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議会報告

2024年予算議会

世界水泳福岡大会の過大な経済波及効果を暴露し、保健所統廃合問題、
児童発達支援センターの一時預かり事業についてただす

2024年3月22日 中山郁美市議の総会質疑

中山郁美議員

日本共産党の中山郁美市議は、2024年3月22日に条例予算特別委員会の総会質疑に立ち、世界水泳福岡大会の過大に見積もられた経済波及効果を暴露し、市民負担を当初の3倍に膨れ上がらせた市長の責任を追及しました。また、地域保健機能の弱体化を招く保健所統廃合問題と、あまりにも拙速に実施しようとしている児童発達支援センターでの一時預かり事業について質しました。


最終的な市の負担額が当初計画の3倍である107億円となったことが判明した世界水泳福岡大会。チケット販売とは別に協賛金等を募っていましたが、集まった協賛金10億8100万円のうち、4億9000万円は福岡市の水道局やボートレース事業部などが出していたことが明らかになりました。「競艇場のPRになる」と言って市のボートレース事業部は4億円もの協賛金を出しましたが、共産党市議団が民間調査会社に依頼して独自に行ったアンケートによれば、競艇場が世界水泳の開会式会場になったことを知っている福岡市民はわずか4%という結果に。中山市議はこのことを紹介し、宣伝効果は無く、結局は協賛金という名の市民負担であり、でたらめだと批判。また、チケット販売も協賛金も目標を下回っているのに、関わったテレビ朝日には1億4000万円、「電通」には1億3000万円を「成功報酬」としてそれぞれに出しており、さらには、テレビ朝日には独占放映をさせたうえに総額約13億円、「電通」に約25億円、会場設営をした大林組に約79億円など、大企業にはきっちり儲けさせていると指摘。結局世界水泳は、市民に大きな負担を押し付けた一方、大企業に大もうけさせるためのイベントに過ぎなかったと批判しました。市は、世界水泳は地域経済活性化につながったとごまかしました。

世界水泳福岡大会の経済波及効果として、市は540億円の当初見込みに対して433億円になったと報告しています。中山市議は、これは数字を大きくするため意図的に不適当な計算モデルを使ってはじき出した経済波及効果だと指摘。共産党市議団が妥当な計算モデルを使って再計算したところ315億円にすぎなかったと紹介しました。中山市議は、髙島市長は虚構の経済波及効果まで示して世界水泳を自分の手柄にしようとしているが、全くもってひどい姿勢であり、世界水泳の浪費について自らの責任を明らかにし、大型イベント偏重から身近なスポーツ政策へと転換すべきだと迫りました。市長は「大きな成果を得ることができた」などと開き直りました。


今回の議会に、昨年12月議会で突然提案され市民にも一切知らせないままに進められようとしている7区7ヶ所保健所統廃合の組織案が提案されました。各区に「保健福祉センター」は残すものの、保健所は中央区の「あいれふ」1ヶ所にしてしまうというものです。中山市議は、市が各区の保健福祉センター職員や保健師をそれぞれ8割程度に減らそうとしていることを指摘し、「機能強化」というがこれでは戸別訪問などで校区ごとの健康課題を把握し地域の関係団体と協働して地域保健の維持向上を図るという「地区分担制」の機能が失われると批判。また、各区の保健所運営協議会も一元化され、それぞれの区で保健行政をデザインするという重要な役割を果たせなくなると指摘したうえで、市民の中に「保健所守れ」の大きな運動も起こっていると紹介し、統廃合は白紙に戻して保健師などの配置を強化すべきだと求めました。市長は「機能強化だ」と強弁し、市民の声に背を向けました。


障害のある子どもが日常生活での基本動作や集団生活への適応訓練などを受ける児童発達支援センターにおいて、療育が終了する15時から18時までの時間に子どもの一時預かりをすることについて、市は今年の夏から実施するとの表明を突然おこないました。この経緯について中山市議が事前に調べた際、担当課は「現場との協議は今後おこなう、資料はない」と返答していましたが、実際には昨年12月に市の担当者が現場と協議をしており、担当者が作成した資料も現場で配布されていたことがわかりました。中山市議は、市の担当者が業務上作成した資料は公文書であり、情報の秘匿は許されないと迫ると、局長は「資料は公文書ではない」と答弁。しかし、中山市議は情報公開条例をひいて、組織的に活用された資料は公文書であることを示して論破し、審議はいったん休憩に。その後、局長は資料は公文書であると認め、謝罪しました。中山市議は、一時預かりについて、現場からも、保護者からも「あまりにも拙速だ」という意見があがっていることを紹介したうえで、方針をゴリ押しする市長の強硬姿勢を批判し、丁寧な検討と拙速なスケジュールの撤回、関係者への謝罪を求めました。市長は謝罪せず、拙速なスケジュールに固執しました。


以上

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