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議会報告

2005年12月議会

地方議会制度改革の早期実現に関する意見書

第28次地方制度調査会は、去る12月9日、「地方の自主性・自律性の拡大及び地方議会のあり方に関する答申」を取りまとめました。同調査会がこの間「議会のあり方」について精力的に調査・審議され、この度の答申に、委員会の議案提出権など、地方議会の充実強化に向けた制度改正を一部盛り込まれたことには敬意を表するものです。

しかしながら、答申では、議会の招集権を議長に付与することが盛り込まれなかったことを始め、全国市議会議長会など3議長会が同調査会に対して行った必要な制度改正の要望が十分に反映されていません。

本格的な地方分権の時代を迎え、住民自治の根幹をなす議会がその期待される役割と責任を果たしていくためには、地方議会の声を十分に反映した制度改正を行うことが必要不可欠です。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、次の事項を含む抜本的な制度改正を早期に実現されるよう強く要請します。

  1. 議会の招集権を議長に付与すること。
  2. 地方自治法第96条第2項の法定受託事務に係る制限を廃止するなど議決権を拡大すること。
  3. 専決処分要件を見直すとともに、不承認の場合の首長の対応措置を義務付けること。
  4. 議会に付属機関の設置を可能とすること。
  5. 議会の内部機関の設置を自由化すること。
  6. 調査権・監視権を強化すること。
  7. 地方自治法第204条から「議会の議員」を除き、別途「公選職」という新たな分類項目に位置付けるとともに、職務遂行の対価についてもこれにふさわしい名称に改めること。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 あて

議長名


(全会一致)

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遺伝子組換えナタネの自生・交雑の防止に関する規正を求める意見書

遺伝子組換え作物は、食品や飼料への混入により、アレルギーなど予想もしなかった健康上の問題を引き起こす可能性があること、また、他の種子への混入や生態系の破壊など農業に与える影響が大きいことから、その安全性について消費者は不安を抱いています。加えて、遺伝子組換えナタネの自生・交雑の懸念が生じています。

現在、遺伝子組換えナタネの国内での作付けは行われていませんが、搾油用等に輸入されている遺伝子組換えナタネが、輸送中にこぼれ落ち、港や幹線道路の外に内陸部や住宅地などにも自生していることが、政府の調査や市民団体の調査で判明しました。

このような状況は、生物多様性に影響を及ぼし、日本の生態系にダメージを与える可能性があります。とりわけ、ナタネは比較的簡単に近縁種と交雑する作物であるとの専門家の指摘もあり、国内で多く栽培されているアブラナ科のキャベツ、白菜、大根、かぶ、小松菜などの農作物との交雑が危ぐされます。

遺伝子組換えナタネの自生調査は、市民団体の調査を始め、政府の調査についても、一部の地域での調査にとどまっていますが、これらの調査結果から見ても、遺伝子組換えナタネの自生は、農地や住宅地、河川敷など、かなり広範囲に及んでいると考えられます。

また、「遺伝子組換え生物等の使用等の規正による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)では、生物多様性への影響評価を極めて狭く解釈し、近縁種の雑草への影響しか評価しないとしています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、次の事項について早急に実施されるよう強く要請します。

  1. 遺伝子組換えナタネの自生・交雑に関して、全国的に実態調査を実施すること。
  2. 生物多様性条約やカルタヘナ議定書の精神に基づき、まず農作物や昆虫・野鳥なども含めたあらゆる生物への影響を評価するよう、カルタヘナ法における評価や審査の在り方を見直すこと。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

内閣総理大臣
内閣官房長官
総務大臣 あて

議長名


(全会一致)

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改造エアガン対策の強化を求める意見書

今年、通りすがりの人や対向車両などに対して改造エアガンを発砲するという事件が相次いで発生し、大きな社会問題となりました。エアガン自体は違法ではなく、その所持も違法ではありませんが、改造により威力を増すことによって、大変危険な「武器」、「凶器」にもなります。

警視庁は事件の続発を受けて、本年10月11日に各都道府県警に対して、改造エアガンに対する取締りの強化等の通達を出していますが、単に警察による取締りを強化するのみならず、関連する業界団体による自主規制の強化、販売店等への指導強化など、多角的、総合的に改造エアガンによる事件の再発防止に全力を挙げて取り組むべきです。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、早急に次の事項を実施されるよう強く要請します。

