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議会報告「発言と答弁」全文
2025年12月議会
堀内徹夫市議の一般質問 発言と答弁全文
音声をもとに党市議団が文字起こししたものです
堀内市議私は日本共産党市議団を代表して、不登校対策の拡充について、福岡県アセスメントの見直しを受けやるべき防災対策について質問をいたします。
不登校支援
堀内市議質問の第一は不登校対策の拡充についてです。子どもの不登校はこの10年で3倍と急増し、全国で約35万人です。少子化が進んでいる中で、学校に通えない子どもが毎年増えるという異常事態です。そこで本市の不登校児童生徒数の過去5年間の推移についてお答えください。以上で1問目終わり2問目以降は自席にて行います。
教育長不登校児童生徒数の過去5年間の推移につきましては、令和2年度2719人、3年度3535人、4年度4400人、5年度5177人、6年度5770人となっております。以上でございます。
堀内市議毎年数百名ずつ増えてきており、昨年度は5770人にもなっています。だからこそ不登校について、子どもも保護者も安心できる支援が求められています。そこでまず、子どもへの支援について質していきます。不登校は長い間「子どもの怠け」とか「保護者の育て方の問題」と言われてきましたが、今は大きく変わってきています。そこで教育委員会は、児童生徒の不登校の要因を何と考えているのか、答弁を求めます。
教育長文部科学省による「児童生徒の問題行動不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果におきましては、最も多いのは「学校生活にやる気が出ない」と、次に「生活リズムの不調」、3番目に「不安・抑うつ」となっており、福岡市でも同様に考えております。以上です。
堀内市議子どもの怠けでも、保護者の甘やかしのせいでもありません。不登校の子どもは学校や社会の中で違和感を抱き、傷つき、我慢に我慢を重ねた末に、とうとう登校できなくなります。登校を試みようとすると腹痛や頭痛が出る、顔から表情がなくなるなどの症状が出ます。ある使命感の強い小学生は、毎日休まずに学校で友達と楽しそうに過ごしていましたが、習い事もあり、生活での複雑なストレスが一定期間加わった結果、ある日学校に行こうとしたら金縛りになる身体症状が出て、以来学校に行けなくなりました。世間から見ると「良い子」と思われる子どもが突然不登校になるのが現在の特徴です。不登校になった児童生徒の要因は以前と比べて変わってきており、心に傷を負った状態にある子どもたちに寄り添う姿勢が必要です。そこで、不登校問題を解決するためには、まず子どものせいではないという立場に立つことが必要だと思いますが、答弁を求めます。
教育長文部科学省は、いわゆる教育機会確保法に関する「基本指針」の中で、「不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こりうるもの」と捉えており、福岡市においても、同様に考えております。以上です。
堀内市議子どものせいにしないというのがポイントです。では、不登校児童生徒に学校はどういう関わりをするべきかという問題です。教育委員会は第2次教育振興基本計画で掲げていたものに不登校児童生徒にどれだけ学校へ登校してもらうかという「不登校児童生徒の復帰率」がありますが、第3次計画ではこの記載をやめました。なぜなのか答弁を求めます。
教育長令和元年の文部科学省の通知において「不登校児童生徒への支援は『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」と示されたことを受けて、第3次福岡市教育振興基本計画において、新たな指標を設定したものでございます。以上です。
堀内市議大事なのは学校への復帰ではなく、社会的自立だと本市は判断したということです。一方、国は「不登校対策」としてCOCOLOプランを推進していますが、これは不登校気味の子どもの「早期発見」を強調し、行き渋り傾向の子どもをあの手この手で登校させることに重点が置かれています。そこで教育委員会は、COCOLOプランをどのように評価しておられるのか、ご所見をお伺いいたします。
教育長令和5年3月に示された文部科学省のCOCOLOプランにつきましては、支援が必要な子どもたちが学びにつながれるようにすることを掲げており、福岡市においてもその考えに沿って不登校児童生徒の支援を行っております。以上です。
