対策や抗原検査キットの購入に必要な経費を含めております。

    また、委託料につきましては、社会情勢を適切に反映した改定を定期的に行っており、今後も安定的な事業継続が実施できる体制の確保に取り組んでまいります。


(5)盛土

昨年7月に発生した静岡県熱海市の大規模土石流では、盛土を造成した事業者を管理し、工事を停止させることができなかった過失が熱海市にあるとして、裁判等で行政上の責任が問われている。さらに、西区今宿青木字油坂におけるソーラーパネル設置のための盛土造成については、本市のこれまで指導・監督が極めて杜撰であったことが明らかとなっている。したがって、本市でも、危険な盛土の総点検と情報開示をおこない、緊急な安全対策を急ぐこと。また、土砂災害特別警戒区域には盛土をさせないことを「福岡市土砂埋立て等による災害発生の防止に関する条例」に盛り込み、違法な盛土造成への規制を強化すること。


(答)

土砂埋立てなどによる災害発生の防止につきましては、平成19年に制定した「福岡市土砂埋立て等による災害発生の防止に関する条例」に基づき、これまでも市民生活の安全に寄与することを最優先に、県とも連携しながら取り組んでおります。

令和3年度に国において盛土の総点検が実施されており、直ちに大規模災害につながる危険な盛土は確認されていないとの調査結果が県において公表されております。(農林水産局)

また、令和4年5月、危険な盛土などを規制する「宅地造成及び特定盛土等規制法」が公布されており、福岡市においても、関係局と連携して、適切に対応してまいります。(住宅都市局)


(6)緑・樹木

  • 須崎公園から雁の巣レクリエーションセンターに移植された樹木の保全を求める住民請願が出されている。ところが、市の「都市緑化マニュアル」では「海岸より500m以内では、潮風の影響をかなり受けるので、潮風に耐えられる樹種を選定します」と定めてあるにも関わらず、雁の巣レクリエーションセンターで海岸から500m以内に移植された161本のうち3割近くが耐潮性の弱いものであったことが請願審査で判明し、市のずさんな管理が浮き彫りになった。「都市緑化マニュアル」に沿ったものへと公園行政の見直しを行い、樹木の適切な管理・保全を徹底すること。

    (答)

    須崎公園から雁の巣レクリエーションセンターに移植した161本の樹木は、全て中程度以上の耐潮性があり、すでに156本の樹木が芽吹いております。

    引き続き、市の監督のもと常駐する管理者が、専門家による助言も受けながら、樹木の状況確認を行い、樹木の健全な生長を促すため、必要な灌水や蒸散抑制剤等の散布を実施するなど、移植樹木の育成管理に取り組んでまいります。

  • 「新・緑の基本計画」は目標年次が2020年であり、新しい計画を求める声が上がっているにも関わらず、計画改定の予定は未定である。市民の意見を反映させた、政府よりも10年早く温室効果ガス排出実質ゼロにするという本市の脱炭素目標に見合った形で、樹木の保全及び緑化の推進をする計画への改定を速やかに行うこと。

    (答)

    緑の基本計画につきましては、福岡市基本計画などの上位計画に合わせ、現計画の成果や近年の社会情勢の変化などを踏まえ、学識経験者や市民等からなる委員会により案の作成を行い、議会に随時報告しながら改定に向けて取り組んでまいります。

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5、コロナ危機に苦しむ中小企業、農林水産業を支援し、地域経済の立て直しを

(1)中小企業・小規模事業者・地域経済

  • コロナの第7波によって、戻りかけていた客が戻ってこない、建設資材や半導体などの海外からの部品の調達が滞っているなど、市内の中小業者は苦しい経営を余儀なくされている。福岡市中小企業振興審議会に提出された「中小企業振興に関するアンケート」では、2021年度とコロナ前の19年度との売り上げ比較について、7割強の業者が「コロナ前水準に至らず」となっている。コロナで苦境に喘ぐ中小零細業者の事業継続、経営回復のために支援策を充実させること。

    (答)

    新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者支援につきましては、支援策にスピード感をもって適切に取り組む必要があると考え、令和4年4月に改定した「第2次 みんなで応援!中小企業元気都市プラン」の中で、「短期的・集中的に取り組む分野」に定めて取り組んでおります。

    今後とも、事業者のおかれている状況や国・県の支援策の動向を注視しつつ、市内中小企業の事業継続や雇用を支えてまいります。

  • 本市の「中小企業振興に関するアンケート」では、物価高騰について「影響が出ている」との回答が約7割に上っている。全国商工団体連合会のアンケートでは、原材料や仕入れ値の上昇分を76%の業者が価格に転嫁できていないとの結果が出ている。「燃料費等高騰の影響を受けた事業者支援」制度は要件が実態とかけ離れており使えない。物価高騰で影響受けている中小業者の経営を守るために、市独自の支援をさらに行うこと。

    (答)

    原油価格・物価高騰等の影響を受けた事業者支援につきましては、燃料費等高騰の影響を受けた事業者支援やプレミアム付商品券による消費喚起を行うとともに、新たな融資制度の創設による資金繰り支援に取り組んでおります。

    なお、燃料費等高騰の影響を受けた事業者支援については、支援対象期間を延長するとともに、支援対象者や支援上限額等を拡充することとしております。

    今後とも、事業者のおかれている状況や国・県の支援策の動向を注視しつつ、市内中小企業の事業継続や雇用を支えてまいります。

  • 「ゼロゼロ融資」の返済が本格的に始まるが、コロナ危機が継続しているうえに、物価高騰が襲いかかってきており、返済に窮し、倒産・廃業に追い込まれる中小業者が急増することが危惧される。返済が困難な業者には返済計画の変更など柔軟に対応するように金融機関等に求めること。また国に対して「ゼロゼロ融資」の返済を免除するよう求めること。

    (答)

    中小企業者の返済計画の変更につきましては、従来より、市から金融機関や福岡県信用保証協会に対し、個々の事業者の実情に即した弾力的な運用を行うよう要請しており、金融機関・保証協会においても適切に対応いただいていると認識しております。

    また、いわゆるゼロゼロ融資につきましては、国において適切に運用されるものと認識しております。

  • インボイス制度が導入されれば、煩雑な事務作業の発生、免税業者から課税業者になることによる経営悪化を招き、多くの中小業者、フリーランスなどの倒産・廃業を引き起こす。またインボイス登録業者でないと公共事業の入札に参加できなくする自治体が出るなど問題点は山積している。国にインボイス制度の中止を求めること。

    (答)

    インボイス制度は、令和5年10月1日からの円滑な制度移行のため、令和5年度の税制改正により、中小企業者等に対する負担軽減措置などが講じられることとされております。

  • 中小企業政策を創業、急成長型のベンチャー支援など特定の業種に重点化せず、現存する企業、雇用を守ることに改めること。本市の経済と雇用を支えている中小企業・小規模企業者向けの振興予算を抜本的に増やすこと。

    (答)

    中小企業の成長と発展を図ることは、福岡市における産業政策の基本課題であり、中小企業・小規模事業者が、社会経済環境の大きな変化の中で、持続的に成長・発展していくためには、新製品やサービスの開発、新市場の開拓など、イノベーションにチャレンジしていくことが重要であると考えております。このため、中小企業振興条例に基づき、「経営基盤の強化」として、中小企業振興の根幹であり、経済観光文化局予算の8割を占める商工金融資金制度の運用や、きめ細かな相談業務などによる経営支援を行うとともに、「持続的発展の促進」として、商店街や伝統産業など地域に密着した経済活動の活性化の支援、中小企業・小規模事業者の「多様で活力ある成長発展の促進」として、第二創業を含むスタートアップの支援・育成や、観光・集客戦略などに取り組んでおります。

    今後とも、これらの施策を積極的に推進し、引き続き市内の中小企業・小規模事業者の事業継続や雇用を支えてまいります。

  • 「中小企業者の実態の把握」(中小企業振興条例第4条)の一環として、小規模企業者に特化した実態調査を実施すること。中小企業者や小規模企業者の意見を反映させるために、中小企業振興審議会の回数を増やし、部会を作るなどして、より専門的な活動ができるようにすること。審議委員に小規模企業者の代表を参加させること。

    (答)

    中小企業者の実態につきましては、経営の相談や診断・助言、「中小企業振興審議会」などの各種会議の場の活用のほか、小規模企業者を含む市内中小企業などを対象としたアンケート調査を行うことなどにより、把握に努めております。今後とも効果的な調査手法を研究し、中小企業者の置かれている現状・課題の把握に努めてまいります。

    また、各種施策の実施などを通して、幅広い方々からのご意見を施策に反映させるよう努めるとともに、個別の施策について、より専門的な意見が必要な場合は、専門家などによる委員会などを設置し、ご意見をいただき、適切に対応しております。

  • 地場中小企業・小規模企業の仕事づくりにつながる用途の制限がない住宅リフォーム助成制度や商店リフォーム支援制度を創設すること。

    (答)

    住宅リフォーム助成制度につきましては、市民の安全安心な住宅の確保や良質な住宅ストックの形成を図るため、戸建住宅や共同住宅の耐震化や要介護などの高齢者がいる世帯を対象としたバリアフリーなどに対して助成を行っております。(住宅都市局)

    また、商店のリフォームなどに対する支援につきましては、商店街の共同施設の設置費用の一部を助成しております。(経済観光文化局)

  • 中小企業にとっても、脱炭素の取り組みは光熱費・燃料費削減などのコスト面だけでなく売り上げの拡大、融資獲得といった事業の成長につながる。「省エネ投資」のための脱炭素の取り組みを支援すること。省エネ効果の高い、断熱のための住宅リフォーム助成制度は地元の中小業者の仕事づくりにもなる。国・県の制度に横出し・上乗せするなど市独自の制度をつくること。

    (答)

    中小企業に対しては、エネルギー消費量の現状把握の支援やアドバイザーの派遣、脱炭素に関するセミナーの開催や省エネ手法の紹介などを引き続き実施してまいります。(環境局)

    また、補助金や製品開発に関する技術相談、カーボンニュートラル資金による金融支援のほか、脱炭素経営の実現に向けた伴走型支援により、中小企業の脱炭素への取組みを支援してまいります。(経済観光文化局)

    住宅における省エネにつきましては、複層ガラスによる断熱改修などに対してポイントを付与する「ECOチャレンジ応援事業」を実施するとともに、「住宅窓改修の手引き」を活用した啓発や国補助金の周知などによって住宅の省エネルギー化を推進してまいります。(環境局)

  • 競争入札資格のない未登録業者に対して、自治体が建設工事や修繕工事等を発注する小規模工事登録制度を実施すること。

    (答)

    小規模工事登録制度につきましては、発注のあり方や施工上の課題などの整理・研究を行っております。

  • 1億円以上の発注をした公共工事施工業者に対して行っている「令和4年度官公需に関するアンケート調査結果」によると発注金額のうち地場中小企業の割合は約8%、地場小規模企業者にいたっては約1%に過ぎない。実態調査を行い現状を正確に把握するとともに公共事業を地元中小企業、特に小規模企業者へ優先して発注すること。

    (答)

    官公需につきましては、従来より地場中小企業の育成、振興を図る立場から、可能な限り地場中小企業へ優先して発注することを基本方針とし、公共工事の発注に当たっては、地場企業の受注機会の拡大を図るため、可能な限り分離・分割発注を行うよう努めるとともに、元請企業に対しては、特記仕様書において、下請発注や資材調達における地場企業活用の努力義務を課しております。

    官公需の発注状況につきましては、福岡市が1億円以上の発注をした公共工事施工業者に対してアンケート調査を毎年実施し、下請発注状況などの把握に努めております。

  • 人工島へ延伸した都市高速道路建設の受注は中小企業がわずか18%、一方、南区の学校改修工事の場合は100%の例に見られるように、大型公共事業よりも生活密着型の公共事業の方が中小企業に仕事が回るのは明らかである。公共事業の在り方を生活密着型に改めて中小企業の仕事を増やし、地場中小企業者・地場小規模企業者向けの発注割合を増やすこと。

    (答)

    公共事業の発注につきましては、可能な限り分離・分割発注することで、中小企業者の受注機会の増大を図るよう努めており、引き続き、取組みを続けてまいります。

  • 市発注の公共事業の下請け、孫請けの賃金について、国から依頼された調査結果を準用して設計労務単価が支払われているかを調査するとともに抜き打ちでの調査も行うこと。あわせて、事業主が負担すべき必要経費(法定福利費、安全管理費)が適切に支払われていることも調べること。また、調査に基づいて指導すること。

    (答)

    公共工事設計労務単価は、国において、国・県・市の発注工事から抽出した工事について、従事した元請・下請の建設労働者の賃金を調査し、実態を反映した平均単価を職種ごとに定め、翌年度の公共工事の積算において適用しており、10年連続で上昇しております。

    福岡市におきましては、毎年の労務単価決定に合わせ、関係業界団体に対して、適切な価格での下請契約、技能労働者への適切な水準の賃金支払い及び、適正な法定福利費などの確保について通知しております。

    また、下請契約を締結する全ての公共工事において、施工体制台帳及び施工体系図の提出を求め、各監督課にてその内容を確認しており、財政局においては、毎年実施している施工体制一斉点検の際に、下請契約の締結状況などについて現場で確認を行っております。

    なお、下請契約の適正化につきましては、「建設業法」に基づき、国または県において調査や指導あるいは監督処分などの措置がとられることとなっております。

  • 国が公契約に関する法整備を怠っている状態を放置することは許されず、本市の仕事を受注する企業に人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける公契約条例の制定をすすめること。

    (答)

    公契約条例の制定につきましては、国において公契約に関する法制を整備するのが適当であると考えております。

  • 自営業・農業において、妻など家族従業者への給与を必要経費として認めない所得税法第56条は国連女性差別撤廃委員会からも見直し・検討を求められている。廃止するよう国に求めること。

    (答)

    所得税法第56条では、個人事業は家計と事業とを切り離して考えることが難しく、事業に関する様々な対価を適正に認定することが税務執行上困難であることから、その対価は必要経費に算入できないこととされております。

    一方、同法第57条では、事業専従者について、一定額を必要経費に算入できること、さらに青色事業専従者については、記帳・保存の義務を果たすことで給与支払額の全額を必要経費に算入できることとされておりますことから、家族従業者の労賃についても、税制上考慮されているものと考えております。


(2)雇用・労働

  • 過酷な労働条件、雇用環境で労働者を使い捨てにする働かせ方を強いる企業が少なくない。労働問題を県や国に任せるだけでなく、専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくり、街頭相談や電話やSNSを使った相談を実施すること。調査、相談、啓発を網羅した、違法・脱法的な働き方をなくすための条例をつくること。

    (答)

    労働問題につきましては、労働基準関係法令などに基づき、監督指導権限を有する国及び県が主たる役割を果たしており、福岡市はそれを補完する役割を担っていると考えております。

    国は、福岡市内において、労働局や労働基準監督署に「総合労働相談コーナー」を3か所設置しており、また、平日の夜間及び土日も電話相談が可能な「労働条件相談ほっとライン」を設置するなど、国による労働相談の取組みが行われております。

    福岡市におきましても、市民相談室で労働問題に関する相談を受けた場合は、弁護士による法律相談を受け付けるほか、国の労働基準監督署や県の労働者支援事務所等の専門窓口につなぐなど、引き続き、国や県などの関係機関と連携を図りながら、取組みを進めてまいります。

    また、労働に関する法令や制度をわかりやすく解説した「働くあなたのガイドブック」及びガイドブックを抜粋した「働くあなたのリーフレット」を発行し、福岡市内の高等学校や専門学校、大学・短期大学、情報プラザや区役所などで配布するとともに、福岡市ホームページへ情報を掲載するなど、引き続き、周知・啓発に努めてまいります。

  • 「働くあなたのガイドブック」は、抜本的に作成部数を増やすとともに、どのように配布し活用されているのかを把握すること。また、「働くあなたのリーフレット」を市内の高校、専門学校生、大学生全員に渡せるように作成部数を増やすとともに、労働者向けリーフレットを作成すること。

    (答)

    労働に関する法律や制度を知ってもらい、安心して働き、豊かでゆとりある生活を送っていただくためには、若い時から労働関係法令などを学んでいただくことが重要であると考えております。このため、労働関係法令を分かりやすく解説し、労働相談窓口を紹介する「働くあなたのガイドブック」を令和3年度につきましては、令和4年1月に1万2000部を発行し、福岡市内の全ての高等学校、短大、大学、専門学校に必要部数を送付したほか、企業向けセミナーや市関連施設などでも広く配布しているところであり、引き続き必要部数を発行し、配布してまいります。また、「ガイドブック」をもとに学生向けに編集した「働くあなたのリーフレット」を、令和4年1月に4万部発行し、福岡市内の全ての高等学校、短大、大学、専門学校に必要部数を送付したところであり、引き続き必要部数を発行し、配布してまいります。

    さらに、「ガイドブック」及び「リーフレット」と同じ内容を福岡市ホームページに掲載し、誰もがその情報を手軽に得られるようにしており、今後とも、利用者のニーズを踏まえた周知・広報に努めてまいります。


(3)農林水産

  • 原油高騰の影響を受けている農業者、漁業者を支える市独自の施策を緊急に講ずること。

    (答)

    原油価格が高騰した場合に備え、農業者、漁業者は、国が実施する燃油高騰対策のためのセーフティネットに状況に応じ加入されており、燃油価格が一定の基準を超えた場合には補てん金が支払われることとされております。福岡市では、令和4年度補正予算により、ハウス加温を行う施設園芸農家に対し省エネ型機器の導入を支援したところであり、今後も原油高騰による影響について注視してまいります。

  • 本市の農家の経営主の平均年齢が72.9歳となっている。農家戸数及び農業従事者数についても、依然として減少傾向が続いている。農家の後継者づくりについては、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、農業への新規参入者を増やすこと。

    (答)

    農家の後継者づくりにつきましては、青年農業者の育成支援や親世代の経営安定化を図ることで、次世代へ円滑に継承できるよう進めてまいります。

    また、農業技術を習得するためのインターンシップなどの研修や国補助を活用した経営確立のための資金交付、農業用機械・施設などの経費助成及び低利融資などにより、新規就農者の確保に向け取り組んでまいります。

    さらに、新規参入者につきましては、関係機関と連携し、新規就農相談や農地のあっせんなどを行ってまいります。

  • これ以上耕作放棄地を増やさない手立てをとるとともに、活用については市民農園や体験農業、学校農園、農業ボランティアなどさまざまなチャンネルで市民の多くが農業・農村にふれ、生産にかかわる取り組みができるようにすること。

    (答)

    耕作放棄地の活用につきましては、農業委員会と連携し、農地を借りたい人と農地所有者とのマッチングを行うとともに、農業者による再生の支援を行うなど耕作放棄地の活用に向けて取り組んでまいります。

  • 肥料原料の輸入価格の高騰を受けてJA全農が秋の肥料価格について最大94%の値上げを発表して農家に衝撃を広げている。農家の営農を支えるため、肥料価格の高騰分を農家に直接補てんする緊急対策を実施すること。

    (答)

    肥料価格の高騰につきましては、国及び県において価格上昇分の一部を補填する支援施策が実施されており、福岡市はその申請をサポートするとともに、今後も肥料価格高騰による影響について注視してまいります。

  • 有機農業の拡大のために、安定した販路の確保が必要である。そのために、学校・保育園・幼稚園の給食の食材に地元の有機農産物が採用されるように、有機にふさわしい価格で買い取り、その際の掛かり増しの経費を市が補助すること。

    (答)

    市内の有機農業の取組み面積が少なく、地元の有機農産物の安定供給は難しいことから、まずは、国の策定した「みどりの食料システム戦略」に基づき、地域の実情や農業者の意向に配慮しながら、有機農業に取り組む面積の拡大が図られるよう農業者の理解促進に努めてまいります。

  • 有害鳥獣による農作物への被害額は3723万円となっており影響は依然大きい。被害の多くを占めるイノシシ対策のためワイヤーメッシュ、電気柵の設置など予算を増やすこと。

    (答)

    有害鳥獣による農作物被害対策につきましては、従来からの国の補助事業を活用した農地への侵入防止柵の設置に加え、新たな市独自の支援による侵入防止柵の強化、猟友会への活動支援の拡充など、県農林事務所、JA及び隣接する糸島市などと連携しながら、広域的な被害防止対策を推進してまいります。

    さらに、イノシシ被害対策につきましては、報奨金拡充による負担軽減やICT・IoTを活用した効果的なわなの設置などにより捕獲活動をさらに促進するとともに、出没しにくい環境づくりに関する市民啓発や地域ぐるみの環境整備の推進、農地の自衛に取り組む農業者への支援など、地域とも協力しながらより効果的な対策を推進してまいります。

  • コロナ禍のもと、漁価の下落、販売量の低迷などで漁業従事者の暮らしと経営が悪化しているため支援を充実すること。

    (答)

    新型コロナウイルス感染症の影響を受けた漁業従事者への支援につきましては、令和3年度から、漁獲高の減少や魚価の低迷などの売上減少を補償する漁業共済の漁業者掛金の助成割合を引き上げることで、漁業共済の加入促進を図り、漁業経営の安定に努めております。

  • 生物の生息・生育に適した水質・底質環境を成立させ、多様な生物が保全される博多湾になるように漁協が行っている漁場保全・環境改善活動への支援を拡充すること。離島漁業再生活動促進事業での支援を継続・拡充すること。

    (答)

    福岡市漁業協同組合が行う漁場保全・環境改善活動につきましては、アサリ再生活動や海底ごみ回収などの支援を継続するとともに、支援内容についても福岡市漁業協同組合と協議してまいります。