  1. インターネットを通じて、改造エアガンや改造のための部品、さらには改造方法などの情報の入手が容易になっているので、サイバーパトロールを徹底して、改造エアガン及び改造用の部品の販売等についても取締りを強化すること。
  2. プロバイダーやサイト運営者に対して、改造エアガン等の出品や情報提供に関する自主規制を促すこと。
  3. 玩具としてのエアガンを扱っている業者団体に対して、改造防止のための自主規制などを行うよう求めること。
  4. 青少年への影響を考え、警察などから保護者等に対して、エアガンに関する広報を行うこと。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣
国家公安委員会委員長 あて

議長名


(全会一致)

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3月20日を「市民防災の日」と定める決議

平成17年3月20日午前10時53分に発生した福岡県西方沖地震は、マグニチュード7.0、最大震度6弱を記録し、福岡市ではいまだかつで経験したことのない強い揺れに見舞われた。

この地震により1人の尊い生命が奪われ、1,000人にも及ぶ負傷者と5,000棟を超える建物損壊が生じるなど甚大な被害を受けた。いまだに600人の市民が不自由な仮設住宅での避難生活を余儀なくされている。この地震の経験から我々は、自然の脅威と自然災害に対する日ごろからの備えの大切さを改めて思い知らされた。

しかしながら、地震直後の恐怖や不安を抱えた中でも、多くの地域では市民同士がお互いに助け合い、いたわり合い、励まし合うなど互助の精神を基本とした自主的な活動が行われており深い感動を覚えるとともに、これからも我々の心にしっかりと刻み込んでおかなければならない。

集中豪雨や地震の発生、台風の襲来を防ぐことはできないが、防災対策等により少しでも被害を少なくすることは可能である。

我々は近年2つの大きな水害も経験した。今こそ市民一人ひとりが、地域が、行政がそれぞれの役割と責務を十分に認識し、協働して災害に強いまちづくりを積極的に進めていく固い決意を示さなければならない。あわせて、全国の皆様からいただいた温かい御支援と励ましに報いるためにも、これまでの教訓を次の世代に正確に伝えていく必要がある。

よって、福岡市議会は、ここに、この福岡市を、緑豊かで環境と共生するまち、こころ豊かに生き生きと暮らせるまち、災害に強く安全で安心して暮らせるまちとして創造していくため3月20日を「市民防災の日」と定めるものである。


以上、決議する。


平成 年 月 日
福岡市議会

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「事業仕分け」による行財政の効率化を求める意見書

国債残高は今年度末で約538兆円に達する見込みであり、国民1人当たり約422万円もの債務を負う計算になります。これまで小泉内閣は、財政を健全化させるために歳出の削減に取り組んできました。その結果、5年前と比べると公共事業関係費は20%、政府開発援助は25%の減となり、一般会計の歳出全体では、社会保障関係費を除いて9%の圧縮をしてきました。しかし、高齢化の影響は大きく、社会保障関係費は5年前と比べて22%も伸びています。

今後、歳入や税制の改革は避けて通れない状況ですが、安易に増税論議を先行させるのは早計であり、まず徹底した歳出の見直し・削減が必要です。今こそ、徹底的に行政の無駄を省くために、国の全事業を洗い直す「事業仕分け」を実施すべきです。「事業仕分け」は、民間の専門家による支店を導入して、事業の見直しについて徹底した論議を行うことから、行政担当者の意識改革にもつながり、関係者の納得の上で歳出削減を実現しようとする点も評価されています。

既に一部の地方自治体(9件5市)では、民間シンクタンク等の協力を得て「事業仕分け」を実施しており、行政の仕事として本当に必要かどうかを洗い直し、「不要」、「民間の仕事」、「他の行政機関の仕事」、「引き続き市町村又は都道府県の仕事」に仕分けした結果、県・市レベル共に「不要」及び「民間の仕事」に仕分けされた事業を合わせると、平均して歳出の約1割に上り、大幅な歳出削減が見込まれています。

国民へのサービスを低下させないためには、「事業仕分け」の手法による大胆な歳出削減を行い、そこから捻出された財源を財政再建に振り向けるだけでなく、その一定部分は国民ニーズに応じて必要な新規事業などに活用するなど、行財政の効率化を図ることが望まれます。

