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議会報告

2018年9月議会

議員提出議案第 3 号

労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶に関する条例案

上記の議案を次のとおり地方自治法第112条及び福岡市議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。


平成30年9月6日

福岡市議会
議長 川上 晋平 様


提出者 福岡市議会議員

堀 内 徹 夫      綿 貫 英 彦      倉 元 達 朗
星 野 美恵子      中 山 郁 美      ひえじま 俊和

理由

この条例案を提出したのは,市民の福祉の増進及び地域経済の健全な発展に寄与するため,労働法令と相まって,市の責務,労働者の使い捨てが疑われる企業に関する調査研究等について定めることにより,労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策を推進する必要があるによる。




労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶に関する条例

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策(第7条―第12条)

第3章 福岡市労働者の使い捨てが疑われる企業根絶審議会(第13条)

附則


第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,近年大きな社会問題となっている労働者の使い捨てが疑われる企業が本市にも多数存在していることが明らかになったことに鑑み,労働法令と相まって,市の責務,労働者の使い捨てが疑われる企業に関する調査研究等について定めることにより,労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策を推進し,もって市民の福祉の増進及び地域経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

 ⑴ 市民 市内に居住し,又は市内で働く者をいう。

 ⑵ 企業 市民を雇用する法人又は個人をいう。

 ⑶ 労働法令 労働基準法(昭和22年法律第49号)その他の労働に関する法令をいう。

 ⑷ 労働者の使い捨てが疑われる企業 労働法令に違反している企業又は不当な長時間労働を強いる企業,業務における不当に過重な負荷若しくは強い心理的負荷を与える企業その他の不適切な労働環境にある企業をいう。

(基本理念)

第3条 労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶は,労働者の使い捨てが疑われる企業における労働環境が,労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことを困難にさせ,ひいては本人はもとよりその遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失である過労死等(過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)第2条に規定する過労死等をいう。)を生じさせるという基本的認識の下に行われなければならない。

2 労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶は,労働者の使い捨てが疑われる企業がその本来負うべき負担を労働者に転嫁して行う商品の販売,役務の提供等が,健全な市場の成長を阻害するという基本的認識の下に行われなければならない。

3 労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶は,労働法令に関する知識の重要性について市民の自覚を促し,これに対する市民の関心と理解を深めつつ,行われなければならない。

4 労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶は,市民に身近な市が,国,県その他の関係する者との緊密な連携協力を図りつつ,行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は,前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策を効果的に推進しなければならない。

2 市は,情報の提供その他の活動を通じて,基本理念に関する市民の関心と理解を深めなければならない。

(企業の役割)

第5条 企業は,労働法令を遵守しなければならない。

2 企業は,基本理念にのっとり,市が実施する労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策に協力するよう努めるものとする。

(労働組合の役割)

第6条 労働組合は,基本理念にのっとり,市が実施する労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策に協力するよう努めるものとする。


第2章 労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策

(調査研究等)

第7条 市長は,労働者の使い捨てが疑われる企業に関する実態の調査,労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶に効果的な対策の研究その他の労働者の使い捨てが疑われる企業に関する調査研究を行うものとする。

(啓発)

第8条 市長は,教育活動,広報活動等を通じて,労働法令に関する知識の重要性について市民の自覚を促し,これに対する市民の関心と理解を深めるよう必要な対策を講ずるものとする。

(相談体制の整備等)

第9条 市長は,個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)第20条第1項の規定に基づき,同法第1条に規定する個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため,市民又は企業に対する情報の提供,相談その他の必要な施策を推進するものとする。

(顕彰)

第10条 市長は,労働環境に関し他の企業の模範となる企業を顕彰するものとする。

2 前項に規定する顕彰は,毎年1回行う。

3 市長は,第1項に規定する顕彰を行うに当たっては,あらかじめ,第13条第1項に規定する福岡市労働者の使い捨てが疑われる企業根絶審議会の意見を聴かなければならない。

4 前2項に定めるもののほか,顕彰に関し必要な事項は,規則で定める。

(関係機関との協力)

第11条 市長は,労働者の使い捨てが疑われる企業に関し,必要があると認めるときは,本市の区域を管轄する労働基準監督署長その他の関係機関の長(次項において「関係機関の長」という。)に対し,情報又は資料を提供することができる。

2 市長は,労働者の使い捨てが疑われる企業に関し,必要があると認めるときは,関係機関の長に対し,情報又は資料の提供その他必要な協力を求めることができる。

(財政上の措置等)

第12条 市長は,労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策を実施するために必要な財政上の措置,体制の整備その他の措置を講じなければならない。


第3章 福岡市労働者の使い捨てが疑われる企業根絶審議会

第13条 この条例の適正な運用を図るため,市長の附属機関として福岡市労働者の使い捨てが疑われる企業根絶審議会(以下この条において「審議会」という。)を置く。

2 審議会は,市長の諮問に応じて,労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶に関する重要事項を調査審議し,及び当該事項に関して市長に建議するものとする。

3 この条例に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。


附 則

この条例は,平成31年4月1日から施行する。


日本初 ブラック企業根絶条例を提案(2018年9月)


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