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議会報告

2005年12月議会

議案に対する反対討論

2005年12月16日 星野美恵子議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第284号ないし293号、295号、296号、298号、299号、305号、308号、327号、329号、330号、340号、346号、347号、349号ないし352号、355号、357号ないし360号、363号、364号、366号、367号、373号、376号、377号に反対し、討論を行います。


まず、議案第327号、329号、330号、老人福祉センターの指定管理者の指定についてです。これは、これまで社会福祉法人 福岡市社会福祉事業団が管理してきた老人福祉センターの指定管理者を株式会社等に指定するというものであります。利潤の追及とは全く無縁の老人福祉センターを株式会社に提供すれば、もうけ本位の運営に変質し、高齢者が気軽に利用できなくなることやこれまで行われてきた高齢者のための事業が、縮小されることも危ぐされます。株式会社を指定したことにより、従来管理運営をしてきた社会福祉事業団の事業費が削減され、事実上、職員が解雇されることになるのであります。住民の福祉の増進を目的とする社会福祉施設等の公の施設の管理運営を営利を目的とした民間企業に委託することは、自治体の公的責任の放棄であり、住民サービス・住民福祉の切り捨てに他なりません。したがって、株式会社等への指定は撤回し、従来どおり、社会福祉事業団を指定管理者に指定すべきです。

次に、議案第363号、364号、366号、367号、自転車駐車場の指定管理者の指定は、市内4カ所の自転車駐車場の指定管理者を駅レンタカー九州や西鉄ビルマネージメント、博多リバレイン管理等の株式会社に指定するというものです。これによって、従来受託していた福岡市シルバー人材センターの仕事が奪われ、約2億2,000万円余の減収という影響を受けることになるのであります。現に、すでに駅レンタカー九州が指定管理者となって、管理運営が行われている南区の自転車駐車場では、多くの労働者が大幅賃下げとなっています。

本市は高齢者の就業対策として、長年自転車駐車場の管理運営をシルバー人材センターに委託し、支援してきました。駐車場管理は、シルバー人材センターの収益の約3割を占める中心的事業であります。その自転車駐車場の管理運営に、民間企業を参入させれば、シルバー人材センターが民間と一律に競走させられ、これが委託費を引き下げ、市民サービスを低下させることにもつながります。したがって、わが党は自転車駐車場の管理者を民間企業に指定するこれらの議案に強く反対します。シルバー人材センターから仕事を奪うのではなく、市全体で政策的に仕事を増やすなど、シルバー人材センターを育成し、高齢者対策を充実することを要求します。

次に、議案第299号、福岡市コンベンション施設条例の一部を改正する条例案は、これまで市が条例で定めていた施設、マリンメッセ福岡の駐車場及び福岡国際会議場の使用料の額について、指定管理者が議会にはかることもなく、市長の承認だけで変更できるようにするものです。これは、行政の管理、議会の監視ができなくなるものであり、利用料金を導入する条例案にわが党は反対であります。

指定管理者制度はもともと財界の要求で官から民へのかけ声のもと、国、地方自治体の業務、施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすという基本戦略にもとづくものです。公の施設管理・運営は数十兆円の市場といわれ、民間企業等が大もうけをねらい、参入に積極的な動きを見せる中、市長はもうかる施設はためらうことなく、次々と民間企業に投げ渡すなど、民間企業の仕事づくり、利益保障には熱心であります。しかしながら、公の施設の管理を営利を目的にした民間企業にゆだねることは、行政の責任が曖昧になり、今以上に住民と議会のチェックができにくくなるとともに、サービスの低下や住民負担の増加、個人情報の漏えいの危険などを伴うものです。

また、公共性の高い団体を民間企業と競走させることにより、本来必要な管理運営費が削減され、そのツケが賃下げと解雇など、労働者の処遇の改悪につながることは明らかです。したがって、指定管理者制度の適用に当たっては、公共的役割を保持できるように、民間営利企業を除外するとともに、福祉施設など市民生活に直結する公の施設は、直営を原則とすべきです。


次に、議案第377号、人工島の道路用地の取得についてですが、これは本市が博多港開発から、都市計画道路アイランド1号線用地として、約1万㎡を8億3,200万円余で購入するというものであります。しかしながら、博多港開発工区内の道路整備については、開発者である博多港開発が、自らの負担と責任で整備するのが筋であります。人工島だけ特別扱いし、本市が肩代わり整備することで、博多港開発に便宜を図るやり方は極めて異常であり、2001年3月に市が銀行にだした約束文書、並びに市長が立会人となって結ばれた同年8月の博多港開発と銀行団との協定にもとづく約束の履行に他なりません。わが党は、銀行への債務保証、博多港開発の破たん救済のための税金投入となる本議案に断固反対であります。


次に、議案第284号ないし293号、295号、補正予算のうち、福岡市職員の給与に関する予算補正並びに、第296号、福岡市職員の給与に関する条例等を一部改正する条例案についてであります。この予算補正と条例改正は、人事委員会勧告を口実に、市職員の基本給と配偶者手当を引き下げるものです。

市職員の給与は1999年に一時金が減額になって以降、賃上げは全くなく、減額あるいは据え置きで推移してきました。このため、昨年までで賃下げによる影響は年間55万円にも及んでおり、今回改定を含めると57万5,000円もの賃下げとなるものであります。市長は毎年のように職員に賃下げを強要していますが、これでは職員の生活設計は成り立たず、安心して公務に専念することもできません。住民サービスの向上にも逆行するものです。さらには市内の民間労働者の賃金に、マイナスの連動作用をもたらすなど、地域経済にも悪影響を与える点で重大であります。

また、本市の職員は、人口比で全国一少ない職員数のもと、長時間過密労働を強いられており、時間外勤務手当の未払い問題なども起こっております。今、市長がやるべきことは雇用者として、超過勤務手当の未払いの解消や賃下げとならないように措置するなど、職員の生活保障をすることであります。したがって、わが党はこのような職員給与引き下げの条例案と補正予算案に反対します。


以上で、わが党の反対討論を終わります。


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