    また、離島漁業再生活動促進事業につきましては、小呂島、玄界島に対し、国の「離島漁業再生支援交付金」制度を活用し、藻場の造成やアワビの種苗放流など持続可能な漁業環境づくりを推進するとともに、水産加工品の開発などの付加価値向上に係る支援に取り組んでまいります。

  • 市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。また、市公共施設における木材使用量を増やすために利用促進を義務付ける条例を制定すること。

    (答)

    地域産材の利用促進につきましては、これまでも先導的に、公共建築物における地域産材を活用した木造・木質化を推進しており、市営林などの木材をストックして、区役所や公民館、小学校などの木造・木質化を行う際に、試行的に供給する取組みを関係者と連携して実施いたしております。

    また、木材利用促進の条例制定につきましては、他都市の事例などを参考に研究してまいります。

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6、すべての子どもの権利、個人の尊厳を大切にする教育・学校に

(1)過大規模校などの教育環境

  • 2022年度は小学校20校、中学校6校が31学級以上の過大規模校になっている。子どもたちはプレハブでの学校生活を余儀なくされ、運動場で思いきり遊ぶこともできず、全員が参加する学校行事さえも難しくなっている。また、特別教室が足りず理科室で美術の授業が行われたり、床面積が基準以下である部屋を特別支援教室として使用せざるを得なかったりと教育環境の悪化は深刻である。文部科学省は過大規模校の状態は速やかに解消することとしているが、「福岡市小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針」では、過大規模の状態が一定期間継続しない限り、適正化の手だてを講じないことになっており問題である。この方針を改定し、学校用地を確保して分離・新設をするなど、早急に過大規模校を解消するためのあらゆる手立てを尽くすこと。

    (答)

    過大規模校への対応につきましては、「福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針」に基づき、児童生徒数の推移や住宅開発の動向を注視しながら、適切に取り組んでまいります。

  • 東区の人工島では照葉北小学校が開設年度に教室が不足する見込みとなり、新設小学校の設置が決まり、中央区では六本松九大跡地に大型マンションが建設されて草ヶ江小学校が過大規模校になるなど、特定の地域における極端な人口流入とマンション開発を野放しにして抑制する手立てをとってこなかった教育委員会の責任は重大である。このような人口急増を見越した学校用地の確保すら行わないという無計画なまちづくりによって、子どもたちの教育環境が犠牲にされており許されない。これ以上、過大規模校を生み出さないために、無秩序な開発行為を中止し、他都市の事例に倣って、良好な教育環境を守る立場から、教育委員会の責任で開発行為を規制するしくみを策定すること。

    (答)

    民間企業の開発行為について、学校教育の観点から規制することは様々な課題があり、困難であると考えておりますが、児童数の推移や住宅開発の動向を踏まえ、関係局と連携しながら、適切な教育環境の確保に努めてまいります。

  • 多くの市民と教育関係者等による長年の運動によって普通教室に続き、特別教室にもエアコンの設置が実現した。一方で、毎日使用する印刷室や給食の受所、相談室やPTA会議室などの諸室には整備されていないところが残されている。PTAが設置費用を出すところもあるとのことだが、これは教育委員会の怠慢である。このような諸室についてもただちにエアコンを設置すること。

    (答)

    相談室やPTA会議室などへの空調整備につきましては、必要性や優先順位などを総合的に判断していく必要があると考えております。

  • 猛暑による熱中症予防のために、体育の授業や学校行事が体育館で行えず、教育活動に支障を来している。また、体育館は災害時の避難所としても活用されることからエアコン設置を求める声が強くなっている。文科省は、2025年度まで延長されている「緊急防災・減災事業債」などを活用して体育館へのエアコン設置を促している。教育委員会は、断熱構造の問題と多額の経費を言い訳にして頑なに設置を拒否する姿勢を改めて、今後新設される学校の体育館にはエアコンを設置する計画とするとともに、既存校にも順次設置する計画を策定すること。

    (答)

    学校体育館への空調整備につきましては、空調を想定した断熱構造になっていないこと、整備に多額の費用が見込まれることなどから、今後の検討課題であると考えております。

  • 2022年度、車いすを常時使用するなどの要配慮児童生徒が在籍する学校にエレベーターを設置するための調査経費が計上された。児童生徒の安全確保、教員等の負担軽減、学校のバリアフリー化を促進するためにも、全ての小中学校へエレベーターを設置する計画を策定するとともに、要配慮児童生徒が在籍する学校への設置を急ぐこと。

    (答)

    エレベーターの設置につきましては、要配慮児童生徒の入学、卒業年の見込みや既存校舎へ設置する際の技術的な課題などを踏まえつつ、検討してまいります。

  • 学校のリフォームである大規模改造は、築30年以上が対象となっているが、未だに一度も実施されていない学校が50校も残されている。博多区の千代小学校などでは、教室の入口に大きな段差があり、廊下の洗面所の奥行きが狭いため非接触型水洗に取り換えられて以降、水が斜めに強く出るので子どもの服にかかり、廊下は水浸しになるときもある。大規模改造の改修ペースを引き上げ、未実施校については必要な予算を確保して早急に大規模改造を行うこと。

    (答)

    大規模改造につきましては、施設の老朽化の状況を勘案し、計画的に実施していくとともに、今後とも予算の確保に努めながら、良好な教育環境の整備に努めてまいります。

  • 公共施設を考える会の学校ウォッチングにおいて、学校のトイレ不足問題が毎年指摘されている。中央区の警固中学校では、普通教室が8クラスある3階フロアにトイレがひとつもない。しかし、この状態は教育委員会が定める「不備便所」の定義には該当しない。「不備便所」の定義を改めるとともに、あらゆる手立てを駆使して必要なトイレをただちに増設すること。また、トイレの洋式化について22年度末までに約70%の進捗状況であるが、2030年までに完了させるという計画を大幅に前倒して整備すること。あわせてトイレの乾式化を進め、外から丸見えにならないよう扉やカーテン等を設置すること。

    (答)

    学校のトイレにつきましては、利便性の低い便所配置について、不備便所という定義を設け、その解消に計画的に取り組んできたところであり、今後も施設の状況を把握し、学校の実状なども踏まえ、児童生徒の快適な教育環境づくりのために、不備便所などの解消に努めてまいります。

    また、トイレの洋式化につきましては、大規模改造工事の他、単独事業としても実施しており、児童生徒数に対して洋便器が少ないなど課題のある学校を優先しながら、できるだけ早期の整備に努めてまいります。

  • 学校施設ブロック塀改修事業として、道路に面した危険なブロック塀を優先的に改修しているが、昨年度末までに11kmが完了し、依然として19kmの改修が残されている。予算を増額して速やかに改修すること。学校ウォッチングでは、学校内に危険なブロック塀があることも報告されている。速やかに調査、改修すること。また、通学路における危険なブロック塀については、補助事業の対象を抜本的に広げ、補助額を増額して、積極的に周知するとともに、危険なブロック塀の除去を早急に進めること。

    (答)

    学校施設のブロック塀の改修につきましては、専門家による調査の結果を踏まえ、危険性が高いものから、できる限り早期に改修できるよう、予算の確保に努めながら取り組んでまいります。(教育委員会)

    危険なブロック塀の除却につきましては、福岡県ブロック塀等安全対策推進協議会の会員である県や関係団体と連携して、ブロック塀の調査・点検・啓発用リーフレットの配布などを行うとともに、除却をさらに促進するため、平成30年10月より助成上限額を増額した補助制度を改めて市政だより等に広報するなど、周知・啓発を図っております。(住宅都市局)

  • 学校プールについて、日除けはあるが破れている、プールサイドが熱すぎて危険、周りの住宅や高層マンションから丸見えなど改善すべき点が毎年のように寄せられている。学校教育における水泳授業の意義は大きく、必要な予算を確保して、速やかに改修すること。

    (答)

    学校プールの暑熱対策やプライバシー対策につきましては、プール改修などの機会を捉え、プールサイドの一部に日除けテントなどを整備しております。

  • 公共施設を考える会の調査では、各学校において日常的に施設管理や維持に努めていればすぐに修繕できる軽微なものも多数報告されている。よって、学校用務員の配置を拠点校方式とせず、各校1人ずつ配置すること。

    (答)

    学校用務員が行う学校環境整備などに関する業務につきましては、平成26年度から拠点校制度を実施しており、今後とも、児童生徒の安全で快適な学習環境の確保などに配慮しながら取り組んでまいります。

  • 公共施設を考える会の調査では、アスベスト含有が疑われる波形スレートやPタイルの剥がれや劣化が指摘されている。アスベストの飛散が生じていないか点検し、ある程度の劣化が認められる箇所については破損等を待たずに速やかに補修を行うとともに、「ゼロ・アスベスト」の早急な実施計画を策定すること。

    (答)

    学校施設の天井や壁、床、屋根などの仕上げ材として使用されている建材につきましては、工事施工年度によってはアスベストを含有している可能性もありますが、これらの非飛散性アスベストは、通常使用している状態では飛散する恐れはありません。

    破損した場合の取扱いにつきましては、学校施設管理マニュアルに記載するとともに、各学校に対し文書で周知しており、必要に応じて緊急修繕での対応を行っております。

    また、改修時に仕上げ材を撤去などする場合につきましては、事前に専門業者による調査を行い、アスベストの含有を確認したうえで、必要に応じ対策を講じております。

    今後とも、アスベストの処理につきましては、関係局とも連携し、関係法令に基づき適切に対応してまいります。


(2)学校給食

  • 子どもの健全な成長を保障し、栄養をしっかり取れる学校給食は教育の一環として、すべての子どもにとって重要である。2022年10月から青森市で、来春から東京都葛飾区が小中学校の給食費無償化に踏み出す。政令市でも大阪市がコロナ禍の経済対策として無償化を実施してきたが、恒久化する方針である。日本国憲法第26条は義務教育の無償を定め、岸田首相は国会で、学校給食法は自治体が給食費の一部補助や無償化を行うことを妨げるものではないと答弁しているように、学校給食費を無償とすることは行政の責務である。コロナ禍が続くなかで深刻な物価高騰が直撃しており、子育て世帯の負担軽減のためにも学校給食費の無償化を実施すること。

    (答)

    学校給食費につきましては、学校給食法などの法令により、保護者負担とされているもののうち、食材料費相当額のみを負担していただいており、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しましては、生活保護や就学援助の制度により、支援を行っております。

    また、持続可能な制度として、学校給食費の無償化を図っていくためには、毎年多額の財源の確保が必要であり、引き続き国に対して財政措置を要望してまいります。

  • 2021年度の中学校の給食時間が平均で34分、喫食時間が平均で21分である。しかし、現場では授業が長引いたり、準備に手間取ったりして喫食時間が10分以下になる場合も少なくない。時間が短いために精神的に追い詰められ、摂食障害になるなど個別の配慮が十分になされていないケースもある。教職員からも給食時間は短すぎるという声があがっている。生徒が実情を訴えやすいように喫食時間についての特別なアンケートをとるなど実態を把握し、十分な個別的配慮を講じるとともに、学校が必要と判断すれば、給食・喫食時間を長くすること。

    (答)

    給食時間につきましては、各学校において、学習時間やその他の様々な教育活動を盛り込んだ一日の時制を定める中で、準備や喫食時間なども含め、適切な時間の設定に努めております。

    給食直前の授業の終了が遅れた場合などで、やむを得ず給食時間が短くなった場合は、必要に応じて延長するなどの対応を図るほか、食べるのにどうしても時間がかかる児童生徒に対しては、本人とよく話した上で、個別に時間を設けるなどの対応も図っております。

    今後とも児童生徒の喫食状況などの把握に努めるとともに、必要に応じて個別の配慮も行うなど、適切に対応してまいります。

  • 小学校の給食室へのエアコン設置は、2022年度末で55校に過ぎない。猛暑の中で、適切な温度を超える環境での調理業務は深刻である。学校給食室にも準用される「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、調理場の温度は25℃以下に保つことが望ましいとされている。引き続き、給食室の温度の実態把握に努めるとともに、大規模改造を待たずに、速やかにすべての給食室へエアコンを設置すること。

    (答)

    小学校調理室の空調整備につきましては、職員の安全な労働環境の確保を図るため、学校の新設時や大規模改造時などの機会を捉え、これまで段階的な整備を進めてきたところであり、今後も引き続き、調理室の状況把握に努めるとともに、空調整備に取り組んでまいります。

  • 今年5月に第3給食センターで「包丁の破片」が混入した疑いでスープを全廃棄する事態となった。給食センターにおける異物混入の件数は年々増加しており、特に第3給食センターが最も多く、昨年度は22件となっている。大量調理による深刻な過重労働は安心安全の給食に影響が出ることが懸念され、調理員の待遇は学校給食公社よりも悪化している。異物混入をゼロにするために安全管理を徹底するとともに、調理員の待遇改善を行うようPFI事業者を指導すること。

    (答)

    給食センターにおきましては、異物混入を防ぐため、調理工程におけるチェックの徹底や、従業員教育の充実などに努めており、今後も異物混入ゼロを目指し、しっかり取り組んでまいります。

    また、調理員の労働環境は重要なことと考えており、安全、安心でおいしい給食を提供するため、運営事業者に対して、調理員が働きやすい職場環境づくりに努めるよう、必要に応じて要請してまいります。

  • 小学校給食の民間委託は中止し、現行の非常勤嘱託員制度を改め、文科省の基準以上の人員を市の正規職員として配置し、直営で行うこと。

    (答)

    小学校給食の民間委託につきましては、引き続き安全・安心でおいしい給食の提供を基本としながら、給食調理や食器の洗浄、施設の清掃などの業務について、令和5年度は、70校において民間委託を実施いたします。

    なお、小学校の給食につきましては、業務の実態を考慮した非常勤職員制度を導入し、学校給食の充実を図っております。

  • 安全で豊かな学校給食のため、給食の地産地消をすすめるとともに、有機野菜を活用すること。栄養教諭をすべての学校に1人配置すること。

    (答)

    学校給食における地産地消につきましては、JAなどの関係団体で構成する協議会において、市内産農水産物の生産状況を踏まえた協議を行っており、今後とも、市内産農水産物の利用拡大に努めてまいります。有機野菜の活用につきましては、福岡市の学校給食は、1日の食数が約12万食と非常に多く、大量かつ安定供給が可能な食材を調達する必要があり、現状では、安定供給が難しいオーガニック食材の使用については今後の研究課題であります。

    栄養教諭の配置につきましては、義務標準法に基づき配当される定数を適切に配分するとともに、教職員定数の充実について国に要望してまいります。


(3)学校におけるコロナ対策

新型コロナウイルスは、オミクロン株などへの変異を繰り返し、これまでにない感染爆発となった第7波では、ほとんどの学校で学級閉鎖が相次いだ。そして今冬は、第8波でのさらなる感染拡大と季節性インフルエンザの同時流行の懸念も高まっており、学校におけるコロナ感染対策の抜本的強化が求められている。学校での感染拡大を未然に防ぐために、教育委員会の責任で教職員や子どもへの週2回程度のスクリーニング検査を実施するとともに、抗原検査キット等を子どもを通じて配布し、家庭でも必要な時に検査ができる体制を整備すること。さらに、陽性者が1人でも確認された場合は、学級全体あるいは学年全体など対象を広く、PCR検査等を実施すること。


(答)

学校におきましては、症状がある児童生徒が他の者と接触することがないよう、登校前の検温のほか健康状態の把握を1日を通して行い、発熱などの症状がみられる場合は、自宅での休養と医療機関の受診を促すことにより、学校内での感染の拡大防止に取り組んでおります。

また、学校で感染者が確認された場合には、感染者の最終登校日や最終出勤日に応じて学級閉鎖を行うことにより、感染拡大の防止に努めております。

今後とも国の指針などを踏まえ、九州大学病院グローバル感染症センターの専門的な助言も参考にしながら、適切に対応してまいります。


(4)少人数学級

教育委員会は、2022年度から小中学校全学年で35人以下学級を本格実施した。しかし、学級増に見合う教員の増員が行われず、担任外教員を担任に振り替えて対応しているため、少人数学級の教育的効果が発揮されていない。膨大な業務に加え、長引くコロナ対策にも追われ、マンパワーが圧倒的に足りないと現場から悲鳴があがっている。コロナ禍の中で不安とストレスを抱えた子ども一人ひとりに寄り添いながらゆとりある手厚い教育を実現し、少人数学級の効果をさらに高めるために、非常勤講師ではなく正規教員を抜本的に増やすための市独自の必要な予算を確保すること。あわせて、将来的に20~30人程度の少人数学級を実現するための法改正や予算の増額を国に求めること。


(答)

福岡市では、小・中学校全学年での35人以下学級本格実施により、きめ細かな指導の充実を図っております。

教職員の配置につきましては、学級編制の標準の段階的な引き下げや、小学校高学年における教科担任制推進に伴い、いわゆる義務標準法に基づき配当される教員定数に追加が予定されておりますが、さらなる充実について、今後とも国に要望してまいります。


(5)教育予算

一般会計の約7%にとどまっている本市の教育予算(権限委譲分は除く)は、抜本的に増額すること。


(答)

福岡市が目指す子ども像の実現に向け、必要な予算を確保し、第2次福岡市教育振興基本計画に基づいた教育施策の充実に着実に取り組んでまいります。


(6)福岡市教育振興基本計画

第2次福岡市教育振興基本計画は、抜本的な教員増や特別支援教育の教員の加配、遅れている大規模改造や体育館へのエアコン設置等の教育環境の整備などが抜け落ちており、低学年からの英語教育の押しつけや財界要求のグローバル人材育成を強調する歪んだものとなっている。昨年度に次期計画策定の参考にする「教育意識調査」が実施されたが、グローバル人材育成のための英語教育の推進について、教員の回答では優先順位が低く、コロナ禍のなかで、子ども一人ひとりの人権や尊厳を尊重した教育が優先順位のトップである。よって、コロナ禍でストレスをため込んだ子どもに寄り添い、憲法や子どもの権利条約に基づいて、子どもの人権と尊厳が尊重され、教育の目的である人格の完成が土台に据えられた計画へと抜本的に見直すこと。


(答)

「第2次福岡市教育振興基本計画」は、福岡市の教育の大きな方向性を示す基本的な計画として策定しており、めざす子ども像や重視する教育の方法、推進すべき施策を定めております。

本計画で掲げるめざす子ども像「やさしさとたくましさをもち ともに学び未来を創り出す子ども」の実現に向け、確かな学力の向上をはじめとした17の施策を、引き続き推進してまいります。

なお、現計画の対象期間が令和6年度までとなっているため、令和5年度から次期計画の策定に向けた検討を行うこととしております。


(7)ICT教育

  • 教育におけるICTの活用は必要なことであるが、現場では「AIドリルをつかったゲーム感覚での学びは学びといえるのか」「タブレットの使用時間が授業や教員の評価につながるのでは」などの懸念の声が出されている。ICTは、授業の中で、子ども同士や子どもたちと教員の生きたやりとりを補助する道具のひとつであり、どのように活用するかは教員の判断に委ねられるべきである。子どもの実態に応じた自由で主体的な教員の授業づくりこそ奨励し、事実上のICT活用の強制を見直すこと。

    (答)

    福岡市におきましては、端末を効果的に活用し、児童生徒が共に学び合う協働的な一斉学習や、AIドリルや福岡 TSUNAGARU Cloudの学習動画を活用した学習を行うことにより、個々の習熟度に応じた学習を進めております。

    今後も1人1台端末を活用し、これまで培ってきた教育実践にICTを組み合わせ、児童生徒1人ひとりの可能性を最大限に引き出す学びの実現に努めてまいります。

  • タブレットをほぼ毎日家庭に持ち帰っている学校が小学校69校、中学校49校となっている。AIドリルを活用しての家庭学習が進められ、その練習問題の結果や家庭学習の時間等が「学習ログ」として蓄積される。今年度に教育ビッグデータ活用調査検討業務委託がなされ、子どもの学習履歴に加え、健康状況や家庭の経済状況などを集約し分析・利活用することが検討されている。子どもの個人情報を民間の教育産業に安易に提供することは問題であり、中止すること。

    (答)

    教育データの活用における個人情報の取扱いについては、関係法令などを遵守し、適切に対応してまいります。

  • タブレット端末の家庭への持ち帰り頻度が増え、充電保管庫が使われていない実態がある。早良区のある中学校では、「充電保管庫」の設置により、給食の配膳台を廊下に置かざるを得なくなり、教育活動や緊急時の避難などに支障を来している。そのような状況は把握していないとする無責任な姿勢は許されず、実態を調査するとともに、必要な手立てを講じること。

    (答)

    充電保管庫につきましては、これまでにその配置によって学校生活に支障を来しているという報告は上がっておらず、改善要望も受けていないことから、現時点での調査は必要ないものと考えております。

  • デジタル教科書の導入が進められている。デジタル教科書は、思考力を阻害したり、健康被害が生じたりという懸念がある。海外では、いったん導入しても健康被害と教育効果の観点から紙の教科書に戻すケースも生まれている。視力障害のある子どもにとって見やすくなるという利点はあるが、全面的な導入については科学的な知見を踏まえて慎重に検討すること。

    (答)

    デジタル教科書につきましては、ICTを活用し学校における教育の質をより高めていくために効果的に活用していくことが重要であり、1つのツールとして、児童生徒の健康面を考慮しながら、適切に導入を進めてまいります。

  • 教員にとってICTの技術取得のための研修が、コロナ対策などの業務過多の中で大きな負担となっている。ICT支援員については月2回の配置ではなく、各校に1人ずつ配置すること。

    (答)

    ICT支援員については、現在各学校に月2回の派遣を行っており、加えて、常時、電話相談が可能な「ヘルプデスク」を設置するなど、学校のICT活用の支援を行っております。

