トップ > 議会報告 > 議会での発言と答弁 全文 > 綿貫康代市議の補足質疑 発言と答弁 全文
議会報告「発言と答弁」全文
2026年予算議会
綿貫康代市議の補足質疑 発言と答弁 全文
音声をもとに党市議団が文字起こしし、順番などをわかりやすく組み替えたものです
綿貫市議私は日本共産党市議団を代表して、わが党の堀内徹夫議員の代表質疑のうち、通級指導教室の巡回通級について、外国籍の子どもの保育について、および児童館について補足して質疑を行います。
通級指導教室の巡回通級
綿貫市議まず、通級指導教室についてです。通級指導教室とは、知的発達に遅れはありませんが、自閉スペクトラム症等により、他者との意思疎通や対人関係の形成に困難さがある児童生徒およびかん黙など心理的な要因で社会生活への適応が困難な児童生徒が通常学級に在籍しながら支援を受ける制度です。本市では、小学校27校60学級、中学校10校18学級で、674人の児童生徒が支援を受けています。現在、在籍校に通級指導教室がない児童生徒は、拠点校に通い支援を受けます。新年度からは、従来の拠点校方式に加え、児童生徒のもとへ教員が巡回する「巡回通級」を導入しようとしています。
わが党は教育長に、拙速な実施でなく、現場の声を踏まえ条件整備を行うことを求めたのに対し、「このまま実施することに問題ない」という答弁でした。しかし、現場からは、準備が整っていない中での急な制度変更に対し、多くの不安が出されています。
安心できる環境が保障されるのか(1問目、2問目)
綿貫市議現在行われている拠点校方式では、専用の教室が確保されていると同時に、モニターで子どもの様子が観察できるなど、さまざまな合理的配慮がされており、子どもたちにとって安心で安全な環境が整備されています。しかし、巡回通級が始まるにあたって、これまで拠点校でなかった学校で支援を受ける場面も出てきます。そのため専用教室が確保されていないなど、環境整備の状況が学校ごとに異なるという声を現場の先生から伺っています。
したがって、いまのままでは子どもの安心で安全な環境が保障されないのではないかと思いますがご所見を伺います。
教育長通級指導教室についてお答えいたします。指導を行う教室につきましては、児童生徒と教員が落ち着いて学習できる環境を各学校で確保しております。
綿貫市議子どもたちの学ぶ環境整備は問題ないかのように答弁されましたが、現場の声とはまったく違うものです。私が調査したところでは、教室の確保ができていない場合、放課後児童クラブの部屋の活用も検討しています。しかし、通級指導を受ける児童の教室は、その特性から刺激を少なくし、広さも普通の教室の4分の1の部屋となっています。広くて遊具が置いてある放課後児童クラブでは適正な環境でないことは明らかです。いま、学校現場では情緒学級や日本語教室など用途に合わせた教室の転用も増えています。今回のように教室確保を学校の責任に負わせれば、必要なスペースを削ったり、巡回通級の子どもが肩身の狭い思いをしたりするようなことが起こり得ます。これまで整備されてきた子どもへの合理的配慮ある空間とはかけ離れた環境で支援を受けなければならず、安心安全の保証は保たれないと言わなければなりません。
お尋ねしますが、巡回通級を行うならば、少なくともこれまでのように子どもたちの安心安全を保障する専用の教室の確保を行うべきではありませんか、答弁を求めます。
教育長指導する教室につきましては児童生徒が在籍する慣れ親しんだ学校の特別教室を使用し、安心して学習できる環境を確保してまいります。
支援の質はどうなるのか(1問目、2問目)
綿貫市議現在の拠点校方式では保護者が子どもを送迎します。その際、保護者と教員の双方から、子どもの様子の情報交換を行うことができるとともに、信頼関係が育まれ、支援がスムーズに行えています。しかし、巡回通級では、保護者の送迎はなくなりますので、保護者と教員との関係が希薄になり、重要な情報を共有できなくなることが予想されます。
お尋ねしますが巡回通級になることで、支援の質に影響が出るのではないかと思いますが、答弁を求めます。
