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議会報告

2021年予算議会

予算議会を終えて

2021年3月29日 日本共産党福岡市議団


コロナ対策最優先の立場から予算の組替え動議を提案

2月17日から始まった福岡市議会が3月26日閉会しました。市民の命と暮らしを守るために、新型コロナウイルス感染症対策を最優先させることが問われた議会となりました。

市長の原案は高齢者施設への社会的検査も月1回程度で、感染を封じ込めるための検査を増やす手立ても取らずに、検査能力を遊ばせたままにしておくものでした。また、コロナのもとで苦しむ地域経済や市民生活への支援は不十分なままで、文化団体への補助金は逆に削減しています。他方でコロナ収束も見通せない中、世界水泳選手権大会の開催に莫大な市費を投じ、当初見込みの3倍にしています。「天神ビッグバン」やウォーターフロント再開発は事業を停止せず、人工島事業にいたっては一切見直しをせず今年度も120億円を投じます。

わが党は代表質疑や総会質疑などで大型開発そのものへの評価を脇に置いて、一旦事業を停止してコロナ対策に予算を回すように提起しましたが、市長が応じなかったため、予算組替え動議を提案しました。しかし、自民党・公明党などが反対(賛成は緑ネットのみ)し否決されたため、わが党は市長の原案に反対しました。


市長提案の予算案の問題点をただす

市長提案の予算案には多くの問題点があり、代表質疑・補足質疑・総会質疑などでただしました。

ジェンダー平等の推進のために、市の意思決定の場への男女同数を提案しました。現在これらへの女性の参加は1割台に低迷していますが、市長は新たに策定する計画案の目標を全く引き上げようとしませんでした。

髙島市政のもとで10年以上も拡大がなく停滞していた35人以下学級は暫定的ながら全学年で実施されることになり、教育委員会は小学5年生以上に拡大する必要性をようやく認めました。しかし、既存の人員の振替えで対応しようとしており、わが党は教員を増やして対応するよう迫りました。また、留守家庭子ども会をこども未来局から教育委員会に所管替えする問題についても、規制緩和による営利企業参入の突破口の危険性があることが浮き彫りになりました。

人権侵害の「ブラック校則」をやめるよう要求しました。髪型や服装の細かい規定についてその必要性の根拠を教育長にただしましたが、教育長は答弁ができなくなり、何の合理性もないことが明白になりました。

障害児・者の分野では、足りない特別支援学校の増設、特別支援学級の教員の配置増とともに、地元の学校に入学したいという子どもの願いに応えて学校にエレベーターの設置を求めました。また、A型障害者就労継続支援事業所への支援を手厚くするよう要求しました。

18歳未満の子どもが介護などの責任を負わされている「ヤングケアラー」問題をわが党として初めて取り上げ、質問しました。独自の実態調査すらしない市の無策ぶりが明らかになり、相談窓口の設置や直接支援などを提案しました。

米軍による福岡空港の土壌汚染について福岡市が費用を負担しているのをやめるよう提起しました。市は米軍が原因だと認めようとせず、空港法にもとづく協議で費用負担を拒む提案をしていないことがわかりました。

国民健康保険料については被保険者がコロナ禍で大きな打撃を受けているにもかかわらず40歳から64歳までに係る「介護分」を約1000円も引き上げます。コロナで生活が苦しくなっている中で、一人当たりの平均保険料は過去最高となることが分科会審査でわかり、わが党は引下げを要求しました。


世論と論戦で市民の切実な願いが実現

新年度予算の中で市民の切実な願いがいくつか実現しました。

高齢者施設や感染流行地域へのPCR検査、緊急事態宣言下で飲食店以外の業種への支援、学生への給付金などが、不十分ですが、一定前進しました。

コロナ禍で苦境に立つ低所得の子育て世帯に対して5万円の特別給付金が支給されることになりました。これは市政でも国政でもわが党が求め、はじめはひとり親世帯だけだったものを運動と世論でふたり親にも拡大させたものです。同時に、支給が6月から始まる世帯もあり、急がせるようわが党は要求しました。また、パソナなど民間企業に丸投げするやり方をやめるよう迫りました。

また、国保料均等割の多子世帯の負担軽減、中学卒業まで通院の医療費の助成、アスベストアナライザーの導入、コロナでの休園による代替保育サポート、ため池係の新設、幼児教育類似施設の利用料補助、南部療育センターの整備着手などが新年度予算に盛り込まれました。

これらは、実現を求めて市民の運動などが広がり、わが党も議会で論戦してきたものです。


国への意見書や福田市議の問責決議を提案

わが党は「生活保護の運用の改善を求める意見書」「癒着構造を断ち切るための違法接待の全容解明を求める意見書」を立案し、市民と野党の共闘をすすめる立場から、市民クラブや緑ネットと共同して提案しましたが、自民・公明などの反対で否決されました。

また、神社への酒奉納で公職選挙法違反の疑いが持たれている自民党新福岡の会長・福田衛市議に対する問責決議をわが党は提案しましたが、緑ネット以外は賛成せず、否決されました。

重大な問題を見逃さず、市民の利益を守って、粘り強く共同を広げます。

*  *  *

小川知事の病気辞職に伴う県知事選挙がたたかわれており、自民党中心の小川県政を継続する流れと対決して、わが党市議団の団長だった星野美恵子さんが出馬し、一騎打ちとなっています。この選挙では、わが党とともに、ふくおか緑の党が公式に星野候補への支持を表明しており、県政史上画期的とも言える共闘の広がりをみせています。「星野知事」の誕生をめざすとともに、地方政治の刷新に引き続き全力をあげます。


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予算案・関連議案についての反対討論(2021年3月26日 山口湧人市議の反対討論)

予算組替え動議の提案理由説明(2021年3月25日 倉元達朗市議)

留守家庭子ども会の所管替え、少人数学級の問題をただす(2021年3月23日 山口湧人市議の総会質疑)

人権侵害の校則をやめよ(2021年3月23日 山口湧人市議の総会質疑)

子ども施設への無料検査を、大型開発見直しコロナ対策優先に(2021年3月22日 中山郁美市議の総会質疑)

米軍による福岡空港の土壌汚染、ヤングケアラー、ジェンダー平等について追及(2021年3月9日 松尾りつ子市議の補足質疑)

特別支援学校の増設、車イスの子にエレベーター、A型就労支援への援助を求める(2021年3月8日 綿貫英彦市議の補足質疑)

2021年度予算議会の代表質問(2021年3月5日 倉元達朗市議)

検査・補償・接種などコロナ対策の充実を(2021年2月17日 堀内徹夫市議の議案質疑)

福田まもる議員に対する問責決議(案)

福田まもる議員に対する問責決議案 提案理由説明(中山郁美市議)


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