トップ > 議会報告 > 2009年12月議会 > 意見書について

議会報告

2009年12月議会

2009年12月議会 意見書について

所得税及び住民税の扶養控除廃止を行わないよう求める意見書

政府税制調査会は、所得税及び住民税の扶養控除を廃止する方針を固めました。扶養控除が廃止されると、所得税は2011年、住民税は2012年から増税になるとともに、子ども手当の給付対象となっている16歳未満の子どものいる世帯、例えば、年収300万円のサラリーマン3人家族(妻は専業主婦、子どもは3歳未満)では、所得税及び住民税の合計増税額は年間5万4,500円となり、現行の児童手当が廃止される中で、子ども手当が支給されても子ども手当の効果は縮小することになります。そして、子ども手当の給付を受けられない23歳以上70歳未満の家族を扶養している世帯は、何らかの措置が取られない限り、増税だけが押し付けられることになります。また、社会保障制度の多くはその自己負担額などが、所得税額や住民税額、課税所得額などを基準にしているほか、住民税が非課税かどうかを基準としている場合が多いため、扶養控除の廃止と連動して他の制度の負担が雪だるま式に増えることになります。

民主党は、先の総選挙で子ども手当創設の意向を示した際、その財源については「住民税の配偶者控除、扶養控除は見直しの対象とせず、現状のままとする」としていました。

庶民増税につながる扶養控除の廃止により、まじめに働き子育てするサラリーマンや低所得者に耐え難い痛みと負担がのしかかることとなり、幅広い世帯に負担増の波が襲うことになります。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、所得税及び住民税の扶養控除廃止を行わないよう強く要請します。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、副総理・国家戦略担当大臣、総務大臣、財務大臣 あて

議長名

(全会一致。日本共産党立案)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

直面する生活保護行政の問題解決を求める意見書

年末年始の「年越し派遣村」などの活動を契機に、法に沿った生活保護の適用が全国に広がるなど、生活保護行政をめぐる情勢は大きく変化してきています。それに伴い生活保護の申請数は大幅に増加し、どこの地方自治体でも増大する業務に追われています。雇用とともに収入はもちろん、住民など生活基盤まで喪失し、生命の危機にさらされている住民の生存を守ることができる制度は、現時点では生活保護制度しかない以上、この制度の本来の役割を発揮できるような運用が求められています。この間の社会経済情勢を反映し、生活保護制度利用者が増加する中、その実施機関となる福祉事務所の現場において日夜を問わない奮闘が続けられていますが、現場のケースワーカーは、援助が困難な世帯が増加しているにも関わらず、「標準数」をはるかに上回る世帯数を抱えており、申請窓口に殺到する申請者の対応に追われ、就労支援や訪問調査などに十分な時間が取れなくなっています。本市においても、ケースワーカーが大幅に足りないために、保護を必要とする人が何日も申請を待たされたり、支援が必要な被保護世帯が何週間も放置されたりという深刻な事態が生じています。増大し、多様化している業務に対応するためには、ケースワーカー1人当たりの「標準数」である担当世帯数80世帯を60世帯に減らし、地方自治体に増員を促すことが必要です。また、申請者及び受給者の増加に伴い、生活保護費等の地方自治体の財政負担も増大しています。

生活保護制度は憲法第25条に基づく国民の生存権を保障するものであり、全国どこに住んでも健康で文化的な生活をする権利を実現することは国の責任です。よって、福岡市議会は、国会及び政府が、未曾有の雇用危機の中で困難さを増す生活保護行政について、地方自治体の役割が重要であることを踏まえ、次の措置を講ぜられるよう強く要請します。