教育長指導については、児童生徒が慣れ親しんだ自分の学校で経験のある教員と個別に安心して学ぶことができることから、その指導の効果も高まるものと考えております。
綿貫市議教育の質の問題についても問題ないような答弁でした。制度が大きく変わり、これまでやられていたことがやられなくなるために、子どもへの大きな影響を及ぼします。拠点校方式では、複数の教員が複数の生徒を支援するため、集団体制で支援が行えます。例えば順番を守ることが苦手な子どもに対し、ペア学習といってボール遊びやカードゲームなどを子ども同士で行わせることで、順番を守ることの大切さを学んでもらいます。これらはチームで子どもたちを見る体制の中で積み上げられてきたものです。また、現在保護者は週1回の送迎の際に指導の様子を別の部屋でモニターで観察し、その後、教員との面談を行います。家庭や学校での様子を共有し、保護者の悩みにも寄り添う中で、保護者と教員との信頼も深くなり、家庭での子どもの接し方の支援も行うことができています。しかし、巡回通級になれば親の送迎がなくなりますから、教員と親との関係が希薄になります。信頼関係も築きにくくなると同時に、親は子どもの様子がわからなくなります。
したがって巡回通級に移行する場合でも、これまでの集団指導体制を崩さないようにするとともに、保護者との面談の回数など後退させない工夫が必要ではないかと思いますが、ご所見を伺います。
教育長保護者については、面談や連絡帳の活用などによりこれまでと同様に連携を図ってまいります。また、指導体制についても、児童生徒の実態に応じて適切な指導が行える体制を整えてまいります。
教員の働き方はどうなるのか(1問目、2問目)
綿貫市議次に、通級指導を行う教員の働き方がどう変わるのかについてです。巡回通級の教員は、拠点校に籍を置きつつ、近隣5校を巡回することになります。これまでの配置された学校で1日中勤務するというスタイルから、拠点校だけでなく担当の学校を巡回するというスタイルに変わります。勤務形態が劇的に変わるわけです。また、これまで支援は複数の教員で、複数の児童を見ていた形態から、巡回方式となると1対1の単独対応になるなど、これもまた大きな変化が生じます。
お尋ねしますが、こうした勤務形態の大きな変化は、教員への荷重な負担となり労働環境の悪化につながるのではないかと思いますが、ご所見を伺います。
教育長巡回方式については、児童生徒の学習時間確保や、保護者の移動の負担が軽減されるもので、教員についても可能な限り近隣の学校へ巡回するよう調整し、移動の負担を軽減できるよう努めております。
綿貫市議労働環境が大きく変わることが予測される中、その悪化については深刻にとらえておらず、現場に心を寄せない冷たい態度です。例えば、巡回するためには移動が必要です。教員の自家用車で学校間を巡回させようとしているようですが、自家用車を持っている人に限られる上に、事故のプレッシャーも教員にかかってきます。また、移動時間は勤務時間としてカウントされるのか、移動に時間がかかって休憩が取れないのではないかという懸念もあります。さらに、巡回先で授業準備が可能なスペースはあるのか、各学校で時制が同じではないため、休み時間がとれず給食が食べられないのではないか、などの心配が現場からあがってきています。
お尋ねしますが、制度変更において、労働者として当たり前の環境があまりにも不十分であり、実施にふさわしい環境になっていないと思いますが、答弁を求めます。
教育長巡回方式の実施環境については授業準備のための教室や給食を食べる場所の確保、勤務時間内での移動時間の確保等を、巡回校と連携を図り、適切に整えてまいります。
綿貫市議1対1の個別対応の懸念についてです。ある教員の方の体験です。受け持っている生徒が、実際は叩かれていないのに「先生に叩かれた」と言ってきたそうです。思い込みからこのようなトラブルがあるそうです。保護者もその場にいたので、事実と違うことが共有でき、誤解は生まれませんでした。しかしこれが1対1の個別対応になると、同じことが起きたら、保護者や同僚の教員など第三者がいないために、冤罪を生むことになるのではと、その教員は心配をされています。そうなれば、いわれもない罪で謝らなければならないのではないか。また、密室で1対1になるため、子どもが教員からハラスメントを受けてもわかりにくいという問題もあります。このように、教員・子どもどちらもハラスメントの危険にさらされます。