堀内市議市の計画では学校に戻さなくていいとし、一方、国の学校への復帰を優先させる対策については否定されない。矛盾しています。「NPO法人多様な学びプロジェクト」の当事者ニーズ調査では、「子どもの最も嫌だったこと」は、「学校に行きなさい」「学校に出てきたら」といった「登校強制・登校刺激」です。ところが本市の現場での不登校支援も「学習」への支援が中心です。不登校の児童生徒は、エネルギーや体力を奪われていて、学習に向かう状況にない状態が少なくありません。ある不登校の子どもはテレビを観ることさえできなくなってしまいました。しかし、休養を取ってやっとテレビが観れるようになったといいます。ところが、そのことを聞いた学校が「ドラマの感想を書いて」と促したら、その子は自分の部屋の壁を殴って次々と穴を開けたそうです。休養が必要な子どものわずかな変化を捉えて学習につなげようとしての失敗した例です。お尋ねいたしますが、不登校の児童生徒に対して何かにつけ軽々に学習を打ち出すような対応は逆効果にもなるので、慎重にしなければならないと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
教育長COCOLOプランによりますと「学びたいと思ったときに学べる環境を整える」ことが重要であるとされており、福岡市においても同様と捉えております。以上です。
堀内市議不登校の子どもたちはそれぞれ取り巻く状況やコンディションが違っています。もちろん「学習」に取り組める子どももいるでしょう。しかし、休息が求められる子どももいます。外出するきっかけを求めている子どももいるんです。本市でも5700人もの不登校児童生徒を出していることをみれば、その対応は十分とは言えません。不登校の子どもたちの心を開くために、人や空間など繊細で専門的な対応が必要ですが、今の本市の教育計画や対応では不十分だと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
教育長COCOLOプランに示されている通り、必要な支援は子どもたち一人ひとりの状況によって異なるため、福岡市においても第3次教育振興基本計画に基づき一人ひとりに応じた多様な支援を行ってまいりたいと考えております。以上です。
堀内市議もっときめ細かな対応が必要です。子どもの心の傷への理解と休息・回復を保障する支援を求めておきます。次に、保護者への支援についてです。子どもの休息と回復を支えるには、保護者への支援が必要です。保護者は子どもの不登校に戸惑い、人目を気にして辛い思いをしている方がおられ「育て方に問題があるのでは」と自分を責める方が多くいます。また、子どもを1人にできないために、長時間働くことができず、経済的困難にも直面しています。そこで、このような様々な深刻な困難を抱えている保護者に対して、本市はどのような情報提供を行っているのか、また相談体制もあわせてお尋ねいたします。
教育長保護者に対する情報提供につきましては、児童生徒の状況に応じた福岡市の支援策や相談先をわかりやすく示した「教育相談・学びの相談GUIDE」を作成し、全家庭に配布するとともに、教育委員会のホームページにも掲載しております。また相談体制については、教育カウンセラーによる個別の電話・面接相談の実施、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置による心理的・福祉的な支援の実施等による相談体制を整えているところでございます。以上です。
堀内市議ガイドなどを作っていると言われますが、相談機関を紹介しているにすぎないんですよね。わが子をどう見たらいいのか、どう接したらいいのかと日々悩み、打ちひしがれている保護者にメッセージを届けて、希望をもたらすための安心できる情報提供と相談体制が必要なのです。徳島市では「保護者のための不登校支援リーフレット」を発行しています。そこには、家庭で大切な3つの点として「子どもの気持ちを否定しない」「子どもの目を見て話を聞く」「本人の好きなこと、得意なことから少しずつ」と子どもとの関わり方についてアドバイスをしています。本市もリーフレットを発行していますが、題名は「教育相談・学びの相談」で、中身は学校・学級外での学習機会の情報がほとんどであり不十分です。保護者が安心できる情報提供と相談のあり方について、希望を与え、不安を取り除く相談ができる支援が求められていると思いますが、答弁を求めます。
