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議会報告

2010年予算議会

議案第28号
平成22年度福岡市一般会計予算案の組替えを求める動議(案)


議案第28号平成22年度福岡市一般会計予算案について,市長は下記要領により速やかに組替えを行い,再提出することを要求します。


1 組替えを求める理由

吉田市長が編成した2010年度予算案は,人工島事業の推進に89億円もの予算を計上するなど大型開発を推進する一方,財政難を口実に,子どもの医療費助成の対象拡大を,入院費に限って小学校3年生までにとどめています。子育て世帯に対する経済的負担の軽減効果や市民の願いから見れば不十分であり,一層の拡充が求められます。そうした立場から,市長が新年度予算案を組み替えることは喫緊の課題です。


2 組替えの基本方針

人工島関連事業など不要不急の大型開発5事業を推進するための歳出予算を削除し,それによって,市債発行を抑制しつつ,新たに生み出した財源を,子どもの医療費助成(入院・通院)の中学校3年生までの拡大に係る予算に振り向けます。


3 組替えの内容
(1) 大型開発事業の凍結に伴う一般会計歳出・歳入の減額

ア 人工島事業を推進する予算を削除する

人工島の港湾関連用地も産業用地も計画通り分譲できず売れ残っているにもかかわらず,さらに造成を進める予算が盛り込まれています。2工区の覆土撤去工事や5工区の地盤改良工事などの人工島整備事業は全く必要がありません。また,道路整備や住宅市街地総合整備事業は,人工島を特別扱いにした破たん救済の税金投入に他なりません。人工島事業を推進する主な歳出予算合計31億円余を削除します。関連歳入である市債と国庫補助金等も削除します。これによって3億円余の一般財源が生じます。


イ 五ヶ山ダム建設を進める予算を削除する

福岡県と福岡市が中心になって進めている五ヶ山ダム建設は,都市膨張政策に基づき人口が増え続けることを前提とした水需給計画を根拠としており,全く過大な計画です。国もダム建設の見直しを進める中,必要性も妥当性もない五ヶ山ダム建設事業負担金を削除します。


ウ 渡辺通駅北土地区画整理事業を進める予算を削除する

「新都心構想」の一環として国と福岡市が巨額の補助金をつぎ込んで進めている渡辺通駅北土地区画整理事業は,再開発事業も一体的に計画されており,九州電力(株)などに便宜を図るものに他なりません。同事業費を削除します。


エ 九州大学学術研究都市構想推進予算を削除する

九州大学学術研究都市構想は,九州大学,経済界,周辺自治体が出資する(財)九州大学学術研究都市推進機構が広大な土地を開発し,企業誘致を行うものですが,税金投入がどこまで膨れ上がるか分かりません。推進機構から撤退するとともに,関連予算を削除します。


オ 九州新幹線博多駅整備事業への負担金を削除する

九州新幹線博多駅の駅舎整備は,改悪された全国新幹線鉄道整備法に基づき,事業費270億円のすべてを国と福岡県,福岡市が負担するもので,JR九州(株)の負担は1円もありません。自治体と住民に負担させるこうした無責任な財源スキームそのものに問題があり,負担金を削除します。


(2) 子ども医療費助成の拡大のための歳出・歳入の増額

一般会計歳出予算案には,子ども医療費34億9,700万円余りが計上されています。そのうち1億4,700万円が今年9月1日から実施する小学校1~3年生の入院医療費助成分です。我が党が提出した福岡市乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案に対する修正案に従い,小学校4年生から中学校3年生までの入院医療費助成分と,小学校1年生から中学校3年生までの通院医療費助成分を追加します。歳出のうち子ども医療費に11億9,200万円を,歳入のうち高額療養費収入に1億2,000万円をそれぞれ追加します。したがって,一般財源からの拠出は10億7,200万円です。


(3) 財政調整基金の取崩し

上記(1)及び(2)によって生じる不足分を財政調整基金から取り崩します。


(3 組替えの内容の内訳)

(千円)

(1) 大型開発事業の凍結に伴う一般会計歳出・歳入の減額
ア 人工島事業推進予算
 人工島整備推進(港湾局)1,570,292
 関連歳入国庫支出金361,457
市債626,000
その他358,525
 道路整備(道路下水道局)1,369,000
 関連歳入国庫支出金646,500
市債663,000
その他51,000
 住宅市街地総合整備事業(住宅都市局)122,202
 関連歳入国庫支出金80,406
 東部幹線道路計画等の検討(住宅都市局)40,900
イ 五ヶ山ダム建設事業建設負担金711,583
 関連歳入市債711,000
ウ 渡辺通駅北土地区画整理事業170,000
 関連歳入国庫支出金91,550
市債71,000
エ 九州大学学術研究都市構想推進34,291
オ 九州新幹線博多駅整備事業負担金115,000
 関連歳入市債103,000
合計4,133,268
 関連歳入国庫支出金1,179,913
市債2,174,000
その他409,525
(2) 子ども医療費助成の拡大のための歳出・歳入の増額
 子ども医療費1,192,000
 関連歳入高額療養費収入120,000
(3) 財政調整基金の取崩し
 財政調整基金繰入金702,170

以上


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