    研修につきましては、各学校のICT活用推進リーダーを中心とした校内研修による教員全体のスキルアップを図るとともに、「学習支援アプリの操作方法」などの研修動画を常時視聴可能にするなど、教員が効率的にICT技術を取得できるよう努めてまいります。

  • タブレット学習やオンライン授業などが頻繁に行われることにより、子どもの視力の低下やネット依存などの健康被害が懸念されている。子どもの健康上配慮すべき留意事項を整理して各学校に示すとともに、健康を損なわない適切な活用を徹底すること。

    (答)

    1人1台端末の適切な活用については、文部科学省から通知された「健康への配慮等に関する啓発リーフレット」を児童生徒、保護者に学校を通して配布し、健康に配慮した使い方を示しております。さらに、学校において、教育委員会が作成した手引や啓発リーフレット、動画などを使用して、各教科や道徳の時間などで適切な使い方を指導しております。

    今後も、健康面に配慮して使用するよう、引き続き指導してまいります。


(8)教職員の働き方

文部科学省が行った教師不足に関する実態調査によると、昨年4月1日時点で、全国の小中高特別支援学校で2558人の教員が未配置という深刻な実態が明らかとなった。本市でも小学校が7人、中学校が38人、高等学校が1人、特別支援学校が4人未配置となっており、担任が決まらないなど教育行政として最低限の条件整備すら果たせていない重大な事態である。過労死寸前まで追い込む異常な長時間労働の解消と過大な業務の削減のためにも、教職員を抜本的に増やすことが求められている。

  • 2021年度、教育委員会が定める教員の時間外在校等時間の上限の目安である「月45時間以下」の割合は小学校67.0%、中学校62.1%にとどまり、過労死ラインを超える「月80時間以上」の割合は、小学校3.1%、中学校5.4%であり、最長は223時間となるなど依然として深刻な長時間労働である。また、本市の2021年度の病気休職者数は過去最多となり、精神疾患での休職も最多の146人となった。新型コロナ対応だけでなく、業務は増え続け、肉体的にも精神的にも追い詰められている実態がある。代替教員の配置が遅れ、現場にさらなる負担が生じている。教員定数を抜本的に増やすよう国に求めるとともに、市独自に正規教員とスタッフの採用を大幅に増やし、業務の削減を図るなど、長時間労働是正のためにあらゆる手立てをとること。1日の労働時間を10時間まで可能とする「1年単位の変形労働時間制」は、現在の長時間労働にお墨付きを与え、固定化させてしまうものであり導入しないこと。

    (答)

    教職員定数の充実につきましては、今後とも国に要望してまいります。

    教員の時間外在校等時間の縮減につきましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、スクール・サポート・スタッフなどの専門スタッフを配置・拡充するとともに、自動音声メッセージ機能付き電話や、教職員庶務事務システム、高等学校校務支援システムの導入などの取組みを実施しております。引き続き、学校における働き方改革を推進してまいります。

    「1年単位の変形労働時間制」の導入につきましては、国が示す導入の条件や他都市の動向などに留意しながら、引き続き検討してまいります。

  • 学習指導要領に定められた年間の標準授業時間数は、あくまで目安の数字であり、必ずしもその時間数を実施する必要はない。子どもの実態を踏まえた教育内容を精選するよう指導・助言し、学校が授業時間数を減らすことは可能である。また、教員の持ち時間の上限は、もともと所定の勤務時間で仕事が終わるように国が設定した「教員一人で1日4コマ(小学校で週20コマ、中学校で週18コマ)」に定め、必要な体制を確立して、全体の授業時間数を減らすこと。

    (答)

    年間の標準授業時数につきましては、学習指導要領で示されており、各学校において教育課程を編成する際には、年度当初の計画段階から年間の標準授業時数を下回ることがないよう指導しております。

    教員の授業時数に関連する教員配置につきましては、義務標準法に基づき配当される教員定数を適切に配分するとともに、教職員定数の充実について、今後とも国に要望してまいります。

  • 2019年10月の勤務実態調査によると、1日に5時間以上の時間外活動を行った中学校教員の活動内容のトップは「部活動関係」となっており、全員顧問制を採っている中学校が46校に上っている。自分自身が経験したことのない部活の指導を任されることは、教員にとって大きな負担である。顧問を引き受けるかどうかが評価につながるなどと管理職から半ば強制的に押しつけられたり、まわりの同僚からの同調圧力で断りづらい状況に追い込まれたりなどの実態が報告されている。部活動の顧問を事実上強制する「全員顧問制」はやめること。教員の負担を減らすため、部活動支援員や部活動指導員などのさらなる増員を図ること。

    (答)

    部活動の顧問制につきましては、大勢の教員が部活動に関する業務を分担することによって、一部の教員に業務が偏ることなく、教員の負担軽減を図ることや、複数の教員で指導することによって生徒が安全に活動できるようにすること、さらに、一方の教員が出張などで指導できない場合においても、生徒の活動時間を確保することなどをめざして導入されたもので、学校規模や生徒数などの実情に応じて、各学校で実施するかを決定するのが適切であると考えております。

    部活動の外部指導制度につきましては、顧問である教員の補助として技術指導を行う部活動支援員制度に加え、平成30年度から、単独での指導や大会への引率ができる部活動指導員Aを、令和2年度から、小規模の部活動が大会に参加する際に教員に代わって引率・監督業務を行う部活動指導員Bを配置し、令和4年度は、学校からの要望が多い部活動指導員Aを増員しております。

  • 教員は、夏季休業期間中であっても教室のワックスがけや壁塗り、会議や校内研修などに忙殺されている。夏季休業期間中の業務を減らし、教員が気兼ねなく休暇を取得できるようにすること。2022年度の学校閉庁日は、夏季休業期間中の5日間しか設定されていない。他都市に倣ってさらに学校閉庁日を増やすこと。

    (答)

    学校閉庁日につきましては、平成30年度から児童生徒の夏季休業日の期間に原則3日間設定していたところでありますが、教職員の休暇取得促進による健康と福祉の増進を図るため、令和4年度より、5日間に拡大したところであり、令和4年度は前後の週休日及び休日と合わせ10連休となるように設定しております。

    今後とも、教職員が休暇を取得しやすい環境づくりに努めてまいります。

  • スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門職が増員されてきているが、中学校ブロックごとの拠点校配置となっており、学校には週2日程度の配置と不十分である。コロナ禍におけるこころのケアや、学校生活での悩みなどを気軽に相談でき、必要な支援を行う体制を整えることが求められている。このような中でこれらの専門職が正規ではなく会計年度任用職員として雇用され、重要な役割に見合う処遇となっていないことは問題である。専門職に見合う処遇に改善すると共に、正規職員として採用し、すべての学校に少なくとも1人配置すること。あわせて、養護教諭の複数配置を広げ、学校看護師も各校1人配置すること。

    (答)

    スクールカウンセラーにつきましては、令和3年度に大幅に増員しており、引き続き心のケアの充実に努めてまいります。スクールソーシャルワーカーにつきましては、全ての中学校区の拠点となる小学校、高等学校、特別支援学校に配置するとともに、その一部を正規職員である拠点校スクールソーシャルワーカーとし、不登校児童生徒への対応を行う教育相談コーディネータ―やスクールカウンセラーと連携し、組織的な教育相談体制を強化することによって、教育と福祉の両面からの支援を充実させてまいります。

    養護教諭の配置につきましては、義務標準法に基づき配当される定数を適切に配分するとともに、教職員定数の充実について国に要望してまいります。

    学校看護師の配置につきましては、対象となる児童生徒の増加などの状況を踏まえ、適切に配置してまいります。

  • 子どもたちに豊かな読書、調べる楽しみや知る喜びを保障し、情報や資料を提供する学校司書は専門性が高く、役割は重要になっている。専門職である学校司書について、会計年度任用職員ではなく正規で採用し、1人が4~5校担当する体制ではなく、各校1人ずつ配置すること。また、専門性や継続性が求められる職種であることを考慮し、4年ごとに採用試験を受ける必要があるという制度を改めること。

    (答)

    学校司書につきましては、全ての小・中・特別支援学校に配置するため、令和5年度に3名増員し、46名に拡充することとしており、今後とも、学校司書の効果的な配置について検証してまいります。また、採用につきましては、任期ごとの公募を原則としておりますが、国が示した運用通知などを考慮し、勤務実績など客観的な能力の実証により、連続4回まで公募によらない再採用ができる制度となっており、今後ともこの制度に基づき適切に実施してまいります。

  • 文科省は教員免許更新制の廃止の代わりに、教員の研修の全面的な記録を行政が管理するなどの研修への新たな統制を行おうとしている。そのような統制は許されず、教員の自主性が保障された研究・研修を奨励すること。また、教員と子どもたちの関わりを妨げることになりかねない行政研修を大幅に削減し、権利としての教員の自主的な研究・研修のための時間を保障すること。

    (答)

    教員免許更新制の廃止に伴う研修につきましては、国の指針などを踏まえながら、適切に対応してまいります。

    また、研修内容を精選するとともに、教員が学校にいながら受講できるオンライン研修(双方向型)やいつでも受講できるオンデマンド研修などの研修形態を取り入れ、教員が自主的に研究・研修を行う時間が確保できるよう、配慮しております。

  • 市立高校の専科の非常勤講師が会計年度任用職員に移行され、年収は増額となったが、授業準備のための出勤が求められ、受け持ちコマ数あたりの時間額は約2000円減少している。勤務時間が2倍となったにも関わらず、移行前と比べて時間額が半分に減額され納得がいかないと不満の声が上がっている。このような給与のあり方は元に戻し、制度を見直すこと。また、講師頼みではない人事政策へと転換するとともに、常勤講師の給与や休暇制度など、処遇を改善すること。

    (答)

    必要な正規教員につきましては、引き続き計画的に採用できるようしっかりと取り組んでまいります。

    常勤講師及び非常勤講師の勤務条件につきましては、地方公務員法に基づき、国が示した運用の考え方を踏まえ、職務内容や職責などに応じて設定しており、今後とも、市全体の均衡も踏まえながら適切に対応してまいります。


(9)教育のあり方

  • 下着の色の指定や特定の髪型の禁止など、合理的な理由なく子どもの表現の自由を規制し、人権侵害となっている校則が社会問題になり、見直しを求める声と運動におされて、教育委員会は有識者による検討協議会を立ち上げ、昨年7月に中学校校長会名で「よりよい校則を目指して」を通知した。これを受けて各学校で「校則検討委員会」が設置され、生徒の意見を取り入れながら校則の見直しに着手している。その結果、64校で「ツーブロックの禁止」の記載がなくなり、下着や肌着の色の指定も全ての学校で記載をなくしている。しかし、文言自体は消えても、「奇抜な髪型の禁止」「ハーフアップの禁止」など事実上特定の髪型を禁止していたり、カッターシャツの下に着るアンダーウェアの色の指定はそのままであったりなど見直しは不十分である。また、頭髪や服装等の事細かな規制の多くが残されたままである。文科省は生徒指導に関する基本文書である「生徒指導提要」の改訂で、校則について「理由を説明できない校則は本当に必要か、絶えず見直す」「校則で悪影響を受けている子どもがいないかなどの検証」などを規定している。教育委員会は、子どもの自主性や意見を尊重し、表現の自由を保障するために、合理的な理由を説明できない校則は一掃すること。

    (答)

    校則につきましては、校長会作成の「よりよい校則を目指して」に基づき、毎年、各学校において、校内校則検討委員会を設置し、学校や地域の状況、社会の変化などを踏まえて、現状に合う内容への変更の必要性も含め、絶えず見直しが進められております。

    今後も各学校の校則検討のあり方や校則の内容把握に努め、各学校の校則が、生徒、保護者に理解され、人権に配慮したものとなるよう取り組んでまいります。

  • 眉毛を身だしなみ程度にそろえただけで別室指導となり教室に入れてもらえないという子どもの尊厳や教育を受ける権利を侵害する生徒指導が依然として行われている。アンダーウェアの色の指定がなされているため目視でのチェックにより、色物や柄付のシャツであれば脱がせるという指導がハラスメントにあたると県弁護士会から指摘されている。改訂された「生徒指導提要」では初めて子どもの権利条約に触れ、生徒指導の留意点の第一に「児童生徒の権利の理解」を明記した。明らかなハラスメントであるアンダーウェアの検査や子どもの尊厳を傷つける生徒指導はやめること。

    (答)

    校則に関する指導につきましては、今後も規則を守らせることのみの指導ではなく、生徒の内省を促し、主体的に行動できるようにするなど、教育的効果を持つ指導となるよう取り組んでまいります。

  • 髪型や服装についての校則に男女別の記述をしている学校が残されており、ジェンダーフリーの観点から是正されるべきである。校則で男女を区別して規制することはやめること。

    (答)

    校則につきましては、今後も各学校の校則内容の把握に努め、性の多様性への配慮や、ジェンダーフリーの観点など、時代の進展を踏まえた、より教育的意義を有する内容となるよう取り組んでまいります。

  • 部活動は本来生徒の自主的、自発的な活動である。2018年に定められた「部活動ガイドライン」では部活動の活動時間を平日は2時間程度、休日は3時間程度としているが、昨年度に文科省が実施した「全国体力・運動能力、運動週間等調査」によると、本市の1週間の部活動の活動時間は男子で802.69分、女子は807.8分とガイドラインの上限を大きく上回っている。部活動の本来の意義から逸脱した過熱化が生徒や保護者および教員の負担になっている。「勝つことだけが目的にならないように」と定めたガイドラインの指導の留意点についても形骸化が懸念される。部活動本来の意義に立ち返り、生徒の部活動への強制加入は行わないとともに、活動時間や指導上の留意点などのガイドラインの順守を徹底すること。

    (答)

    「福岡市立中学校における部活動指導のガイドライン」につきましては、これまでに校長連絡会や部活動顧問者会などの場で適宜周知しているところであり、ガイドラインに示した「部活動の意義」や「適切な休養日等の設定」に基づいた運営が行われていると考えております。また、ガイドラインには、効果的な指導として、「勝つことだけを目指した取組みにならないよう、試合やコンクール等に出場することができなかった生徒も、所属感や達成感を味わうことができるよう配慮すること」と示しているところであり、部活動の意義を逸脱した指導は行われていないと考えております。

    今後も、校長連絡会などの場を活用して周知し、適切な部活動運営に努めてまいります。

  • 文科省は来年度から2025年度末までの3年間を「改革集中期間」と定め、休日の運動部活動から地域に移行することを求めている。これにより部活動に係る家庭の経済的な負担増が懸念され、民間スポーツ業界が部活動に参入してくることで、学校教育の側面が失われ、さらなる過熱化やガイドラインの形骸化が深刻になることはあってはならない。部活動本来の教育的意義を据え直し、地域移行は拙速に行わないこと。

    (答)

    部活動の地域移行につきましては、文科省によると、生徒の自主的で多様な学びの場であった部活動の教育的意義を継承・発展させると示されております。現在、国において、生徒の望ましい成長を保障できるよう制度設計などの検討がなされているところであり、今後の国の動向を注視し、福岡市の実情に応じたあり方について、慎重に検討してまいります。

  • 文科省の調査によると、小中学生の自殺者数は増加傾向にあることが分かった。教育委員会は、保護者の意向を理由に本市の小中学生の自殺者数を公表していない。これは事態を覆い隠すものであり、小中学生の自殺が増えているという極めて憂慮すべき事態に正面から向き合っているとは言えない。教育委員会として、ひとりの自殺者も出さないという毅然とした構えで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門職の各校配置などをはじめ、教員が子どもに余裕をもって接することができるようにして、子どものSOSに早期に対応する体制を整えること。

    (答)

    児童生徒の実態把握につきましては、毎月実施している学校生活の不安や悩みに関する教育相談アンケートや、教職員による児童生徒1人ひとりとの面談によって、心身の状況などを把握しております。また、児童生徒の心身の状況に応じて、全ての中学校区の拠点となる小学校、高等学校、特別支援学校に配置しているスクールソーシャルワーカーや全市立学校に配置しているスクールカウンセラーが、必要な支援を行っております。

    令和4年度には、中学校ブロックの学校数などに応じてスクールソーシャルワーカーを増員しているところであり、今後もスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を継続し、連携を図りながら問題の未然防止や早期発見に努めてまいります。

  • 本市で2021年度に把握されたいじめは、小学校で2328件、中学校で408件となり過去最多である。タブレットやパソコン、スマートフォンによる誹ぼう・中傷等の認知件数は全国的に増加傾向にある。いじめは、どんな形であろうと人権侵害である。学校及び教育委員会が、決していじめ対応を後回しにせずに、子どもに対する安全配慮義務、集団的に対応する学校の責務、被害者の「知る権利」を保障することなどを原則とし、いじめ問題にとりくむこと。さらに、いじめが命に関わったり、長期欠席の原因になったりする「重大事態」については、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」などに基づき、第三者委員会を設置して調査にあたるが、被害者側の訴えが無視されたり、あとになって事実関係が隠蔽されたりなど、被害者側が不信感を募らせ、二重三重に傷つくケースがある。「被害者側にも問題がある」という誤った姿勢を見直し、被害者側に心を寄せて、再発させないための措置を講じ、子どもが安全に生きる権利を保障する方向で「いじめ対策法」を運用すること。

    (答)

    いじめ問題への対応につきましては、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめ防止基本方針や各学校のいじめ防止基本方針を策定し、いじめの未然防止・早期発見に努めるとともに、いじめの関係児童生徒へのケアや相談体制の整備、重大事態における被害者への情報提供などを行うこととしております。

    その方針を実現する実効性のある組織として、いじめ問題対策連絡協議会やいじめ防止対策推進委員会の設置、各学校のいじめ防止基本方針に基づいて設置したいじめ防止対策委員会で、被害者に寄り添ったいじめ事案への解決に努めております。

    今後とも、いじめ防止対策推進法の基本理念に基づいた取組みを学校と連携しながら行ってまいります。

    なお、令和5年度につきましては、いじめや不登校をはじめとする学校の諸問題に法的観点から指導助言を行うために、スクールロイヤーの配置に向けて取り組んでまいります。

  • 包括的性教育とは、性器や生殖、性行動といった性の生物学・生理学的な面に加え、人間の心理的、社会・文化的な面も含めて、性を広くとらえる教育を行うことであり、国際的にも本流とされている。いま子どもたちは、ネットやスマホを通じて、科学的知識や人権意識を身につけられないまま、ゆがんだ情報に触れ、予期せぬ妊娠に直面したり、性暴力・性犯罪の被害者・加害者になってしまったりする危険が高まっている。学習指導要領において、人の受精や妊娠の過程は取り扱わないとする「はどめ規定」があるが、文科省は「各学校が必要と判断すれば、指導できる」としている。学校教育の中で、性暴力や性被害から子どもたちを守り、多様化した性や人権についての教育を進めるために、性交や避妊・中絶およびLGBTQ+などを含んだ包括的性教育を行うこと。また、市が15年前に作成した「性教育の手引き」には、身体の性と心の性が一致しないトランスジェンダーや性自認や性的指向が定まっていないクエスチョニング等の性的マイノリティいわゆるLGBTQ+についての記載が一切なく時代遅れとなっている。早急に「性教育の手引き」を全面的に改訂すること。

    (答)

    性教育につきましては、学習指導要領に基づき、性に関する正しい理解や、適切な行動をとれるよう、学校教育活動全体を通して指導しております。

    性に関する教育の手引きについては、学習指導要領の内容を踏まえ改訂したもので、問題なく活用できるものと考えております。

  • 教育委員会会議は、原則としてすべての会議を完全に公開するとともに、市長の意向に付き従ってトップダウンで教育委員会の決定事項を現場に下ろして従わせるようなあり方は見直し、その都度現場にフィードバックすること。

    (答)

    教育委員会会議につきましては、公開を原則としておりますが、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の規定に基づき、議会の議決を経るべき議案や人事に関する案件などに関しましては、教育長及び委員の議決により、非公開としております。

  • 全国一斉学力テストや本市独自の生活習慣・学習定着度調査は、子どもと学校に管理と競争を押しつけ、いかに前年度平均点を一点でも上回ることを追求するものとなっている。これは教員と子どもを疲弊させ、精神的ストレスを増大させている。全国一斉学力テストは中止するよう国に求めるとともに、福岡市生活習慣・学習定着度調査はやめること。また、年に複数回、フクトなどの業者の実力テストが行われているが、そのあり方についても見直しを検討すること。

    (答)

    福岡市独自の生活習慣・学習定着度調査につきましては、調査をもとに成果と課題を明らかにし、各学校がさらに取組みの改善を図りながら、学力の課題解決に向けた効果的・重点的な取組みを行っております。

    全国学力・学習状況調査につきましては、児童生徒の学力の実態把握と授業改善のために、全小・中学校の参加を継続してまいります。

    中学校における実力テストにつきましては、各学校が生徒1人ひとりの進路指導の充実につなげる取組みとして実施しております。

  • 道徳の教科化は、上から目線で「いい子になれ」「ルールに従え」と子どもに教え込むもので、基本的人権や個人の尊厳、多様性にもとづく市民道徳のあり方に反している。道徳の教科化はやめるよう国に求めるとともに、学校教育全体の中で憲法や子どもの権利条約にもとづき、子ども一人ひとりが自分らしい価値観形成を図れるような市民道徳を育む教育にきりかえること。また、特定の価値観を押しつけたり、数値化したりして評価を強制しないこと。

    (答)