よって、福岡市議会は、政府が、「小さくて効率的な政府」を目指し、「事業仕分け」を実施されるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

内閣総務大臣
内閣官房長官
総務大臣 あて

議長名


(賛成多数で可決。日本共産党は反対)


関連記事「『事業仕分け』による行財政の効率化を求める意見書」に対する反対討論

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「『事業仕分け』による行財政の効率化を求める意見書(案)」
に対する反対討論

2005年12月16日 宮本秀国議員

私は、日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております意見書案第19号「『事業仕分け』による行財政の効率化を求める意見書案」について反対を表明し、討論を行います。

本意見書案は、小泉内閣が財政健全化のために歳出削減に取り組んできたものの、歳入や税制の改革が避けられず、増税論議の前に徹底した歳出削減が必要だと述べて、政府に対し「徹底的に行政の無駄を省くため」に「事業仕分け」を実施するよう要請するものです。


まず、「事業仕分け」とは何か、それによって何がもたらされるかという問題です。

「事業仕分け」を強く推奨する民間シンクタンク「構想日本」によると、「事業仕分け」とは、個々の事務事業について「そもそも必要な仕事なのか」「行政が行うべきか、民間が行うべきか」「国が行うべきか、地方が行うべきか」などについて検討して仕分けするというものです。行政職員と民間企業の経営者が議論し、多数決によって結論が出されます。実際に「事業仕分け」作業を行った自治体の結果を見ると、横浜市経済局の場合、104事業中の45%が必要ないとの結論が出され、例えば商工会議所中小企業相談所事業運営費補助金やものづくり担い手育成支援事業、技術相談事業、求人・求職情報ウェブ運営事業費、コミュニティ商店街モデル事業などが不要と判断されています。新潟県の場合、私立高校施設整備費補助金や保育所運営費負担金、地方バス路線運行維持対策費などが、また新潟市では、重度心身障害者福祉手当給付事業や徘徊高齢者家族支援サービス事業費などが不要と判断されています。その理由は「効果が不明」などですが、ここには住民にとって必要かどうか判断する立場はありません。中には「民間事業者と同じ内容なら行政がやる意義はない」との理由もあり、これは行政は民間企業の儲けの邪魔をするなという企業側の露骨な要求に他なりません。つまり「事業仕分け」とは、経営感覚を行政に持ち込んで、市民サービスを切り捨てる、行政リストラの手法と言わざるを得ません。

そもそも行政の業務は、すべての国民が健康で文化的な生活ができるよう、公共の福祉を目的に行われるものであります。これを「採算があるか、民間と競合しないか」という視点で評価すること自体、おおもとから間違っているのであります。わが党は、行政が国民生活と社会保障を豊かにする責任を果たすべきとの立場から、「事業仕分け」に断固反対するものです。

つぎに、政府の財政危機を作り出した原因は何か、どうしたら財政再建ができるかという問題であります。

今や国と地方の長期債務残高は774兆円にも上っています。とりわけこの5年間で国債残高は128兆円も増えており、自民・公明の小泉政権こそ、財政危機を一層深刻にしている張本人なのであります。この間の公共投資の異常な膨張と無駄づかい、そして大企業・大資産家へのゆきすぎた減税による税制の空洞化に原因があります。

公共投資について言えば、今年度政府予算で関西国際空港の二期事業500億円や、八ツ場ダム、川辺川ダムなど必要のない大型公共事業が温存されており、政府の「来年度予算編成の基本方針」でも「三大都市圏環状道路、スーパー中枢港湾、大都市圏拠点空港等を推進する」とされて、無駄な大型開発を拡大しています。

税制の空洞化について言えば、小泉内閣は、大企業や高額所得者に対する大幅な減税にはほとんど触れていません。1980年代に20兆円近くあった法人税収が今や10兆円程度にまで減少しています。また所得税も、大資産家などに適用される最高税率は70%から37%へと大幅に引き下げられました。こうした大企業・大資産家を優遇する不公平な税制を放置していることこそ問題であります。