教育長不登校児童生徒の保護者が悩みを抱えて孤立しないように、適切な情報提供や支援を受けられるようにすることが重要だと考えております。個別の電話・面接相談時の丁寧な対応や、不登校児童生徒の状況や求めに応じた支援策の提供を行っております。以上です。
堀内市議支援の充実を求めておきます。学校との関係の負担を減らすということも保護者への支援となります。保護者は毎朝、子どもの状況を見て、意思を確認して「今日は休みます」と学校に連絡をします。そのたびに「今日もまた子どもは学校に行かなかった」と落胆します。多くの保護者が、この毎朝のルーティンがつらかったと語っています。この学校への連絡を柔軟に対応し、保護者の負担を減らすことが大事だと思いますが、答弁を求めます。
教育長学校への日々の欠席連絡につきましては、児童生徒の安全確認をするとともに、家庭での状況を把握するために、保護者にお願いをしております。なお、家庭の状況によっては個別に対応しているケースもございます。以上です。
堀内市議保護者の負担を減らすための支援を求めておきます。これだけ不登校児童生徒が増え続ける背景には何があるでしょうか。それは学校の過度な競争と管理です。不登校児童生徒の急増は、2012年の学校での競争と管理教育をエスカレートさせた第2次安倍政権とともに始まっています。安倍政権は愛国心教育や教育への権力介入を強めるため、改悪した教育基本法をもとに競争と管理をエスカレートさせました。ではその問題について具体的に見ていきます。第1の問題は忙しすぎる学校を生み出した学習指導要領です。2020年の改定から小学校4年生以上ではほぼ毎日6時間授業となり、多すぎる学習内容をこなすために宿題も増えています。一方休み時間が削られ、給食を食べる時間も、トイレの時間も足りません。さらに遠足などの楽しい行事が減らされました。お尋ねいたしますが、学習指導要領のために学校は忙しすぎて子どもたちを追い詰め、不登校を増やしているのでいるのではありませんか。答弁を求めます。
教育長各学校の年間指導計画につきましては、児童生徒の負担が過重にならないよう学習指導要領に示された。標準授業時数をもとに計画されております。以上です。
堀内市議否定されますが、詰め込み教育で勉強について行けず、学校に行けなくなった子がたくさんいます。本市の昨年度の不登校児童生徒アンケートでも、「自分のペースで登校・勉強できそう」だという理由で不登校特例校に通いたいと意思表示した子どもたちが7割近くもいます。学習指導要領の弾力的な運用を活用し、学校ごとにゆとりあるカリキュラムを組んで、忙しすぎる学校を見直すべきだと思いますが、答弁を求めます。
教育長市立学校におきましては、標準授業時数を踏まえ各学校の実情に応じて教育課程を編成しております。また学びの多様化学校に通う児童生徒や障害のある児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒に対しては、個々の状況に応じて特別な教育課程を編成しております。なお、文部科学省が次期学習指導要領策定に向けた論点整理の中で、事業実施の弾力化の方向を示しており、今後の国の動向を注視してまいります。以上です。
堀内市議子どもに余裕を与えるべきです。不登校と競争・管理教育の関係の第2の問題は、全国学力テストや業者テストです。全国学力テストは、各自治体と学校を点数競争に巻き込んでいます。学校での教育がテストの平均点に一喜一憂するようになり、地方独自の学力テストも広がり、多くの教員が全国学力テストで学校の雰囲気が変わったと訴えています。これは本市でも例外ではありません。不登校問題の解決のためにも、全国学力テストはやめるよう国に求めるとともに、参加をやめ、本市独自の生活習慣学習定着度調査も中止するべきだと思いますが、ご所見を伺います。また、偏差値競争の温床であるフクトを始めとする業者テストは学校現場から一掃するべきではありませんか、答弁を求めます。
教育長全国学力学習状況調査や福岡市独自の生活習慣学習定着度調査につきましては、児童生徒の学力の実態把握と授業改善のために全小中学校の実施を継続してまいりたいと考えております。また業者テストの実施につきましては、生徒の学習の振り返りや取り組みの参考になるものとして今後も各学校において検討し、判断されるものと考えております。以上です。