    道徳科につきましては、引き続き学習指導要領に基づき、学習を実施するとともに、適切な評価を行ってまいります。

  • 「二分の一成人式」は様々な家庭事情を抱えた子どもに親への感謝を強要し、個人的な心情を発表させる例が少なくなく問題である。キャリア教育の一環の「二分の一成人式」はやめること。あわせて、グローバル人材の育成など特定の立場だけを美化するゆがんだ起業家教育である「アントレプレナーシップ教育」はやめること。

    (答)

    2分の1成人式は、児童が、自分自身の成長を振り返ることができる大切な機会となっており、今後もキャリア教育の一環として継続してまいります。

    なお、各学校において2分の1成人式を行う際には、担任が家庭環境を把握し、児童が意欲的に学習に参加することができるように配慮しております。

    アントレプレナーシップ教育など、様々な教育施策につきましては、福岡市の子どもたちの学力をはじめ、これからの社会を生き抜く力を身につけさせるために実施しており、今後も推進してまいります。

  • 中学校の職場体験先に自衛隊が含まれている。安保法制の下で、自衛隊と米軍の一体的な運用が加速化し、敵基地攻撃能力の保有など自衛隊が戦争に巻き込まれる危険性が高まっている。憲法違反の集団的自衛権が付与された自衛隊は、一般の職業とは同列視できないものであり、一職場として自衛隊を選定しないように各学校を指導すること。

    (答)

    中学校における職場体験学習につきましては、総合的な学習の時間に位置づけており、体験する職場につきましては、学校が開拓した職場、生徒自身が探してきた職場、保護者や地域から受け入れの申し入れがあった職場などの中から、生徒が選択し、保護者の承諾を得て決定しております。

    自衛隊での職場体験につきましても、学習の一環として行っており、他の事業所と同様に職業の1つとして捉え、生徒の安全などを考慮し、実施しております。

  • 「指導」の名の下に暴力や暴言で子どもを追い詰め服従させることは、子どもの身体だけでなく、心に複雑で深い傷を残すことになる。体罰は明らかな暴力であり、絶対に許されるものではないという姿勢で厳正に対処し、その根絶にとりくむこと。

    (答)

    体罰によらない教育につきましては、校長連絡会、生徒指導連絡会などにおいて、その趣旨の徹底を図るとともに、全教員が「体罰根絶宣誓書」に署名、唱和するなど、「体罰を決して許さない学校風土」を醸成し、体罰禁止の徹底を図っております。

    また、全校種の校長会会長や中学校体育連盟会長などで構成される「体罰によらない教育推進委員会」で、体罰の原因究明や未然防止についての協議を行っております。

    今後とも、体罰をなくす取組みの充実を図ってまいります。

  • 教員が本人の意思に反して日の丸・君が代への起立・斉唱を強制されている問題で、ILO・ユネスコに続き、国連自由権規約委員会が11月に是正勧告を出した。子ども・教員・保護者に対して、日の丸掲揚・君が代斉唱を実質強制するやり方は改めること。

    (答)

    国旗・国歌につきましては、教育基本法を踏まえ、各学校において学習指導要領の趣旨に沿った指導及び取扱いが適切に行われるように努めております。

    また、平成26年3月に、屋外の掲揚台などに、国旗・市旗・校旗を常時掲揚することについて、市立学校に通知しており、児童生徒が日ごろから国旗などに慣れ親しみ、国旗などを主体的に尊重する態度を育てる環境づくりに努めております。

  • 教科書採択方法については、児童生徒をよく知る教師自らがその役割を自覚し、教科書を吟味し、その意見が十分尊重されたうえで選定されるように、より民主的な方法へと改善すること。

    (答)

    教科書採択につきましては、平成29年度から、採択に係る組織を見直し、より公正性・透明性を高めております。学校の意見は、学校長の意見書として、全てを教育委員会に報告しております。


(10)教育を受ける権利

  • 第2次安倍政権以降の史上最大の生活保護基準引下げは憲法違反だと断罪する判決が熊本、横浜地裁等で相次いで出されている。就学援助は保護基準に連動するものであり、それが引き下げられたことで就学援助の対象から外れる世帯が発生する事態となっている。そのような中で、教育委員会は従来の生活保護基準の1.25倍という就学援助の水準を独自に引き上げるなどの手立てを講じていない。コロナ禍と物価高騰が襲いかかり、子育て世帯の経済的困窮が広がり、就学援助の重要性は一層高まっていることから、就学援助基準を生活保護基準の1.5倍に引き上げ、支給額を増額すること。

    (答)

    就学援助の認定基準につきましては、原則として、国が決定している生活保護基準に準じて定めております。

  • 学校徴収金や修学旅行費などは後払い制度となっており、保護者が一時的に負担をする必要があるが、とても払えないという声が多数寄せられている。義務教育を無償とすると定めた憲法に従い、これらの経費を無償とするよう国に求めるとともに、後払い制度はやめて、額を抜本的に拡充すること。また、国が認めているクラブ活動費・生徒会費・PTA会費についても項目に加え、国に対して財政措置を求めること。入学準備金については、必要実態に合わせさらに引き上げること。

    (答)

    就学援助は、学用品費や修学旅行費など、支給額や支払いの時期、また定額払いや実費による清算払いなどの手法について、それぞれの支給項目の性格に応じて設定しております。

    就学援助の支給項目につきましては、保護者の経済的負担が大きく、全ての児童生徒に関わるものを選定しております。国に対しましては、十分な財政措置を講じるよう、要望しております。

    入学準備金につきましては、国の就学援助の国庫補助予算単価に準じて、支給額を定めております。

  • 不登校児童生徒数は年々増加し、2021年度は3535人と過去最高となっている。これは学校が子どもにとっていかに息苦しい場となっているかを示している。子ども本人や家庭にその責任を押しつけることは許されない。子どもの権利条約にある教育を受ける権利、安心して休む権利、子どもの意見表明権などを保障する立場から、学校復帰を前提としない適応指導教室の増設など、不登校児童生徒を支える多様な場への公的支援を拡充する方向での強化が求められている。まつかぜ学級、はまかぜ学級、すまいる学級と同様の施設を増設すること。また、フリースクールなど学校以外のさまざまな学びの場をきちんと認めて公的支援を強め、保護者負担を軽減させるなど学校と同等の支援を行うこと。出席扱いについては校長の裁量や、教育内容によって選別することは許されず、「民間施設についてのガイドライン」を見直して、フリースクール等に通うすべての子どもを学校の出席扱いとすること。

    (答)

    公的な施設や支援につきましては、これまで、はまかぜ学級、まつ風学級に加え、すまいる学級を2か所、適応指導教室として開設しており、運営の充実を図っております。

    また、フリースクールにつきましては、国のガイドラインを基に、教育委員会が作成した「民間施設についてのガイドライン」に基づき、学校長が、適切な相談・指導を受けていると判断した児童生徒については、出席扱いにするなどの対応を行っております。

  • 2022年4月、市民や関係者の長年の運動の成果として、公立夜間中学「福岡きぼう中学校」が開校した。入学を希望する全員の生徒の入学を保障すること。さまざまな背景をもつ生徒へのきめ細かい配慮を行うとともに、今後のあり方についての課題や困難に対応するためにも、関係団体との協議会などを設置して、随時意見を聴きながら進めるようにすること。

    (答)

    夜間中学校への入学にあたっては、入学希望者との面談を行ったうえで、要件を満たすすべての希望者が入学できるよう努めております。

    協議会の設置につきましては、より良い学校づくりをしていくため、関係団体から意見を聞く機会を設けてまいります。


(11)特別支援教育

  • 市立特別支援学校は8校しかなく、小中学部については、国の標準をこえて1クラスに8人詰め込んでいる。児童・生徒が安心して通学できるよう、小中学部を含めた特別支援学校を増設して標準を守ること。また、2021年9月に策定された特別支援学校の設置基準を既存校に適用しないのは、「可能な限り速やかに設置基準を満たすこととなるよう努めること」としている文部科学省「通知」にも反している。既存校の面積基準未充足の解消や図書室の設置など速やかな整備をすること。

    (答)

    特別支援学校の整備につきましては、設置義務のある福岡県に対して、福岡市内への県立特別支援学校の設置を要望するとともに、国の設置基準や障がいのある児童生徒数の推移などを踏まえ、特別支援教育の充実に必要な施設整備について検討をしてまいります。

    さらに、特別支援学校卒業生の就労率の向上を目指し、就労支援に特化した特別支援学校高等部を2校新設し、障がいのある生徒の自立支援を強化してまいります。

  • 市内小中学校214校のうち、自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置している学校は12.1%しかなく、当該障害を持つ児童生徒が、地元の小中学校に安心して通うことができない状況となっている。本市以外の政令市における当該支援学級の平均設置率は小学校86.5%、中学校で86%となっており、横浜市、川崎市ではすべての小中学校に設置されている。本市すべての小中学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置すること。また、LD・ADHD等指導教室を増設すること。

    (答)

    LD・ADHDなどの障がいのある児童生徒の支援体制につきましては、障がいの特性に応じた質の高い教育を行うため、拠点となる学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置しております。また、各学校に校内支援委員会を設置し、学校長、特別支援教育コーディネーターを中心として組織的に取り組む体制づくりを行うとともに、特別支援連携協議会を開催し、学校間や関係機関との情報共有などを行っております。

    自閉症・情緒障がい特別支援学級につきましては、支援が必要な児童生徒に適切に対応できるよう、整備を進めてまいります。

    通級指導教室の整備につきましては、対象児童生徒数に応じて適切に設置してまいります。

  • 特別支援学級には、年度途中に通常学級から移る児童生徒が少なからず存在し、8人の定員以上となることもある。それを担任1人で受け持つという基準では不十分であり、緊急加配を行うとともに、国に対しては学級編制基準を現在の8人から6人に改善するよう求めること。また、市独自に小中学校の特別支援学級の教員を1クラス2人以上にするよう加配すること。

    (答)

    特別支援学級の教員定数につきましては、義務標準法に基づき配当される教員定数を適切に配分するとともに、教職員定数の充実について、今後とも国に要望してまいります。

  • 専門性の高い正規の教員を大幅に増やすこと。当面、学校生活支援員を大幅に増員し、支援が必要な児童生徒すべてに行き届くようにすること。また、肢体不自由児が通う学校には、肢体不自由学級の有無に関わらず、介助員を必要数配置すること。

    (答)

    特別支援教育に係る正規教員につきましては、その専門性を考慮し、平成14年度から、特別支援学校教諭の採用区分を設け、教員採用試験を実施しており、引き続き計画的な採用を行ってまいります。また、特別支援教育について学ぶ研修につきましては、充実に努めてまいります。

    学校生活支援員につきましては、児童生徒の実態及び学校運営の状況に応じて適宜任用しております。

    肢体不自由のある児童生徒の支援に関しては、児童生徒の状況に応じて、学校生活支援員を配置するように努めております。

    今後とも、学校生活や学習活動に困難を抱える子どもたちが、よりよく過ごすことができるよう支援の充実に努めてまいります。

  • 2021年度の発達教育センターへの就学相談件数は約2100件となり急増している。そのうち8割以上が地域の学校への就学を希望している。療育センターや児童発達支援センターなどと連携し、子どもや保護者のニーズを積極的に把握するとともに、寄り添った就学相談を行い、意向を尊重し、適切な就学を断念することがないように、必要な援助・配慮の体制を整えること。

    (答)

    障がいのある児童生徒の就学先につきましては、療育センターや児童発達支援センター、就学前施設や幼稚園、保育園などと連携して、児童の実態を十分に把握し、保護者の意向を踏まえて適切な学びの場を検討し決定するように努めております。

    障がいのある児童生徒が入学、進学する際には、学校と協議しながら、対象となる児童生徒に対する支援の充実に努めております。


(12)高校・大学の教育

  • 新型コロナ危機に加えて、物価高騰が襲いかかり、学生の経済的困窮が広がっている。日本民主青年同盟が実施した食料支援には多くの学生が参加し、「お米がもらえて助かる」「もう一度給付金を支給してほしい」という声が圧倒的である。コロナと物価高騰で経済的困窮に苦しむ学生を直接支援する市独自の「学生支援特別給付金」を、対象を拡充し、再度支給すること。

    (答)

    大学生等への支援につきましては、国や大学等において様々な支援策が実施されているところであり、必要な支援が学生に届くよう、分かりやすい周知に引き続き取り組んでまいります。

  • 学生の2人に1人が奨学金を借り、卒業後はその返済のために生活が困難に陥り、自己破産する事例も少なくない。奨学金という名の「学生ローン」で借金させるのではなく、給付奨学金のさらなる拡充を国に求めるとともに、市独自の給付奨学金を創設すること。また、重要な役割を果たしている市教育振興会高校奨学金は希望者全員が借りられるようにすること。

    (答)

    教育振興会奨学金につきましては、中学生の進路保障を図るため、奨学金の貸与を実施しており、これまで、市民ニーズに対応するため、貸与金額、貸与人数及び入学資金などの貸与時期などを見直すとともに、奨学金を希望する全ての生徒が採用されるよう努めてきております。

    今後とも事業の安定運営を図りつつ、国・県の修学支援制度の動向も踏まえながら、適切に実施してまいります。

  • 長引くコロナ禍と物価高騰の下で、高すぎる学費の引下げを求める声が強くなっている。誰もがお金の心配なく学ぶことができるように、入学金制度を廃止し、大学の学費をただちに半分に減額するよう国に求めること。

    (答)

    大学生につきましては、国や大学等において様々な支援策が実施されているところであり、必要な支援が学生に届くよう、分かりやすい周知に引き続き取り組んでまいります。(こども未来局)

  • 「市立高等学校活性化に向けた取組方針(第2次)」は、魅力ある高校教育の推進として、国公立大学への進学率やキャリア教育の推進、部活動の活性化、大会やコンテスト出場など特定の成果を生徒に求める指標が定められている。過度な競争に駆り立てる「方針」は撤回すること。

    (答)

    市立高等学校活性化につきましては、各市立高等学校内における教職員による議論、ワーキンググループ及びプロジェクト会議などにおける教育委員会と市立高等学校での議論を通して、「市立高等学校活性化に向けた取組方針(第2次)」を平成29年度に策定し、令和元年度まで取り組んでまいりました。これまでの取組の成果と課題を踏まえ、令和5年度においても、教育委員会と学校が連携して第2次福岡市教育振興基本計画に基づき、魅力ある高校教育を推進してまいります。

  • 本市独自の私学助成は、1校平均約180万円で近年全く変わっていない。コロナ禍に加えて急激な物価高騰にある中で、保護者の負担軽減のためにも私学助成の拡充を図ること。

    (答)

    私立学校への助成につきましては、私立高等学校の教育の振興や保護者の負担軽減を図るため、国・県の助成を補完する目的で備品の整備などに対して助成を行っております。


(13)図書館

  • 資料の収集と貸出という公立図書館の役割を果たすため、図書館予算を抜本的に増額し、総合図書館及び分館の蔵書充実を図ること。図書館司書は資料の調査や相談に携わる専門職であるにも関わらず、ほとんどが会計年度任用職員となっている。専門職にふさわしい待遇へ改善し、正規職員として増員を図ること。

    (答)

    図書資料費につきましては、適切な予算措置を行っており、資料収集方針に基づき、引き続き蔵書の充実に努めてまいります。

    また、総合図書館及び分館につきましては、現行の職員配置により、適切な運営を図ってまいります。

  • 日本図書館協会は、公立図書館について住民の生活・職業・生存と精神的自由に深く関わる機関であり、図書館を設置し、図書館サービスを実施することは、地方公共団体の責務であると述べている。しかし、本市は「福岡市総合図書館新ビジョン」に基づき、サービスの向上を図るなどと指定管理者制度を導入した。公立図書館は地方公共団体が直接経営すべきものであり、営利追求の場に変質させる指定管理者制度はやめて、直営に戻すこと。

    (答)

    指定管理者制度につきましては、「福岡市総合図書館新ビジョン」に基づき、図書館サービスの向上を図るため、平成28年度から総合図書館の施設管理及び東図書館などの運営に導入しており、民間能力の活用により、多様化する市民ニーズに効率的かつ効果的に対応してまいります。


(14)社会教育施設

  • 公民館は「自治協議会のセンター」の役割が強調され、社会教育施設としての機能の側面が弱まっている。社会教育を支援する本来の役割を果たすため、館長や主事を補助する人員確保のための予算を増額するとともに、公民館主事の大幅な待遇改善を行うこと。また、公民館の幅広い市民の利用が保障されるよう、館長や主事等に対し、適切な対応のあり方について徹底すること。

    (答)

    公民館につきましては、社会教育法に基づく、「住民の生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与する」という設置目的に加え、公民館条例において、「住民の生涯学習及び地域コミュニティ活動への支援」を明確に位置づけております。公民館が担っている社会教育の役割につきましては、学級や講座などを実施することで地域住民の学習ニーズに応えるとともに、地域課題の解決のために、その学習成果を地域づくりなどのコミュニティ活動につなげていくことと認識しており、現在、地域の課題や住民ニーズに対応した多様な公民館事業を展開しております。

    今後とも、生涯学習とコミュニティ支援の両方の観点から一体的な業務の推進に取り組むとともに、関係法令及び公民館条例に基づき、適切に対応してまいります。

  • 各議員および会派等が開催する市政報告会は、市民の市政参画を推進し、開かれた議会を実現するうえで重要なものである。その会場使用料は政務活動費を充てることが認められており、公民館の利用目的である市民の公共的利用に供するものである。公民館を市政報告会の会場として利用する場合、「目的外使用」とする扱いはやめ、「目的内使用」とすること。

    (答)

    公民館につきましては、社会教育法及び公民館条例に基づき、市政報告会を含め、利用のあり方について様々な角度から検討を行ってまいります。

  • 南区における地域交流センターの整備について、いつまでも地域特性の調査・分析をするのではなく、設置する方針を決めて、建設計画を早急につくること。

    (答)

    南区における拠点施設につきましては、土地利用の動向及びこれまでの地域特性調査を踏まえながら、望ましい機能などの基本的な考え方について検討を進めてまいります。


(15)文化

  • 本市の文化振興費は2021年度の当初予算で27億円、一般会計の0.3%にすぎない。すべての市民の文化的に生きる権利、もっと自由に文化・芸術をつくり楽しむことを保障するために文化予算の抜本的な増額を行うこと。

    (答)

    市民の文化芸術振興につきましては、令和元年6月に策定した「福岡市文化芸術振興計画」に基づき、すべての市民が文化芸術と触れ合う機会の創出や、文化芸術活動の支援などに取り組んでまいります。

  • 民間の劇場やミニシアター、ライブハウスは現状では商業施設や遊興施設として扱われ、何の支援もない。年間100日以上事業を行っている施設は劇場とみなして固定資産税の減免をはかるなど、積極的な支援を行うこと。

    (答)

    市内のライブハウスなどへの支援につきましては、音楽関係団体を通して、各施設で行われるイベント情報などを発信しております。

    今後とも、ニーズを踏まえながら、必要な支援に努めてまいります。

  • すべての小中学生が1年に1度は文化芸術に触れる機会をつくるために、全校が取り組める予算を確保し推奨すること。義務教育の期間だけでなく、就学前の子どもや、高校生、大学生に対する芸術鑑賞などの支援を強めること。

    (答)

    文化芸術に触れる機会については、各学校の状況に応じて、学校長の判断により実施しております。引き続き、国や県・市などが主催する文化芸術活動関連事業を各学校に案内してまいります。(教育委員会)

    また、福岡市文化芸術振興計画に基づき、子どもをはじめすべての市民が文化芸術に触れ合う機会の創出に取り組んでまいります。(経済観光文化局)

  • 18歳未満の使用が半数を超えた場合、すべての市民センターで使用料減免を行うこと。

    (答)

    市民センターの使用料につきましては、市民センター条例や同条例施行規則に基づき減免を行っており、18歳未満の者が半数以上の団体が利用する場合は、5割相当額を減免しております。

  • 南市民センターだけでなくすべての市民センターのホールで子どもが舞台を見えやすくするための子ども用クッションの貸出しを行えるよう、指定管理者まかせにせず、市が備品として購入すること。拠点文化施設にも備えること。

    (答)

    市民センターにつきましては、民間の持つ優れた能力やノウハウを活かすことにより市民サービスの向上を図るため、指定管理者制度を導入しており、指定管理者の提案による企画事業の充実や受付時間の延長などを行ってきたところであり、今後とも利用者サービスの向上に努めてまいります。(市民局)

    拠点文化施設につきましては、子ども用クッションを備える予定としております。(経済観光文化局)

  • 文化芸術振興財団が行っている「ステップアップ助成プログラム」の助成事業数をさらに増やし、それに見合う補助を行うこと。

    (答)

    ステップアップ助成プログラムにつきましては、今後とも助成件数の拡充に努めるとともに、アドバイザーによる助言などにより文化芸術者のさらなる支援に取り組んでまいります。

  • 拠点文化施設は、社会包摂の場として役割を果たすよう検討を行うとともに、洗練された舞台芸術を「観る」ことだけではなく、舞台の創造、舞台芸術をささえる人材育成など本市における文化の拠点になるよう方針を明確化すること。

    (答)

    拠点文化施設につきましては、広く市民に鑑賞の機会を提供するだけでなく、市民の文化活動を支える場とすること、多様な人々が集う交流の場となること、社会課題の解決に貢献する場とすることなどを運営の基本方針としております。

  • 拠点文化施設内に整備予定の800席の劇場型ホールができたとしても、慢性的なホール不足は解消できない。演劇等の専門性に対応できる中規模ホール建設をさらに計画すること。

    (答)

    整備を進めている拠点文化施設には、これまでの市民会館を継承する大ホールに加え、新たに演劇などの専門性にも対応できる約800席の中ホールの整備を進めております。

  • 音楽・演劇練習場の4施設は高い稼動率のため希望者の多くが利用できない状況となっている。新設について「検討」を理由に先延ばしすることは許されず、すべての行政区に設置する計画をつくること。また、ぽんプラザホール同様の小劇場を増設すること。