したがって、巡回通級であっても、複数で対応する体制をとり、孤立化しないようにすることは、教員の安全を守るためにも必要不可欠だと思いますが、ご所見を伺います。
教育長通級指導については、児童生徒一人ひとりの実態に応じて個別に指導することを基本としており、教員の声を聞き指導に不安を感じる場合は研修等を通してその解消に努めてまいります。また巡回校において、担当教員の紹介や授業参観の実施などを行い、巡回校の学校との連携が図られるよう取り組んでまいります。
教育委員会の進め方の問題点(1問目、2問目)
綿貫市議次に、教育委員会の進め方について伺います。通級指導教室を拠点校方式とともに巡回通級をはじめるという方針が示されたのは2024年6月ですが、現場教員への説明は、昨年の11月とのことです。また保護者への説明は、いまだ曖昧なものとなっています。
お尋ねしますが、大きな制度の変更にもかかわらず、教員や保護者への丁寧な説明と合意形成を行わないまま進めることは問題ではないかと考えますが、答弁を求めます。
教育長巡回方式の実施については令和7年10月に各学校長へ、11月に通級指導担当教員に説明しております。保護者へは通級指導校の決定通知が3月になるため、その際に巡回方式についてのお知らせを行うようにしております。
綿貫市議教育委員会は、教員や保護者に丁寧に説明したかのように言われましたが、事実とは違います。教育委員会の説明によると、新年度から継続して通級指導を希望する子どもは、拠点校か巡回通級かを選択することができるそうです。しかし新たに通級指導を受けようとする子どもの保護者への案内には、巡回通級しかないかのように書かれています。初めに巡回で振り分けておいて、後で拠点に変える方が振り分けの手間がかからないからというものでした。そして、拠点を選択できるという説明については校長先生に任せているということです。こんなやり方は、恣意的に巡回を選ばせるものであり、子どもや保護者の思いをまったく考えないものです。
そこでお尋ねしますが、行われていない保護者への説明は、教育委員会の手間を優先し、子どもと保護者の選択の余地を奪うことになっているのではないかと思いますが、ご所見を伺います。
教育長保護者への説明については、通知により拠点校方式と巡回方式をお知らせした上で、いずれかを選択できるようにしております。
綿貫市議教員への説明も不十分です。昨年11月に行われた教員への説明は、教育委員会自らの開催ではなく、障害を持つ子どもたちに関わる先生たちでつくられている福岡市情緒障害教育研究会の求めに応じて開催されたものです。この会は、もともとは現在モデル的に巡回通級を行っている試行校の経験を学ぶ場でした。しかし突然、教育委員会から巡回通級の説明もあわせて行われることになったとのことです。わずか5ヶ月後に巡回通級が一斉実施されるという教育委員会の説明に対して、集まっている先生たちからは様々な質問が出されましたが、教育委員会の担当者は途中で時間だと言って質問を打ち切って帰られたとのことでした。それ以降まともな説明会は開かれておらず、これで説明責任を果たしたとは到底言えません。
したがって、現場の不安に耳を傾けず、準備も不十分な中、巡回通級の実施を急ぐのはやめるべきだと思いますが、答弁を求めます。
教育長巡回方式の実施については、令和7年10月に各学校長へ、11月に通級指導担当教員に説明しております。巡回方式は移動が不要となるため、児童生徒にとってより多くの学習時間を確保できるようになり、保護者にとっては送迎の負担軽減が図られるため、児童生徒の学びや保護者の負担軽減を最優先に考え、全市に拡大してまいります。
拠点校を抜本的に増やす方向へ再検討を(3問目)