堀内市議直ちにやめるべきです。不登校と競争・管理教育の関係の第3の問題は、教員の多忙化の問題です。今の学校では、子どもたちだけでなく教員も追い詰められています。教員は子どもたちの身近にいる専門職であり、様々な矛盾を抱えながら、子どもの思いを丸ごと受け止められる最も身近な相談相手です。しかしその役割が果たせなくなっています。そこで教員の多忙化を解消することが、不登校問題の解決に必要ではないかと思いますがご所見を伺います。
教育長不登校につきましてはその要因や背景などは様々であり、個々の児童生徒のニーズを把握しそれに応じた適切な支援を行っているところでございます。なお教員が子どもと向き合う時間を確保するため、これまでも業務の適正化・効率化を進め、教員の負担軽減に取り組んできたところであり、今後とも働き方改革を推進してまいります。以上です。
堀内市議いろいろ言われますが、現場では子どもたちは「先生は忙しそうで話しにくい」といい、教員は「子どもと向き合う時間がない」と訴えていますよ。子どもと教員の温かいふれあいが減れば、学校は楽しくありません。したがって、教員の多忙化の解消のためにも、正規教員の抜本的増員が必要だと思いますが、答弁を求めます。
教育長教員につきましては、多様な専門性を持つ職員の配置に合わせて、これまで増員してきたところであり、引き続き適切に配置してまいります。以上でございます。
堀内市議先生に余裕がないと子どもには向き合えません。正規教員の抜本的増員を強く求めておきます。さらに、不登校支援に専門職や専任として具体的に対応しているスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーと教育相談コーディネーターの役割は重要です。しかし現在、正規職員ではなく、会計年度任用職員として各学校を持ち回りで勤務する状況です。そこでこれらの職員については、全学校に正職員として配置することは不登校対策として欠かせないと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
教育長スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーにつきましては、学校教育法等において正規の職員として規定するとともに、教職員定数として算定し、国庫負担の対象とされるよう国へ要望しております。教育相談コーディネーターにつきましては、正規職員として、夜間中学校である福岡きぼう中を除く全中学校ブロックに配置し、ブロック内の小学校も担当しております。以上です。
堀内市議今の配置の仕方は適切ではなく、全く不十分です。不登校児童生徒が1校あたり約25人いる中で、教育委員会の姿勢が問われます。ここまで不登校について、子どものせいでも、保護者の甘やかしのせいでもないこと、競争や管理に追い立てていることに問題があること、教職員の不足が要因であることについて質してきましたが、教育長の答弁は従来からの立場から抜け出せておりません。児童憲章は「児童は、人として尊ばれる」「社会の一員として重んぜられる」「よい環境の中で育てられる」と宣言しています。しかし社会全体で競争と管理が進み、個人の尊厳が軽視されています。大人は忙しく、子どもと過ごす時間が奪われています。子どもも忙しく、子ども期に欠かせない休息や自由な遊びが奪われています。子どもを人間として大切にする学校にしなければ、不登校問題は解決しません。したがって、不登校児童生徒に寄り添った教育行政を進めるために、今こそ正規教員を増やし、学校や学校外の施設環境を充実させ、子どもも保護者も安心できる支援を行うために、本市の教育予算を抜本的に増額すべきだと思いますが、教育長の答弁を求めて、この質問を終わります。
教育長不登校児童生徒の支援につきましては、様々な事情によって在籍校に通えない子どもたちが新たな環境で安心して学ぶことができるよう、令和7年4月に百道松原中学校を開校いたしました。また、全市7ヶ所の教育支援センターや各中学校内にステップルームを設けるなど、子どもたちの状況に応じ、きめ細かな支援に取り組んでまいりました。今後も必要な予算を確保し、教育環境の充実を図りながら、不登校で悩んでいる子どもたちが、次の一歩を踏み出すことが生み出すことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。以上です。
堀内市議困り果てている不登校の当事者の子ども、そして保護者に寄り添う支援を強く求めておきます。
防災対策抜本見直し