    (答)

    音楽・演劇練習場につきましては、市民の身近な文化活動を支える重要な施設と認識しており、各練習施設の利用状況や、文化活動の現状、市民の需要などを踏まえ、誰もが利用しやすい練習環境づくりに向け、既存施設の更新に合わせた機能確保なども含め検討を進めてまいります。


(16)スポーツ

  • 市内スポーツ施設の土日祝日の応募倍率は野球場、ソフトボール場が63.3倍、テニスコートが17.1倍、体育館、運動室が8.8倍など高く、スポーツ基本法に定められた、国民のスポーツをする権利が保障されていない。身近なスポーツ施設を新・増設し、推進すること。老朽化しているスポーツ施設は改善し、スポーツ用具については適宜、更新すること。また、競技人口が増えているボルダリングやスケートボートなどができる公的な施設を設置すること。

    (答)

    身近なスポーツ施設の整備につきましては、平成30年12月に総合体育館が開館するとともに、地区体育館などにおいては、大規模改修を実施するほか、開館時間の延長や利用コマの見直しなどにも取り組んでおります。

    スポーツ施設の維持補修及びスポーツ用具の更新につきましては、安全に利用ができるよう、今後とも計画的に進めてまいります。

    また、新たなスポーツへの対応につきましては、課題や市民ニーズなどを踏まえ、民間の活用など、そのあり方も含めた調査や検討が必要であると考えております。

  • 1年に1度もスポーツをしない障害者は4割に及んでいる。障害の種類や程度にかかわらず、スポーツを行うことができる環境を作ることは、市の責任であり、市内体育館をはじめ、運動施設のバリアフリーを進めるなど利便性の向上を図ること。また、拠点施設である「障がい者スポーツセンター」について、以前からの改修要望である、トイレの洋式化と駐車場屋根の設置をすみやかに実施すること。多くの障害者が、スポーツやレクリエーションに親しむことができるためには、「障がい者スポーツセンター」が市内1か所では足りず、市有地を使って増設すること。

    (答)

    障がい者スポーツの環境づくりにつきましては、障がい者スポーツセンターや障がい者スポーツ協会を中心に、各種スポーツ教室や大会を開催するなど、スポーツを行う機会を提供しております。また、バリアフリーの推進については、福祉のまちづくり条例及びバリアフリー基本計画に基づく施設整備を進め、利便性の向上に取り組んでまいります。

    障がい者スポーツセンターの改修につきましては、利用者アンケートなどでいただいたご意見や指定管理者からの要望を踏まえ、利用者の安全性や利用頻度、アセットマネジメントの観点などから、緊急度や優先度を考慮のうえ取り組んでおり、全てのトイレの洋式化を行ってまいります。

    また、障がい者スポーツセンターの増設につきましては、施設の利用状況などから現時点で必要性は低いと考えておりますが、引き続き状況を注視してまいります。

    今後とも、障がいのある方やご家族などの声を伺いながら、障がい者スポーツの振興及び環境づくりに取り組んでまいります。

  • 学校の施設は地域スポーツ活動の重要な拠点の一つであり、中学校のグランドは校庭開放によって地域のスポーツ振興に寄与しており、その必要な施設整備が求められている。その一方、防球フェンスが低すぎる学校が数十校になり、地域の要望に応えられておらず、改善を行うこと。早良区にソフトボールのできる運動公園をつくること。

    (答)

    小中学校のグラウンドにつきましては、学校施設開放事業において、学校教育に支障のない範囲で地域住民のスポーツ活動などの場として、既存施設の状況に応じたご利用をお願いしております。今後も適切な事業運営に努めてまいります。(教育委員会)

    早良区における、ソフトボールなどの球技が可能な新たな運動公園の整備につきましては、用地取得及び施設整備に多額の費用が必要であるなか、公園整備や改修など、現在継続中の事業も抱えていることなどから、新たな大規模公園事業には課題があります。今後ともご要望の趣旨も踏まえながら、検討してまいります。(住宅都市局)

  • 住民のスポーツ参加を増進するための施策をすすめる専門職員の確保、指導者の配置を行うこと。担い手としての活動を支えるために、スポーツ推進委員の位置づけを高め、研修費や必要経費への補助金を充実させ、地域でのスポーツ振興への支援や奨励をおこなうこと。地域団体などに、福岡マラソンや大規模スポーツ大会への動員・割り当てを強要しないこと。

    (答)

    福岡市のスポーツ推進委員につきましては、各小学校区に2名ずつ配置し、地域におけるスポーツ推進のための実技指導や指導助言などを行っております。

    今後も、地域の課題やニーズに応えていくため、スポーツ推進委員に対する研修の充実や指導に努めてまいります。

    また、今後とも、市民の皆様のご理解をいただきながら、様々なスポーツの大会や行事を開催してまいります。

  • 「受益者負担」の名のもとに、福岡市総合体育館をはじめ各区の市立体育館の駐車料金が有料化されている。市民負担を増やす駐車料金の有料化はやめ、無料にすること。

    (答)

    総合体育館の駐車場の利用料金につきましては、福岡市総合体育館条例において上限額を定め、その範囲内で指定管理者が料金を定めております。

    また、地区体育館の駐車場につきましては、負担の公平性の確保をはじめ、不適正利用の防止や財源の確保を図るため、順次有料化を実施しております。

  • 福岡市の体育館やプールの利用料金について65歳以上は無料にすること。あわせて、福岡市内にある民間のスポーツ施設についても、市民が利用する際、利用料金の補助制度を作ること。

    (答)

    体育館やプールの利用料金につきましては、65~69歳の料金を半額、70歳以上の料金を無料としており、民間のスポーツ施設利用における料金の補助制度については考えておりません。

  • 本市の体育館やプールなど、スポーツ施設の管理・運営に指定管理者制度が導入される中、コスト削減のために照明を間引く施設があるなど問題となっている。利用者の立場にたった運営のために、直営にもどすこと。

    (答)

    体育館及びプールの管理につきましては、民間のノウハウの活用により、柔軟で質の高い市民サービスを提供することを目的として、指定管理者制度を導入しており、今後も利用者のニーズの把握に努めながら、適切な施設管理を行ってまいります。

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7、子どもの権利が守られ、安心して子育てできる福岡市に

(1)保育

  • 2022年10月1日時点で、未入所児童は1565人、待機児童は10人と依然として希望する保育所には入れない子どもたちが多く残されている。市長は保育の受皿確保のために企業主導型保育や定員増の大規模化などを推進してきたが、定員を上回って受け入れている保育所がある一方で、10人以上定員割れしている保育所もある。地域の保育ニーズを把握するとともに、企業主導型保育事業の拡大や定員増の増改築を推進するのではなく、公共用地を活用して適正規模の認可保育所を増設すること。また、現在7園である公立保育所を増やし、せめて各行政区に設置すること。

    (答)

    待機児童の解消につきましては、地域の保育ニーズを的確に把握しながら、既存保育所の増改築などにより、受け皿確保に取り組んでまいります。

    また、公立保育所につきましては、7か所を存続させ、緊急時の対応とセーフティネット等を担う拠点となる保育所として充実してまいります。

  • 新型コロナの感染拡大の予断は許されず、引き続き保育現場での感染対策の強化が求められている。保育所等で感染者が確認された場合は、迅速にすべての子どもと職員を対象にして検査を行うこと。また、保育所等を通じて家庭に抗原検査キットを配布して、子どもの体調不良時にすぐに検査が行えるようにすること。

    (答)

    発熱等の症状がある児童につきましては、国の通知に基づき、登園を控えるよう要請しております。

    保育所等で感染が確認された場合の対応につきましては、今後とも、保健医療局と連携し、ウイルスの特性等を踏まえながら検討してまいります。また、保育所等に対して、国の事業を活用し、迅速な検査ができるよう抗原検査キットを配布しております。

  • 保護者が新型コロナに感染した際、必要な場合は児童相談所で子どもを預かる支援を実施しているが、実際に利用したのは2件である。また、保育園が臨時休園になるなどして訪問型保育サービスを利用した場合の利用料を一部補助する事業を行っているが、実績はゼロ件である。コロナ感染拡大の予断を許さないなかで、もっと市民が身近で利用しやすい形での子どもを保護する体制を確保することは重要であり、市の責任でさらに代替保育の制度を充実させること。

    (答)

    新型コロナウイルス感染症対策につきましては、保育所等に対して消毒液等の購入費や非接触型の蛇口等への改修費用の助成を行うとともに、抗原定性検査キットによる職員のスクリーニング検査を実施しております。また、保育所等が臨時休園となった場合の代替保育につきましては、感染状況や国動向を踏まえ、適切に対応してまいります。

  • 保育士等やその家族が感染したり、濃厚接触者になったりなどして出勤できない場合に、人手が足りなくなり現場は大変な苦労を強いられている。緊急の人員確保を現場任せとせずに、市が責任をもって保育士等を臨時で派遣すること。また、コロナ感染や濃厚接触等により出勤できない場合は、有給休暇の取得を強制するのではなく、公休扱いとすること。

    (答)

    保育士の確保につきましては、各保育所等において、それぞれの状況に合わせて実施されており、福岡市では、保育士への勤続手当の助成、潜在保育士への就職準備金の貸付、就労継続支援を目的とした相談窓口の設置、家賃の一部助成、奨学金の返済支援を引き続き実施するほか、新たに、国の方針による保育士等の収入引き上げのための助成を行っております。

    さらに、遊具の消毒等の保育補助等を行う保育支援者の配置に要する費用の一部を助成しております。

    また、有給休暇の取り扱いは原則的には各保育所等を運営する法人の判断にはなりますが、保育士がコロナ感染や濃厚接触等により出勤できない場合に、安心して休むことができるように、有給の特別休暇として取り扱うように各保育所等に依頼しております。

  • 現在の保育士配置基準や面積基準ではコロナ対策として密を避けることは難しく、現場からは「保育士が足りていない。子どもの安全と成長が保障されていない」との声が多数寄せられている。保育士がゆとりをもってより良い保育を行うためにも、基準の改善が緊急に求められている。配置基準の改善を国に強く要請するとともに、市独自に行っている充実保育士の雇用経費を増額し、0歳児は1対2、1歳児は1対4、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4・5歳児は1対15へと改善すること。あわせて、1947年以来変わっていない面積基準については国に改善を求めるとともに、市独自にも乳児室の改善にとどまらずさらに改善を図ること。

    (答)

    保育士の配置基準につきましては、国基準どおりとしておりますが、職員の配置に係る福岡市独自の措置として、充実保育士の雇用経費を助成しております。施設の面積基準につきましては、乳児一人あたりの面積が、国基準より広くなるように乳児室の基準を設定しております。今後とも国に対して充実改善を求めてまいります。

  • いわゆる幼保無償化は対象年齢が3~5歳児に限定され、副食費が保護者の実費負担となるなど真の無償化には程遠いものである。対象年齢をすべてに広げるよう国に要請するとともに、子育て世帯の負担軽減のために市独自に0~2歳児の保育料をさらに引き下げ、無償とすること。副食費の実費負担は物価高騰の中で保護者の大きな負担となっており、無償とするよう国に求めるとともに、本市として第3子以降に限らず、助成対象を広げて副食費無償化の手立てをとること。また、制服、遠足、文房具代など「隠れ保育料」と呼ばれる実費徴収費が重い負担となっている。物価高騰の影響が特に子育て世帯にのしかかる中で、これらの費用についても無料とするよう国に求め、市独自の補助制度をつくること。

    (答)

    0~2歳児の保育料につきましては、一部を除き無償化の対象外となっておりますが、福岡市独自に国の徴収基準額から20%相当額を減額した保育料体系としております。

    さらに、福岡市独自の多子世帯への負担軽減策として、令和5年4月から、第2子以降の保育料を所得制限などの要件を設けず無償化いたします。

    また、副食費につきましては、福岡市の独自財源による「第3子優遇事業」により、保育所等を利用する第3子以降の児童の副食費を免除しております。

  • 保育士の賃金は、全産業平均より月5万円低いと言われており、現場の保育士からも「賃金に不満」「せめて月5万円あげてほしい」などと賃上げを求める強い要望が毎年寄せられている。コロナ禍の中で社会の土台を支える保育士の役割が一層重視されているが、まともな賃金アップは図られていない。また、専門性を高め、賃上げにもつながるとして導入されたキャリアアップ研修は一部の保育士に限られ、現場からは休日を潰して研修を受けることや仲間の保育士の負担を増やしてまで研修を受けることへの拒否感や罪悪感があるなどの声が強くあがっている。保育士がやりがいをもって長く働き続けられるように、賃金全体の底上げこそが求められており、公定価格を抜本的に見直して、ただちに月5万円の賃金引上げを行うよう国に求めること。加えて「福祉職俸給表」に基づく賃金となるよう市独自の財政措置を行い、「福岡市保育士勤続手当」は増額すること。

    (答)

    保育士の給与につきましては、保育所委託費に上乗せして福岡市独自に必要な助成を行うほか、令和4年2月から、保育士等の収入引き上げのための助成を行っております。

    国に対しましても、引き続き公定価格の充実を求めてまいります。

  • 保育士不足は依然として深刻である。慢性的な人手不足の中で、残業が多く、希望通りの休暇を取得できず、長引くコロナ禍で精神的ストレスは増している。求人を出しても応募がなく、派遣に頼らざるを得ない状況が続いている。保育士の確保を現場の努力だけに押しつけず、市の責任で保育士を確保すること。フルタイムで働く正規保育士の雇用を増やすための市独自の財政措置を行うこと。

    (答)

    保育士の確保につきましては、保育士への勤続手当の助成、潜在保育士への就職準備金の貸付、就労継続支援を目的とした相談窓口の設置、家賃の一部助成、奨学金の返済支援、保育の周辺業務を行う保育支援者の配置費用の助成などの取組みを引き続き実施するとともに、必要な保育現場の改善について国に要望してまいります。

  • 保育士の離職防止のために市独自の施策である家賃の一部助成や奨学金の返済支援が行われているものの、その対象範囲と額は不十分である。非正規職員や給食調理員などにも適用することとし、家賃助成額は少なくとも月3万円に引き上げるとともに、奨学金返済支援の補助も拡充すること。

    (答)

    保育士の家賃及び奨学金助成につきましては、保育の質の維持・向上の観点から、安定的に保育を行うことができる正規雇用の保育士の雇用を促進するため、助成の対象を正規保育士としております。家賃助成額については、福岡市における1人世帯の平均家賃月額及び私立保育所の平均住宅手当額の状況を踏まえ、補助の上限を月額1万円といたしております。奨学金助成上限額につきましては、大学生と短大生等の日本学生支援機構奨学金の借入・返済状況を踏まえ設定しております。

  • 保育の一環である給食を担う給食調理員の給与は、保育士と比べて賞与を含めて年間で約40万円の差がある。アレルギー食や宗教食への対応、0歳児の1人ひとりの発達に応じた離乳食づくりなどの専門性とともに、保育士とともに子どもたちの安全と成長を見守るチームとしての調理員の役割と責任は大きい。保育士と同等の給与水準とするよう国に求めるとともに、市独自に調理業務の特殊性と専門性に見合う「特別手当」を創設するなど格差是正のための手立てを講じること。また、調理員がコロナに感染し、代わりの人員を確保できずに2週間1人で給食業務を行った現場もある。国の配置基準では調理員も到底足りておらず、基準の改善を国に求めるとともに、市独自にも配置基準を引き上げて財政措置を講じること。

    (答)

    保育所職員の給与などにつきましては、保育所委託費に上乗せして福岡市独自に必要な助成を行うほか、令和4年2月から、保育士等の収入引き上げのための助成を行っております。

    また、調理員の配置基準につきましては、国基準どおりとしておりますが、職員の配置に係る福岡市独自の措置として、パート調理員の雇用経費を助成しております。

    今後も、国に対して公定価格のさらなる充実を求めてまいります。

  • 早朝や夕方などの時間帯は特に忙しく、様々なトラブルが起きやすいが、保育士の人数がそろっていない時間である。どの保育時間でも配置基準が満たされている必要があり、朝夕の保育士を実際に増やして対応するためには現在の公定価格では不十分である。実態に見合うように公定価格の管理費の引上げを国に求めるとともに、市独自に補助制度を設け、どの時間帯でも配置基準が満たされるようにすること。

    (答)

    保育士の配置基準につきましては、国基準どおりとしておりますが、職員の配置に係る福岡市独自の措置として、充実保育士の雇用経費を助成しております。

    今後も、国に対して公定価格のさらなる充実を求めてまいります。

  • 保育業務の負担軽減としてICT化が進められているが、公的に提出する必要がある記録の作成等は、労働時間内には終わらず、休憩時間や自宅に持ち帰って書くことが常態化しており、保育士の大きな負担となっている。ICT導入という小手先のやり方ではなく、抜本的な業務の削減を図るとともに、提出すべき書類の精査を行い、必要な書類作成については労働時間であることを明確にし、残業手当を支給すること。

    (答)

    保育士の負担軽減につきましては、保育帳簿の作成の効率化に資するよう、適宜様式の見直しを行うとともに、研修会や実地監査等においても、できるだけ省力化できるよう帳簿の記載方法等について助言等を行っております。

    また、保育業務のICT化により、保育帳簿の作成や園児の登降園管理、保護者への連絡等の機能を含むシステムを導入することで、保育業務の効率化を進め、保育士の負担軽減に引き続き取り組んでまいります。

    なお、適切な時間外勤務手当の支給につきましては、指導監査等の機会を通じて、引き続き、指導してまいります。

  • 家庭的保育事業や小規模保育事業などは、保育基準が条例で定められているものの、園庭の設置義務がなく、職員全員が保育士の有資格者でなくても良いなど認可保育所より基準が低いため、保育士の質の低下や保育所間での格差につながるなど問題である。すべての子どもの最善の利益と発達の権利を保障するため、条例を見直すとともに、必要な支援を強めて規制緩和路線を改めること。

    (答)

    家庭的保育事業や小規模保育事業などにつきましては、家庭的保育事業等の設備及び運営の基準を定める条例を制定し、保育の質の確保に努めております。

  • 本市の認可外保育施設は、2022年4月1日時点で324施設となっているが、職員の健診費用など助成額の合計は約1300万円にとどまっている。24時間保育や一時・休日・延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求にこたえ、地域の子育て支援に貢献し、保育行政を保管する役割を果たしている認可外保育施設への職員給与・修繕費・管理への補助を創設すること。あわせて、認可化をめざしている施設への財政支援を強化し、認可化をすすめること。

    (答)

    認可外保育施設の認可化につきましては、認可に必要な施設整備などの経費に対する助成を実施するなど、認可化へ向けた支援を行っており、今後も継続して支援してもいります。

  • サポート保育(障害児保育)の支援区分Ⅰ~Ⅲの補助単価は増額されてきているが、その額では保育士1人を雇用するのは難しい。支援が必要な子どもに保育士がつくことになれば、別の保育士がクラスをまたいで他の子どもたちを見守るなど、保育士を1人でも多く雇用できる補助単価の増額が現場から求められている。発達障害やグレーゾーンの子どもは年々増加しており、補助単価を抜本的に増額し、必要な保育士を確保すること。障害の程度が重い子どもを受け入れられるように、1対1での個別対応が可能な保育所を抜本的に増やすこと。また、コロナ感染対策の面からも、医療的ケア児や障害の程度が重い子どもを受け入れる面からも看護師の配置が求められている。看護師配置を現場任せにせず、市として保育所ごとに1人配置する基準を設け、雇用費の助成を抜本的に増やすこと。

    (答)

    特別支援保育(さぽ~と保育)につきましては、令和2年度から補助単価を増額するとともに、1対1での個別対応を要する児童を受け入れるため、新たな補助区分を創設しております。

    また、医療的ケア児の受け入れ体制につきましては、令和2年度から全ての公立保育所で医療的ケア児を受け入れる体制を整えるとともに、民間保育所等に、看護師をフルタイムで配置可能な額の助成を行っております。


(2)医療的ケア児、療育

  • 「医療的ケア児と家族の支援法」が成立し、医療的ケア児の日常生活を家族任せにせず社会全体で支えていくために保育所等への看護師の配置が求められている。しかしながら、22年度における医療的ケア児の保育所での受入れは公立と私立あわせて11か所15人にとどまっている。すべての保育所で医療的ケア児を受け入れることができるように看護師を配置するとともに、必要な保育士を確保するための雇用費助成の予算を抜本的に増額し、医療的ケア児の受入れを増やすこと。また、たとえ看護師を配置できたとしても、不測の事態に対応するためには医療機関との連携は不可欠である。常に保育所と医療機関等とが連携できる体制を市の責任で整えること。

    (答)

    医療的ケア児の支援につきましては、受け入れる保育所に対して、看護師配置費用を助成するとともに、訪問支援・研修などを実施しております。

  • 医療的ケア児を受け入れている幼稚園や保育所に看護師を派遣する幼稚園等看護師派遣事業は、1回あたりの看護師の派遣時間が60分、最大120分までという制度設計になっている。これでは保育時間の一部にとどまり、十分な支援とはいえず、21年度の利用人数はわずか3人である。訪問看護1回あたりの時間を増やすために、抜本的に予算を増額すること。

    (答)

    幼稚園への看護師派遣につきましては、幼稚園の標準教育時間が1日4時間であることを踏まえ、看護師の派遣時間を1回60分、1日最大2時間と設定しております。

  • 2024年に「南部療育センター(仮称)」が設置される予定であるが、発達障害児等の増加に伴い、現在の市内3か所の療育センター等における相談数は年々増加しており、単独通園施設の待機児童数も毎年発生している。相談から診断まで約3ヶ月を要する状況も改善されておらず、療育施設はまだまだ不足している。相談・診断・療育が速やかに受けられるように、療育センターや単独通園施設など療育施設をさらに増設すること。