綿貫市議通級指導教室の新年度からの巡回通級について伺ってまいりましたけれども、子どもたちの安心安全を確保する専用教室の準備というのは、実際はできていないということだと思います。あなた方が11月28日付に出した「保護者への配布はご遠慮ください」と書かれた説明資料には、「固定の教室を確保していただく必要はありません」とか「相談室やPTA会議室でも可」とか「放課後児童クラブの教室もご検討ください」と書いてあります。専用教室でなくてもいいという姿勢でスタートしようとしています。これは子どもの安全をいままで通り保証したという言えるわけはないと思います。また、これまで培ってきたですね集団体制も投げ捨てて、個別対応だと言われました。そうなれば、教員・子ども双方にとってハラスメントの危険性が生じ、現場での孤立化も解消されません。大きく変わる勤務形態についても、もう事実上現場で丸投げになると思うんですよね。これでは、移動時間を勤務時間とすることや休憩時間の確保、巡回校での環境が保障されるとは思えません。教員と保護者との面談も大丈夫なようにおっしゃられますけど、激減をするんです。それによって連携はとれなくなって、支援の質の低下を招きます。さらに実施を急ぐあまりに保護者へのまともな説明も行われてないんですよね。あまりにも無責任な答弁ですよ。このような問題だらけの状態で、この春から一斉実施とは断じて許されるものではありません。教員の方々は、巡回通級を選択した保護者が、例えば放課後児童クラブの教室で通級指導を受ける様子を知って、教育環境や支援の質の低下を感じて「こんなはずではなかった」と教育委員会に怒りの声を言ってこられるんじゃないかと不安を抱えておられるんです。そしてそのような保護者の不安の矢面に立たされるのも、現場の自分たちだと、予測される事態にやりきれない思いを抱えておられます。何よりこの体制で、制度変更が子どもたちへの合理的配慮の後退になっている。このことに現場の教員は心を痛めています。まともな準備も行わずに進めることは許されません。
したがって、通級指導の新年度からの巡回通級については、拙速なやり方を改め、拠点校を抜本的に増やすよう、再検討を行うべきだと思いますが、教育長の答弁を求めます。
教育長通級指導教室についてお答えいたします。巡回方式につきましては、令和7年度試行的に実施したところ、児童生徒は、より多くの学習時間を確保できるようになり、保護者は送迎の負担軽減が図られることが確認できました。この結果を踏まえ、児童生徒の学習時間の確保や保護者の負担軽減が可能となることから、教員の移動にも配慮しつつ、令和8年度から全市に拡大してまいります。以上でございます。
外国籍の子どもの保育
綿貫市議質問の第2は外国籍の子どもの保育についてです。本市では、外国籍の子どもで保育園に入所している児童は946人で、市内で470園中272園に在籍しています。外国籍の子どもを受け入れる際には、園に負担のない仕組みをつくるべきとのわが党の要求に対し、適切に対応しているかのような答弁をされました。まったく現場を見ていない答弁です。
保育現場の状況は(1問目、2問目)
綿貫市議保育現場では、外国籍の保護者があらゆる相談を持ちかけてくることが多くなっています。その際、意思疎通を図ることに苦慮しているとの声が上がっています。例えば、宗教上の配慮による食事対応など、文化の違いから生じる、個別対応が必要な問題が多々あります。
お尋ねしますが、このような保育現場の状況を、本市は把握されているのか、答弁を求めます。
こども未来局長外国籍の子どもの保育についてお答えします。一部の保育所等では、外国籍の子どもの保護者とのコミュニケーションに工夫が必要なケースや宗教食などの対応が必要なケースがあると承知をしております。