1 被保護世帯数に対するケースワーカー配置の標準数「80対1」を「60対1」とし、地方自治体に増員を促すこと。

2 国の生活保護負担金を「4分の3」から人件費を含め全額国庫負担とすること。


以上、地方自治体法99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣 あて

議長名

(全会一致。日本共産党立案)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

保育制度改革に関する意見書

平成21年度12月8日に閣議決定された、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」において、幼保一体化を含めた保育分野の制度・規制改革が提言されています。この保育分野の制度・規制改革は、保育所の設置について、認可制に加え指定制を導入し、営利を目的とした事業者の参入を促進するとともに、保育所入所を利用者と保育所との直接契約として、市町村の公的責任をこれまでの保育の実施主体としての責任から単なる監督責任へと変容させています。このことは、児童福祉法第24条に基づく市町村の保育実施責任を大幅に後退させるとともに、規制緩和による保育の市場化を進めるものです。さらに、費用負担についても「応能負担」から「応益負担」へと変更されており、所得の低い保護者の負担増を招き、子どもたちが必要な保育を受けられなくなります。

このような保育制度改革では、保育や子育てに必要な環境が悪化し、保護者にとっても利用しにくい保育所となってしまうのはもちろんのこと、保護者の経済力により子どもたちの間に保育格差が生じてしまいます。これでは、国民的課題となっている少子化の流れに歯止めをかけるどころか、ますます拍車がかかり、日本の将来に大きな禍根を残すことになりかねません。よって、福岡市議会は、国会及び政府が、次の事項について取り組まれますよう強く要請します。

1 児童福祉法第24条により市町村が実施主体であることが明記されている現行の保育制度を維持拡充させること。

2 国は 市町村が責任を持って必要な地域に認可保育所を設置し、待機児童解消に向けて取り組むことができるよう環境を整備すること。

3 保護者の経済力により、保育に格差が生じる市場原理主義に基づく直接契約・直接補助方式は、導入しないこと。

4 保育所を福祉からビジネスの場へと変質させる事業者指定制度は、保育の世界に持ち込まないこと。

5 保育所の設置基準設定を地方に任せる児童福祉施設最低基準の緩和は、地域格差を助長し、保育の質の低下につながるため、行わないこと。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(少子化対策) あて

議長名

(共産、自民、みらい、ネット、社民、福政、平成の賛成で可決。公明、民主は反対)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

板付基地の返還を求める意見書

福岡空港は、国内22路線、アジアの各都市に17路線を持つ、国内ばかりでなく国際空港としても重要な交流拠点機能を有する民間空港であり、年間1,700万人超が利用する日本有数の空港です。

しかしながら、今なお米軍は、福岡空港の一部に専用区域である板付基地を残し、滑走路・誘導路等を共同利用しています。前年に比べ幾分減少しているものの、平成20年の米軍機の飛来回数は75回に上る等、福岡空港は、軍事・民間共同利用が続いており、市民の不安は依然として解消されていません。

また、福岡空港内の米軍専用区域倉庫の3分の2は解体され、現在、更地化されています。

さらに、福岡市と佐賀県にまたがる背振山頂に位置した米軍背振山通信施設の福岡市域内部分についても、更地化した状態で残されており、多くの市民から、基地の早期返還を強く求めるべきであるとの声が高まっています。

よって福岡市議会は、政府が、市民生活及び福岡空港の安全確保の観点から、次の事項について取り組まれるよう強く要請します。

1 米軍の福岡空港使用をやめ、空港内の米軍施設の早期全面返還に努めること。

2 福岡市域内に所在し、現在、更地化している米軍背振山通信施設の返還実現に努めること。


以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

内閣総理大臣、防衛大臣あて

議長名

(全会一致)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

子どもたちの生命を守るため、ヒブワクチン及び
小児用肺炎球菌ワクチンへの公費助成と定期接種化を求める意見書

細菌性髄膜炎は、乳幼児に重い後遺症を引き起こしたり、死亡に至らせるおそれが高い重篤な感染症で、その原因の75%がヘモフィルスインフルエンザb型(以下「ヒブ」という。)と肺炎球菌によるものです。細菌性髄膜炎は早期診断が困難なこと、発症後の治療には限界があることなどから、罹患前の予防が非常に重要で、ヒブや肺炎球菌による細菌性髄膜炎については、乳幼児期のワクチン接種により効果的に予防することが可能です。世界保健機関(WHO)もワクチンの定期予防接種を推奨しており、既に欧米、アジア、アフリカなど100か国以上で予防接種が導入され、そのうち90か国以上で定期予防接種が実施されていますが、こうした国々では発症率が大幅に減少しています。