    (答)

    福岡市における障がい児の療育環境につきましては、現在、相談・診断・療育機能を有する療育センターが計3か所、療育のみ行う児童発達支援センターが8か所ございます。

    南部地域における療育環境の整備につきましては、令和4年7月に基本設計が完了し、8月から実施設計に着手したところであり、今後とも地域や関係者等と意見交換をしながら、整備を進めてまいります。

    また、令和4年度から、保育所などと並行して通う児童発達支援のモデル事業を実施しており、今後はモデル事業を拡充するとともに保育所の余裕スペースを活用した身近な地域での療育など未就学の障がい児に対する支援体制の構築に取り組んでまいります。

  • 療育センター等に通う肢体不自由児が5歳になると単独通園になるが、自力での歩行ができないために保護者の付添いが求められている。療育時間も15時までと短く、保護者のフルタイムでの就労と両立できない。医療的ケア児支援法は、保護者の就労を後押しするために療育支援の充実が自治体の責務として明記されている。自力歩行ができずとも、保護者が付き添わずに単独通園を受入れられる体制を整備するとともに、放課後デイサービス事業所並みに療育時間の延長を行うこと。

    (答)

    療育センター等に通う肢体不自由児で単独通園となる5歳児につきましては、登園中に医療的ケアが必要となる児童にかぎり、保護者による送迎や送迎時の付き添いをお願いしております。

    就労との両立など、多様化する利用者のニーズに対応するため、療育センターの肢体不自由児クラスの利用につきましては、民間の主として重度心身障害児を通わせる指定児童発達支援事業所との併用や保育所等との並行通園も含め、検討してまいります。

  • 療育センター等の通園エリアについて機械的な線引きが行われ、自宅から近い施設があるにも関わらず、行政区をまたいで通っているなどのケースもある。通園エリアの機械的な線引きは行わず、柔軟に対応すること。

    (答)

    市内の各児童発達支援センターでは、障がい児の居住地に応じた通園エリアを設定し、児童の年齢、発達の遅れなどを考慮した利用調整を行っております。今後とも、できる限り障がい児及びその保護者に寄り添った利用調整を行ってまいります。


(3)子どもの医療費

2021年7月から、子どもの通院時の医療費助成対象を中学生まで拡大し、1医療機関につき、ひと月あたりの自己負担額を500円とした。長期化するコロナ禍と物価高騰の中で、とりわけ子育て世代の経済的困難は深刻となっており、自己負担は決して軽いものではない。厚生労働省の調査によると、高校卒業まで通院の助成・無料化を広げている自治体が、全国1741自治体のうち約47%となるなど助成対象の拡大や完全無料化の流れが強まるなかで本市の制度は遅れている。したがって、本市でも、入院・通院ともに助成対象を高校卒業まで拡大して通院時の自己負担をゼロにし、早急に子どもの医療費は完全無料とすること。


(答)

子ども医療費助成制度につきましては、令和3年7月に制度を拡大し、3歳から中学生までの通院費を1医療機関1月あたり一律500円までとするふくおか安心ワンコインを実施し、負担軽減を図ったところでありますが、令和6年1月からは助成対象を高校3年生相当(18歳に達した日以後の最初の3月31日まで)に拡大し、全ての子どもたちが安心して医療を受けられる環境づくりを推進してまいります。

自己負担につきましては、財源を確保しつつ、将来にわたり持続可能な制度とするため、引き続き一定の負担をお願いするものであります。


(4)留守家庭子ども会

  • 2022年4月20日時点で子ども1人あたりの面積基準1.65㎡を確保できていない施設が18か所あり、今年度に増改築等で8か所整備し、その他は学校施設を活用するなどとしているが、最低限の面積基準を満たしていない施設が残されているのは問題である。子ども1人あたり1.65㎡を確実に保障するよう計画的に整備すること。また、各施設に、8㎡以上を確保した「静養するための機能を備えた区画」や、職員室、調理室、ホール(集会室)を備えるようにすること。さらに、安全、衛生上必要なトイレ、手洗い場を国の設置基準に沿って増設すること。

    (答)

    留守家庭子ども会施設につきましては、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例」を踏まえ、今後とも、箇所ごとの実情に応じて計画的に整備などを進めてまいります。

  • コロナ対策として「3密」を避けながら、子どもの発達・成長を保障するためにも、支援単位については「1クラス30人程度」とすること。ひとつの大部屋で支援単位以上の子どもが過ごす状況もあり、密を避けられない場合は、学校と連携して、特別教室や余裕教室などを活用すること。

    (答)

    国は、放課後児童健全育成事業について、概ね40人を超えるクラブに関し、各クラブの状況に応じて適切と考えられる方法で支援の単位ごとの活動を実施することも可能としており、留守家庭子ども会につきましても、これを踏まえた対応を行ってまいります。

    また、留守家庭子ども会の専用施設だけでは密を避けることが困難な場合につきましては、学校と連携し、特別教室などの学校施設を活用してまいります。

  • コロナ感染対策を万全にしながら子どもの成長・発達を保障するためにも、支援員増員は待ったなしの課題である。支援員は会計年度任用職員であることを理由に賃上げを行わない姿勢を改め、正規職員として大幅に増員するとともに、専門職にふさわしい処遇改善を行うこと。特に、支援単位ごとに放課後児童支援員の資格をもつ職員を複数配置すること。また、経験豊富な支援員であっても、4年ごとに採用試験を受けなければならないことになっており、希望すれば継続して雇用するよう制度を改めること。

    (答)

    総括支援員、主任支援員及び支援員の人員体制につきましては、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例」に基づき、配置してまいります。

    また、総括支援員などの勤務条件につきましては、地方公務員法に基づき、国が示す運用の考え方や他都市の状況なども考慮しながら、適切に対処してまいります。

  • 留守家庭子ども会の支援員の配置状況は支援員の人数が少ないため、有償ボランティアである約2000人の補助支援員が配置されている。労働時間に応じて報酬を受け取り、指揮命令に従って支援員を補助しながら子どもの安全と成長を保障する重要な役割を果たしているにもかかわらず、労働者として雇用しないという脱法行為は許されない。補助支援員は有償ボランティアという扱いを改め、雇用関係を結び、正規化を図ること。

    (答)

    留守家庭子ども会の運営につきましては、地域や保護者で構成する校区の運営委員会と連携を図りながら実施しており、補助支援員は各運営委員会で登録の上、子ども達の見守りなどの活動にご協力していただいております。

    引き続き、支援員と補助支援員の役割分担を明確にし、地域の方が補助支援員として協力しやすい環境を整え、地域全体で子どもを見守り育んでまいります。

  • 新型コロナの終息は未だ見通せず、引き続き感染対策の強化が必要である。感染者が1人でも確認された場合は、原則としてすべての子どもと支援員の検査を実施すること。また、抗原検査キットを施設に随時配布して、支援員の定期的なスクリーニング検査を実施すること。さらに、慢性的な人手不足の中で、支援員が陽性となり出勤できないなど運営に支障を来している。臨時の支援員の手配を現場任せにせず、緊急の場合は市から臨時の支援員を派遣すること。

    (答)

    留守家庭子ども会における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国の指針やマニュアルに基づくとともに、九州大学病院グローバル感染症センターの専門的な助言を踏まえながら、引き続き適切に対応してまいります。抗原検査キットにつきましては、各留守家庭子ども会に配布しており、スタッフが家族の濃厚接触者となり人員が不足する場合など、必要に応じて検査を実施しております。

    また、急遽支援員が不足する場合につきましては、所管課である放課後こども育成課から応援職員を派遣することとしております。

  • 社会福祉法人が運営する民間学童保育施設の役割を明確にし、コロナ対策のための補助金を交付し、恒久的な独自の財政支援を行うこと。

    (答)

    民間学童への支援につきましては、福岡市では校区単位で留守家庭子ども会を設置しており、待機児童も生じていないことから、困難と考えておりますが、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費に関しては、感染の拡がりを予防するという点で重要であり、国や県と協議、調整を行いながら、適切に対応してまいります。


(5)児童館

児童館の利用者数はコロナ禍によりいったん減少したものの、依然として中高生の居場所としてニーズは高い。本市では中央区に1つしかなく、都心部から遠いところに住む市民は利用しづらいという不利益を被っている。また、市内に1館の体制では、国の児童館ガイドラインが定める児童館としての拠点性や地域性は発揮できないことは明らかである。地域に根ざし、専門職員が常駐する児童館は、公民館など他の施設や出前児童館などで肩代わりすることは不可能であり、早急に児童館を全ての行政区に設置するとともに、幼稚園・学校・こども病院の跡地など公有地を活用して計画的に増やすこと。


(答)

中央児童会館につきましては、市内全域から利用できるよう交通利便性の高い場所に設置し、子どもたちが自らの意思で自由に利用できる居場所となっております。また、地域で行われている子育て支援活動のサポートや出前児童館を実施するなど、館内活動にとどまらず、館外において地域や関係機関と連携した活動も行っております。専門職員のいる児童館を各区に設置することは予定しておりませんが、身近な地域において、子どもの発達段階に応じた遊びや活動ができる場の確保や機会の充実、中高生等を対象とした若者の居場所づくり、それを支援していく人材の育成・確保を図ることを基本として、施策を推進してまいります。


(6)児童虐待

  • 本市の児童虐待の相談対応件数はこの5年間全国の倍以上のペースで増え続け、2685件(2021年度)と過去最多を更新した。全国状況よりも深刻な現状にかんがみ、2022年3月30日に定められた国の新たな「児童相談所運営指針」において管轄区域内の人口は「基本としておおむね50万人以下」であることとされたことをふまえ、児童相談所を増やすこと。児童相談所内への児童心理治療施設の設置により、児童相談所の一時保護所の定員が40から10へと減らされたが、平均で15人、多い時で29人の子どもを受け入れたこともあった。不足する児童相談所の一時保護所の定員を増やし、環境整備を行うこと。

    (答)

    一時保護所につきましては、緊急一時保護を除き、子どもの状況等に適した環境で生活やケアの質が確保されるように、児童養護施設などに一時保護委託するなど、一時保護の場の地域分散化を進めてまいります。

  • 専門職である児童福祉司・児童心理司について、児童虐待防止対策総合体制強化プランで示された2022年度目標の職員配置基準にもとづき児童虐待相談対応件数等を勘案すると同年度の児童福祉司は82人、児童心理司は40人必要であるが、本市の児童福祉司は69人、児童心理司は34人にしかならない。早急に基準を達成し、さらに手厚い配置を進めること。また、その半数が経験年数3年未満という状況をあらためて継続性を強め、専門性を高めること。弁護士資格をもつ職員を複数名配置すること。

    (答)

    こども総合相談センターでは、児童虐待の相談・通告件数の増加や相談内容の複雑化・深刻化に対応するため、専門職である児童福祉司や児童心理司を増員するとともに、弁護士資格を有する職員を配置しており、今後とも、法定研修をはじめ研修内容のさらなる充実に努めるなど、職員の専門性の強化を図ってまいります。

  • 児童養護施設を退所し遠方に進学した若者についても必要な場合は措置を継続すること。こうした若者をふくめ、私立大学を含め授業料・入学金の減免を全額カバーするよう本市独自の施策を行うこと。また、施設職員について現行の本市の制度である、産休代替雇用や共済掛金への助成だけでは職員確保にはとうてい及ばず、処遇が改善され進路として希望が持てるように本市独自の支援をさらに拡充するとともに、国に対しても措置単価の引上げを要求すること。「福岡市社会的養育推進計画」はホームページや情報プラザなどで誰でも見られるようにすること。

    (答)

    児童養護施設の入所児童などの自立に向けた支援につきましては、措置延長や社会的養護自立支援事業を活用するほか、就職・進学の際、国の基準による支度金に加えて福岡市独自の支度金の支給を行っております。

    また、児童養護施設の職員への処遇につきましては、必要に応じて国への要望も行いながら、適切な援助体制が確保できるよう、取り組んでまいります。

    福岡市社会的養育推進計画に係る施策につきましては、第5次福岡市子ども総合計画に基づき推進しております。


(7)ひとり親家庭

ひとり親家庭の貧困率は48.1%と断トツの高さとなっている。すべてのひとり親家庭が「健康で文化的な最低限度の生活」ができる「福岡支援モデル」を策定するよう、以下の支援を求める。

  • 「福岡市ひとり親家庭実態調査結果」(2021年度)において、「行政機関に対する要望」のトップは「年金・手当などの充実」であり、回答数の6割という強い要望になっている。児童扶養手当について、所得制限の緩和による第1子の拡充、第2・3子以降への加算額の大幅引上げ、毎月支給化、18歳から20歳未満までの支給延長を国に求めること。あわせて、市独自の加算手当を創設すること。

    (答)

    児童扶養手当につきましては、平成30年度から全部支給の所得制限額の引き上げが実施されるなど、国において制度の見直しが行われており、今後とも国の動向を注視してまいります。

  • 前掲調査で2番目に回答数の多い項目は「医療保障を充実する」である。ひとり親家庭等医療費助成制度の所得制限をやめ、18歳まで完全に無料にすること。

    (答)

    福岡市のひとり親家庭等医療費助成制度につきましては、県の補助対象事業として県制度と同基準で実施しております。

  • 前掲調査で3番目に回答数の多い項目は、「県営住宅や市営住宅を増やす」である。福岡市の母子家庭で公営住宅に入居できているのは、14%しかなく、半分は民間借家やアパートなどで生活している。市営住宅におけるひとり親世帯への収入基準緩和・抽選倍率優遇や子育て世帯一般の別枠募集では十分ではなく、市営住宅そのものを大幅に増やすこととあわせて、ひとり親家庭が入居できる枠を抜本的に増やすとともに、ひとり親家庭への独自の家賃補助を行うこと。

    (答)

    市営住宅につきましては、「市営住宅ストック総合活用計画」に基づき、建替えや改善事業による機能更新を進めております。

    また、子育て世帯の入居につきましては、入居時の収入基準の緩和や、抽選時の倍率優遇のほか、子育て世帯の別枠募集を行うなど、市営住宅に入居しやすい制度としております。(住宅都市局)

    ひとり親家庭に対する家賃補助につきましては、今後のひとり親家庭支援に関する国の動向などを注視してまいります。(こども未来局)

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8、あらゆる分野でジェンダー平等を進める

1990年代以降、世界は「ジェンダー主流化」を合言葉に、根強く残る男女格差の解消を進めてきたが、日本は各国の男女平等の達成度を示す「ジェンダーギャップ指数2022」(世界経済フォーラム)は146カ国中116位と、先進国の中で最低レベルである。口先だけの「男女共同参画」や「多様性の尊重」ではなく、ジェンダー格差を打開するために経済的・社会的差別をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会をめざすことが強く求められている。


(1)福岡市男女共同参画基本計画

「福岡市男女共同参画基本計画(第4次)」においては2025年度までに企業における女性管理職比率を15%、市役所における女性管理職比率を20%にすることを目標にしているが、政府の目標40%程度と比べても低いものとなっており、大幅に引き上げること。あらゆる意思決定の場に女性を増やし「男女半々」の実現に向け、ジェンダー平等を推進すること。


(答)

企業における女性管理職比率の向上につきましては、「ふくおか女性活躍NEXT企業 見える化サイト」の推進や企業向けのセミナーの開催などに取り組むとともに、企業の女性を対象としたキャリアアップや能力向上に向けた研修を実施するなど、市内企業の女性活躍や働きやすい職場づくりを支援してまいります。(市民局)

市役所における職員の昇任につきましては、地方公務員法の「平等取扱の原則」、「任用の根本基準」の主旨を踏まえ、公平・公正に実施しております。

女性職員の登用につきましては、係長級に占める女性の割合などを考慮しながら、目指すべき数値目標を設定しており、女性職員が管理職などとして相応しい経験を積み、能力の向上を図ることができるよう、今後とも、職域の拡大や研修機会の確保に努めるとともに、その能力を十分に発揮できるよう職場環境づくりを進めてまいります。(総務企画局)

今後とも、あらゆる意思決定過程への女性の参画を促進するとともに、「男女共同参画基本計画(第4次)」の数値目標を達成できるよう、一人ひとりがいきいきと輝ける社会の実現に向け、取り組んでまいります。(市民局)


(2)福岡市特定事業主行動計画

市役所における男女別賃金を明らかにし、賃金格差をなくすこと。留守家庭子ども会支援員や学校図書館司書などの女性が多い会計年度職員の待遇を改善することでジェンダー格差をなくしていくよう「福岡市特定事業主行動計画」に盛り込むこと。


(答)

市役所における男女の給与の差異につきましては、女性活躍推進法に基づき、令和4年度実績より、公表を行う予定としております。

また、会計年度任用職員の勤務条件につきましては、地方公務員法に基づき、国が示した運用の考え方や他都市の状況なども考慮しながら、適切に対処してまいります。


(3)男女賃金格差

ジェンダー不平等の大きな要因となっている男女間の賃金格差の解消に向け、市として市内事業所が男女別の賃金を調査・公表し、その是正計画策定を義務付ける条例をつくること。


(答)

「男女共同参画基本計画(第4次)」において、働く場において女性が能力を発揮して活躍できる社会を目指すことを基本目標の一つに掲げ、企業への啓発やスキルアップ講座など支援を行うこととしております。今後とも、働く場における男女の均等な機会と待遇が確保されるなど、男女を問わず、それぞれの個性と能力を十分に発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。


(4)性暴力・痴漢

  • 女性や子どもにとって、最も身近な性暴力である痴漢や盗撮について、市内の被害件数さえ把握していないのは問題であり、市独自の実態調査や相談・支援センターの増設、加害根絶のための啓発や加害者更生などの対策を講じ、政治の責任で痴漢を根絶すること。「性暴力被害者支援センター・ふくおか」においてはSNSを使って気軽に相談ができる体制や、被害者の精神科受診の公費負担の拡充など抜本的に充実するとともに、本市独自のワンストップ支援センターや病院拠点型のセンター創設および警察を通さなくても病院で証拠保全ができる体制をつくること。

    (答)

    性暴力加害者対策につきましては、令和2年度から県において加害者相談窓口が設置されており、相談状況などを把握するとともに、本市においても窓口の周知を図ってまいります。

    「性暴力被害者支援センター・ふくおか」につきましては、県及び北九州市と共同で設置し、平成27年12月からは24時間・365日対応、令和元年9月からは精神科医や弁護士等の専門職を配置、令和2年度からは子どもの性被害の対応に熟練した心理職を配置するなど支援体制を強化しており、引き続き、複雑かつ多様化する相談に対応できるよう充実を図り、相談者に寄り添った支援に取り組んでまいります。

  • 刑法の性犯罪規定について、当事者や支援者から性被害の実態に見合った改正を求める声があがり、本市議会においても「性犯罪に関する刑法規定の見直しを求める意見書」が採択されている。暴行脅迫要件の撤廃、同意要件の新設、地位関係利用型の犯罪化、公訴時効の廃止、性交同意年齢の引上げなど性被害の実態に見合った改正を国に求めること。

    (答)

    刑法の性犯罪規定につきましては、国において、性犯罪における被害の実情を勘案し、実態に即した対処を行うための施策のあり方について検討することとされておりますので、今後とも国の動向を注視してまいります。


(5)DV

コロナ禍でDV被害が増え、困難も多様化、複合化する中で、ニーズに沿った切れ目ない支援を行うことが必要であり、急いでDVの相談支援体制を充実すること。各区の子育て支援課やアミカスに保育士や学習援助者を配置し、子連れの相談者が相談しやすい体制をつくること。民間シェルターへの補助金など支援の拡充、中長期滞在できる中間的施設(ステップハウス)の開設・運営へ助成するとともに、自立に要する費用の補助を拡充すること。男性DV被害者が相談しやすい体制の強化をはかること。また、国に対して保護命令の対象や期間の拡大、緊急保護命令の導入などDV防止法を改正するよう求めること。


(答)

DV相談につきましては、コロナ禍におきましても配偶者暴力相談支援センターを中心に、各区保健福祉センター家庭児童相談室及び男女共同参画推進センター・アミカスにおいて専門の相談員が被害者の相談に対応しております。今後とも、配偶者暴力相談支援センター機能や関係機関との連携により、被害者支援に努めてまいります。

民間シェルターにつきましては、支援団体と連携し、引き続き支援を行ってまいります。また、ステップハウスや自立に要する費用の補助について、母子生活支援施設の活用や各区役所において、住居、就業、手当、給付金、貸付金等各種福祉制度の利用支援を行ってまいります。

また、男性DV被害者の相談につきましては、配偶者暴力相談支援センターをはじめ、各区保健福祉センター家庭児童相談室や男女共同参画推進センター・アミカスにおいて対応してまいります。


(6)生理の貧困

コロナ禍で顕著になった「生理の貧困」対策は、女性の健康や尊厳に関わる重要な課題として、生理用品を学校トイレに常設することが全国的に広がっている。本市においても独自で実施している小学校があり、学校任せにせずすべての学校において実施すること。また、公民館や地下鉄の駅など公的施設でも実施すること。


(答)