綿貫市議外国籍の子どもを受け入れた保育園の状況について、大変なことはお認めになりましたが、私が聞き取ったところ、保育現場では、園での生活の様子を伝えるために、勤務時間外に時間を取って伝えています。外国籍の保護者には通訳アプリを使っている園は少なくないそうですが、それを使って伝えるための人手が要るのです。また、給食ではヒンズー教食とハラール食に対応している例もあるそうです。昨今アレルギー対応食や離乳食にも対応しなければならず、負担が増しています。さらに、その国の文化や価値観で、着替えや排泄時には「同性の保育士が1人で対応してほしい」「他の人に着替えを見られないようにしてほしい」という要望があり、人手が足りない中で対応に追われている状況があります。いまあげたのは様々ある課題の一例に過ぎません。
お尋ねしますが、このように様々な対応が求められている中、本市としてどのような支援をされているのか、ご所見を伺います。
こども未来局長各保育所等においては外国籍の子どもの保護者とのコミュニケーションにあたって、翻訳機やスマホのアプリを活用するなど、それぞれに工夫しながら対応しているところであり、福岡市としても翻訳に活用するICT機器の導入支援を行っているところです。
また、外国籍の家庭や要支援家庭など日常生活において特別な配慮などが求められる児童および家族に対応するため、一定の要件を満たす保育所に対し、加配保育士の配置に係る助成を行うとともに、通訳者の雇用に活用できる保育支援者の雇用費助成を行っているところでございます。
保護者への情報提供の現状(1問目、2問目)
綿貫市議さらに、保育現場では、子育てに関する情報を認識できていない外国籍の保護者からの相談が日常的にあり、これらも現場の負担になっています。
お尋ねですが、外国籍の保護者への子育て情報について、行政はどのように行っているのか答弁を求めます。
こども未来局長外国籍世帯への子育て等に係る情報提供については、母子手帳や福岡市のホームページである「ふくおかこども情報」の多言語対応、区役所やえがお館、子どもプラザなどの相談窓口への電話通訳の導入、学校の制度や教育内容を外国籍等の未就学児とその保護者にわかりやすく説明する学校ガイダンスの実施などの取り組みを、関係局が連携し、実施をしております。
綿貫市議外国籍の方への子育て情報について、行き届いているかのような答弁でしたが、そうであるならば保育園は困っていません。例えば、就学を控えた年長児に就学前健診のお知らせハガキが届きますが、その時期に旧正月で長く母国に帰省していて、就学前健診を受けていないご家庭があり、他の子どもや親からそのことを聞いた保育園が、そのご家庭のフォローをしたそうです。行政は相談窓口を紹介すると言いますが、よかとピア財団に委託している相談窓口につなぐだけです。利用実績は年間に、団体で54件、個人で13件にすぎません。区役所で相談に乗ってくれるとのことですが、わざわざ足を運ばなければならず、毎日通う保育園に相談することが増え、相談を受ける保育園は大変になっているというのが実態ではないでしょうか。このような脆弱な支援体制を放置していては、ただでさえ保育士不足が深刻な中、保育現場はますます疲弊してしまいます。
したがって、外国籍の子どもを受け入れている保育園に、本来行政が行うべきことができていないため、しわ寄せがいっていないか調査を行うとともに、子育て情報がすべての外国籍の子どもに行き届くような体制を強化すべきと思いますが、ご所見を伺います。
こども未来局長外国籍の子どもがいる世帯への情報提供については、多言語による情報提供に加え、保育支援者の雇用費助成額を引き上げるなど、引き続き、外国籍世帯を含め、必要な方に必要な情報がきちんと届くように努めてまいります。
市長答弁(3問目)
綿貫市議外国籍の子どもの保育の支援についてですが、現場の保育園の負担を軽減するものにはなっていません。いま求められているのは、翻訳アプリの導入支援ではなく、人的支援です。しかし実態は、通訳や保育士を増やせる支援を受けている園、先ほど局長が言われたそういう園はわずか6園です。受け入れを行っている保育園では、外国籍の方々への理解を深めるために、研修にも通っているとのことです。しかし、集団保育と個別対応、現場の人手不足などなど、いくつもの課題の中で疲弊していっているのが現状です。