堀内市議質問の第2は、福岡県アセスメントの見直しを受けてやるべき防災対策についてです。10月31日、福岡県は「地震に関する防災アセスメント調査報告書」を14年ぶりに見直し、最大震度7の地震が起こった場合の被害想定を公表しました。それを受けて、本市として「地域防災計画」の何を見直さなければならないか質していきます。まずアセスでは警固活断層帯に加えて、日向峠-小笠木峠断層、宇美断層を追加し、この3つの活断層による地震を想定したものとなっています。それぞれの活断層が起こす地震の規模は、いずれもマグニチュード7を超える巨大地震です。これは2011年東日本大震災、2016年熊本地震、2024年能登半島地震、そういう規模の巨大地震が本市を襲うという想定です。最大震度は市内全域で震度7が想定され、建物被害ではこれまで約4500棟としていた全壊家屋が1万数千棟と3倍化すると記載されています。また人的被害での想定では、死者数はこれまでの約450人とされていたものが、2倍の900人となっています。本市は、この被害想定の大幅な拡大について、どう受け止めているのか、ご所見をお伺いいたします。
市民局長福岡県の「地震に関する防災アセスメント調査」につきましては、最新の知見に基づく調査方法により最大規模の被害を想定するとの考え方のもとに実施をされており、警固断層帯を含む4つの断層で最大地震動は7と予測をされ、被害の範囲や被害想定数を拡大するなど、福岡市に及ぼす影響は大きくなっているものと認識をしております。今回の調査結果については、前回調査とは推計条件が異なるなど単純に比較をすることができないため、増加要因など内容を分析した上で、防災施策全般について対応対策を検討し、進めていく必要があると考えております。以上です。
堀内市議想定が大きく変わっているんだから、急いで対応を見直していくことが求められています。今回のアセスで特に注目すべきことは、避難者数の想定です。想定地震ごとに何になるのか、答弁を求めます。
市民局長最大震度7が見込まれている4つの断層に係る発災当日の避難者数でお答えをしますと、それぞれ最大で警固断層帯が約20万1千人、宇美断層が約23万2千人、日向峠-小笠木峠断層帯が約13万1千人、西山断層帯が約12万人と見込まれております。またこの最大避難者数約23万2千人のうち、避難所への避難者は約13万9千人、在宅や車中泊などの避難所外の避難者は約9万3千人と想定されております。以上です。
堀内市議宇美断層で23万2千人、警固断層帯で20万1千人、日向峠-小笠木峠断層で13万1千人、西山断層で12万人という想定です。では、これまでの想定では市内の最大の避難者数は何人だったのか、答弁を求めます。
市民局長平成23年に福岡県が実施をした前回調査における福岡市の最大避難者数は、警固断層南東部の地震による2万5072人となっております。以上です。
堀内市議これまでの想定は2万5千人。それが今回のアセスの見直しで避難者数は10倍近い規模の想定にいずれもなっています。従来の数とは桁違いに違う避難者数です。このアセスの避難者想定数を正面から受け止めて、地域防災計画を見直す必要があるのではないかと思いますが、答弁を求めます。
市民局長地域防災計画につきましては現在、その実効性を高めるための全面的な見直しを進めているところでありまして、今回の調査結果も踏まえ、ハード・ソフトの両面からの対策を検討の上で計画に反映していくこととしております。以上です。
堀内市議想定に見合う計画を早急に立てなければ、犠牲者が増えることになります。そこで、最大23万2千人の避難者を収容する避難所の設置についてお聞きします。現時点の計画に基づく指定避難所をフル稼働したとして、避難者1人当たりの必要面積でスフィア基準を満たした場合、現在の収容可能人数は何人なのか答弁を求めます。
市民局長指定避難所の収容可能人数につきましては、避難者1人当たりの必要面積を4平方メートルとして算出しますと、学校体育館や公民館など合わせて約10万人となり、これに小中学校の特別教室を加えますと約12万6千人となります。以上です。
堀内市議12万6千人が、避難者23万に対する避難所に入れる人だということですね。これでは10万人を超える市民が避難所に入れず、避難所難民となります。お尋ねいたしますが、避難場所がないという市民を1人も出さないためにどのような計画を立てるのですか、答弁を求めます。
