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議会報告

2018年9月議会

9月議会反対討論

2018年9月14日 ひえじま俊和議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されております諸議案のうち、議案第164号ないし166号、172号、178号および179号、議員提出議案第2号に反対し、討論を行います。


まず、議案第178号「南部工場 解体工事 請負契約の一部変更に関する専決処分について」および179号「平成29年度公営住宅(下山門住宅その1地区)新築工事 請負契約の一部変更に関する専決処分について」です。

本議案は、市発注の南部工場の解体と下山門の市営住宅の新設工事を受注し施工していた西中洲樋口建設が本年5月21日、突然県に廃業届を提出し、7月20日に本市へこれらの工事のJVから脱退するという届けとその承認願いを提出したため、契約の相手方を変更する必要が生じ、専決処分を行ったという内容の議案です。

これは、同社代表取締役だった横尾博氏が女性に対する暴行事件を起こし、罰金刑が確定したため、建設業法の欠格条項に触れることとなったのが発端です。このため、同社は廃業届を出し、その直後に新たな建設業許可を申請するという、企業としての実態をほとんど変えずに法の規制をかいくぐる姑息な手口をとったものであります。

建設業法が第1条で「建設業を営む者の資質の向上…を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進」すると定めているのは、建設業が国民の生活や産業の基盤という非常に重要な業種であるにもかかわらず、その経営が前近代的な側面を持っていたことを厳しく見て、是正を図ることをめざしたからです。だからこそ、暴力事件を起こすような人間を役員から排除し、もしそうした人間が役員にいた場合、建設業者としては認められないという厳しい欠格条項を第8条に設けているのであります。

横尾氏の罰金刑は2018年1月に確定しておりますが、下山門住宅の新築工事の契約は、横尾氏が代表取締役に就いたまま同年2月22日に結ばれました。暴力事件を起こし、すでに罰金刑が確定し、建設業者としての資格を欠いたまま仕事を得ようとしたものであり、建設業法の趣旨に照らせば、このような契約自体、許されるものではありません。

よって、議案第179号の下山門住宅の契約変更は、単に西中洲樋口建設をJVから除けばいいというものではなく、契約そのものをやり直す必要があり、賛成できません。

また、同社は昨年5月に暴力事件を起こし、今年の1月に罰金刑が確定し、5月に廃業届を県に出しながら、市がそのことを知らされたのは6月25日でした。つまり同社は欠格に当たるような事実をずっと隠したまま工事を続け、契約をとっていたのであり、建設業法に定める請負契約に関しての「不正又は不誠実な行為」に当たるものです。

建設業で手抜き工事や欠陥工事が行われたのでは、人の命にかかわることから、建設業法では、請負契約に際して、不正や不誠実な行為を厳しく排除しようとしています。

わが党は議案質疑の中で西中洲樋口建設の一連の行為は不誠実な行為ではなかったかと追及したところ、市は「法が求める誠実性に欠けるものであった」と答弁しました。

そうであるなら、暴力事件を起こした後も続けられていた南部工場の解体工事についても契約そのものをやり直した上で、同社に厳しい処分を行うべきです。

市はあたかも厳しい処分をしたかのように言い訳していますが、各委員会審議では与党を含め市の対応の甘さを問題視する意見がいくつも出されました。髙島市政が同社に手心を加えていることは衆目の一致するところです。よって、単に同社をJVから除くだけの議案第178号についても認めることはできません。


次に、議案第164号「一般会計補正予算案」中、「G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議 準備経費の追加」についてです。

これは、同会議に向けての準備・支援、参加者等へのもてなし・歓迎、機運の醸成という名目で、交通対策の市民周知、レセプションや特設花壇の企画委託、セミナーの開催などに6920万円を増額補正するものです。

この会議のための経費が最終的にいくらまで膨らむのか、わが党の質疑に対して市は具体的な金額を明らかにせず、「テロ防止」を看板にして18年前のG8会議の開催以上に大がかりな交通規制や警備などの市民生活の制限が行われるのではないかという指摘に対しても「市民生活への影響を最小限にする」というだけで否定しませんでした。

さらに、「おもてなしのボランティア」という体裁で、市は福岡市自治協議会等7区会長会に協力要請をすでに行い、全市あげての動員体制をつくろうとしています。町内会をはじめ、市民に対して、事実上の強制動員が行われる危険性をわが党は審議の中で警告しましたが、市は逆に「市民に多文化交流を経験できるようにする」などとして、歓迎ムードづくりに市民を動員する意図をあらわにしました。