したがって、外国籍の子どもを受け入れる保育園に対しては、そこに寄り添える保育ができる、具体的には1人入ってきたら1人加配する態勢をとり、その上で受け入れ人数に見合う加配を行うとともに、現場からの悩みに応えられる専門の相談機関を市の責任でつくるべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。
市長誰もが安心して子どもを生み育てられる環境をつくることは大変重要であり、外国籍の子どもを受け入れる保育所等に対して、翻訳に活用するICT機器の導入や、保育支援員等の雇用費助成を行っているところでございます。また、各保育所等からは、保育に関する相談が福岡市に対しても寄せられており、こども未来局において適切に対応しているところでございます。なお、在住外国人からの生活に係る様々な相談については、福岡市外国人総合相談支援センターにおいて一元的に受け付けております。引き続き、すべての子どもが夢を描けるまちを目指して、子どもたちそれぞれの権利や多様性が尊重され、安全で安心して過ごせる環境の整備に取り組んでまいります。
児童館
綿貫市議質問の第3は児童館についてです。ゼロ歳から18歳までの子どもたちが自由に利用でき、専門職員のいる児童館をすべての行政区に計画的に設置すべきというわが党の質問に対し、1館でも十分機能を果たしているかのように答弁されました。居場所を求める多くの子ども達、また長きにわたり児童館を求めている住民の願いとあまりにもかけ離れた答弁です。
子どもの居場所はあるのか(1問目、2問目)
綿貫市議本市では不登校が5700人を超え、過去最多となっており、全国的には子どもの自死が500人を超えています。子ども達の置かれている状況の厳しさの表れです。いま、家庭でも学校でもないサードプレイス「第3の居場所」の重要性が、福祉や教育の分野で高まっています。学校や家庭からの評価から解放される場所であり、孤独の解消の場、一人でいてもいい場、さまざまな世代がいて、話を聞いてくれる大人がいる、さらには深刻な実態をつかみセーフティーネットにつなげる窓口としての期待がされています。
そこでお尋ねしますが、本市には子ども達が自由に行き来できる居場所が不足していると思いますが、ご所見を伺います。
周知の通り本市には、児童館は1館しかありません。中央区のあいくるだけであり、当然ながら、その周辺に住んでいない子どもにとっては、時間や交通費がかかるため利用できない状況を、本市は長年放置しています。
そこでお尋ねですが、児童館が1館しかないために、多くの子どもたちが、児童館を日常的に利用することができないことは問題だと思いますが、答弁を求めます。
こども未来局長児童館についてのご質問にお答えいたします。子どもたちの居場所につきましては、中央児童会館や子どもプラザにおける遊び・交流の場の提供、保育園の園庭開放、子育て交流サロンや公民館の主催事業、小学校における昼間校庭開放、わいわい広場や体験・遊び・居場所づくりモデル事業など、様々な事業を展開しているところでございます。
また、中央児童会館では、館内活動にとどまらず、公民館や体育館等へのアウトリーチ活動を積極的に行っており、子どもたちの発達段階に応じた遊びを提供しております。
綿貫市議子どもたちの居場所は、子どもプラザやわいわい広場、放課後体験事業などでカバーできているかのような答弁でした。しかし、すべて登録制で自由に行ける場所ではありません。さらに中高生は対象外となっています。公民館もいつでも使える施設とはなりえず、子どものサードプレイスと呼ばれる居場所とはなりえません。
したがって、本市が行っている施策では、すべての子どもたちがいつでも使うことができる居場所にはなりえないと思いますが、ご所見を伺います。
こども未来局長国の指針において、「子どもの居場所とは物理的な場だけではなく、遊びや体験活動といった多様な形態を取りうるものである。また、居場所となるかどうかは子ども本人がそこを居場所と感じるかどうかによる」とされており、子どもにとって多様な居場所がある環境が望ましいと考えております。