無駄な大型公共事業の推進と財界・大企業の優遇税制という「既得権益」に抜本的なメスをいれる改革こそ、財政危機の打開に不可欠なのであります。

提案者は「歳出削減が必要」などと主張されておりますが、歳出の無駄を削るというなら、まずは政党助成金を廃止すべきであります。国民の税金から毎年370億円、10年間で3126億円が、自民、公明、民主、社民などの各政党に配分されています。さらに毎年5兆円規模の軍事費や在日米軍への思いやり予算、道路特定財源による道路建設、特殊法人の温存など、無駄を徹底して見直すべきです。

わが党は、こうした歳出削減を行うとともに、大企業優遇税制の見直しによって、合わせて10兆円の財源を生みだし、財政再建と社会保障充実を両立させることを提案していますが、こうしたまさに聖域なしの真の歳入歳出の改革こそ今求められています。これを避けて、国民にしわ寄せを押し付けるだけの歳出削減には賛同できないのであります。


つぎに、「小さな政府」の問題です。

意見書案は、社会保障関係費が伸びていることを問題にしていますが、高齢化が進行し高齢者福祉の対象者が増えれば、事業費も増やして対応するのが当然であります。ところが自民・公明政権は高齢化を目の敵にして、年金給付を減らし、医療・介護・福祉の負担を増やし、所得課税も増やすなど、これまで戦後の日本社会を築き上げるために働いてこられた高齢者に大変冷たい仕打ちをしたうえ、さらに来年度にむけ、高齢者の医療費自己負担を2〜3割へ引き上げる医療改悪をたくらんでいるのであります。また、障害者の生活に不可欠な福祉サービスに自己負担を求める改悪を強行するなど、「自助努力」「自己責任」の名で社会保障の制度改悪を続け、行政の責任を放棄しているのであります。


このように、自民・公明政権が「小さな政府」「行財政の効率化」でねらうのは、社会保障に関わる国の支出の一層の削減だということは明白であり、わが党は断じて反対するものであります。

最後に、庶民増税との関係です。

意見書案がいみじくも述べているように、「事業仕分け」による歳出削減の先にあるのは、庶民大増税であります。すでに自民・公明の小泉内閣は来年、所得税・住民税の定率減税を半減し、翌年には全廃することを決めています。さらに消費税率の大幅アップの方向を明確にしています。「事業仕分け」がこうした庶民への耐え難い大増税への地ならしとなるのは明らかであります。わが党は、いかなる理由でも庶民大増税にきっぱり反対するものであります。

したがって、わが党は本意見書案に反対するものであります。以上で、わが党の討論を終わります。


関連記事「事業仕分け」による行財政の効率化を求める意見書

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安全な農産物の安定供給に関する意見書

本市においては、都市近郊という特性をいかして、軟弱野菜を中心とした農産物の清算が盛んであり、生産者は安全な農産物を生産するため、国や県等の指導の下、農薬の適正使用に努めてきました。

このような中、無登録農薬の販売・流通の問題が発生したこと等に伴い、平成15年に改正農薬取締法が施行されました。これによって、農薬の使用については、従来にも増して厳しく規正されるようになり、作物ごとに登録された農薬以外の農薬を使用した場合には、使用基準違反として罰則が適用されることとなりました。

しかしながら、メーカー等による農薬の登録は、生産量が少ない野菜については、生産者等が希望するように進んでおらず、3年間の経過措置で使用が認められた農薬によって、何とか生産を続けられているのが現状です。しかし、この経過措置も平成18年3月末をもって終了するため、作物によっては、同年4月時点で使用可能な農薬が無くなる可能性もあります。また、登録農薬が極端に少ない場合には、今後、薬剤耐性等の問題が生じ、農産物の安定的な生産に支障が出ることも考えられます。

農薬の安全使用は当然であります。しかしながら、農薬の登録状況が現状のままで推移した場合、生産者の力で農薬の新規登録を行うことは不可能であることから、今後、産地存続が困難となることが危ぐされます。安全な農産物を安定的に供給することは、国民の食料を確保する上で非常に重要です。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、農産物の安定供給のため、春菊など登録農薬が少ない作物については、グループ化を図ることなどにより、使用可能な農薬の確保に努められるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣 あて

議長名


(賛成多数で可決)