市長は福岡の知名度を上げ、MICEを推進する「絶好の機会」などと答弁しましたが、髙島市政の呼び込み型経済政策のもとで市内大企業の内部留保が3000億円も増えたものの、家計の可処分所得はマイナスになっています。今回も市民に何の恩恵もなく、一部企業にとってのみ「絶好の機会」になることは明らかです。市民生活に多大な影響を与え、何のメリットもないこの補正に対し、わが党は反対します。


次に、同じく議案第164号「一般会計補正予算案」中、港湾改修費における直轄工事負担金の追加についてです。

これは、人工島のみなとづくりエリアにおいて「緊急的な係留機能の強化」をするとして、C2岸壁と泊地を150m延長するために、2億3320万円を増額補正するものです。事業費は今後総額で約67億円にも及ぶ莫大なもので、今回はその第一歩にすぎません。

この延長部分は、同エリアD岸壁の東半分に当たっており、わが党は委員会審議でこれはD岸壁の建設なのかとただしたのに対し、市は「D岸壁は国において事業採択されていない」としつつ、他方で「D岸壁の着手だと考えている」などと、つじつまのあわない答弁をしました。

もともと「平成34年」に博多港のコンテナ取扱量を130万TEUにするというのが市の目標でしたが、これが不可能になり「平成30年代後半」へと後ろ倒しせざるを得なくなり、市が描く「需要の伸び」という作り話は、事実の前に破綻した状況になっていました。そのため、D岸壁は国の事業採択も見込めず厳しい状況に追い込まれていました。

そうしたもとで、市は「緊急対応」だと称して国の事業採択を経ずに、「C2の延長」だと言ってD部分に岸壁を建設するという、とんでもないやり方に乗り出したのです。国でさえ需要が見込めないから事業採択をしてこなかったのではありませんか。

私どもは国土交通省の担当者に「D岸壁の着手なのか」と確認しましたが「C2岸壁の延長だ」と答え、「D岸壁の着手」だとは認めませんでした。国の現場の担当者でさえ認めない異常な答弁・認識だったことが明らかになりました。ここには、特定の政治家の関与、あるいは安倍政権による特別扱いなど、「見えない大きな力」が働いていると考えざるを得ず、今後解明が求められる問題です。

需要の見通しもないまま、脱法的とも言えるやり方で岸壁をつくるなど、税金の浪費以外の何ものでもなく、断じて認めることはできません。


次に、議員提出議案第2号「福岡市観光振興条例案」についてです。

本議案は、観光振興を目的にかかげ、市の施策の実施、受入環境の整備、MICEの振興、財源の確保として宿泊税の創設などを定めるものです。

わが党は、日本や福岡の文化や歴史などの魅力が広がり、訪れる外国人が増えることは歓迎すべきことであり、また訪日客が何度でも訪れてみたいと思うような日本・福岡の魅力を広げる取り組みを進めることは必要なことであると考えます。

しかし、観光を成長戦略の道具として、訪日外国人客の目標の達成を優先させ、受入施設の整備を迫る安倍政権流のやり方は、渋滞の慢性化、バスの駐車場不足とそれにともなう公園つぶし、バスの運転手不足、違法民泊、白タクの横行、税金の浪費など、地元への負担を押しつけ、地域を逆に破壊しかねません。髙島市政の観光政策は、この安倍流観光政策の実験場になっています。

わが党は委員会審議で条例案がどのような観光政策をすすめようとしているか、ただしましたが、提案者は「観光客の呼び込みを目指すもの」と明確に答え、数値目標を設定して無謀な呼び込みを図る髙島市政のあり方についても当然視する答弁をしました。

さらに、条例は「MICEの振興」「受入環境の整備」として、観光客呼び込みのためのハコモノ整備やイベント促進を定め、そのために観光客から税金を取り立てる仕組みになっています。

宿泊税については、身の丈にあわない数の観光客がもたらす、地域や環境への負担の解消を目的にしたものではなく、新たな受け入れを増やすために使われることが委員会審議で明らかになりました。これでは、地域の負担はますます重くならざるを得ません。

そもそも今回の宿泊税については、第一に、目的税として課税対象や金額、さらには、使い道などの点で疑問や問題点が払しょくされておりません。一律の税率になった場合、低所得者には負担が重くなり、こうした人たちの旅行や観光の権利を奪うことになります。

第二に、中小零細の宿泊業者についての配慮も現時点では示されていません。宿泊税を転嫁できない業者にとっては死活問題となり、観光振興に逆行するものとなりかねません。

第三に、税の公平性が確保されていません。本市は違法民泊への対応・把握については市がやるべき仕事ではないとして事実上放置しています。このような状況下では、違法民泊は課税を逃れ、まじめな業者は課税されるという不公平な状況が生まれ、逆に違法民泊を助長するものになりかねません。