市民局長最大規模として見込まれております避難者が現に発生するなど指定避難所だけでは収容ができないような場合には、他の公共施設や公的施設の他、災害時応援協定に基づき、民間施設等を使用することとしております。今回の調査結果を踏まえ、その拡充も含めて改めて検討してまいりたいと考えております。
堀内市議いろいろ考えるということですけど避難者を詰め込むことの対応では、せっかく助かった命が避難所で亡くなる災害関連死を生み出す原因にもなります。また全ての指定避難所が予定通り使用できるかどうかというのは、その地震後じゃないとわかりません。余裕のある計画が求められます。名古屋市では「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」の地震時の備えとして800ヶ所の避難所で27万人を収容する計画を既に立てています。本市でもあらゆる公的施設や民間施設を避難所として稼働できる体制を抜本的に検討し、想定避難者23万人に対した避難計画を確立すべきだと思いますが、ご所見を伺います。
市民局長避難所の確保につきましては公共公的施設の他、協定に基づく民間施設の活用など、様々な手法により取り組んでいるところですが、今回の調査結果を踏まえ、その拡充も含めて検討を行ってまいります。以上です。
堀内市議避難所は全く数の上でも不十分であり、急いで対応を始めるべきです。次に公的備蓄についてです。現在の計画は2万5千人分の避難者を想定してのものですが、今回のアセスで示された23万人の規模に対する備蓄が求められます。そこで避難者が10倍となる規模の想定に対して、公的備蓄品も10倍の規模で増やさなければならないと思いますが、どのような計画を立てるのか、答弁を求めます。
市民局長想定避難者数につきましては、前回の調査においては全壊家屋の影響による避難所への避難者のみが計上されておりましたが、今回は半壊家屋やライフライン被害による影響、さらには在宅や車中泊などの避難所外の避難者も計上されておりますため、大幅に増加をしているものです。今回の調査とは推計条件が異なるなど、単純に比較をすることができないため、今回の調査結果の詳細を分析した上で公的備蓄のあり方について検討し、必要な対策を進めていきたいと考えております。以上です。
堀内市議今後検討するということですけど、避難者の命に関わる水と食料をはじめとする公的備蓄を避難者想定に見合う数量に早急に備蓄していくことを求めておきます。では、備蓄場所の問題についてです。公的備蓄は博多区の月隈収蔵庫と指定避難所となる各小学校、公民館に配備されています。現在、本市で公的備蓄している27万食の水と食料は、月隈と指定避難所ではどういう割合での配備になっているのか、答弁を求めます。
市民局長飲料水および食料につきましては、現在月隈収蔵庫に約7割、指定避難所等に約3割を備蓄しております。以上です。
堀内市議水も食料も約7割が博多区月隈の収蔵庫に集中しています。避難所に駆け込んだ人が水や食料を口にできるためには、月隈からの輸送を待たなければならないわけです。携帯トイレも93%は月隈収蔵庫にあります。さらには、生活必需品であるトイレットペーパーや生理用品、紙おむつをはじめ、医療品や防災資機材の大半の備蓄品目は100%全て月隈の収蔵庫にある状況です。そこで、月隈収蔵庫のある地域は、今回の県のアセスによって宇美断層による地震での最大震度はいくらと想定されているのか、答弁を求めます。
市民局長月隈収蔵庫の立地場所では、宇美断層による地震により最大で震度7の揺れが予測されております。以上です。
堀内市議震度7の想定です。お尋ねいたしますが、避難生活を支援する生活物資、必需品7割から10割が今まで通り月隈収蔵庫に備蓄していて大丈夫なのか、答弁を求めます。
市民局長公的備蓄につきましては、地域の拠点となる倉庫の確保や各避難所での備蓄の拡充に取り組んでいるところですが、今回の調査結果を踏まえ、分散備蓄を含め、備蓄のあり方についても改めて検討していく必要があると考えております。以上です。
堀内市議月隈収蔵庫で地震が直撃すれば、備蓄そのものが壊滅的な打撃を受けることになります。名古屋市や横浜市をはじめ多くの政令市などでは、各行政区に拠点となる備蓄倉庫を設けて、食料、生活必需品、資機材等を備蓄しています。そこで、本市でも公的備蓄の一極集中的なやり方は直ちに見直して、防災備蓄拠点を各行政区につくる分散備蓄に切り替え、そこから避難所との連絡・運搬体制を計画するべきだと思いますが、答弁を求めます。