日本においては、世界から20年遅れてヒブワクチンが昨年12月に販売開始となり、小児用肺炎球菌ワクチンも欧米から約10年遅れて今年10月に国内初承認され、来年春までに販売開始の予定となっています。

しかし、医療機関においてワクチン接種が可能となっても、任意接種であるため費用負担が大きく、子どもたちの命を守るため、公費助成や定期接種化などの早急な対策が必要です。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、細菌性髄膜炎の予防対策を講ずるために、次の事項について、1日も早く実現されるよう強く要請します。

1 ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチン(以下「ワクチン」という。)接種に対する公費助成を早急に実施すること。

2 ワクチンの有効性、安全性を評価した上で、予防接種法を改正し、ヒブや肺炎球菌による重症感染症(髄膜炎、喉頭蓋炎、敗血症)を定期接種対象疾病(一類疾病)に位置付けること。

3 ワクチンの安定供給のための手立てを講ずること。

4 ワクチン接種の有効性について啓発を推進し、ワクチン接種の普及促進を図ること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣あて

議長名

(全会一致)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

農業共済事業の健全な発展を求める意見書

政府は行政刷新会議による事業仕分けにおいて、農業共済の農業共済掛金国庫負担金及び農業共済事業事務費負担金について、いずれも「3分の1程度の予算要求の縮減」との評価を下しました。

農業は自然に左右されることが最も大きい産業ですが、我が国は風水害、冷害などの気象災害に頻繁に見舞われます。このような災害から農家の経営を守り、農業の自律的な発展を支えているのが農業共済制度です。農作物の被害率は一般の損害保険の事故率に比べて非常に高く、それゆえ掛金が高くなることから、国は農業災害補償法に基づき掛金の2分の1を負担し、より多くの農家が農業共済制度に加入できるよう支援してきました。

農業共済組合が事業運営にあたり、経営努力を行い、経費の無駄を削減することは極めて有意義ですが、今回の事業仕分けにより、農業共済の負担金が削減され、結果的に農家の負担が増大することは、我が国の農業の発展を阻害することにつながります。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、農業共済事業の健全な発展を図るとともに、負担金の縮減が農家の負担増大につながらないように、必要な予算措置を講ぜられるよう強く要請します。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、副総理・国家戦略担当大臣、財務大臣、農林水産大臣、内閣府特命担当大臣(行政刷新)あて

議長名

(全会一致)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

改正貸金業法の早期完全施行等を求める意見書

自己破産者や経済・生活苦による自殺者が著しく増加し、多重債務者が200万人を超えるなどの深刻な多重債務問題を解決するために、2006年12月に改正貸金業法が成立しました。出資法の上限金利の引き下げ、収入の3分の1を超える過剰貸付契約の禁止(総量規制)などを含む同法は、2010年6月までに完全施行される予定です。改正貸金業法成立後に設置された多重債務者対策本部は、①多重債務相談窓口の拡充、②セーフティーネット貸付の充実、③ヤミ金融の撲滅、④金融経済教育を柱とする多重債務問題改善プログラムを策定しました。官民が連携して取り組んできた結果、多重債務者は大幅に減少し、2008年の自己破産者数も13万人を切るなど、多重債務対策は着実に成果を上げつつあります。

一方で、消費者金融の成約率が低下し、資金調達を制限された中小事業者の倒産が増加していること等を指摘して、改正貸金業法の完全施行の延期や貸金業者に対する規制の緩和を求める論調が一部にあります。

しかしながら、1990年代のいわゆるバブル崩壊後の経済危機の際は、貸金業者に対する不十分な規制の下に商工ローンや消費者金融が大幅に貸付を伸ばし、その結果、1998年には自己破産者が10万人を突破し、自殺者も3万人を超えるなど、多重債務問題が深刻化しました。

改正貸金業法の完全施行の先延ばし、金利規制等の貸金業者に対する規制の緩和は、再び自己破産者や自殺者、多重債務者の急増を招きかねません。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、地方消費者行政の充実及び多重債務者問題の解決が本年9月に発足した消費者庁の喫緊の課題であることを踏まえ、次の施策を講ぜられるよう強く要請します。