生理用品の配布につきましては、内閣府の地域女性活躍推進交付金に基づく事業として、コロナ下で困難や不安を抱えている女性や子どもへの配布を進めております。

今後とも、コロナ下における社会情勢等の変化や国の動向などを注視してまいります。


(7)ハラスメント

ハラスメントは女性をはじめとする労働者の人権と働く権利を傷つける重大な行為であり、働き続けることを阻害する大きな要因の一つになっている。国に対し、ILO条約を批准できる水準のハラスメントの禁止を明確にした法整備を行うよう求めること。本市としてハラスメントが違法であることを明確にした「ハラスメント禁止条例」を制定すること。市職員のハラスメントの相談・調査・判断をすべて同じ部署で行うことは問題であり、啓発・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を設置すること。


(答)

各種ハラスメントにつきましては、全ての人の人権を尊重するという視点に立ち、「人権教育・啓発基本計画」に基づき取組みを進めており、企業を対象とした研修会を行うなどハラスメント防止に向けた啓発に努めるとともに、男女共同参画推進センター・アミカスや人権啓発センターなどにおいて、各種ハラスメントの相談に対応してまいります。(市民局)

市職員のハラスメント対策につきましては、国が定める法令などを踏まえ適切な措置を講じるとともに、相談窓口の周知や啓発に取り組んでいるところであり、今後とも良好な職場環境づくりに努めてまいります。(総務企画局)


(8)同性婚・LGBT

  • 同性婚を認める国・地域は約30にのぼっている。日本でも「同性カップルが結婚(法律婚)できないのは憲法違反だ」とする裁判が各地で起き、2021年3月には札幌地裁が、同性婚を認めない現行の民法などの規定を「違憲」と判断した。世論調査(2021年3月朝日新聞)でも全体の65%、若い世代(18~29歳)では86%が、同性婚を「認めるべき」と回答するなど、世論が広がっている。同性婚を認める民法改正を国に求めること。

    (答)

    同性婚につきましては、国の動向を注視してまいります。

  • 性的指向・性自認等を理由とした差別を禁じ、多様性を尊重する立場を市長が明確にすること。また、性の多様性を認め合い、誰もが「個人の尊厳」を尊重される社会をつくるために、LGBT平等法を制定するよう国に求めるとともに国の動きを待たずして、本市においても同趣旨の条例をつくること。

    (答)

    性的マイノリティへの支援につきましては、パートナーシップ宣誓制度や交流事業、専門電話相談事業を実施するとともに、リーフレットの活用や、人権啓発CM、ラジオ番組などを通して当事者の人権を尊重する啓発を行っております。

    今後とも、性的マイノリティ支援の充実に向け、国の動向や他都市の取組みなども含め検討してまいります。


(9)パートナーシップ制度

本市のパートナーシップ宣誓制度は、対象を一方又は双方が性的マイノリティの場合のみと限定しているため、受領証提示の際に意図せぬカミングアウトにつながる恐れがある。性的マイノリティではない異性間の事実婚も対象とすること。また、全ての民間事業者に是正勧告ができるパートナーシップ条例を制定すること。


(答)

パートナーシップ宣誓制度につきましては、当事者の声を伺うとともに、他都市の取組みなども踏まえながら、制度の充実を図ってまいります。


(10)選択的夫婦別姓

選択的夫婦別姓について、世界で夫婦同姓を法律で義務づけている国は日本だけであり、国連の女性差別撤廃委員会も、日本政府に対して繰り返し、法律で夫婦同姓を義務付けることは女性差別であり、ただちに改正すべきだと勧告している。国民の間では、とりわけ若い世代の中での賛成意見が多数であり、8割近くが選択的夫婦別姓制度の導入に賛成している。民法を改正し、選択的夫婦別姓を法制化するよう国に求めること。


(答)

国の「第5次男女共同参画基本計画」において、「家族形態の変化及び生活様式の多様化、国民意識の動向等も考慮し、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、戸籍制度と一体となった夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、また家族の一体感、子供への影響や最善の利益を考える視点も十分に考慮し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める。」ことが盛り込まれており、今後とも、国の動向を注視してまいります。


(11)緊急避妊薬

どんな避妊法でも完全ではなく、性暴力被害を受けた時に特に有効であることから、緊急避妊薬が必要とされている。性交後72時間以内に服用すれば約8割の妊娠を防ぎ、内服が早ければ早いほど避妊効果が高いとされている。G7のうち日本以外の全ての国では医師の処方箋なしに購入でき、世界保健機関(WHO)も推進している。しかし、日本では医師の処方箋が必要とされ、保険も適用されないため、価格も高額である。子どもを産む・産まない、いつ何人産むかを女性が自分で決めるリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の観点から、緊急避妊薬を安心して入手しやすくする手立てを講じるよう国に求めること。

(答)

性暴力被害を受けた場合の緊急避妊薬につきましては、県において公費負担制度を設けており、福岡市民も対象としております。

また、国の「第5次男女共同参画基本計画」において、「予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性が、緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師の十分な説明の上で対面で服用すること等を条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を適切に利用できるよう、薬の安全性を確保しつつ、当事者の目線に加え、幅広く健康支援の視野に立って検討する。」ことが盛り込まれており、今後とも、国の動向を注視してまいります。

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9、憲法の平和・民主主義の理念を福岡市のすみずみに

(1)市長の政治倫理

  • 市長の政治資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」の2021年報告内容によれば、政治資金パーティーで約2978万円の売上、2138万円の収益を上げており、利益率72%にも及ぶパーティー券の購入は対価的意義の乏しい事実上の寄附である。財界関係者や市の受注業者から巨額の政治資金を受け取ることは市政をゆがめるものとなる。市長は、本市及び外郭団体が発注した公園や公共施設の維持管理に伴う樹木剪定業務において過大に処分費が請求されていた不正が判明した問題で、不正に関わった業界や事業者から政治資金パーティーのチケットを購入してもらったかどうかについて明らかにしていない。市長政治倫理条例第3条には「道義的に批判を受けるおそれのある趣旨の寄附を受領しない」等の規定があり、「政治倫理基準に違反する事実があるとの疑惑をもたれ」(同条2)ているにも関わらず、市長は、利害関係者による購入の公開など「自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当た」(同前)ろうとしていないのは問題であり、このような疑惑をもたれる、市長の政治資金パーティーはやめること。

    (答)

    政治資金パーティーにつきましては、政治資金規正法の規定の範囲内で開催・実施したものであり、今後とも、法に則り、適切に対応してまいります。

  • 市政における最高責任者である髙島市長の日程についてホームページで公表しているというが、詳細については市長室も把握することなく、事実上どこで何をしているのかわからない状況となっている。このような状況は異常であり、市長の日程を公開すること。また、登退庁盤については、「防犯上の理由」で表示しないというのは問題であり、表示すること。

    (答)

    市長の日程(行事等)につきましては、担当秘書が管理しており、対外的な行事を中心に、市ホームページに登庁日と併せて公表しております。

    また、登退庁表示につきましては、他都市で市長への面会強要等の事案が発生したことなどを踏まえ、セキュリティの観点から平成31年1月より、表示しない運用としております。


(2)統一協会問題

福岡市は2016年と2020年の2回にわたり、統一協会の関連団体である「九大CARP」に環境行動賞奨励賞を表彰した。安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、統一協会(世界平和統一家庭連合)とその関連団体の反社会的活動や政治家との癒着が浮き彫りとなり、大きな社会問題となるなかで、市は「九大CARP」の表彰について取り消したが、同じく統一協会の関連団体である「世界平和女性連合」の福岡NPOボランティアセンター「あすみん」への利用登録について、遡って取り消さなかったのは重大である。市として統一協会とその関連団体について反社会的集団であると規定するとともに、「世界平和女性連合」の「あすみん」利用登録を取り消すこと。また、表彰や名義後援、公共施設の使用等において統一協会とその関連団体に対して市がお墨付きを与えた実績がないか等について全庁にわたる調査を行い、今後もそのようなことがないようにすること。


(答)

旧統一教会とその関連団体の位置づけにつきましては、法律等に基づき国で定められるべきものと考えております。

「あすみん」の利用につきましては、市民公益活動推進審議会の答申などを踏まえ、適切に対応してまいります。

公共施設の利用につきましては、各施設の条例、規則に基づき適切に対応してまいります。(市民局)

市独自の表彰制度や名義後援などにつきましては、福岡市が社会的に問題のある団体の活動を支持しているとの誤解を与えることがないよう、今後とも適切に対応してまいります。(総務企画局・市長室)


(3)住民参加

  • 市長が独断専行で物事をすすめるやり方に、市民や議会から大きな批判の声が出されている。また、さまざまな住民団体や要求団体との直接の対話を拒否する市長の姿勢は許されず、市政の進め方については市議会と市民の意見をよく聞き、住民投票・住民意向調査・住民討論会などを活用して、住民参画の上での政策決定を基本とすること。

    (答)

    様々な政策の推進に当たりましては、市民や関係者のご意見を丁寧に伺うとともに、市民の代表である議会との対話を真摯に進めながら、市政運営に取り組んでまいります。

  • 2021年度、本市が実施したパブリックコメントは11事案であるが、意見提出件数は少ないものでは7件、多いものでも201件であり、市民の意見を広く聴取できていないのが実態である。パブリックコメントの周知方法や期間の延長など進め方を改善し、多くの市民意見を集めること。また、市の施策への反対意見を無視するなど、実質切り捨てることが行われており、少数意見を排除しないこと。あわせて、市民の意見を市政に反映させるために、説明会や懇談会など行政が出かけて行き意見を聞くこと。また、各種審議会など委員の市民公募枠を新設・拡大すること。

    (答)

    パブリック・コメント手続の実施にあたりましては、対象となる計画案や条例案などの資料を市ホームページに掲載するとともに、情報プラザや各区役所・出張所などで市民などに対し閲覧・配布を行い、ご意見を頂いております。また、意見を募集する対象事案名と募集期間等については、市政だよりにも掲載し、広く市民等に周知を図っております。

    福岡市においては、政策決定は、このパブリック・コメント手続などにより市民意見を伺いながら進めており、今後とも計画段階から市政へ参画できる機会の確保に努めてまいります。

    各種審議会等の委員の選任にあたっては、各所管局において、その設置目的、審議内容等を勘案した上で、効果的な選考方法を選択しております。市民公募枠につきましては、一部の審議会などで実施しておりますが、今後もその内容に応じて公募を検討してまいります。

  • 市有地の活用などにおける民間サウンディングは、大企業に意見を求め、その結論を市民や議会に押しつける手法である。住民の声を聞かないこのような手法はやめること。

    (答)

    市有地の活用に当たっては、公共利用を考慮しつつ、市民ニーズや地域の特性なども踏まえ、総合的に検討することとしており、民間サウンディングにつきましては、民間ノウハウの活用や市場性の判断などが必要な場合に個別に実施しております。


(4)「行革」・民間参入・業務委託

  • 市長が2024年度まで推進する政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランは、人工島事業やウォーターフロント再整備構想、「天神ビッグバン」、「博多コネクティッド」などの大型開発は聖域にする一方、「持続可能な個人給付施策の構築」として第三子優遇事業、福祉乗車券、就学援助など、97事業1858億円の事業を見直し、縮小・廃止しようとしている。地方自治体の本来の役割は、住民の福祉の増進を図ることであり、3つのプランは抜本的に見直すこと。また、この間「事業の選択と集中」と言って切り捨てられてきた市民サービスをもとに戻すとともに、これ以上の市民生活サービス削減は行わないこと。

    (答)

    今後、少子高齢化の進展などに伴う社会保障関係費の増加や、公共施設等の改修・修繕などに係る財政需要の増大が見込まれております。

    このような状況にあっても、市民生活に必要な行政サービスを安定的に提供しつつ、重要施策の推進や新たな課題に対応するために必要な財源を確保できるよう、政策推進プランに基づき投資の選択と集中を図るとともに、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の見直しなど徹底した事業の選択と集中や不断の改善に取り組んでまいります。

    また、中長期的に、「生活の質の向上」と「都市の成長」のために必要な施策事業の推進により税源の涵養を図りつつ、超高齢社会に対応する持続可能な仕組みづくりやアセットマネジメントの推進、市債残高の縮減に向けた市債発行の抑制などにより、将来にわたり持続可能な財政運営に取り組んでまいります。

  • 本市の特別定額給付金事業で、委託先のパソナがやるべき業務に市職員を大量に動員したことについて、住民監査請求も行われ、“事務処理上の不備が多く、市の契約行為に関する意識が著しく低い”という厳しい意見が監査委員から出されたにもかかわらず、非課税世帯等に対する1世帯5万円の給付金事業を、昨年度末の1世帯10万円の給付事業で給付を大幅に遅らせるという重大なミスをおかした日本トータルマーケィング株式会社に随意契約で委託した。この会社は東京オリンピックにかかわる入札で談合を行った博報堂グループであり、二重に許されない。再委託や労働者賃金の中抜きも行われており、このような大企業への大規模業務委託は縮小・廃止し、労働者の適切な賃金や待遇を保障する直接雇用に転換すること。

    (答)

    電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金につきましては、対象世帯や支給の流れ等の基本的な取扱いが、住民税非課税世帯等臨時特別給付金に準じたものとなっており、同給付金支給事業のノウハウを活用することにより短期間で確実な業務遂行ができることから、同じ委託事業者と随意契約を行ったものであり、滞りなく支給事務が進捗しております。(福祉局)

    民間企業への業務委託につきましては、民間の優れた能力やノウハウを生かすことで市民サービスの向上が図られる場合などには、市による適切な管理監督のもと、民間活用に取り組み、効果的、効率的な行政運営に努めてまいります。(総務企画局)

  • 2021年5月に公表された、会計検査院が実施する「国が実施するPFI事業について」の随時報告では、国主体の 2002~18 年度の26 事業で、契約で定めたサービスを民間事業者が適切に提供していないなどの不備や欠陥が 2000件超であることが報告されたように、PFIそのものの問題が明らかになった。市が実施している給食センターや福岡市総合体育館などのPFI事業においても、サービスの提供状況や労働者の賃金などの労働条件を把握しておらず、経費削減の実態もわかっていない。PFI方式はやめること。

    (答)

    市民の暮らしを支える公共サービスの提供や都市の成長に向けた社会資本整備を、将来に向けて持続的に展開していくことは、市政運営上、重要であると考えております。

    今後の公共施設の整備に当たっては、依然として楽観できる状況にない財政状況下において、社会状況の変化や多様化する市民ニーズへ対応するとともに、より効果的な施設整備・運営を行うという観点から、引き続き適切な事業手法を検討してまいります。

  • 指定管理者制度によって公的施設の管理運営にかかわる人件費などの労働条件さえも市が把握できない事態が生じている。また、市民サービスの低下につながる不適切な管理・運営、行政の責任放棄も顕著となっている。営利企業参入を抜本的に見直して、原則直営に戻すこと。あわせて、制度が導入されている施設にはモニタリングの基準を強化するとともに、抜き打ち点検や専門家による現場点検、現場労働者から直接、聞き取り調査をおこなうこと。

    (答)

    公の施設の管理・運営につきましては、「民間にできることは、民間に委ねる」という基本的な考え方のもと、施設個々の特性を踏まえ、民間のノウハウの活用により、柔軟で質の高い市民サービスの提供が可能と判断される場合に、指定管理者制度の積極的な導入を図っております。

    指定管理者の選定にあたりましては、制度の趣旨をより効果的に実現できるよう、幅広く公募するとともに、公の施設の適正な管理を確保するために、所管局においてモニタリングを実施し、その結果を踏まえ、指定管理者に対し必要な指導を行うこととしております。

    今後とも、モニタリングの充実を図るなど、指定管理者の業務執行について適切に点検・評価を行いながら、公の施設における市民サービスの向上と適正な管理運営の確保に努めてまいります。

  • 株式会社クリーンエナジーの操業に伴う、九州電力への配当金は14億4550万円にもなっており、市財政を食い物にしている同社を廃止し、直営に戻すこと。また、市政を財界いいなりに誘導する役割を果たしている、「福岡アジア都市研究所」は廃止すること。

    (答)

    外郭団体につきましては、「外郭団体のあり方に関する指針」における団体ごとの取組方針に基づき、事業や人員体制を見直すなど、団体の自主的な取組みの指導、支援などを行い、着実に取組みを推進してまいります。


(5)市職員の配置・労働条件

  • 本市の人口1万人当たりの職員数は108人となっており、政令市最下位である。このような中、大型台風や集中豪雨などの災害対応や、コロナ感染への対応も充分にできない状況となっており、残業時間についても「年360時間以内」と定めている厚生労働大臣告示を超えて時間外勤務をさせられている職員が2021年度は895人となり、改善されるどころか悪化している。また、過労死ラインとされる月80時間を超える時間外勤務を行っている職員が2021年度は1117人とさらに悪化している。市職員が足りない状態が、長時間・過密労働となり、過労死をうみだしかねない状況をつくっている。職員を抜本的に増やし、直ちに改善すること。

    (答)

    人口当たりの職員数が少ないことにつきましては、福岡市がこれまで他都市に先駆けて、家庭ごみの収集や保育所の設置・運営、地下鉄駅業務などの民営化や民間委託などの民間活用を行ってきた結果などによるものであると考えております。

    時間外勤務の縮減につきましては、職員の健康を保持し、職業生活と家庭生活の両立を実現させる観点から、重要なものであると認識しており、時間外勤務の上限規制をはじめとして、事前命令の徹底や業務の効率的な遂行などについて所属長に周知するとともに、全庁一斉定時退庁日を設定するなどの取組みを実施しております。

    職員配置につきましては、新たな課題への対応が必要な部署を中心に職員の増員を継続するとともに、災害対応などには全庁的な応援体制を構築し、対応しているところです。

    今後とも、時間外勤務の縮減及び業務の質と量に応じた適切な職員配置に努めてまいります。

  • 市は職員をまともに増やすことなく、「最小の経費で最大の効果」と称して、窓口業務などを民間委託している。公務職場の民間委託化によって、職員が継続的に従事することで蓄積される公務に必要な専門性やノウハウ、経験が失われている。また、住民からの苦情や発生した問題が、市政運営に反映されず、信頼を損なっている。よって、これ以上の民間委託化はやめ、正規職員を基本とすること。

    (答)

    地方自治法上、地方公共団体は「最少の経費で最大の効果を挙げる」ことを基本としており、福岡市におきましても、新たな課題へ対応するため、必要な体制整備を行うとともに、業務の特性に応じて、民間が持つ専門知識や事業運営ノウハウなどを積極的に活用しながら、職員の適切な配置に努めております。

    今後とも、簡素で効率的な組織体制の整備と適切な職員配置に努めてまいります。

  • 福岡市の非正規職員である会計年度任用職員は、2021年5月時点で5489人となっている。会計年度任用職員の処遇は8割以上が年収300万円未満と劣悪となっており、しかも圧倒的多数が女性となっている。女性の非正規、低賃金というジェンダー不平等が典型的に現れており、希望する者については、正規職員として採用すること。

    (答)

    会計年度任用職員の勤務条件につきましては、地方公務員法に基づき、国が示した運用の考え方や他都市の状況なども考慮し、適切に設定しており、適正な水準であると考えております。

    また、会計年度任用職員の配置につきましても、国が示した運用の考え方を踏まえ、職務内容や勤務形態、責任の程度などを総合的に勘案したうえで判断しており、今後も適切に対処してまいります。

  • 2022年人事委員会勧告に基づいて、市職員の月例給は436円、期末手当は0.10か月分年間平均給与は4万5000円引き上げられた。しかしながら、20年前と比較すると年間で平均100万円近く引き下げられており、公務員としてのモチベーションを低下させ、生活設計や地域の景気にも深刻な影響を与えている。臨時・非常勤職員などの非正規労働者はただちに時給1500円以上にすること。あわせて、市職員給与の大幅賃上げを行なうこと。

    (答)

    職員の給与改定につきましては、地方公務員法の趣旨を踏まえ、毎年の人事委員会の給与勧告を尊重しながら、今後とも適切に対処してまいります。


(6)市有地

2021年に策定された財政運営プランでは、「民間事業者のノウハウも活用しながら」「市有財産の有効活用に取り組(む)」としている。市は、浜松団地集会所跡地や脇山北公園、内野幼稚園跡地などを売却予定地としているが、そもそも市有地は市民の財産であり、営利企業のもうけのために売却するのは許されない。売却方針はあらため、不足している保育所や特別養護老人ホームなど、市民の生活を守るために活用すること。


(答)

公共施設跡地などの活用につきましては、公共利用を考慮しつつ、市民ニーズや地域の特性などを踏まえ、財源確保の観点に加えて、まちのにぎわいの創出や魅力の向上など、まちづくりの視点も取り入れながら、総合的に検討を進めてまいります。


(7)名義後援

  • 市は2015年以降、市民団体が開く「平和のための戦争展」の名義後援を拒否しつづけており、新型コロナの影響で3年ぶりに開催された2022年の「戦争展」についても名義後援の申請を「不承諾」とした。市は「行政の中立性」をことさら強調し、「特定の政治的立場」だと判断する企画は一切後援しないという態度を取っているが、そもそも2022年7月に、特定の政治家である安部元首相の死去に際し、市役所ロビーに献花台や記帳台を設置し、公共施設等で弔旗の掲揚をするという対応を行ったのは、まったく矛盾した態度に他ならない。市が戦争展を政治的であるとして名義後援を拒否することは違法であり「名義後援の承認に関する取扱い要領」を抜本的に見直すこと。

    (答)

    名義後援につきましては、特定の主義主張に立脚する事業を後援することで、福岡市がその主張を支持しているとの誤解を与え、行政の中立性を保てなくなる場合などには、所管局が定めた取扱要領に基づき、承諾の可否を慎重に判断しており、引き続き、適切に対応してまいります。

  • なみきスクエアの「ひまわり広場・会議室」は、市民に広く貸し出されているスペースであり、事実上「公の施設」として扱われている。しかしながら、市民団体などが利用する際には名義後援がなければ認めないとしており、これは「住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない」とする地方自治法第244条の精神に反するものであり、運用を改めること。