市民局長今回の調査結果を踏まえ、分散備蓄や物資輸送を含めた備蓄のあり方についても改めて検討し、必要な対応・対策を進めていきたいと考えております。以上です。
堀内市議一刻も早く分散備蓄に切り替えることを強く求めておきます。今回のアセスで、今までよりも被害想定が大きくなることが明らかになりました。そこで改めて重視すべきは、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児など社会的弱者の避難所となる福祉避難所です。障害者などの中には、急激な環境の変化に対応することが難しく心身に変調をきたす場合や、一般の避難所で過ごすことに困難や不安のある避難行動をためらう人が出てまいります。避難行動要支援者等には、どこに避難すればいいのかが極めて重要な情報であり、それを個別避難計画に盛り込んでおくことが求められます。しかし本市では、個別避難計画の策定において、避難行動要支援者の8割がまだ未定です。さらに一時避難所に一度行った後、福祉避難所に行かなければならないという二段階避難の問題もあります。お尋ねいたしますが、今回のアセスで巨大地震の発生が想定される中、全ての避難行動要支援者の個別避難計画の策定を急ぎ、要支援者が一時避難所を経ずに直接避難できる計画に見直すべきだと思いますが、ご所見を伺います。
福祉局長災害時に高齢者や障害者などの避難が着実に行われることは重要であると認識しております。現在、避難行動要支援者については、一人ひとりの状況やニーズを踏まえた個別避難計画の策定に取り組んでいるところであり、引き続き福祉事業者などとも連携しながら、直接避難に向けた検討についても進めてまいります。以上でございます。
堀内市議国のガイドラインではやりなさいと促しているんですね。ちゃんとやるべきです。さらに、福祉避難所となる施設の方も大変な負担がかかります。要支援者を収容する空間や人員の確保が必要だからです。また物資についても、災害発生直後から搬送することが困難となることが想定されるため、備蓄も行っておられます。しかし、祉避難所で受け入れる要支援者分の公的備蓄は、避難所が賄えという本市のやり方はあまりにも乱暴すぎます。したがって、福祉避難所となる施設については、備蓄も含めて避難者をしっかりと受け入れられる財政的措置をとるべきだと思いますが、答弁を求めます。
福祉局長福祉避難所に関する協定を締結した高齢者施設や障害者施設などに対し、飲料水や食料などの配布、国の交付金などを活用した非常用自家発電設備の整備促進を行っているところです。一般の避難所での生活が困難な方が安心して避難生活を送れるよう、引き続き福祉避難所の拡大を図るとともに、備蓄も含めた受け入れ体制の強化に取り組んでまいります。以上でございます。
堀内市議誰一人取り残されない防災計画を真剣に追求すべきです。ここまで縷々述べてきたように、今回の県のアセスの見直し結果は本市の防災体制の脆弱さを露呈させ、防災計画の大元から見直さなければならないということを示しています。避難所や福祉避難所のあり方を充実させ、公的備蓄の抜本的充実と分散配備をしていくべきであるとただしましたが、局長の答弁は不明瞭なままでした。そもそも本市の計画は、国の支援や民間企業との災害時応援協定を当て込んだものであり、不安は拭えません。先日も青森で大きな地震が起き、被害が拡大しました。災害の備えは待ったなしです。したがって県の防災計画の改定を待つような悠長な態度を改め、早急に今回の県のアセスを反映させた総合的な避難計画を策定することが求められていると思いますが、ご所見をお伺いいたします。あわせて、各避難所で公的備蓄を始め、避難者受け入れ体制がとれる財政的措置を図るべきだと思いますが、最後に市長のご所見をお伺いして、私の質問を終わります。
市長令和6年能登半島地震を初め、近年日本各地で大規模な災害が発生する中、町全体の防災力を高めていくことが大変重要であると考えておりまして、現在、災害対策の実効性をさらに高めるために、避難者への対応を含めた地域防災計画の全面的な見直しに取り組んでいるところでございます。今回、福岡市における地震による新たな被害想定が示されたことから、改めて防災対策全般について全庁的に検討を行い、ハード・ソフトの両面から必要な対策を進めることとしております。今後とも、市民の尊い命と財産を守ることを第一に、災害に強い安全・安心な街づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。