1 改正貸金業法を早期に完全施行すること

2 相談員の人件費を含む予算を十分確保するなど、地方自治体における多重債務相談体制の拡充を支援すること。

3 個人及び中小事業者向けのセーフティーネット貸付をさらに充実させること。

4 ヤミ金融を徹底的に摘発すること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、内閣府特命担当大臣(金融)、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)あて

議長名

(全会一致)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

地方議会議員年金制度に関する意見書

地方議会議員の年金制度は、地方公務員等共済組合法に基づく公的な互助年金制度であって、議員が安心して議会活動に専念することのできる社会保障制度として定着しており、議員退職者及びその遺族の老後の生活基盤の支えとしてなくてはならないものです。

しかしながら、市町村議会議員の年金財政は、平成の大合併の大規模かつ急速な進展による議員数の減少と受給者数の増加等により急速に悪化し、平成14年度及び平成18年度の二度にわたり自助努力の限界とも言える大幅な掛金の引き上げと給付の引き下げが行われましたが、国の責任において措置すべき合併特例法の規定に基づく激変緩和措置が不十分であったことから、平成23年度には積立金が枯渇し、破綻が確実視されています。

このような中、本年11月に開催された国の検討会において、またしても掛金の引き上げ、給付の引き下げを基本とし、現役の議員、議員退職者及びその遺族に対し安易に負担を強制する見直し案が提示されました。

この見直し案については、議員の負担が既に限界にあることや、年金が受給者の生活基盤に必要不可欠な存在となっていることなどが考慮されておらず、断じて受け入れられるものではありません。これ以上の掛金の引き上げ、給付の引き下げは行うべきではなく、市町村合併の影響による年金の財源不足については、合併を推進した国の責任においてすべて措置すべきであり、議員負担と公費負担の割合を6対4から他の公的年金制度と同様5対5とするなど、年金の制度そのものについても抜本的に見直すべきです。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、平成14年度及び平成18年度の制度見直しにおける反省に立ち、国策によって推進された市町村合併に身をもって協力した市町村議会議員の思いを厳粛に受け止め、地方議会議員年金制度を健全に維持するため、国の責任において特段の措置を講ぜられるよう強く要請します。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣あて

議長名

(賛成多数で可決)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

悉皆方式による全国学力・学習状況調査の継続を求める意見書

本年10月、文部科学大臣は、全国学力・学習状況調査について、来年度より悉皆方式から抽出方式に変更する方針を表明し、来年度予算概算要求も、それに踏まえて減額修正されています。さらには、政府の行政刷新会議が全国学力・学習状況調査の実施を事業仕分けの対象としたため、調査規模が一層縮小される可能性が出てきました。そのため、自治体間の学力比較が難しくなり、地域間格差を是正する効果が失われるおそれさえ生じています。

来年度は、3年前の小学6年生が中学3年生となり、全国学力・学習状況調査に参加します。3年間の学習の成果を定点観測により検証できる初めての機会であるにもかかわらず、あえて抽出方式に切り替えることは合理的ではありません。何よりも、子どもの相対的な学力を知ることができるので参加したいという保護者の声が数多く上がっています。

抽出調査の対象外であっても、学校の設置者が希望すれば利用できる希望利用方式も併用するとのことですが、設置者に多大な費用、事務処理等の負担が発生し、抽出調査の対象である場合と比べて、著しく不公平を生じます。悉皆調査であるからこそ、子ども一人ひとりの課題などが把握でき、高度な分析・検証も可能となることから、悉皆調査として継続すべきです。よって、福岡市議会は、国会及び政府が、世界最高水準の義務教育を実現するために、小学6年生及び中学3年生の全児童を対象とする全国学力・学習状況調査を継続して実施するとともに、その調査結果を学力向上に最大限活用するよう強く要請します。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、副総理・国家戦略担当大臣、総務大臣、文部科学大臣、内閣府特命担当大臣(行政刷新) あて

議長名

(自民、公明、みらい、福政、平成の賛成で可決。共産、民主、社民、ネットは反対)

↑ 上へ

>>>「2009年12月議会」トップへ戻る

>>>「議会報告」一覧ページへ戻る

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