    (答)

    なみきスクエア内の「ひまわりひろば」につきましては、東区役所庁舎の一部であり、その利用は、庁舎管理規則及び要綱などに基づき、原則として福岡市が主催、共催または後援する行催事について許可しております。


(8)消費者

本市の消費生活センターは、相談業務が営利企業に委託され、啓発や事業者指導をおこなう行政担当職員との円滑なコミュニケーションができず、消費者安全法が求める消費生活センターとは大きくかけ離れている。2021年度の相談件数は1万753件と前年度と比べて大きく落ち込んでいる。相談体制について、そもそも市が作った仕様書によると100%対応する体制になっておらず、十分な相談活動ができていないのは明らかである。仕様書の見直しを行うとともに、本来の消費生活センターの趣旨に立ち返り、市直営に戻すこと。


(答)

消費生活相談業務につきましては、その対応に豊富な経験と高い専門知識が必要とされることから、昭和48年度から専門の相談員を擁する団体に委託して実施しており、さらなる市民サービスの充実を図るため、委託事業者の提案競技方式による選定や、仕様書における月間応答率の導入などを実施しております。

今後とも、複雑・多様化する消費生活相談に十分かつ適切な対応ができるよう、相談員の資質の向上などを図ってまいります。


(9)デジタル化

  • 本市が進めている行政手続きの急速なデジタル化は、対面での窓口サービスや紙による手続きの縮小・廃止が懸念され、デジタル機器を所持していない人や使いこなせない人が行政手続きから排除されるおそれがある。加えて、デジタルを使いこなせない人への市の支援はあまりにも貧弱である。デジタルデバイド対策をさらに強めると同時に、市民の多様なニーズに応えるために、デジタル手続きとともに、紙による手続きを含めた対面での窓口サービスの拡充をはかること。

    (答)

    行政手続きのオンライン化などの取組みにつきましては、子どもから高齢者まで、誰もがデジタル技術を活用できる環境づくりを進めるとともに、デジタルに不慣れで、対応が困難な高齢者などにも十分配慮しながら、利便性の向上を図っていくことが重要と考えており、公民館スマホ塾やリモート窓口など、より多くの方がデジタル化のメリットを受けることができるよう取り組んでまいります。

    また、DXの取組みを推進することで、業務の効率化、生産性を高めることにより、相談業務など人のぬくもりが必要な業務に人員を再配置するとともに、デジタル化への対応が困難な来庁者に対しても、丁寧に対応してまいります。

  • デジタル関連法の成立にともなう個人情報保護条例の改定にあたっては、「地域の特性等に照らし、地方公共団体は法律の範囲内で条例により必要最小限の独自の保護措置を講じることは当然可能である」とする国の答弁をふまえ、本人の知らないうちに個人情報が利用されることがないよう、個人情報の自己コントロール権を保障するための市独自の措置を講じるようにすること。

    (答)

    個人情報保護条例の改正につきましては、改正個人情報保護法の趣旨や国のガイドライン、個人情報保護審議会の答申などを踏まえ、適切に対応してまいります。


(10)人権教育・同和

「福岡市人権教育・啓発基本計画」は、実質同和問題や差別の問題に偏重しており、憲法で保障された幅広い人権を取り扱うものに改善すること。また、部落差別を理由にした団体や個人への特別扱いを一切やめ、一般行政に徹するとともに、行政の主導による市民と企業への「人権啓発」名目での「同和」研修の押しつけはしないこと。あわせて、「部落差別解消推進法」の運用において、参議院の付帯決議を厳守し、「同和」の特別対策に類するものの復活や、人権侵害を生み出しかねない特別な教育啓発や実態調査を実施しないこと。


(答)

「人権教育・啓発基本計画」につきましては、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき、人権教育・啓発の取組みをより効果的かつ積極的に推進していくために策定しております。

人権教育・啓発につきましては、「人権教育・啓発基本計画」に基づき、学校・地域・企業などあらゆる場における取組みを推進しており、引き続き「人権という普遍的文化の構築」及び「人の多様性を認め合う共生社会の実現」に向けて、あらゆる人権問題の解決に向けた取組みを進めてまいります。

「部落差別の解消の推進に関する法律」につきましては、附帯決議を踏まえて、国と地方自治体の適切な役割分担のもと、同和問題の解決に向けた取組みを進めてまいります。


(11)ヘイトスピーチ・外国人

  • 民族差別をあおるヘイトスピーチは依然として繰り返されており、放置することは許されない。ヘイトスピーチがどのような状況にあるのか、現状把握し、差別解消に向けた計画策定を行うこと。また、市長が毅然として根絶宣言を行うとともに、その立場に立った条例を制定すること。

    (答)

    ヘイトスピーチにつきましては、引き続き国や県などの関係機関と連携を図りながら、ヘイトスピーチ解消に向けた啓発に取り組んでまいります。

  • 福岡市の外国人居住者は2022年10月で4万228人となっている。労働法令違反の働き方を強いられるなど、過酷な労働環境に加え、コロナ禍で解雇され苦しんでいる外国人居住者が数多く存在する中、相談窓口がわからず、各区役所の市民相談窓口への外国人の相談件数も少なく、必要なサービスを受けることができない状況が続いている。在留外国人が容易に相談窓口にアクセスできるよう公共施設・駅・商店街・スーパーマーケット・コンビニに協力依頼し、多言語でのポスターなどで周知するとともに外国人コミュニティなどのキーパーソンと連携して相談窓口の周知徹底を図ること。また、市独自の専用相談窓口を各区役所に設置すること。さらに、外国人居住者の人権保障をすすめていくために、市として総合的な多文化共生推進計画をつくること。

    (答)

    外国人労働者からの相談につきましては、福岡市外国人総合相談支援センターのほか、福岡労働局に設置されている「外国人労働者相談コーナー」などの専門窓口を紹介しております。専門相談窓口の周知につきましても、国と連携を図りながら周知を進めてまいります。また、国は、多言語での電話相談が可能な「外国人労働者向け相談ダイヤル」を開設するなど、外国人労働者の相談体制が整備されているところでございます。(経済観光文化局)

    福岡市外国人総合相談支援センターにつきましては、多言語で広報チラシを作成し、市の施設をはじめ、大学等の教育機関や経済団体、在福公館、国際交流団体などの関係機関へ幅広く配布しているほか、外国人が区役所で転入手続きを行う際に配布するパンフレットに多言語で掲載するなど、周知を図っております。

    区役所での外国人の相談につきましては、市民相談室や窓口において電話通訳、映像通訳を導入して対応しております。

    多文化共生の推進につきましては、平成18年に総務省が策定した「地域における多文化共生推進プラン」において、地方自治体に対して、多文化共生の推進に関する指針・計画を策定した上で、外国人住民を直接支援する主体としての取組みを求めております。福岡市におきましては、基本計画において、「アジアをはじめ世界の人にも暮らしやすいまちづくり」など多文化共生の推進に係る施策を位置づけるとともに、政策推進プランにおいて、様々な事業を推進しております。(総務企画局)

  • 日本には123万人の永住外国人が生活しており、地方参政権を付与すべきだという世論が高まっている。外国籍であっても、わが国の地方自治体で住民として生活し、納税を始めとする一定の義務を負っている人びとが住民自治の担い手となることは、憲法の保障する地方自治の根本精神とも合致する。永住外国人の地方参政権を保障するよう国に求めること。

    (答)

    福岡市では、多言語のワンストップ相談窓口や各区役所等に導入している電話通訳・映像通訳を活用し、外国人からの相談に対応しているほか、大学、日本語学校などの教育機関や経済団体、国際交流団体などの関係団体を通じて把握したニーズや意見を踏まえ、外国人にも住みやすく活動しやすいまちづくりに取り組んでおります。

    永住外国人の地方参政権につきましては、今後も外国人の生活環境の向上に取り組みながら、外国人を取り巻く社会状況の変化や国等の動向を注視してまいります。


(12)地域コミュニティ

「共創による地域コミュニティ活性化条例」は、自治会や町内会が任意組織であるにもかかわらず、住民が町内会への加入を現場で押しつけられたり、町内会の活動や運営を縛ったりするものになりかねない。また、防災や福祉について公的責任の明記がなく、民生委員の推薦や、災害時に援護が必要な人の避難計画の作成など、本来市の責任である事業が事実上町内会に丸投げされている。町内会の行政下請化を強化しかねない条例を撤回し、町内会や市民の自主的活動を真に応援すること。


(答)

平成28年度から、自治協議会と福岡市がパートナーとして、企業や商店街、NPO、学校など様々な主体と地域の未来を共に創り出す「共創」の取組みを推進いたしております。

令和4年度からは、地域コミュニティの活性化に向けて、条例により自治協議会や自治会・町内会の位置づけを明確化するとともに、地域支援体制の強化を行っております。

また、令和4年度に、地域への協力依頼に係る規則やガイドラインを定めたところであり、協力依頼などに係るルールを徹底することにより、地域の負担軽減を図ってまいります。

今後とも、持続可能な地域コミュニティづくりに向け、「共創」の地域づくりを推進してまいります。


(13)投票促進・若者の政治参加

  • 投票区について、距離や地形など総合的に判断して分割し、投票所を抜本的に増やすとともに、すべての投票所のバリアフリー化をさらにすすめること。また、在宅投票制度、郵便投票、学生に対する不在者投票、在外投票、洋上投票など、制度を周知徹底し、投票機会の保障をはかること。

    (答)

    投票所の増設につきましては、投票所として使用するのに適した施設の有無などといった課題がありますが、地元の要望も聞きながら適切に対応してまいります。また、投票所のバリアフリーなど、投票環境の整備に努めてまいります。

    郵便等投票制度などにつきましては、選挙管理委員会のホームページや選挙時には市政だよりや選挙の特設サイトなどにより周知を行っております。また、郵便等投票制度につきましては、福祉局発行の「福岡市の障がい福祉ガイド」に掲載し、障がい者の方に直接お知らせしておりますが、今後も制度の周知に努めてまいります。

  • 期日前投票は導入以降、投票所の増設なども行われ、国政・地方選挙問わず定着が進んできた。選挙実施のたびに利用割合が増加し、国政選挙では40%程度まで上昇している。2022年の福岡市長選挙では商業施設等への期日前投票所の設置が若干進んだが、さらに投票率を高めるために、市内各地に「共通投票所の設置」「大学や高等学校、商業施設等への期日前投票所の設置」をすること。また、現在唯一の「共通投票所」である市役所1階と区役所は投票日当日も投票所として利用できるようにすること。さらに、病院や高齢者福祉施設への入院患者、入所者が施設内において不在者投票ができるよう、未指定施設等への働きかけを強めること。そのうえで、外出が困難な有権者の投票行動を保障するために、選挙管理委員会が立会人と一緒に、投票箱を持って車でまわり、施設や自宅など要望がある場所に行く「巡回投票」を行うこと。

    (答)

    期日前投票所の増設につきましては、投票環境向上の観点から重要であると認識しており、令和4年11月の福岡市長選挙において、市内の大型商業施設4か所に期日前投票所を設置しました。商業施設での期日前投票所の設置は、選挙の数に応じた一定のスペースの確保、他のイベント等の予約との調整が必要であり、選挙事務に精通した職員の確保などの課題がありますが、令和5年4月の統一地方選挙での設置に向けて、協議を進めております。また、投票日当日に市役所や区役所を共通の投票所とすることにつきましては、将来的に検討すべき課題であると考えております。入院患者・入所者の施設内での不在者投票につきましては、対象となる未指定施設に引き続き働きかけを行ってまいります。車などによる移動期日前投票所につきましては、主に山間部など、投票所まで距離が離れた選挙人の投票機会の確保のために活用されていると認識しておりますが、他都市の状況等を参考にしながら研究してまいります。

  • 選挙公報は有権者に候補者情報を届ける重要な公的媒体であるが、全市的に配布日が投票日直前だとの苦情も多い。それにもかかわらず、まともな手立てがとられていないのは問題であり、少なくとも投票日の1週間前に有権者に届くよう手立てをとること。また、不在者投票の指定施設ではない、病院や高齢者施設にも、選挙公報を配布するようにすること。

    (答)

    選挙公報は、候補者などから公告示日又は一部の選挙では公告示日の翌日までに原稿が提出され、その後、印刷を開始し、業者委託により各戸に配布しております。

    大量部数の印刷及び配布であるため、各工程の時間短縮には困難を伴いますが、できるだけ早く配布できるよう取り組むとともに、各戸への配布前でも閲覧できるよう、市のホームページへの写しの掲載並びに、期日前投票所及び公民館での配架などの対応を引き続き行ってまいります。

  • 18歳選挙権によって高校生にも選挙権が広がった。しかし、政府は高校生だけ政治活動を禁止・制限する通知をだしており、政治活動の自由を侵害している。高校生にも政治活動の自由があることを明確にし、「通知」を撤回するよう国に求めること。

    (答)

    高等学校などにおける政治的教養の教育と高等学校などの生徒による政治的活動などにつきましては、今後も文部科学省通知に基づき、授業や特別活動などにおいて適切に指導を行ってまいります。(教育委員会)


(14)平和、基地

  • 高島市長は、2020年からの3年間で、市民の反対を押し切って自衛隊に対して、本人の同意もなく、延べ9万人もの若者の名簿提供を強行し、青年をはじめ市民の中に怒りが広がっている。このことは、憲法の保障するプライバシー権や自己情報コントロール権を侵害するものであり、断じて許されない。また、自衛隊は憲法が禁じる集団的自衛権の行使を容認され、海外で「殺し殺される関係」に投げ込まれる危険があり、本市の青年をそのような場に送り出すことは認められず、自衛隊への対象名簿の提供をやめること。

    (答)

    自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護審議会の答申及び付帯意見を踏まえ、従前はなかった自己の情報の提供を望まない対象者の除外措置を行う制度を設け、周知を図るとともに、新たに自衛隊と個人情報の取扱いに関する協定を締結するなど、個人情報の管理を徹底したうえで、適切に実施しております。

  • 福岡空港の滑走路増設工事に伴い、同空港内にある米軍板付基地の施設(倉庫等)が移転され、福岡市はそのための経費を2億7000万円負担した。さらに1972年に返還された米軍基地の跡地に残存していた燃料輸送管(パイプライン)に沿ってベンゼンなどの土壌汚染が確認され、汚染土の除去費用を約1億3400万円支払っている。市は基地の返還を求めておきながら、米軍施設の移転費用や米軍基地が原因の土壌汚染対策費用を市が負担することは異常であり、米軍基地の移転費用や原状回復費の返還を求めるとともに、市は、米軍基地の固定・強化につながる税金の支出をやめること。米軍板付基地の即時全面返還と福岡空港の軍事利用の中止を、国と米国に対して強く要求すること。

    (答)

    滑走路増設事業における土壌汚染対策及び米軍施設の移設につきましては、国が設置・管理する空港の整備の一環として実施されていることから、空港法の規定に基づき、福岡市もその費用の一部を負担しているものであります。(港湾空港局)

    板付基地の返還につきましては、市議会、市、自治協議会、男女共同参画協議会、労働団体などで組織している板付基地返還促進協議会を通じて、国や在日米軍司令部等に対して要望しており、今後も引き続き要望してまいります。(総務企画局)

  • 福岡市の「平和都市宣言に関する決議」にも「博多港港湾施設管理条例」にも反する、博多港への米艦船及び自衛隊艦船の入港を拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。

    (答)

    軍艦などの入港につきましては、入港目的が友好親善、乗組員の休養などで商船の荷役等に支障がない場合は、港湾管理者として適切に対応しております。

    また、核兵器の問題につきましては、国の基本政策である非核三原則により措置されていると考えております。

  • 市長の就任以来、核兵器廃絶や非核三原則の遵守などをうたう「非核平和都市宣言」を求める議会請願が、被爆者団体や高校生など幅広い市民から、12年間に8回も出されているが、市長は「アジア太平洋都市宣言」や議会議決を持ち出し、理由にならない理由で、頑なに拒否する異常な態度を続けている。市民の切実な願いを真正面から受け止め、ただちに宣言すること。

    (答)

    非核平和都市宣言につきましては、これまで福岡市においては、福岡市議会における「平和都市宣言に関する決議」に基づいて、市民の平和と安全を守り、世界の平和に貢献することを基本精神として市政運営を行うとともに、「アジア太平洋都市宣言」において、国際交流活動を通じて平和友好の推進に力を注ぐという姿勢を内外に示しており、さらに平成24年12月策定の福岡市基本構想においても、その目的の中で、日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献していくと謳っております。

    今後ともこれらの宣言などの趣旨を市政に活かしてまいります。

  • 国連の軍縮大使や各国政府代表などが参加している原水爆禁止世界大会や、広島・長崎市の原爆資料館に、高校生をはじめ若者や親子を派遣するなどの事業について、北九州市等を見習って予算化すること。また、市として、原爆資料展をおこなうこと。

    (答)

    戦争の悲惨さ・被爆の実相を伝えていくため、博物館などにおける戦時関係資料の展示を行うとともに、小中学校においては様々な機会を捉えて平和学習を行っております。

    また、福岡市が参加する平和首長会議の取組みの一環として、原爆ポスター展の開催や小学校における被爆樹木の植樹を行うなど、平和意識の醸成に努めており、今後とも、関係局と連携しながら、取組みを行ってまいります。

  • 福岡は広島、長崎に次いで被爆者が多く、また日本最大の引揚げ港を持ち、犠牲者1000人を超える大空襲を受けている。現在、戦争の史実を学ぶ公的な場は、市民福祉プラザの一角にある「引揚港・博多」常設展示施設や、空襲で大きな被害が出た地区にある博多小の平和祈念室などに限られている。北九州市では2022年4月に、「北九州市平和のまちミュージアム」が開館し、小中学生をはじめ、多くの市民が訪れている。2021年9月、「福岡市に平和資料館の設置を求める会」が2万8000筆の請願署名を提出しており、本市にも常設の平和資料館を設置すること。

    (答)

    戦争体験などを通して平和の尊さを後世に伝えていくことを目的に、博物館における戦時関係資料やふくふくプラザにおける博多港引揚資料の常設展示などを行っており、今後とも、平和に関する取組みを実施することにより、戦争の悲惨さを風化させることなく、平和の尊さを後世に伝えてまいります。

  • 2022年3月に福岡市市民福祉プラザ1階の「引揚港・博多」関係資料の常設展示がリニューアルオープンしたが、定期的に入替えを行うとしている特集展示は5~6点しかない。定期的に入替えを行うことは当初からの約束であり、常設展示を含めて毎年入替えを行うこと。また、資料について説明する学芸員も配置し、博多港引揚げの史実を学校教育の課題に位置付け、子どもたちに戦争の悲惨さと平和の大切さを教える教材として使うこと。引揚げ記念碑「那の津往還」は記念樹とともに、ウォーターフロントの再整備の中で移転することなく、維持すること。

    (答)

    戦後、博多港が日本最大級の引揚港として果たした歴史的役割や、引揚者の労苦を後世に伝え、平和への願いを新たにするため、ふくふくプラザにおいて資料展「引揚港・博多」の常設展示を行っております。

    リニューアルに当たり新設した「特集展示コーナー」を活用し、展示の充実に努めてまいります。(福祉局)

    引揚げ港としての博多港の歴史を通して、平和の尊さを学ぶことは大切なことであると認識しております。また、教育委員会が、発行した人権読本「ぬくもり」の中学生版に「博多港の歴史から未来を考える」という教材を掲載し、学習の資料として活用できるようにしております。(教育委員会)

    引揚げ記念碑などが立地するウォーターフロント地区につきましては、引揚げの歴史や設置の趣旨なども踏まえ、ふ頭基部のまちづくりに取り組んでまいります。(住宅都市局、港湾空港局)

  • ロシアによるウクライナへの軍事侵攻やアメリカが中国やロシアと対立を深める中で、核兵器使用の危険が危惧されている。一方、2021年1月に核兵器禁止条約が発効したことで、核兵器廃絶への新たな展望が開かれている。禁止条約はすでに68か国が批准し(9月25日現在)署名した国は91か国に達し、国連加盟国の過半数の97に迫ろうとしている。福岡市議会でも「核兵器禁止条約を速やかに締結するよう政府や国会に求める意見書」を決議しており、平和首長会議に加盟する市長として、市長自ら首相に対して同条約の批准を強力に働きかけること。

    (答)

    核兵器廃絶に向けた取組みについては、平和首長会議国内加盟都市会議として、政府に対し要請を行っております。

    国におきましては、核兵器のない世界の実現に向けて取り組んでいくとのことでございますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。


(15)憲法

自民・公明両党が「反撃能力」=「敵基地攻撃能力の保有」で合意した。「平生から他国を攻撃するような兵器を持つことは憲法の趣旨ではない」という従来の政府答弁を踏みにじる最悪の立憲主義破壊に他ならない。日本への武力攻撃が発生していない「存立危機事態」においても、相手国の中枢機能を含む施設への日本からの攻撃が集団的自衛権を行使して行われ、米国が始めた戦争に参戦することになる。これは相手国から見れば明白な先制攻撃であり、相手が反撃してくれば日本や本市にも戦火が及ぶことになる重大な問題である。本市市民の命を危険にさらす「敵基地攻撃能力の保有」を行わないよう国に求めること。また、憲法第9条の改定はこうした米国の海外での戦争への全面参加を意味するものであり、改定をやめるよう国および自民・公明両党に求めること。

(答)

国の安全保障のあり方につきましては、国の専管事項であり、国におきまして十分な議論を行っていただきたいと考えております。

また、憲法の改正につきましては、国民的な議論を経て総合的に検討されるべきものと考えております。

以上

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