児童館が1館しかないのは不平等(2問目)
綿貫市議児童館が1館しかないことに対し、問題ないかのような答弁でした。しかし大きな問題があります。児童館が1館しかないということは、公共サービスの公平性が保たれていないということです。あたかも局長は1館しかない本市の児童館を多くの子どもたちが使っているから問題ないかのようにごまかされました。しかし、中央児童会館の利用状況を見ても、2024年度で中央区の利用者が約6万人に対し、東区では約7千人、西区では約5千人と10倍もの開きがあります。明らかに不平等な状態です。本市の第6次こども総合計画の第2章の目標1には「子ども・子育て家庭にやさしいまちづくり」の施策がのっています。そこには「子どもの権利条約の4つの原則」が掲載され、初めに書かれているのは「差別の禁止」です。「すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます」と記されています。本市が掲げる第6次こども総合計画に照らしても、住む行政区によって子どもが受ける公共サービスにこんなに差をつけることは、この「差別の禁止」に反するのではないですか。
したがって児童館が1館しかないという状況は、子どもに不平等な状態を押し付けていると思いますが、答弁を求めます。
こども未来局長福岡市においては、中央児童会館に加え、身近な地域で各種事業を実施することを通して、子どもたちが安心して過ごせる場づくりに取り組んでいるところでございます。今後とも、中央児童会館の事業の他、様々な施策を重層的に組み合わせながら、子どもの遊びや体験の場の確保に努めてまいります。以上でございます。
市長答弁(3問目)
綿貫市議あくまで本市の施策で十分と言われます。そして本市に1館しかないことについても不平等などないと言わんばかりの答弁です。子どもへの権利をないがしろにしています。本市の南区に住んでいる小学校4年生のあるお子さんは、「昨年、あいくるに行って遊んだのが楽しかった。わからないことは近くにいる大人に聞けた。休みの日でギュウギュウだったけど、近くにあったら毎日行きたい」と話しています。この声に見られるように、他の行政区からは遠くて通えない、まさに子どもにとって住んでいる地域で児童館の恩恵が受けられない不平等な状態です。昨年、南地域交流センターに児童館の設置を求める住民の皆さんが、こども家庭庁とオンライン懇談を行っています。こども家庭庁の方は、子どもの居場所がいま重要であり、児童館は子どもに選択肢があり、専門職員がおり、子どもにとって大事な遊びを中心に据えて活動を行っていること。さらに友達と出会え、中高生も利用でき、困ったときに支えてもらうこともできること。親子で過ごせ、障害を持った方や外国人を含めた包摂的な居場所であり、災害時にも対応するという、まさに拠点性、多機能性、地域性を兼ね備えた施設であることが紹介をされ、「福岡市にも2館、3館と増えてほしい」との期待も述べられていました。まさにいま本市で、あいくるのような児童館をせめて行政区に1つ設置することこそが、本市の子どもたちが求める居場所をつくることであり、地域による公共サービスの格差も是正することにつながるのではないでしょうか。
したがって、1つしかない児童館については、あいくると同等の規模や機能を有したものを早急にすべての区に設置するとともに、公用地も活用して、積極的に増やすべきと思いますが、市長の答弁を求めて私の質問を終わります。
市長子どもたちが安心して遊び、そして活動できる居場所があることは、子どもたちの主体性や社会性などを育むために重要であると考えています。福岡市では中央児童会館をはじめ、子どもにとって一番身近な学校施設や公民館、公園など福岡市全体で多様な空間や場所を活用しながら、様々な事業を展開しております。今後とも、すべての子どもが自分らしく健やかに成長できる環境づくりに取り組んでまいります。以上です。
拙速な巡回通級実施の問題点ただし、外国籍の子どもの保育支援強化と児童館増設求める(2026年3月9日 綿貫康代市議の補足質疑)