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建築確認検査制度の見直しと安全な建築物を求める意見書

マンション等の耐震性を示す「構造計算書」が偽造され、建築確認検査で見逃されていた事件は、本市でも偽造マンションが発覚するなど、重大な社会問題になっています。

建築物の建築確認のように、住民の生命・安全や健康を守り、住環境やまちづくりに直結する公共性の高い業務は、公的機関が責任を持ってその業務内容を点検、監督していかなければなりません。また、福岡市による建築確認検査においても、構造計算書の偽造を見逃していたことは大きな問題です。早急な制度の見直しが求められています。

国会の証人喚問で姉歯元建築士は、建設会社から「鉄筋の量を減らせ」と何度も指示され、要求にそわないと「他の設計事務所に仕事を回す」と圧力を受けたため、「他の設計事務所に代えられて仕事がなくなったら困る」と思い、偽造したと語っています。その背景には、行き過ぎたコスト削減競走等の問題もあります。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、建築確認検査の監視強化を図るとともに、確認検査員に違法行為の報告を義務付け、地方自治体の建築確認体制の強化のための措置を講ずるなど、建築確認検査制度の抜本的見直しを行われるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
国土交通大臣 あて

議長名


(日本共産党立案。反対多数で否決)


関連記事「建築確認検査制度の見直しと安全な建築物を求める意見書(案)」への日本共産党の賛成討論

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「建築確認検査制度の見直しと安全な建築物を求める意見書(案)」
への日本共産党の賛成討論

2005年12月16日 比江嶋俊和議員

私は、日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております意見書案第23号「建築確認検査制度の見直しと安全な建築物を求める意見書案」について賛成討論をおこないます。

今、姉歯元一級建築士によるマンション等の建築にかかる「構造計算書」偽装事件が発覚し、マンション住民の立ち退きやホテルの営業中止が余儀なくされるなど、重大な社会問題になっています。福岡市でも、12月6日、姉歯氏が設計に関わった博多区千代3丁目のマンションで、構造計算書の偽装が明らかになりました。しかも、この建築確認検査をおこなったのが福岡市であったことは重大な問題となりました。また、3月20日の福岡西方沖地震で被災した南区のマンションで、建設会社が「建物の一部に構造設計上の耐震強度不足が見つかった」として、解体作業を進めていることが12日分かりました。いま、多くのマンション居住者の中で、同じような問題があるのではないかとの不安が大きく広がっています。

本来、住宅などの建築行政は、住民の生命・安全、福祉と環境や街づくりに直結する高い公共性を課せられており、行政が責任を持ってその施策をすすめていかなければならないものであります。


しかしながら、「官から民へ」ということで、1998年に建築基準法が改悪され、建築確認の検査が民間に開放されました。ここに、今回の偽装事件の背景があります。当時の法案審議に際して、日本共産党は、営利を目的とする民間の検査機関では、競争が激しくなった場合に、「安かろう悪かろう」の「手抜き検査に」なることや、「事実上、民間まかせになってしまう」と指摘して唯一反対しましたが、今回の事件はまさにそのことを実証したものであります。自民党は「二十一世紀に向けた大きな基準法体系の再構築」、公明党は「ますます検査というものがバラエティーに富んでまいります」と述べるなど、他の政党はすべて法改悪に賛成しました。こうした建築確認を民間まかせにしてきた流れを抜本的に見直す必要があります。

また、国会での証人喚問で明らかになったように、コスト削減と施工の短期化で、利潤を追求する建設業界ぐるみの構図も見えてきました。また、姉歯氏が絡んでいない建築物においても、同様の耐震強度の問題点が明らかになっており、まさに「氷山の一角」となっています。


さらに、自民党・公明党の国会議員の仲立ちや、業界からの政治家に対する政治献金も大きな問題となっております。こうした中で、今回の偽装問題に対する政治のあり方が問われおりいます。

いま、広く、マンション住民等の不安の解消はじめ、事件の再発防止に向け、緊急の徹底した対策が求められているところです。

したがって、わが党は、国会及び政府が、建築確認検査の監視強化のため、民間の検査機関の検査を再度チェックする体制の整備とシステムの確立を図るとともに、確認検査員に違法行為の報告を義務づけ、地方自治体の建築確認体制の強化のための措置を講ずるなど、建築確認検査制度の抜本的見直しを求めて、私の賛成討論を終わります。


関連記事「建築確認検査制度の見直しと安全な建築物を求める意見書」

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