第四に、県も宿泊税を課す動きがあり、このままいけば二重課税になる恐れがあります。わが党は委員会でこの問題をただしましたが、提案者は「県はまだ宿泊税を設けていない」とするだけで、責任ある解決策を示しませんでした。

よって、わが党は本議案に賛成することはできません。


続いて、わが党が賛成するもののうち、いくつかの点について述べておきます。

まず、議案第164号「一般会計補正予算案」中、「7月豪雨災害復旧事業」についてです。

わが党の議案質疑や一般質問でも取り上げた通り、この補正予算案には、いまだに避難指示が解除されていない南区の源蔵池において被災住民が求めている市の護岸工事、市が加害者となった西陵中学グランドと脇山中公園の崩落による民家への土砂流入被害に対する早急な補償など、切実な問題が含まれておりません。被災者の立場に立って、一刻も早く市として対策をとるよう求めておきます。

同じく、一般会計補正予算案中、小・中学校のコンクリートブロック塀改修工事についてです。教育委員会は87校のブロック塀に危険の疑いがあるとしていましたが、この補正予算案には、23校分の工事予算しか含まれておりません。他の64校については「調査中」であるとして先送りになっています。これらの学校に通う子どもたちの安全は後回しにされてよいはずはありません。一刻も早く予算をつけ、危険なブロック塀を除去するよう求めます。

あわせて、危険は学校だけではないのであって、通学路についても対策が急がれます。教育委員会の調査により本市で通学路にある危険ブロック塀が831箇所にものぼることが判明しました。日本共産党福岡市議団は大阪北部地震直後の6月28日にいち早く市に申し入れを行い、民間のブロック塀について「除却(じょきゃく)費 補助事業」の充実を求めています。現在の制度は上限が1件あたり4万5000円しかなく、新たにフェンスをつけることに対しては補助が1円も出ません。そのため、利用実績がほとんどないのが実態です。横浜市では除去工事の9割、新設する軽量フェンスには5割の額を補助することにし、上限を合計30万円とする補正予算案を発表しました。福岡市でもただちに制度を充実し、通学路の危険なブロック塀をゼロにするよう要求しておきます。


最後に、議員提出議案第3号「労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶に関する条例案」についてです。

委員会審議で質疑がなされ、この条例案が実効性がないかのような意見がありました。

もともと労働法制は全国一律であるべきで、条例によって特定の地域だけ権限を強化したり対象を広げたりするのは適当ではないと考えます。

私たちが聞き取りをした際、「労働者の使い捨てが疑われる企業」、いわゆるブラック企業では、協定もなく長時間の残業を強いたり、要件を満たさずに突然解雇したり、その大半が現行法をまともに守らないやり方をとっています。私たちがヒアリングをした弁護士や労働組合は、現行法を守ることでかなりの成果をあげることができると述べました。

したがって、市民が労働法についての知識を身につけ、それを使い、また困ったときにいつでも気軽に相談に乗れる体制を市内に網の目のように張り巡らすことによって、ブラック企業の根絶に大きな効果をあげることができると判断したものです。その際、企業・労働組合も一体となり、いわば全市あげてブラック企業の根絶に取り組むことが必要であり、それは義務ではなくむしろ協力の機運を高めることこそ求められます。

ブラック企業は手口を次々進化させてくるというのが専門家の指摘であり、そのためにも現場の労働者へ聞き取り調査を行ったり、市への相談事例からブラック企業側の手口を分析したりする必要があります。したがいまして、本条例案では企業への立入調査ではなく、労働者への聞き取り調査などを想定しているのであります。

わが党市議団が行った学生アルバイトからの聞き取り調査はその一つで、9割の職場で、法令で定めた労働条件の書面通知が行われていなかったことが判明しました。福岡労働局が私たちの申し入れに対して後追いで同様の調査をしましたが、この調査は書面で交付したかどうかだけの調査にとどまっていて、労基法15条、同施行規則5条に定められた「書面に書かなければならない要件」を守っているかどうかは調査しておりません。このように具体的に労働者の実態を聞き取る姿勢でやらないと、権限がいくらあっても、ことの本質は突けないのであり、このような調査が求められると考えます。

また、審議の中で、本市では独自の調査を行っておらず、相談体制についても独自の労働相談窓口がないために、他の政令市の数百分の一しか相談件数がなく、啓発についても市のハンドブックを知っている人は学生の1%しかおらず、企業の顕彰についても週60時間もの残業を認めるとんでもない制度であることが明らかになりました。

従いまして、ブラック企業の根絶をするためには本市にこのまま任せておくわけにはいかず、本条例の制定が求められているのであります。

議員各位のご賛同を改めてお願いします。


以上で、わが党の討論を終わります。


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